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何事も「自分のせいだ」と自分を責める人たち
なんて自分はダメな人間なんだろう、全部自分のせいだと思い、すごく落ち込みます・・・。
ただそれ、もしかすると「自分を責めすぎている」のかもしれません。
あなたは「自分が頑張らなければ」「自分がやらなくては」といった、強い責任感を感じやすいタイプでしょうか。
仕事で、恋愛で、家族関係の中で、なかなか人に頼ることをためらい、犠牲してでも自分で何とかやり抜こうとするタイプでしょうか。
人に物事を頼まれると「必要とされて嬉しい」と感じて、なかなか断れないタイプでしょうか。
実はこのような反応を見せている方ほど、物事の原因を「自分のせいだ」と感じやすい傾向があるようです。
それゆえに悪い出来事、失敗などを経験するたびにひどく落ち込み、自分を強く責めてしまうことがあるんですね。
そこで今回は、何事も「自分のせいだ」と自分を責める人の心理と改善方法についてコラムにしてみます。
よろしければどうぞ。
「自分のせいだ」と自分を責める人ほど「自力解決を当たり前」にしている
実は、何事も「自分のせいだ」と自分を責める人たちには一つの特徴があります。
『何事も「自力解決」を当たり前にしている』
よって、「何かができない」ということで激しく自分を責めることがある、と言えます。
物事を自力でこなす能力を身につけることが悪いなんてことはありえないのでしょうが
発想として「自力解決しなければ」と考えすぎてしまう人がいます。
それゆえに「自力解決できないような物事」と出会ったときに自分を強く責めてしまうことがあるのです。
ただし、自力解決を当たり前のする動機は様々
ただし、「自力解決を当たり前にしている人」の行動動機自体は様々。
ぶっちゃけ、自分を責めている人ばかりではありません。
例えば
- 「自分を過信しているタイプ」
→(結果的に他人に尻拭いしてもらうだか気づいていない) - 「自分を罰するがごとく責任感を強めているタイプ」
→(責任という概念を使って自分を責めている) - 「誰かに必要とされたいという欲求が強いタイプ」
→(寂しさ、孤独感などを感じやすく、他者からの承認欲求もある) - 「成し遂げたい夢や目的がある」
→(自分の人生を切り開こうとがんばっている)
など、この他にも様々な理由で「自力解決しなければ」と意識される場合があるわけです。
ただ、とりわけ②と③の場合、「自分のせいだ」と自分を責める意味で追い込む人になりやすいと考えられそうなのです。
「自分のせいだ」と自分を責める人の心理的背景
なお、自分を責める人の心理的背景(生育環境や親子関係など)を見つめていくと
例えば
親に厳しく育てられた、承認や愛着が不足していた、欲求を十分に満たしてこなかった、両親の関係があまり良くなかった、など
十分に人に頼れず、子供時代から自力解決思考を強めているようなケースも存在します。
とはいえ、子供であった頃の私達が何事も自力解決できるとは限らず、むしろ自力では解決できないことも多いわけです。
すると、今度は「自分は何もできないんだ」という劣等感や無力感を強めてしまうこともあるでしょう。
それゆえに大人になっても「何もできない自分」への否定として、「何事も自力解決できなければならない」と考えるようになる人もいます。
つまり、この場合の自力解決は
「自信を深める」「能力を高めて社会に貢献する」といった意味合いではなく
「既に失ってしまった自分の存在理由や価値を手に入れるための手段」となっている
そんな可能性がある、というわけです。
https://www.asanohisao.jp/archives/2404902.html
だからこそ、何事も自力解決にこだわり、できない自分を激しく責めるわけですが
この「自分を責める意識」は、「本当の意味で自分はダメな存在だ」という無力感、罪悪感、無価値感などの「感情を中和させる作用」としての意味を持つことがあります。
要は自分を責めているときだけ
「自分は終わった・・・」と感じなくて済むこともある
というわけです。
自分を責める人はプライドが高いの?
ちなみに、このような方を他者の視点で見ると
「一つの失敗で自分が終わるわけでもないのに、そこまで自分を責めるなんて、どこか自分を過信していたり、プライドが高いだけじゃないの?」
なんて風に見えることもあるのでしょう。
ただ、当の本人はその逆
「そもそもプライドも自分の価値もない」
と感じている場合も多いのです。
これはとても辛い状態と言えるでしょう。
自分を責めることは怒りの一形態である
さて、この自分を責めるということに関しての意味を考えてみたいと思います。
そもそも自分を責めることは「怒りの表現の一形態だ」と考えることができます。
要は、自分に、もしくは他者、過去の出来事や出会った人に対して怒りを感じている可能性があるのです。
ときにはその怒りを抱えたままで、未消化となっている場合もあります。
僕たちは人ですから、そりゃ嫌なことがあれば怒りを感じますし、自分にがっかりすれば自分に対して怒りを感じることもあるのです。
が、何らかの理由で「人を責めない」「人と争いたくない」という気持ちが強い方は
怒りを外に向けることができず、自分に向けるしかなくなります。
つまり、失敗や嫌な出来事など、自分自身が怒りを感じるような出来事と出会うたびに
自分に怒りを向け、自分を責める羽目になる。
そんな状態にある方もいらっしゃるということなのです。
まぁこの状態になるならば、まぁうんざりしちゃいますよね、生きる事自体が。
そんなとき「あなたって怒らない優しい人ね」と言われたら、まぁ気持ちの面で詰んじゃいますわなぁ・・・。
それが理由で離職したり、好きな人と別れることになる方もいるんじゃないでしょうか。
「自分のせいだ」と自分を責める。その改善方法のご紹介
【改善方法1】いつも優れた人・いい人であろうとすることを見つめ直す
自分自身がいつも優れた人・いつもいい人であろうとするならば
その目的を見つめ直してみましょう。
自分を責めることをやめるためには、ある意味自分に「目的なき無茶」を強いないことも大切なことです。
ただ、自分を責める人の中には
「これ以上自分の意味や価値を失えない」
と感じている方もいるのです。
そのようなタイプの方に
「みんなに好かれることなんてありえないし、いつもいい人でいないほうがいい」
そうお伝えしても、まぁなかなか難しく感じる方もいるだろうと思うのです。
もちろん、誰からも好かれるため、いつもいい人でいるため、といった目的は「自分の目的ではなく、人の目を気にした目的」ですから、やはり書き換えたほうが楽になります。
が、自分に意味や価値がないと思うに至った事情は丁寧に理解されるべきことだと僕は思うのです。
この場合は、急がば回れ。
先に、自分の価値や意味を感じられるように、以下のようなことを意識してみることがおすすめです。
【改善方法2】自分の強み、長所を意識して見つめる
自分の強みや長所は理解して意識しておくことがおすすめです。
自己分析に取り組んで見る。
自分の長所や強みをノートやスマホに書き出していつも眺めるようにする。
信頼できる人に長所や強みを一緒に考えてもらう(カウンセラーでもOK)。
などなど、自分の強み、長所を意識して見つめるようにしてみてください。
【改善方法3】リラックスする時間をたくさん作る
一言で言えば、ちゃんと自分を休ませる時間を作りましょう、ということです。
休むことは悪いことではありませんが、自分を責めている人ほど「休むことで自分がもっと悪くなる」と感じています。
これは明らかな誤解です。
きちんと必要な休みを取る程度では、自分の能力も価値は変わりません。
休むことで罪悪感を感じてしまい、自分の価値が変わった気がするだけです。
効率や質の高い仕事を実現するために、幸せを実感するためにはリラックスや休息は必要です。
【改善方法4】何に怒りを感じているかに注目して解放する
自分を責めている人のすべてがそうだとは言いませんが、多くの方が「何かしらの怒りを抱えている」と言えます。
その怒りが自分に向き続けいるから苦しいのです。
つまり、自分が何に怒りを感じているのかを理解し、その怒りを解放し手放すことができると、自分を責めることも少なくなる可能性があるのです。
ただし、ここでの怒りの解放は単に怒りを他人にぶつける、ということではありません。
むしろそれは罪悪感を強化する意味で避けるほうが良いことです。
僕たちが持つ本当の怒りの意味は
「大切な人を愛せなかった、喜ばせられなかった」という
ひどい悲しみを感じないための感情の蓋。
もし、自分には価値がない、意味がないと思うなら。
それは大切な誰かとの関係で、自分には何かができなかったと感じているからこそ生じると思いませんか?
そんな自分に自分ががっかりしているから、自分をボコボコにするのです。
だとしたら、感情レベルでの癒やしの道は
その自分の悲しみを少しづつ引き受けながら
「自分が本当に成し遂げたかったこと」に気づいて、少しづつその目的を実現することなのです。
それができたら自分を責めることが格段に少なくなります。
今の自分に実現不可能なことがあったとしても
「どうしたら自分の目的を実現できるだろう」と考える自分になれるのです。
最後に「自分のせいだ」と自分を責める人に送りたい言葉
最後に、僕から自分を責めてしまう人に贈りたい言葉があります。
それは・・・
普段、他人を責めることはないのに自分ばかり責めているなら、誰も責めない自分を目指しましょう。
自分や他人を責めれば、そこには「悪人」ができるのです。
だから、自分も他人も誰も責めない、無害者であることを目指してください。
そのために、あなたがどうしてそこまで自分を責めるのか、その理由や感情を解きほぐし、自分を解放していくことをオススメします。
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