恋愛の心理学

「好き」という言葉の意味を心の面から解説してみました

「好きという感情にはどんな意味があるんですか?」というご質問

好きという感情の意味付け

日々、カウンセリングをさせていただいていると稀に

浅野さん、好きって一体どういうことなんでしょうか。

私、好きってどういうことなのかわからなくなってしまって。

彼がいう『私のことが好き』の意味もわからなくなってしまったんです・・・。

といった、どこか哲学的とも言えるようなご質問をいただくことがあります。

実は、僕たちは「好き」という言葉を頻繁に使うものですが、使う人によってその言葉が指している意味が違うことがあるんですね。

なので、実際のカウンセリングでも

「好きで就いた仕事だったが、他の社員さんと仕事に向きあう姿勢が違いすぎて辛い」

「好きで一緒になったパートナー。相手も私を好きと言うけど、私と価値観が合わない」

なんてことはよく起きることだと思うのです。

そこで今日は好きという言葉、感情とその解釈について、コラムにします。

よろしければどうぞ。

「好き」という言葉と感情の意味

好きを示す男性

では、まず「好き」という言葉と、感情(気持ち)について考えていきます。

言葉としての「好き」の意味

さて、まず「好き」という言葉を国語辞書で調べてみると、次のような意味になると書かれています(出典:goo辞書

  1. 心がひかれること。気に入ること。また、そのさま。
  2.  片寄ってそのことを好むさま。物好き。
  3. 自分の思うままに振る舞うこと。また、そのさま。

多く恋愛などで使われる意味としては「1」の「心ひかれること、気に入ること」という意味になるのでしょうね。

ただ、恋愛の中で使われる好きはそれだけではなく、特に「3」のような「自分の思うままに振る舞うこと」と解釈して、相手がいるのに自分勝手に振る舞う人も少なくないようです。

でもまぁ、好きという言葉にそういった意味が込められているなら、ある意味理解できなくはない話かな、と個人的には思うのです。

それがパートナーに対して誠実かどうかは別にして、ですけども。

心理的な「好き」の意味

さて、心の側面からスキという言葉を見つめると、こんなことが言えます。

「好き」とは感情的な判断の一つ。

そもそも僕たちの「感情は自分にとっての一つの判断基準になる」という側面があります。

あさの
あさの
いわば、「好きか嫌いか」というあれです、アレ。

この判断は、その時々で変わることはありますけど、いわゆるふわっとしたものではなく、

「それが今の自分にとっての正解」と感じるものなんです。

だから、好きなものは好きでこだわるし、好きだという気持ちは他人と共有したくなったり、理解を示してほしいと思うわけです。

(※もちろん「思考」も判断基準の一つになりますよ。思考的な判断は「正しい・間違っている」という感じになります。)

「好き」の意味は人によって違うことがある

さて、ここからは「好き」の意味は人によって違うことがある、というお話です。

例えば・・・

様々な人に「好きって何?どういうこと?」という部分訪ねてみたとき

Aさんは「好きとは楽で自由な気持ち」と言い。
Bさんは「嬉しい気持ちだよ」と言い。
Cさんは「好きなんて気持ちがあるから面倒なんだ」と言い。
Dさんは「情熱。だから頑張れるし、くじけない」と言い。
Eさんは「傷つく理由」と言い。
Fさんは「ただの誤解」と言い。
Gさんは「すぐ変わるから当てにならない」と言い。
Hさんは「だから相手のことを考えるんじゃない?」と言う。

なんて、人によって解釈が違うことは当たり前のようにおきるわけです。

これは

「その人にとって好きという判断が何をもたらすのか」

という観念、価値観を示しているんですよ。

この違いは「好きだと思う人や物との関係」に大きい影響を与えるものだと思います。

例えば、事例のFさんは「好きなんてただの誤解」という価値観を持っているわけです。

だとすると、Fさんのことが好きで誠心誠意「好きです」と告白した人がいたとしても

Fさんは「その好きもきっと相手の誤解だ」と解釈する可能性がありますね。

例えば、事例のHさんは「だから相手のことを考えるんじゃない?」という価値観を持っているわけです。

だとすると、Hさんのことが好きで誠心誠意「好きです」と告白した人がいたならば

「きっと相手も私のことを考えてくれているんだ」

とHさんは理解することになるんでしょう。

逆に言えば、「好き」というわりに私のことを考えていない相手に対して「好きじゃないんだ」「この嘘つき!」と思う可能性も否定できないでしょうね。

このあたりはもはや自分の価値観や観念の「投影」といえる話ではあるんです。

好きの解釈が違うと、分かり合えないこともある

長くカウンセリングをさせていただいていると

「そもそも相手と好きという感情の解釈が違うと、根本的に話が通じ合わなかったり、分かり合えないことがある」

とつくづく思います。

ただ、「自分とは違う好きの解釈を持っている人がいる」だなんて、なかなか考えないことかもしれませんね。

例えば

  • 「好きだから与える・積極的に関わる」と感じる人もいれば
  • 「好きだから失いたくない・積極的に関わらない」と感じる人もいれば
  • 「好きだから好き勝手していい」と感じる人もいれば
  • 「好きだからずっと相手からも好きでいてもらわなきゃ困る」と感じる人もいれば
  • 「好きならこちらのことも理解しているはず」と感じる人もいます。

このようにいろんな解釈があり、これを「価値観の相違」と言ってしまえば、きっとそれまでなんでしょう。

ただ、僕の個人的な意見を書くとすると

「好き」だからこそ、与える・積極的に関わると感じられる方が、物事成功しやすく、幸せな恋愛や結婚を得やすい傾向があると思います。

逆を考えればわかりやすいのですが

「好きな人だから積極的に与え、大切にしている人」と
「好きという自分の感情だけで相手と付き合い、大して相手に興味がない人」と

あなたはどちらと付き合いたいですか?

何がいい悪いという話ではないのですが、しかし「好き」の解釈の違いで分かり合えないなんてことは、よく起きることだなぁと思うのです。

「好き」を自分の外側にだけ求める人もいる

これはちょっとした余談ですけど

僕たちの中には、「自分の好きに自信を持てる人」もいれば

「自分の好きに自信がなくを、好きなものを自分の外側にだけ求める人」もいる、と言えます。

例えば

僕たちは幼いころ、自分が好きなことに夢中になり、それがほしいと思うような生き物でしたよね(^^;

そのとき、まぁしつけなのか、家庭の事情なのか、親の価値観なのかは別にして

「好きなことばっかりして!そんなんじゃいい大人になれないぞ!」

なんて怒られ続けるとしたら「あぁ自分の好きを求めちゃいけないんだ」と思う子供になっても不思議ではない、といいますかね。

こういった体験が、その人の価値観を形成していくと

「自分の好きという気持ちを信頼してはいけない」

と思うようにもなる場合がありそう。

ただ、そもそも「好き」とは自分の中にある感情なので、そう簡単には止まらないわけですよね。

すると、人によっては「好きという感情を抱く自分」を疑ってかかるしかなくなる、なんてことも起きるかもしれません。

一方、好きだと感じる体験はしたいものですから、自分の中で「好きという感情」の許可が出せない分だけ、自分の外側に「好きだと感じられるなにか」を求め続ける可能性だってありますよね。

「自分が好きだと思うこと自体に自信を持てない」とか

いわゆる「好きなもの(仕事)探し」「好きな人探し」に明け暮れることにもなりかねないんですね。

最後に

いかがでしたでしょうか。

好きとは、一つの感情的な判断です。

つまり、自分の好きなものは「自分が選ぶし、そう感じるもの」。

もしあなたが、自分の好きに疑問を感じたり、好きがわからなくなったならば

もう一度自分の気持ちを見つめ直してみてはいかがでしょうか。

特に、自分の好きに自信が持てないときは、自分の好きなことに優先的に触れてみることがおすすめです。

その上で、自分にとっての「好きの解釈」の最適解を選ぶといいと思います。

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