すれ違う夫婦の心理

抱え込む男性は、なぜ人の好意を受け取らないのか ──「迷惑をかけたくない」が強すぎるときの心理

抱え込む男性

こんにちは。

心理カウンセラーの浅野寿和です。

恋愛やご夫婦のご相談の中で、こんなお話を伺うことがあります。

「彼って、全然喜ばないんです」
「何をしても、一人で抱え込んでしまって」
「支えたいのに、距離を取られている気がする」

相手のことを思って関わっているのに、
なぜかこちらの好意や気遣いが、うまく届かない。

今日は、そんな「抱え込むタイプの男性が、人の好意を受け取らなくなる心理」について、
少し整理してみたいと思います。


抱え込む男性は「強いから」人の好意を受け取らないわけではない

まず前提として。

何でも一人で抱え込む男性を見ると、

「自立心が強い」「弱みを見せない」「プライドが高い」

そんな印象を持たれることが多いかもしれません。

もちろん、そうした側面が全くないとは言いません。

ただ、実際にお話を伺っていると、

それよりも、もっと別の感覚が強く働いていることが多いように感じます。

それが、

「人に迷惑をかけてはいけない」
「弱みを見せるのは良くないことだ」

という感覚です。

このタイプの男性は、

「人に頼らないただの冷たい人」とは限りません。

むしろ逆で、

「人に負担をかけてしまう自分」が、どうしても許せない

つまり、そんな自分が受け入れられないでいて、苦しんでいるわけです。

そんな思いを抱えている場合が少なくないのです。

分かっているんですよ。

プライドを捨てて、相手の手を握れば楽になれることがある、と。

でも、その手を握ることは、その男性の中での敗北を意味する。

何に敗北するか、というと、

「自分で決めたポリシー」であり、

「誰にも負担をかけずに生きる」という過去の自分が決めた目的に対して、です。

・・・ふん、そんな目的、私がぶっ壊してあげるわ。

そんな豪気な女性の皆様の愛は素晴らしい。

ですが、それができたら悩んでいない、がこの手の男性の本音でしょうね。


「弱みを見せる=迷惑」という思い込み

少し視点を変えてみましょう。

もし、身近な人が困っていたり、落ち込んでいたら、
「力になりたいな」「何かできることはないかな」
そう思うことってありませんか?

多くの場合、私たちは
相手の弱さを見たからこそ、自然に手を差し伸べようとするものです。

つまり本来、弱みというのは

人の好意や支えが向かう“入口”

でもあるわけですね。

ところが、抱え込むタイプの男性は、

この構造を自分に対してだけ適用できなくなっていることがあります。

  • 他人の弱さ → 助けたい
  • 自分の弱さ → 迷惑・罪

まるで”逆ジャイアン”のような構図なんです。

いわば、自分だけに厳しいルールが課されているような状態です。

だからこそ、好意や支援を向けられるほど、心の中ではブレーキが強くかかってしまう。

「受け取ったら、相手に負担をかけてしまう」
「申し訳なさが増えるだけだ」

そんな感覚が先に立ってしまうのかもしれませんね。


なぜ好意から距離を取るようになるのか

このタイプの男性が、人の好意を向けられたときに起こりやすい反応は、

  • そっと距離を取る
  • 「大丈夫」と言って話を終わらせる
  • 一人で解決しようとする
  • 関係そのものを縮めようとする

一見すると冷たく見えるかもしれません。

でも内側では、

「これ以上、迷惑をかけないためには、離れるしかない」

そんな選択が起きている可能性もあります。

つまり、
好意を拒んでいるというより、
罪悪感がこれ以上膨らまないように距離を取っている

そう考えると、少し見え方が変わってくるかもしれません。

そもそも、抱え込みが強い人や、罪悪感が強い人ほど

(女性の場合なら、無価値感やうまく愛せない思いを抱く人)

「離れたほうがいい」

と感じやすいんです。

それが今できる最善、と感じるから。

その想いはきっと、相手に向けられた優しさなんでしょう。

ただ、関わらない、という行動は、優しさとイコールじゃない。

ここが、考えどころというか、お互いの価値観がぶつかってしまうポイントなんでしょうね。


関わる側が、疲れ切ってしまう理由

このタイプの男性と関わっている女性からは、

「どれだけ支えても、届いていない気がする」
「私の存在って、意味あるのかな」

そんな言葉を伺うことも少なくありません。

それも無理のないことだと思います。

好意を向けても受け取ってもらえない関係は、

関わる側の心を静かにすり減らしていくからです。

ここで大切なのは、

彼が受け取らない理由と、あなたが感じているつらさは

出どころは同じだけど、扱い方は全く違うもの

という視点です。

彼が抱え込むのは、彼の内側の事情。

あなたが傷つくのは、あなた自身のケアが必要、ということ。

これを混同すると、

愛深き忍耐女子の皆さまほど

「私が足りないから」「もっと頑張らなきゃ」

そんな方向に引きずられてしまいやすくなります。


抱え込む男性と向き合うときのヒント

では、どう関わればいいのでしょうか。

一つ言えるのは、

無理に受け取らせようとしないこと

です。

「どうして分かってくれないの?」
「私の気持ちも考えて」

その気持ちは自然ですが、

彼にとっては“罪悪感を突きつけられる感覚”になってしまうこともあります。

また、逆説的なのですが

「抱え込むこと」に役割意識や自分の立ち位置を置いている人ほど

「ここから降りるわけにはいかない」と感じるので

心配されたり、不安そうな顔をされるだけで、ダメージを受けてしまうのです。

そして、勝手にこう総括される。

「抱えきれない俺が悪いんだよな・・・すまない」

・・・話、ちゃんと聞いてる?って思う瞬間ですよね。

なので、関わる際に大切なことは、

  • こちらが自分の好意の価値を下げないこと
  • 受け取られなくても、自分を否定しないこと
  • 相手の背景に何かまだ表面化していない事情がある可能性も理解しておくこと

そして可能であれば、

相手が与えてくれているものを、こちらが受け取る

ことです。

無言の配慮、距離を保つ優しさ、不器用な形の思いやり。

それに気づいて、

「ありがとう」と受け取る姿勢を見せることで、

関係の空気が少し変わることもあります。


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まとめ|受け取らないのではなく、受け取れなくなっている

抱え込む男性は、

人の好意を拒んでいるのではなく、

「迷惑をかけたくない」という思いに縛られている

そんな状態なのかもしれません。

  • 弱みを見せること=悪いこと
  • 人に頼ること=迷惑
  • 受け取ること=罪

こうした感覚が強いほど、愛情や支えは届きにくくなります。

だからといって、関わる側が我慢し続ける必要はありません。

理解と距離、その両方を持ちながら、

自分の心を守る視点も忘れないでくださいね。

今日の話が、関係を見つめ直すヒントになれば幸いです。

ABOUT ME
浅野寿和 | 心理カウンセラー/トレーナー
恋愛・夫婦・仕事・生き方の中で、「ちゃんとやってきたのに、どこか噛み合わない」そんな感覚を抱えやすい人のご相談を多くお受けしています。 正しさや結論だけを急がず、今どこに立っているのかを一緒に整理する個人セッション(カウンセリング)が人気。 キャリア16年・臨床実績10,000件/東京・名古屋・オンライン対応。リピーターさまが多いカウンセラー。口癖は「どんなことにも事情があるよね」。
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