恋愛の心理学

「恋愛だけうまくいかない理由」は「気づいていない葛藤」にある

「なぜ恋愛だけうまくいかないのでしょうか」というご相談

恋愛だけうまくいかないと悩む女性

例えばこんなケース(架空のケースです)。

仕事もプライベートもそこそこ充実しています。

友達もいますし、今の仕事のポジションにも不満はないし、やりがいを感じられているるんです。

なのに、恋愛となると

すぐ彼と別れてしまったり
既婚者ばかりに言い寄られたり(既婚者ばかり好きになったり)
いつも苦しい恋愛ばかり繰り返してしまったり。

どうしてそんな風になっちゃうんだろう?と考えて、対処しようとしてもまた繰り返してしまうんです。

僕のもとにこのようなご相談をいだだく場合があるとして、ですよ。

多くの方が

  • 「私が相手に合わせすぎちゃっているのでしょうか」
  • 「自分に自信がなくて相手にすがっちゃうからこうなってしまうのでしょうか」
  • 「いつも相手に好かれたいと思って我慢してしまうからでしょうか」
  • 「困った男性を助けたくなって、相手に依存してもらいたくなるからでしょうか」
  • 「私、好きな人の前で素直じゃないからでしょうか・・・」

などなどの、的確な自己分析をお伝えいただくことはとても多いです。

みなさんしっかり自分のことを理解しようと努力されているのですよね。

だからこそ

【なぜ「恋愛がうまく行かない理由」を理解しているのに、最愛の人との関係を持てずにいるのか?】

と悩まれる方もいるようです。

まぁまぁ、この手の疑問って、他人から投げかけられると「うるせー」としか思えないような話でもあり、だからこそ自分自身に投げかけることが辛いわけでして(^^;

そこで今回は「恋愛だけうまくいかない理由」について、葛藤という視点からコラムにまとめたいと思います。

よろしければどうぞ。

「恋愛だけうまくいかない理由」は「気づいていない葛藤」から生じる

さて、先に今日のコラムのポイントを書いてしまいますね。

「恋愛だけうまくいかない理由」は「気づいていない葛藤」から生じていることが多いのです。

ここでの「気づいていない葛藤」

つまり、自分自身が葛藤していることに気づいていないことが

「幸せな恋愛を選べない理由そのもの」となることがあるわけです。

いや、禅問答みたいな、これだけでは訳の分からん話になってきましたねぇ(^^;

なので、もう少し詳しく解説していきますね。

葛藤についての解説

まず、葛藤について簡単に解説しますと、ですね。

「葛藤(コンフリクトとも呼びます)」とは

自分自身が「同程度の強さ」の欲求を持っていて、その両方を選ぶことができない状況だからこそ、悩み続けてしまう状態(行動が決定できない状態)

のことを言います。

つまり

幸せな恋愛がしたい、と思ったときに

その内面で「幸せな恋愛以外に実現させておきたい何か(欲求)が同程度ある」場合に

その両方を選ぶことができないからこそ、悩んだり、「幸せな恋愛」を選ぶことができずにいる、という考え方です。

分かりやすい例で言えば

「彼のことは好きで一緒にいたい」けれど、「私には追いかけてきた夢があって、それを実現するためには、彼と別れなきゃいけない」みたいな話です。

だから、本当は彼と一緒にいたいけど別れるしかない、という結論が出る、みたいなね。

※もう少し詳しい「葛藤」についての解説は、つぎのコラムにありますので、よろしければ参考になさってくださいませ。

葛藤(コンフリクト)についての解説葛藤(コンフリクト)について解説します。 みなさんは「葛藤」という言葉を耳にしたことはないでしょうか。 「あーもう迷うわ。悩むし...

ポイントは「自覚できない葛藤」という部分

さて、「恋愛だけうまくいかない」というお悩みを紐解くポイントは

「その葛藤(状態)をなかなか自覚できない」

という部分にあります。

例えば

「恋愛が怖い、でも恋がしたい」

と感じている人がいるとしたら、まぁ葛藤していることに気づきやすいのです。(「何故恋愛が怖いと感じるのか」の理由は別なのですけども)

一方、自分自身でも、「葛藤する理由がない」と思っているならば

意識上では「恋愛がうまくいかなくなる理由はない・選ばない理由はない」となるわけです。

だからこそ、「なぜだ!なぜなんだ!」と考え込んでしまう、なんてことも大いに有り得る話でしてね。

ちなみに、このような気づいていない葛藤が存在する時ほど

幸せな恋愛を「選べなくなる」わけですから

その結果「無理が募る恋愛」「無理っぽい恋愛」「既婚者など先のない人を好きになる」などなどの現実がフィットする、という考え方ができるのですね。

もちろんそれがいいかどうかは別の話なのですけど。

恋愛だけうまくいかない人が抱えがちな「もう一つの想い」に注目する

さて、恋愛だけうまくいかないというご相談を伺うとき

「あなたが抱えている「もう一つの想い」に注目してみません?」

なんてご提案をさせていただくことがあります。

つまり

「この方にとって、幸せな恋愛と同じぐらい大切にしたい何か、もしくは、未だ縛られ続けている義務感やルールがあるとしたら、それってなんだろうな」

なんてことを僕は考えていることがあるよ、って話なんですけどね。

うーん、なんだか完全にネタバレになっちゃったんですが(^^;、まぁそういうことなんです。

この視点から見出されるものは、常にネガティヴなものだとは限りません。

実はその方が、昔から大切にしてきた気持ちであったり。

今の自分の心の支え、アイデンティティを支えるものがあり、それが恋愛だけうまくいかない理由を作り上げている場合もあり得るのです。

「もう一つの想い」の具体例

例えば、の話です。

めちゃくちゃ家族思いで、両親のことを尊敬している人がいたとしましょう。

仮に、その方に対して

「この世で最も私に愛情を注いでくれた人はだぁれ?」と質問するとしたら

「父と母です」

なんて、もう僕が親だったら確実に号泣するだろう答えを伝えてくださる場合がありますよ。

そして、それは素晴らしいことだと僕も思うのです。

ただ、これこそが「自覚できない葛藤を生む」ってご理解いただけるでしょうか。

多くの方が「両親こそ私を最も愛してくれた人」と思うその方の気持ちを否定できないでしょうし、なんて素晴らしい人なんだと思うかもしれない。

ただ、もし「私に愛情を注いでくれた人ランキング」の

1位が「ご両親」ならば

おそらくパートナーは「2位まで」にしかなれないんです。

今のパートナーのことがめっちゃ好きで、もう一つになりたいと思えるぐらい惚れていても

「最も私を愛してくれた人」が両親であり、その思いが強いならば

パートナーを「最も私を愛してくれる人」にすることは、両親に対して申し訳ない気がしちゃう人もいるのです。

ただ、こうなると「パートナーにも申し訳なくなっちゃう」のです。

パートナーのことがどんなに好きでも、どんなに愛されても

「あんたは2番にしかなれへんで、ゴメンやけど」

としか扱えないわけですからね。

ここが葛藤なんですよね。

この状態は苦しいので、結果的に

「私をとても愛してくれる、私も心から愛したいと思えるパートナーを選ばない」

という行動に出ることがあるんです。

もちろん意識的にではなく、半ば無意識的に、ですよ。

恋愛だけうまくいかない理由は、ネガティブな理由とは限らない

ここでご紹介した事例以外にも、気づけない葛藤を抱え、恋愛だけうまくいかなくなるケースはたくさんあります。

例えば

パートナーのことが大切すぎて、ビタ一文傷つけたくないと思う反面、パートナーを傷つけてしまいそうな自分が怖くて、大好きな人を選べない

なんてケースもそれにあたります。

つまり、

「恋愛だけうまくいかない理由は、ネガティブな理由から生じているとは限らない」。

それが僕の見解です。

よって、僕は

「そりゃしゃーない、かもですね・・・」

と絞り出すしかないことも多々ありますよ。

ただ、その気づいていない葛藤に気付けるならば、次に進むための学びを得ることもできるわけです。

先の例で言えば

「ご両親に感謝されることは素晴らしいことです。だとしたら、あなたが大人としてご両親と向き合い、ご両親のようなパートナーシップを築くこともまた、ご両親への愛情だと思いません?」

なんて話につなげることもできるのです。

が、葛藤に気づいていないと、理由がわからないまま、うまくいかない恋愛を重ねることにもなりかねない、というわけです。

なので、もし恋愛だけうまくいかない、とお感じの方がいるとしたら

「もしかすると、幸せな恋愛ができないのではなく、幸せな恋愛を選んだら別の大切なものを失うと感じているのかも?」

そんな視点でご自分を見つめてみてもいいかもしれませんね。

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