こんにちは。

心理カウンセラーの浅野寿和です。

「謝ったほうがいいのは分かっているのに、怖くて謝れない」

そんなお話を伺うことがあります。

怒られそうで、責められそうで、

謝った瞬間に立場が一気に悪くなりそうで、

あるいは、何を言っても許してもらえない気がして。

だから、頭では「謝りたい」と思っているのに、体が固まってしまう。

そして、謝れない自分を見て、さらにしんどくなる。

もし今そんな状態なら、まずお伝えしたいことがあります。

これは「性格」や「根性」の問題とは限らないということです。

むしろ、心があなたを守ろうとして起こしている反応として整理したほうが、解けることが多いんですね。


謝りたいのに謝るのが怖いとき、心の中で起きていること

謝罪って、ただのマナーではなく、対人関係ではわりと危険度の高いコミュニケーションなんですよね。

なぜなら、謝るという行為は、

  • 自分の非を認める
  • 相手の感情に触れる
  • 関係の空気を変える

といったことを、一気に引き受ける行動だからです。

だからこそ、過去の経験によっては、心がこう判断してしまうことがあります。

「謝る=痛い目にあう」

この感覚が強いほど、人は謝罪の場面で固まりやすくなります。

ここから先は、あくまで一つの可能性としてのお話です。

ただ、現場で伺う限り、よく起きている心の流れでもあります。


謝るのが怖くなる心の反応|よくある背景

1)謝っても許されなかった経験が重なっている

謝ったのに終わらなかった。

謝ったあとも責められ続けた。

「謝るなら最初からするな」みたいに、謝罪そのものが否定された。

こういう経験が重なると、心は学習します。

「謝っても意味がない」

「むしろ謝った方がさらに攻撃される」

だから、謝りたい気持ちがあっても、体が止まる。

これはある意味、とても自然な反応なんですよね。

2)謝ったことで、余計に不利になった記憶がある

謝った途端に、立場が一気に悪くなった。

謝罪が「弱さ」として扱われ、軽く見られた。

あるいは、必要以上の責任まで背負わされてしまった。

こういう経験があると、謝罪は「誠意」ではなく、

自分を差し出してしまう行為として感じられることがあります。

結果として、心は「それは危ない」とブレーキをかける。

だから、謝りたいのに怖い。

3)「気持ちを受け止めてもらえた実感」が少ない

ここが意外と大きいポイントです。

謝罪って、本当は

「ごめん」という言葉だけではなく、

その前後にある

「そう思ったんだね」

「しんどかったんだね」

という受け止めがセットになっていると、関係が整いやすいんです。

でも、もし過去に

気持ちを言った瞬間に否定されたり、

「言い訳するな」「弱い」「甘えるな」みたいに扱われたり、

そういう体験が多かったとしたら。

謝ること自体が、

「自分の気持ちごと踏みつけられる」ように感じてしまうことがあります。

だから謝れない。

謝罪が怖いのは、誠実じゃないからではなく、傷つく予感が強すぎるから、ということもあるんですね。


適切な謝罪方法|最低限押さえておきたいポイント

ここからは具体的な方法です。

「うまく謝ろう」とすると余計に固まりやすいので、誠実さが伝わりやすい型だけ押さえましょう。

1)何について謝っているのかを一つに絞る

謝罪が怖い人ほど、頭の中で話が拡散しがちです。

まずは一点に絞ります。

たとえば、

  • 「あの言い方はきつかった。ごめん」
  • 「約束を守れなかった。ごめん」

このくらいで十分です。

2)言い訳と説明を分ける

謝るときに説明を入れると、「言い訳」に見えやすくなります。

だから順番としては、

  • まず謝る
  • 必要なら、そのあとに短く説明する

です。

3)相手の感情を評価しない

「そんなに怒ると思わなかった」

「そこまで気にする?」

これは謝罪の場面では地雷になりやすいです。

評価ではなく、受け止めに寄せるほうが関係は整いやすいですね。

4)「許してもらう」より「誠意を置く」

謝罪が怖い人ほど、「今すぐ許してもらわないと終わらない」と感じやすいんです。

でも、謝罪の目的は、許しを奪うことではなく、誠意を置くことです。

その方が、あなたの立ち位置がズレません。


謝れない自分を責めなくていい理由

謝れないとき、人は自分を責めがちです。

「自分は大人じゃない」

「誠意がない」

「素直じゃない」

でも、謝罪が怖いというのは、

あなたの心が守る反応が働いているということもあります。

謝っても許されなかった。

謝ったらもっと痛い目にあった。

気持ちを出したら踏みつけられた。

もし、そういう環境に長くいたなら、怖くて謝れなくなるのは不思議ではありません。

むしろ、ちゃんと反応している心、なんですよね。

だからこそ、焦って自分を叱るよりも、まずは

「怖いのは反応だ」

と整理してあげてください。

そこから、少しずつ「誠実さが伝わる形」を選べるようになっていきます。


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最後に

謝りたいのに謝れない。

そのとき、あなたは「嫌な人」になったのではないと僕は思っています。

ただ、謝罪が怖くなる条件が、あなたの中に整いすぎていただけなのかもしれません。

謝罪は、相手への誠意を示す言葉であると同時に、

自分の中にある罪悪感や緊張を少しずつ解放し、

関係の空気を整え直すきっかけにもなりえます。

もし今、謝るのが怖いなら。

「どう謝ればいいか」だけではなく、なぜ怖いのかを、

あなたの心の反応として見てあげるところから始めてもいいのかもしれませんね。

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