こんにちは。

心理カウンセラーの浅野寿和です。

今日は、女性のクライエントさまから、今もかなりの確率でご質問いただく話をテーマにします。

「弱音が吐けない男性ってどうなってるんですか?」

・・・このページをご覧いただいている方も、気になっているのではないでしょうか?

男性の皆さんは、「どうして素直になることがこんなにも難しいのだろう」と。

女性の皆さんは、「素直になればいいだけなのに(受け入れてるのに)彼は(夫は)どうして意地になって弱音を吐かないのかな?もう息できてないじゃん」と。

このネタ、もとい、話は、女性の皆さんの心理状態の一つ

「ちゃんと触れて、見て、伝えて、聞いてくれなきゃ愛したってことにはならないよ」

という話と、ある意味”対”になる話でもありますねぇ。

「え、そばにいるじゃん、俺」と男性に切り替えされると「はぁ〜」ってなる。

その「はぁ〜」って部分が、弱音が履けない男性の気持ちに少しリンクします。

強がる。
我慢する。
悩みを言わない。

このテーマは「性格」や「男らしさ」で片づけてしまうと、少し大切な部分を見落とすように思うのです。

今日はその視点から整理してみます。


弱音が吐けない男性は、本当に“強い”のでしょうか

弱音を吐けない男性は、よく「強い人」と言われます。

確かに、踏ん張れる。
簡単には崩れない。
人に迷惑をかけない。

確かに、タフではありますね。

ただ、それを“強さ”と呼んでいいのか、については検証が必要かもしれないです。

そもそもなにが強さなのか、それは個々に違った定義を持っているでしょうしね。

かといって、ここで議論しても答えが出そうにないテーマなので、とりあえず話を進めます(笑)

カウンセリングの現場で感じる「弱音が吐けない」とは、おそらく

「強くあらねばならない立ち位置(価値観)から、降りられなくなっている状態」

のほうが近い、ということでしょう。

そして多くの男性は、そうやって自分をコントロールしてるのかもしれない。

その結果、「弱音を吐く=コントロールを失う・自分の価値を落とす」と感じやすくなる人もいるようです。

少なくとも、現場で出会う男性たちは、そんな立ち位置に立っていることが少なくない、そう見えています。


弱音が吐けない男性の内側で起きていること

ここまで読んで、

「あぁ、あの人のこと(・・・俺のこと)かもしれない」

と思った方もいるかもしれません。

ここでもう少しだけ内面の整理してみますね。

弱音が吐けない男性の内側では、

  • 強くあらねばならない、という”役割(価値観・立ち位置)”
  • 弱音=価値が下がる、という暗黙の”前提”
  • そして、降りたあとの立ち位置が見えない”不安”

そんなものが絡まり合っていることがあります。

だから踏みとどまる。黙る。強がる。

それは性格云々だけではなく、
こういった心の仕組みや、生育過程、環境構造の影響によるものに近いのかもしれません。

ただ、もしカウンセラーとしてお伝えしたいことがあるとしたら。

この態度を一概に悪いと決めつけるつもりはありません。
ただ、向き合っている相手が「拒絶された」と感じてしまうことはありえます。
誰が悪いという話ではなく、そういった心の反応があるんだ、程度で見ておいてください。

愚痴と弱音は違います

ここで一つ整理しておきたいことがあります。

愚痴と弱音は違います。

愚痴は外向きです。
誰かや環境への不満という形の心のガス抜き・呼吸。

あまり周囲には好まれませんが、ある程度の効果はあると思います。

が、それは弱音とはちょっと違うもの。

本当の弱音は、もっと内側にある、本音の部分です。

  • 自分はダメかもしれない
  • 努力しても届かないかもしれない
  • 本当は不安で仕方がない

こうした、自己価値に触れる感情に近い。

これを口にすることは、男性にとっては自分そのものが揺れる体験に近いことがあります。

だから簡単には出てこないのです。

好きな女性の前だと余計に出せない。

去られることや、「ヘタレの称号を授与される」ことが怖いからですね。


弱音を吐けない本当の理由

弱音を吐くということは、「強い自分」という立ち位置から、一度降りることでもあります。

問題は、降りたあと。

もし受け止められなかったら?
もし軽んじられたら?
もし「そんなことで?」と言われたら?

そのとき、自分はどこに立てばいいのか・・・。

そう感じてしまう人も少なくない。

・・・ね、これが最初に書いた
「女性の皆さんが、ちゃんと受け止めてくれないと」と感じているところと”対”になる、
そう書いた理由です。

入口の現象は違うけど、内面で感じていることは似ているでしょ?

だから、その感覚を使って理解すると、少しづつ分かってくるかもしれません。

弱音が吐けない男性の多くは、“降りたあとの位置が見えない”のです。

ちゃんと見てもらえない女性の多くは、”その先の位置が見えない”のです。

だから、踏みとどまる。
こだわる。
絶対にムリ、と思う。

そこに不誠実さがまったく関係ないとは言いません。

ただ、自分を守ろうとする反応が先に立っている場合も少なくありません。


男性が女性に弱音を吐くとき、何が起きているのか

では、男性が女性に弱音を吐くときがあるとしたら、なにが起きているのか。

それは、縦の関係から横の関係へ移動する瞬間とも言えます。

守る側と守られる側、という役割から、同じ高さに立とうとする動き。

それは、男性にとっては大きな決断になります。

が、多くの場合、相当追い詰められたあと、です。

万策尽きた。もはや撤退しかない。しかし、撤退することも許されない。進退窮まった。

本来なら「もう放っておいてくれ」と言いたいが、その選択ももはや虚しい。

そのとき、「弱音を見せられる相手かどうか」を確認します。

で、「この人なら命まではとらないだろう」と思える人に本音を言葉少なめに語り始めることが多いですね。

それはどこか、理想的な母(女神)のイメージを追いかけていたり、
癒やしや許しのイメージを女性に重ねやすい相手に向かいますね。

それがいい悪いの話は抜きにして、話しやすいと感じる方向に向かう感じです。


弱音が吐けない男性のそばにいる人へ

もしあなたのパートナーが弱音を吐けない人なら。

「もっと本音を言って」と迫るほど、関係はカチコチになりやすいですよ。

けれど、ただ何もしなければ、それも関係は停滞します。

大切なのは、

「弱くなっても関係は壊れない」という経験を二人の関係の中で少しずつ積むこと。

それは、だらしなくなることではなく、信頼して背中を任せ合おうことです。

そして、理屈ではなく、体験が物を言います。


弱音が吐けない男性のみなさんへ

もし、あなた自身が弱音を吐けない側なら。

まずは誰かに言う前に、
ここなら絶対に話せる、安心できるという場から始めてもいいかもしれません。

その場としてカウンセラーは存在しています。

「男の話は男の人に聞いてもらいたい」と思われたら、僕でもいいんでしょうね。

「できれば最初は女性がいい」と思われたら、女性のカウンセラーさんを探してもいいと思います。

それはもう、皆さんそれぞれの価値観や好みの問題です。

(ちなみに僕は女性には話せなかったので、男性カウンセラーにずっと話を聞いてもらってた過去があります。)

そして、自分の中でこんな許可を出してみる方法もあります。

「しんどいなら、しんどいでいい」

「あぁ、今自分はしんどいって感じているんだな・・・」

そう感じることだけ、許可を出す。

すると、つらい気持ちのすべてが消えるわけじゃないけど、少し気持ちに余裕ができます。

その上で、の話。

そこまで準備ができると、あなたが最も信頼するパートナーさんに、「弱音を吐くこと」もできるようになるかもしれません。

ただ、それは、自分が崩れることではなく、整う体験なのだと心と体で理解してからでないと、いちばん大切な人に話すことって難しいですよね?

・・・申し訳なさ過ぎて、ね。


最後に

弱音が吐けない男性は、少なくありませんし、
それが弱さや冷たさとして見えてしまうこともあるでしょう。

ただ、その奥で役割や立ち位置が絡んでいる場合も少なくないようです。

役割を引き受けすぎた結果、降り方がわからなくなっているだけかもしれませんし。

弱音の問題もまた、立ち位置の問題として見ると、少し景色が変わることがあります。

焦らず、崩さず、でも放置せず。

関係の中で、少しずつ位置を整えていけたらいいですね。

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