人からよくされると申し訳なくなるのはなぜ?|恋愛で“愛される立ち位置”に入れない心理
こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
人から優しくされるほど、なぜか心がザワつく。
「ありがとう」と言いたいのに、先に出てくるのは、
「申し訳ない」
という感覚だったりします。
恋愛や夫婦関係でも同じで、相手が大切にしてくれればしてくれるほど、
- 申し訳なさが出て、素直に受け取れない
- 距離を取ったり、気を遣いすぎたりする
- 「私がもっと頑張らなきゃ」と与える側に戻ってしまう
そんな流れになって、気づくと関係がややこしくなっていくことがあります。
今日はこの「申し訳ない」が起きる仕組みを、恋愛の中の立ち位置という視点から整理してみます。
Index
「申し訳ない」は性格というより“反応”かもしれません
「申し訳ない」と感じるとき、人はついこう考えがちです。
- 私が卑屈だからだ
- 自信がないからだ
- もっと受け取れる人にならなきゃ
もちろん、そういう面もゼロではないかもしれません。
ただ、相談室で見えてくるのは、もう少し違う景色です。
「申し訳ない」は、考えというより“反射”に近い形で出てくることがある。
つまり、頭で納得するより先に、体や心が先に反応してしまう感じです。
たとえば、相手が優しくした瞬間に、
- 胸がザワつく
- 肩が固くなる
- 言葉が出にくくなる
- 早く埋め合わせしたくなる
こんなふうに、先に反応が走ることがあるんですよね。
このタイプの「申し訳ない」は、
「愛される立ち位置に入ろうとすると、落ち着かなくなる反応」
として整理した方が、状況が見えやすくなることがあります。
恋愛で起きやすいパターン:受け取りたいのに、立ち位置を下がってしまう
恋愛での典型的な流れを、ざっくり書くとこうです。
相手が優しくする → 嬉しい(はず) → 申し訳なさが出る → 立ち位置が下がる → 埋め合わせしたくなる
立ち位置が下がる、というのは例えば、
- 「そんなことしなくていいよ」と断ってしまう
- お礼は言うが、どこか硬い
- 相手の期待に応えようとして無理をする
- “平等”に戻そうとして急いで返す
こうなると、関係の立ち位置が固定されやすくなります。
- 相手:与える側(世話する・気を遣う・なだめる)
- 自分:返す側(埋め合わせする・頑張る・役に立つ)
一見、バランスが取れているように見えます。
でも、ここで起きているのは、
“受け取る位置にいないまま、頑張りで均衡を取る”
という形かもしれません。
すると、どこかで息切れします。
そして関係は、
- 「分かり合ってるはずなのに、なぜか距離を感じる」
- 「優しくされても、安心できない」
- 「受け取れない自分にイライラする」
みたいな地点に入りやすくなる。
ここで大事なのは、
“申し訳ない”があるのは、あなたが悪いからとは限らない
というより、
その立ち位置に入ると反応が出るだけ、という可能性がある
という見立てです。
なぜ“愛される立ち位置”に入りにくいのか
ここでいう「愛される立ち位置」は、
相手の好意や親切を、そのまま受け取る位置
のことです。
この位置に入るとき、反応として出やすいのが、
- 罪悪感(負担をかけている感じ)
- 加害感(奪っている感じ)
- 不安(期待したら怖い、いつか失うかも)
- 警戒(甘えたら壊れるかも)
ただし、これは「あなたが本当に奪っている」という話ではありません。
そうではなく、そう感じてしまう反応が先に出る、という話です。
そしてこの反応が強いと、心は安全を取りにいきます。
安全策として選ばれやすいのが、
「受け取らないで、頑張って返す」
なんですよね。
つまり、
受け取ると不安 → 返すと落ち着く
という形で、関係が組み立てられていきます。
この状態では、愛される立ち位置に“入れない”というより、
入ると反応が出るので、出ない位置に戻っている
と言ったほうが近いかもしれません。
よくある背景
「なぜそうなるのか」は、人によって違います。
ただ、このようんご相談でよく見かけるパターンを挙げるなら、たとえばこんな感じです。
1)“もらう=負担をかける”が当たり前だった
子どもの頃から、
- 親が忙しかった
- 頼ると迷惑そうにされた
- 「自分でやりなさい」が基本だった
こういう環境だと、受け取ること自体が落ち着かない、という形になりやすいことがあります。
2)“もらったら返さないといけない”が強く刷り込まれている
好意を受け取った瞬間に、
「同じだけ返さなきゃ」
「返せない自分はダメ」
みたいな反射が走ることがあります。
この場合、恋愛は安心の場というより、常に帳尻合わせの場になりやすい。
3)期待して痛い目を見た経験が残っている
過去の恋愛や人間関係で、
- 期待したら裏切られた
- 甘えたら見捨てられた
- 受け取ったら後で責められた
そういう経験があると、受け取ること自体が危険に感じられることがあります。
いずれにしてもポイントは、
「正しい考え方を採用すれば解決」という話になりにくい
というところです。
反応が先に出るなら、反応に合わせた扱い方が必要になってきます。
どうすればいい?:受け取れない自分を責めない、より先に
ここは、とにかく意識していく順番が大事になりますね。
「受け取れない自分を責めない」
これは確かに大切です。
ただ、それを“正解”として掲げると、
責めてしまう自分をさらに責める
みたいな二重構造が起きることもあります。
なので最初は、
「あ、いま申し訳ないという反応が出たな」
まずこれで十分です。
申し訳なさが出るのは、
愛される立ち位置に入ろうとしたときの反応
として起きているだけかもしれない。
そう捉えられると、自分の扱い方がが変わります。
「自分を申し訳ないと思わないように矯正する」ではなく、
反応が出ても申し訳ないという気持ちの流されすぎない立ち位置を作る
という方向に進めるからです。
その後で、まずはこれだけ。
- 「ありがとう」
- 「嬉しい」
- 「助かった」
こういった言葉を使ってみる。
もし、言い訳や埋め合わせの一言を足したくなったら、
あぁ、申し訳無さの埋め合わせをしてる自分に気づくだけでOKです。
無理に止めるより、気づいておくこと。
少し客観的自分を見つめておくことです。
最後に
人からよくされると申し訳なくなる。
この現象は、道徳心の問題だけではなくて、
恋愛の中で“愛される立ち位置”に入ろうとしたときに起きる反応
として整理した方が、前に進みやすいことがあります。
受け取れないのは、あなたが冷たいからでも、ひねくれているからでもなく、
受け取ろうとした瞬間に反応が出て、いつもの位置に戻っている
だけかもしれません。
だから、やることはシンプルです。
- 申し訳なさを無理やり消すことを考え続けるより
- 申し訳なさが出ても、立ち位置を下げすぎないこと
- 受け取る位置に“少しだけ”滞在する練習をすること
その積み重ねで、関係の立ち位置は少しずつ動きます。
そして、相手との関係が「帳尻合わせ」ではなく、
行ったり来たりできる対等さ
に近づいていくことがありますよ。
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