「自分嫌いでも、好きな人のためなら頑張れる」その恋愛が苦しくなる本当の理由
こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
今日は、ちょっとイレギュラーな、しかしカウンセリング現場では本当によく出てくるテーマについて書いてみます。
「自分のことは嫌いだけど、好きな人のためなら何でもできる」
この感覚に、どこか心当たりはありませんか。
自分に自信があるわけじゃない。
自分を好きだとも言えない。
それでも、好きな人のためなら頑張れてしまう。
尽くしているつもりはないのに、気づくと疲れている。
ちゃんと向き合っているはずなのに、なぜか安心できない。
今日は、その苦しさの正体を「立ち位置のズレ」という視点から整理してみます。
「私が悪いのかな」「もっと頑張ればうまくいくのかな」
そんな問いが頭から離れない人に向けて書いています。
Index
「自分嫌い」という言葉で、片づけていい話でしょうか
まず、ひとつ大事なことをお伝えしたいのですが、
「自分嫌い」と感じている人の多くは、
- 責任感が強い
- 人の気持ちをよく考える
- 関係を大切にしようとする
そういう方がとても多いです。
要は、自分にとっての理想的な姿、人にとって・社会にとっての理想的な自分の姿、という
「自分の中の理想像」
に、自分を当てはめようとした結果、
今の自分をあり方がなかなか受け入れられない・受け止めきれない・・・
要は、自分が気に入らない(^^;
そう感じている人も少なくありません。
もちろん、自分を嫌悪する理由はこれに限ったことではないのですけども。
つまり、
自分を好きになれないから苦しい、というよりも、
「ちゃんとしようとしすぎる場所」が少しズレているので苦しい。
そうお感じになっている方が少なくないように思います。
ここを見誤ると、恋愛は一気にしんどくなります。
恋愛の中で起きている「立ち位置のズレ」
恋愛が苦しくなるとき、
多くの人は無意識に、こんな場所に立っています。
「私は今、どう見られているか」
「彼にとって役に立てているか」
つまり、
自分の人生の中心ではなく、相手側の視点に立って関係を見ている。
これを、ここでは「立ち位置のズレ」と呼びます。
この位置に立つと、どうしても、
- 相手の反応が気になる
- 評価されているか不安になる
- もっと与えなきゃと思ってしまう
という状態が起きやすくなります。
自分が嫌いだからという感覚が強いので、
自分の感覚に寄せないほうがうまくいくのでは?と感じやすくなるんです。
つまり、
「自分を置く位置(相手と向き合う位置)」が、
最初から相手側に寄りすぎているんですね。
「好きな人のためなら何でもできる」が生まれる理由
このタイプの人は、
- 愛情が深い
- 共感力が高い
- 相手の変化に敏感
そういう力をもともと持っています。
ある意味”内省力”が強いので、人に対してより良い自分でいたいという思いが強かったりするんです。
なので、本来は
相手が困っていたり、不安そうにしていると、自然と手を差し伸べてしまう傾向があります。
もちろんそれ自体は、悪いことではありません。
ただし、
自分の立ち位置がズレたまま、その力を使おうとすると、
本来は優しさや愛で行う行動を
「役割」を通じて行うことが増えてしまいます。
素の自分で関わっちゃいけない。
関わると嫌われたり、相手に迷惑になっちゃうかもしれない・。
自分を嫌うとそう感じやすくなるので、ここに役割という緩衝材を挟むわけです。
その結果、気づいたときには、
「私が頑張らないと、この関係は成り立たない」
「私が与え続けないと、離れてしまう」
そんな感覚が強くなっていくんです。
これも「本来の優しさや愛」という立ち位置からのズレになってしまうんです。
なぜ頑張っているのに、安心できないのか
恋愛の中で、立ち位置がズレているとき。
その人の毎日は、こんな景色になりやすいです。
たとえば、
彼からのLINEが返ってくるまで、何度もスマホを見てしまう。
返事が素っ気ない気がすると、
「何か変なこと言ったかな」
「私、重かったかな」
と、頭の中で反省会が始まる。
会っているときは笑っているのに、
帰り道になると、どっと疲れが出る。
「楽しかったはずなのに」
「ちゃんと向き合ってたはずなのに」
そう思いながら、
なぜか一人になると、安心できない。
このときって、実は恋愛をしているのではなく、
“自分が足りているかどうかを確認する場所”として関係に立ってしまっていることが多いんですね。
つまり、
立ち位置が相手側にズレたまま尽くすと、関係の中で、こんなことが起きやすくなります。
- 手応えが欲しくなる
- 感謝や反応を求めてしまう
- 足りていない気がして、さらに頑張る
でも、いくら頑張っても、どこか満たされない。
それは、
自分らしいスタンス、立ち位置に立って関係を見ていないからなんですね。
役割という緩衝材を挟んでいるので、
役割の位置で自分を評価するし
もし相手からの好意や飛んできても、その位置で評価や行為を受け取ってしまうのです。
なので、
どれだけ愛されても、褒められても、認められても、結果を残しても
満たされない感覚が強くなる。
恋愛では
「一緒にいる安心感のある場」ではなく、
「常に自分は十分なんだろうかと考えて緊張する場」になってしまう。
これが、恋愛が苦しくなる大きな理由のひとつです。
直すべきなのは「自分嫌い」というより「立ち位置」
ここでよくある誤解があります。
それは、
「自分を好きになれたら、恋愛もうまくいく」
という考え方。
もちろん、自分を大切にできることは大事です。
でも、このタイプの人が本当に必要なのは、
無理に自分を好きになることではありません。
いや・・・
正確には、自分を好きになることが間違っていないんですが
今の立ち位置のまま好きになることって結構困難なんです。
役割という立ち位置を強化してしまうだけになる、というか。
だからこそ、
自分を嫌いな感覚を残したままでもいいから、
自分の本来の位置に、戻ってくること。
これが重要だと僕は考えるんです。
自己嫌悪や不足している自分と向き合え、ということではありません。
「そもそもさ、自分ってどんな人だっけ?」
ここに、ゆっくりとでもいいから、戻っていくこと。
思い出すことなんです。
この立ち位置を戻すには、最初は小さな調整からで構わないと思うんですね。
たとえば、
- 相手の反応を見る前に、「私は今どう感じてる?」と一度聞く
- 尽くす前に、0.5秒だけ立ち止まる
- 無理していないか、身体の感覚を確認する
それだけでも、立ち位置は少しずつ戻ってきます。
関係の中で、役割などで自分を消さずに立てる場所が、少しずつ増えていくんです。
・・・この話は知識として理解しようとすると
ちょっと難しいと思います。
(僕のクライエントさんならば「そうそう」と頷いてくれると思うんですよね(^^;)
「立ち位置」が戻ると見えてくる景色
この話は、理解の話ではなく、実感の話。
少しずつ立ち位置が戻りはじめると、恋愛の景色は、静かに変わっていきます。
彼の反応を見てから、自分の気持ちを決めるのではなく、
「私は今、どう感じてるかな」と先に自分を見るようになる。
すると、不思議なことが起きます。
返事が遅くても、前ほど心がざわつかない。
会ったあと、
「ちゃんと関われたか」より
「私はどう感じたか」を思い出せるようになる。
嬉しかったことは、嬉しかったまま。
少し引っかかったことは、引っかかったまま。
無理に整理しなくても、
自分の中に置いておけるようになる。
恋愛が、評価される場から自分が立っていられる場に変わっていくんですね。
こちらの記事も参考にどうぞ
- 頑張っているのに苦しくなる恋愛には、「役割」の問題が隠れている
- 『私にはもう何もできない』と感じる心理|「必要とされない立ち位置」が心を追い詰めるとき
- 努力しても自分を好きになれない人が、最初に見直したほうがいいこと 〜感情の前に「自分を制圧してきた力」の話〜
- 自己肯定感が低く、元彼の優しさに気づけなかったと後悔ばかりしています
最後に
「好きな人のためなら何でもできる人」って、
本来、関係を育てる力を持っています。
ただ、その力を、自分を削る場所で使ってきただけなのかもしれません。
立ち位置が戻ると、同じ優しさが、ちゃんと自分にも返ってくるようになります。
恋愛が、少しずつ「頑張る場所」ではなく、「一緒にいられる場所」に変わっていきますよ。
今日はここまでにしますね。
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