もう無理。一緒にはいられない|我慢が爆発すると相手を嫌いになる理由
こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
「もう無理。一緒にはいられない」
そう思った経験がある人もいれば、
逆に、そう言われてしんどい思いをしたことがある人もいるのだと思います。
こういうときって、当事者の中ではかなり大きなことが起きているんですよね。
急に冷めた。
急に嫌いになった。
もう無理になった。
外から見るとそんなふうに見えることもあるのでしょう。
でも実際には、急にそうなったというより、かなり前から積み重なっていた我慢が、あるところで限界を超えたということも少なくないんです。
んー・・・。
我慢が募って気持ちが爆発すると、まぁ相手のことはこっぴどく嫌になりますわなぁ・・・。
今日はそんな話を、少し心理学的に整理してみます。
Index
我慢強い人ほど、怒りを小出しにしない
我慢強い人って、普段はあまり怒らないんですよね。
いや、正確には、怒っていないわけではないんですけどね。
内面では怒りを抱えている。
意識としても、嫌だな、とは思っている。
悲しいし、悔しいし、納得できないこともある。
ただ、その気持ちをその場で出さない、というか。
こんなことで怒るのは大人げないかな。
ここで言うと面倒になるかな。
相手にも事情があるかもしれない。
私がもう少し我慢すれば済むのかもしれない。
そんなふうに、自分の気持ちを飲み込む方向に動きやすいんです。
つまり、我慢強い人が一番我慢しているのは、怒りなのかもしれません。
怒りを抑え続けると、ある日「嫌悪」になる
ここが少し大事なところです。
怒りって、本来はもっと小さく出せる感情なんですよ。
〇〇が嫌だった。
私はそうされるとつらいな。
そこはやめてもらいたいな。
そういう形で少しずつ扱えれば、気持ちもまだ溜まりにくいというか。
ただ、我慢強い人はそれをやらないことが多いんですよねぇ。
というか、そうできないことが多い、のかもしれませんが。
すると何が起きるか、というと・・・。
怒りは行き場をなくして、心の中に溜まっていきます。
で、あるところを超えると、怒りは単なる「腹が立つ」では済まなくなるんです。
相手のことが、嫌で嫌で仕方なくなる。
なんかもう、ありえないとしか思えない。
人によっては、顔も見たくないし、声も聞きたくない。
その言い方も、態度も、癖も、生活音まで全部無理。
このあたりまで行くことがありますよねぇ・・・。
これ、急に無理になったのではなくて。
我慢によって見ないようにしていたものが、一気に溢れはじめるという現象に近いのかもしれません。
「急に嫌いになった」のではなく、「嫌いになるまで耐えていた」
ここ、かなり大事なところなんですけど。
我慢が爆発すると、我慢していたご本人はこう思いやすいんですよ。
「私、こんなにこの人のこと嫌いだったっけ」
「なんでここまで無理になったんだろう」
「私、冷たすぎるのかな」
でもそれ、もしかすると違うのかもしれませんよ?
急に嫌いになったのではなく、嫌いになるまで、ずっと耐えていた。
いや、嫌いにならないために、耐えていた。
傷ついた気持ちを、小さく扱ってきた。
自分の怒りを「大したことない」と片づけてきた。
そうして我慢で保ってきた関係は、我慢が切れた瞬間に、全部が嫌に見えやすいんですよね。
だから、「もう無理」という感覚は、気まぐれでも、わがままでもなく、かなり長い時間をかけて積み上がった心の反応として起きていることが多いと僕は見ています。
そして、コップの水はあふれるときは、ちょっと、じゃない。
盛大にあふれるんですよ、どわ〜っとね。
我慢強い人ほど、爆発したあとに自己嫌悪しやすい
ただ、ここで終わらないのがまたしんどいところです。
我慢強い人って、怒りを抑えるだけじゃなく、怒りを出した自分のことも責めやすいんですね。
あんな言い方をするつもりじゃなかった。
相手にも悪いところばかりじゃないのに。
私はひどい人なんじゃないか。
そんなふうに、自分をかなり強く責めやすい。
なので、感情を爆発させたあとに起きるのは、相手への嫌悪だけではありません。
自己嫌悪。
恥ずかしさ。
やっちまった感。
取り返しがつかないのでは、という怖さ。
ここまで一気に訪れることがあります。
その結果、相手とちゃんと向き合う前に、自分のほうがしんどくなって動けなくなることもしばしばです。
動けなくなるから、もう無理、なんです。
もう何もできないし、やったとしても拒絶するか、怒りをぶつけるか、無視するか・・・。
そんな感じになる人もいらっしゃいますよね。
「怒り方が悪い」で終わらせると、また繰り返しやすい
もちろん、怒りに任せて相手を傷つけていい、という話ではありませんよ。
僕もそこを手放しに肯定しているわけではないです。
ただ、そうなってしまうには事情があるよね、ということ。
そこに至るまで何をどれだけ我慢していた事実は無視できない、ってことです。
でないと、我慢してきたご本人はまた、また同じように「嫌わないように」溜め込んで、また爆発するを繰り返しかねない。
これ、かなりあるあるな話です。
なので、我慢が悪いだの、怒りが悪いだの、その視点だけで見ると、繰り返しやすいんですよね。
本当に見つめたい部分は「なぜそこまで我慢していたのか」
こういうときに本当に見た方がいいのは、
- 何がそんなに嫌だったのか
- なぜその時点では言えなかったのか
- どんな怖さがあったのか
- 何を守るために我慢していたのか
そういうことだと思うんです。
我慢強い人って、ただ忍耐力があるというより、
怒ることにも、嫌がることにも、それなりの怖さを感じやすい人かもしれないですよ。
言い方を変えれば「自分の中の怒りを何よりも嫌っている」という反応。
だから、怒りっぽい人や自分の気持ちをバンバンぶつける人が嫌いな人が多いんです。
自分自身が怒りを嫌っているので、怒りを嫌わない人が脅威になる、という構図。
だから、単純に「嫌われたくないから我慢している」というわけでもなさそう。
ちょっと深い話をすれば、「あなたにとっての”怒りを出す人”のシンボル」の影響があるのかもしれないですよ。
その人と葛藤しているので、自分の中の怒りを封印する。
すると、自分は怒りを出す人にはならないですからね。
こういった心のフローを見ないまま「もう怒らないようにしよう」と決めても、正直ちょっと苦しいんですよね。
そして、好きな人を嫌いにならざるを得ない、という経験をするというか・・・。
うーん、書いていてなんか切なくなってきましたけども。
「もう無理」は、関係の終わりではなく、見直しのサインかもしれない
「もう無理。一緒にはいられない」
この言葉はかなり強いです。
だから、言われた側も深く傷つくでしょうし、言った側もあとから揺れることがあります。
ただ、心理学的に見るなら、この言葉は単なる終わりの宣言というより、
ずっと放置されてきた感情が、もう見ないではいられなくなったサイン
なのかもしれません。
そして、その裏にあるのは、
「自分自身の感情の扱い方」
なんです。
もしあなたが今、相手のことを嫌で嫌で仕方なくなっているなら。
それは、あなたが急に冷たくなったのではなく、ずっと耐えてきたものが限界を超えたのかもしれません。
そして、もしあなたが「そこまで言われるなんて」と戸惑っている側なら。
その怒りを、ただの言いすぎとして処理しない方がいい場合もあります。
たぶん、何かあるんです、相手側に。
そこを見ないままでは、関係はかなりこじれやすいかな、と思います。
個人カウンセリングでは、こうした我慢の積み重なりや、怒りが爆発するまでの流れ、そしてその後の自己嫌悪まで含めて整理していくこともありますよ。
「まぁしゃーないですよね」が入口になるんですが、
どうして「もう無理」と思うほどしんどくなっていくのか、を、何度も繰り返さないために見つめていきます。
必要があればセッションもお届けしています。
そして、「なぜそ相手がもう無理となっているのかわからん」と感じている方も、そのあたり見ていくと、見えてくることがあると思います。
おそらく傍にいたあなたにしか見えないもの、相手が見せなかったものがあるはずなのでね。
このサイトでは、相手の心理を読み解くだけでなく、
その関係の中で揺れるあなた自身の心や立ち位置にも目を向けています。
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