こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
今日は、恋愛の相談の中でも、少し言いにくいけれど、大切なテーマについて書いてみます。
“恥ずかしい私”を隠してきた人が、恋愛で自分を見失う理由。
恋愛って、相手の気持ち以前に、
「自分がどう見えるか」「どう思われるか」に触れてしまう場面が多いんですよね。
いわゆる、自意識が過剰になりやすい場面といいますか。
たとえば、
胸がきゅっと縮んだり、顔が熱くなったり、言葉が喉で止まったり、もう逃げたくて仕方なくなったり・・・。
だからこそ、
- 好きなのに、素直に近づけない
- 相手の気持ちが嬉しいのに、うまく受け取れない
- 好意を向けられると、なぜか疑ってしまう
- 相手の一言で、急に心がしぼんでしまう
こういうことが起きやすくなります。
そして本人は、こんなふうに感じていることが多いです。
「私って恋愛に向いてないのかな」
「なんか、うまくいかない」
でも、ここで言いたいのは、
それは“性格”というより、「恥の扱い方」の問題かもしれないということ。
ということで、今日は「恥」という感情と、恋愛や夫婦関係で起きる
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「恥」は、恋愛を止める感情ではなく「魅力の源泉」
「恥ずかしい」という感情は、「できれば感じたくない」と思う人が少なくないのかもしれないですね。
ただ、この恥という感情は、私たちの「魅力の源泉」であるという考え方ができます。
少し詳しく解説しましょう。
心理学的に見ると、恥は「自己意識感情(self-conscious emotion)」に分類されます。
これは、喜び・怒り・恐怖のような一次感情ではなく
- 「私はどう存在しているか」「私はどう見られているか」
- 「私は何を大切にしているか」
といった、自己概念・価値・存在感と直結した感情です。
また、恥という感情を解説するうえでの大きなポイントはここです。
恥は「自分が大切にしているものが、外界にさらされたとき」に生まれる
だから心理学では、恥は単なる防衛反応ではなく、
- 親密さ
- 繊細さ
- 誠実さ
- 価値観
- 人との距離感
と深く結びつく感情だと捉えられています。
特に対人関係・恋愛においては、
- 恥を感じられる人ほど、他者との心理的距離を正確に感じ取れる
- 恥があるからこそ、相手を雑に扱えない
- 恥は「私は大切にしたい」というサインでもある
という見方ができます。
つまり、
恥ずかしがる=キモい・寒い・弱い、ではなく
恥がある=心がちゃんと動いている・存在が開いている
ここが「魅力の源泉」になる理由になると考えることができますよ。
恥は「受け入れがたい形」で感じることも多い
しかし、多くの場合
「恥は避けるべきものである」と感じることが多いんですよね。
たとえば・・・
- 好意を伝えたのに拒絶されたら恥ずかしいし、つらい
- 笑われたら恥ずかしくて耐えられない
- 大事にされなかったら自分が恥ずかしくて立ち直れない
そういう痛みと共に「恥」を感じることが多いので。
ただ、恥という感情は「邪魔者」ではなく、
恥という感情そのものが、様々な感情を伴って感じやすいという性質があるから
そう思うことが多いわけです。
一例を挙げますと
- 恥+劣等感=「私は足りない存在だ」という自己評価
- 恥+罪悪感=「私が悪い」「私が間違っている」という自己責任化
- 恥+禁止=「感じてはいけない私」「出してはいけない私」
こんな感じ方になることがあるんですね。
なので、恥は避けられやすいし、恋愛や関係性の中では問題と扱われやすいのです。
ただ、実際に恥を感じることを過剰に避けると、
どうしても恋愛や夫婦関係が、つまらなくなる、もしくは苦しくなりやすいのは事実のようです。
恥を隠すほど、「反応」が不自然になっていく
恥を隠そうとすると、心は自然な反応がしにくくなります。
たとえば、好意を向けられたとき。
本当は嬉しいのに、恥ずかしさが出ると、
その嬉しさを表に出せなくなることがあります。
その結果、
- そっけなくしてしまう
- 冗談で流してしまう
- 急に距離を取ってしまう
- 「そんなわけない」と否定したくなる
こういう反応になりやすい。
すると相手から見ると、こう見えてしまうことがあります。
「拒否されたのかな」
「怒ってるのかな」
「脈がないのかな」
もちろん、本人は拒否したいわけでも怒っているわけでもないのに、です。
ここが恋愛のすれ違いのしんどいところですよね。
「愛されない」という信念が、恥を避けるために作られることがある
恥を感じたくない人ほど、無意識に「予防線」を作ります。
その予防線のひとつが、
「どうせ私は愛されない」
という信念だったりします。
これ、冷静に見るとすごく残酷な言葉なんですけど、
心の中では“防衛”として成立してしまうんですね。
なぜなら、
「愛されない」と最初から決めてしまえば、期待して傷つくことが減るから。
または、
実際に「愛されない」という現実で感じるダメージを軽減できると思う、から。
なので、同時にこうなります。
- 好意を向けられても受け取れない
- 距離が縮まると怖くなる
- 相手の言動を疑う
- 小さな違和感で関係を壊したくなる
つまり、
恥を避けるために作ったはずの信念が、
恋愛や夫婦関係の“難易度を上げる装置”として働いてしまうことがあるんです。
恋愛で自分を見失うとき、起きているのは「立ち位置のズレ」
恥という感情をうまく扱えないとき、
多くの人は、無意識にこんな立ち位置に立っています。
「恥をかかない私でいなきゃ」
「ちゃんとして見える私でいなきゃ」
「好かれる私でいなきゃ」
この立ち位置って、すごく頑張っているように見えるんですけど、
実は、心の中心が「相手」側に寄りすぎているんですね。
言い方を変えれば、あなたの立ち位置がズレる、ということです。
そして、「相手側に立ち位置がズレる」ということは
「相手の反応ひとつで心が簡単に揺れる」という傾向を示します。
そして気づくと、
「私は何を感じてるんだっけ」
「私は本当はどうしたいんだっけ」
が分からなくなっていく。
これが、「恋愛で自分を見失う」という状態の正体のひとつです。
大切なのは、恥を消すことではなく「恥に慣れる」こと
ここでよくある誤解があります。
それは、
「恥ずかしさをなくせば恋愛がうまくいく」
という考え方。
でも実際は逆で、
恥ずかしさがあっても、関われるようになることが大事なんですね。
感情は、押さえ込むほど暴れやすくなります。
だから、恥をゼロにするよりも、
「恥ずかしい私のままでも、関わっていい」
という感覚を育てていくほうが、関係はラクになります。
いきなり大きく変えなくていいんです。
- 恥ずかしいときに、少し息を吐く
- 反射で否定しそうになったら、0.5秒止まる
- 「嬉しい」を小さく言葉にしてみる
そういう小さな調整で、心は少しずつ「恥に慣れて」いきます。
「恥」を解放すると、関係の景色が変わっていく
恥を隠しているとき、恋愛はどこかで“緊張の場”になります。
でも、恥を少しずつ解放できると、関係の景色が変わります。
相手の言葉が、必要以上に刺さりにくくなる。
好意を受け取るときに、身体が固まりにくくなる。
「こうしなきゃ」が少し減り、自分の感じていることが戻ってくる。
すると不思議と、
関係に“余白”が生まれるんですね。
この余白があると、恋愛はだいぶラクになります。
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最後に
“恥ずかしい私”を隠してきた人が間違っていたわけじゃないんです。
傷つかないように、自分を守りながら生きてきた人です。
だから、恋愛で自分を見失うときは、
「自分がダメになった」ではなく、
「自分の気持ちの扱い方が、今の現実(関係)に合わなくなってきた」
そんなふうに見てみてください。
気持ちの扱い方が変わると、
関係の見え方も、あなた自身の見え方も、静かに変わっていきますのでね。
今日はここまでにしますね。
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