恋愛の心理学

「好きになれる人がいない」という気持ちと「癒着」の関係性

「好きになれる人がいない」とき、本当に「人と距離がありすぎる」のだろうか

好きになれる人がいないと悩む女性

「好きになれる人がいない・できない」
「恋愛を遠ざけたいわけじゃないけど、なかなかいい人が見つからない」
「いいなと思える人がいても、あまり関わりたくないと思っちゃう」

もし、そんな状況があるとしたら、多くの人が「人と距離を取りすぎているからじゃない?」とお考えになるのではないでしょうか。

好きな人と近づくことが怖い。
隠している自分がバレたら怖い。
とにかく嫌われることが怖い。

そんな風に感じて、つい人と距離を取ってしまう事も実際にありえることなんでしょうね。

が、このようなお話を伺うと僕はこう考えることもあるのです。

「現実として異性との距離を取っていることは間違いない。

でも心は真逆で、実は好きな人と近い距離を作りすぎているから

好きな人ができなかったり、好きな人と距離を取りすぎるのではないか?」

ほー、また浅野は訳のわからないことを言い出したな、と思われても仕方がない話なのですが(^^;

しかし実際のカウンセリングでは、結構重要な見立てだったりするのです。

そもそも他人との心の距離が近いから、相手の感情や言動の影響を受けすぎてしまう。

だから、普段は距離を取らざるをえなくなっている、とね。

今日はそんな心の距離の話をコラムにします。

よろしければどうぞ。

「好きになれる人がいない」とき、かなり近い距離で人と関わろうとしているかもしれない

「好きになれる人ができない」「いいなと思う人がいても近づく気にならない」

そんな状態にある方の中には、

「自分を知られたくない」「嫌われたくない」

そんな気持ちを抱えておられる方も少なくないんですよね。

が、実際カウンセリングなどでお話をじっくり伺うと、実は

「そもそも人と近い距離で関わろうとしている」

という心理的背景が見えてきたりもするのです。

僕たちの世界では「癒着」と呼ばれる状態がその一つにあたります。

つまり、そもそも人と関わる距離が近すぎるので

人一倍「自分を知られたくない」「嫌われたくない」といった怖れが(自意識が生み出す怖れ)が強くなる

そんなウンザリした気持ちを抱えやすい状態になっているのかもしれません。

もちろん「好きになれる人がいない」というお悩みの原因が全てこれ、とは言い切れないのですが、しかし意外と多いケースだと僕は考えているんです。

具体例

これは架空の話と思って読んでくださいね。

F子さん(30代・独身)は、ここ1年ほど、いいなと思える男性がいないことで悩んでおられました。

以前は好きになれる人がいたし、実際に恋愛関係にあった男性も何人かいたのです。

が、最近はたとえ「気になるな」と思う男性がいても、「でもいいか」と諦めてしまうことが増えたそう。

周囲の友達は結婚が決まり、中にはお子さんもいるお友達も。

しかし、なかなか結婚できる気配すら感じない現状に焦りを抱えておられたのです。

ただ、F子さんはカウンセリングの中でこんな話もしてくださったのです。

「最近は、同僚や友達に男性を紹介するよ、と言われても気乗りしないというか、断ってしまうんです。自分でも矛盾しているなと思うけど、でもつい・・・。」

じっくりお話を伺う中で、F子さんの中にある、人に対する気疲れ感のようなものが強くなっている様子。

「随分お疲れのようですね。人と関わることが辛いとかなかったですか?」となんとなく伺うと

「そうかもしれません、昔からずっとこんな感じなので慣れてますけど」とおっしゃるF子さん。

その雰囲気から「もう誰とも関わりたくないかも」といった感じが伝わってくるようでした。

具体例に関する考察

これはあくまで一つの例え話なんですけどね。

このようなケースって、やはり「対人関係における癒着」について検討する場合が少なくないんですよね。

そもそも癒着とは、相手(他人)と関わる際に、自分の感情のスイッチを相手も持っている状態、と例えることができます。

つまり、人と関わるときに、自分の感情のスイッチ(あらゆる感情のオンオフ)を相手が持っているなら、そりゃ気を使うし、相手に合わせなきゃと思いますよね。

そうじゃないと自分の感情が揺さぶられるから、です。

なので、比較的関わり合いが多くなる人(同僚、上司、家族、親、恋人やパートナー、恋人候補)との間で

「超絶相手の言動や気持ちに気を使いまくる」

という状態が続いても不思議ではない、といえます。

これが

「なんかいつも気疲れしている」
「なんだか人と関わることにウンザリしやすい」

という理由になっていることも実際にはあるわけですよね。

つまり、「好きになれる人がいない」のも、「友達から誘われても断る」のも

そもそも人との心の距離が近すぎる(癒着してしまう傾向がある)のかも、と考えてみると、いろいろなことが見えてくるのです。

実は好きな人と近すぎるから遠ざかりたくなる

そう考えると

「なかなか好きになれる人がいない」というお悩みって

「実は好きな人との関係を構築しようとすると、心の面で相手と近すぎる状態を作ってしまうから、いつも無理をして相手と関わろうとしたり、あるとき、急に遠ざかりたくなる。

つまり

「好きな人を作ると疲れるし、相手の影響を受けすぎて苦しくなる」

なんて考え方ができるわけです。

相手と適度な距離感で関われている場合、まぁ相手の言動や感情影響は受けるには受けるものですが、「いつもしんどい」「いつも気を使わなきゃいけない」なんて感じ方にはなりにくい、と言えます。

逆に、人と心の距離が近すぎるタイプの人って、人間関係で逃げ場がない感覚を覚えやすいんですよね。

ただ、それは意識的に「逃げちゃいけない」と思っているわけではなさそうで

「いつも相手に気を使い続けなければならない」
「ちゃんと向き合い続けなければいけない」

そんな思いに駆られてしまうこともあるようですよ。

なので僕から

「もし、人とかなり近い距離で関係を作ろうとしているなら、それはなぜなんでしょうね?」

というテーマについて扱っていく流れでしょうかね。

ちなみに、癒着のあるところには「分離したい」という怒りも伴うことが多いので、やたらめったら人と関わる際にイライラするとか、しないとか。

(実際に怒りはしなくても、常に人に抵抗感を感じたり、怖くなったりする感じです。)

もし「好きになれる人がいない」と思ったら〜まとめ〜

とかく癒着は罪悪感(無力感)や人と離れる不安、怖れ等によって生じていることが多いので、そのあたりを見つめていくことが多いわけです。

まぁここから先の詳しい内容はまさに個別ケースとして見つめるしかないのですが

もし「好きになれる人がいない」と思ったら

「私、相手と近い距離感を作りすぎていないかな?」
「相手の言動で自分の気持ちが振り回されすぎていないかな」

とチェックしてみてもいいかもしれません。

また、癒着は「癒着対象との関係性を良好にする」ということで、改善することも少なくないので

相手に感謝する、相手を理解する、与える、といった行動を取ることで、自分自身の心が開放されていく場合もありますね。

いわば、いい人付き合い、を続ける感じなんですけども。

もちろん、自分に癒着傾向があるから自分はダメなんだと解釈する必要はないのです。

が、どこか癒着傾向が強いと人付き合いは疲れますし、恋愛していても相手に振り回されやすくなりますから、そこを改善するイメージで。

まぁ僕たち大人にとって「癒着」って確かにいいものではないんですが、だからって癒着している自分を否定しすぎると余計に問題がこじれやすいんです。

このあたりの扱いは丁寧にって感じですね。

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