甘すぎない恋愛心理学

忙しい彼と会えない。 それでも気持ちや関係が続いてしまう理由

向き合っていない男女

こんにちは。

心理カウンセラーの浅野寿和です。

今日のテーマは

「忙しい彼と会えない。向き合ってくれない。それでも、なぜか気持ちや関係が続いてしまう」

こういう状況に心当たりのある方は、少なくないと思います。

会えないなら別れればいい、という話でもないし。

待つべきか、切るべきか、という二択でもない。

ただ、こういう関係には、“続いてしまう構造”があるんですよね。

今日はそれを、できるだけ善悪抜きで、整理してみます。

いただいたご質問はこちら

浅野様

いつも拝読しております。

30代の男性と数カ月ほどお付き合いしていました。出会いはマッチングアプリで、お互いに結婚を意識した関係でした。

付き合い始めてから分かったのは、彼がいわゆる「ハードワーカー」だったことです。

仕事が非常に忙しく、睡眠時間は毎日2〜3時間ほど。
会えるのは2〜3ヶ月に一度、連絡も数日に一度返ってくるかどうか、という状態でした。

私は「物分かりのいい彼女」でいようと決めて、彼を責めず、要求せず、文句も言わずに過ごしていました。

でも、正直ずっと苦しかったです。

あるときから彼と連絡が取れなくなり、理由も分からないまま、音信不通の状態が続きました。

最終的には、こちらから手紙を送って関係を終えました。

それから数ヶ月後、彼から突然、「申し訳ありません」という一言と近況報告だけの連絡が届きました。

正直、怒りもありました。

でも同時に、「連絡してくるには彼なりの覚悟もあったのかもしれない」と思う自分もいます。

優しく返すことも考えましたが、それでは今までと何も変わらない気もして、どう対応するのがいいのか分からなくなっています。

こういった彼と向き合っていくには、私はどうすればいいのでしょうか。

ネタ募集ネーム:Sさん

忙しい彼と会えないのに、関係が続いてしまう理由

忙しい彼と会えなくなった。

時間が経ちすぎて、自分で終わりを伝えた。

その数カ月後の彼の反応は「申し訳ありません」の一言。

・・・まずは、お気持ちお察しいたします。

その彼が、あなたを散々待たせた、という部分と、いかにも悪意のある人に見えないところが、かえって気持ちをややこしくさせるポイントかもしれませんね。

彼の中に、天使と悪魔が見える、じゃないですけど・・・。

ま、ここまであなたを放置しているのに、悪い人ではないのかな?と言ってしまいそうな僕もアレなんでしょうけど・・・。

さて、この手のご相談で、まずお伝えしたいのはここです。

「関係が続いていた」のは、あなたが弱いからでも、判断が遅いからでもない、ということです。

むしろ、あなたが“誠実に向き合おうとする側”に立っているからこそ、続いていたのでしょうね。

そして、この状況は、心理的にはわりとシンプルに整理できます。

  • 彼が忙しい(会えない・返信が遅い・予定が決まらない)
  • あなたが我慢して支える(分かる側・待つ側・責めない側)
  • 関係が「成立」してしまう(成立するが、満たされない)

ここで問題なのは、成立してしまうこと自体が悪い、という話ではなく。

成立の仕方が、あなたの心を削る形になっていることなんですよね。


これは“立ち位置が固定される問題”

以前は、僕もこのテーマを「親密感の恐れ」みたいな言い方で整理することもありました。

ただ、今の僕は、ここを「彼の恐れ」で説明しすぎない方がいいと思っています。

なぜなら、実際の恋愛現場では、こういうことが起きやすいからです。

  • 「彼は怖れてるだけ」と理解しようとして、また我慢役を引き受ける
  • 「私が支えれば変わる」と期待して、関係の構造が固定される
  • 結局、あなたの苦しさが回収されない

だから、今日の整理の軸はこれです。

忙しい彼と会えない関係で起きているのは、

彼の心理というより、関係の中での「立ち位置」が固定されること。


「会えない彼」と「待つ私」で関係が成立すると、あなたの立ち位置がズレる

会えない関係が続くとき、

待つ側は無意識に“関係を保つための立ち位置”を取ります。

例えば、こんな立ち位置です。

  • 理解する人(忙しいから仕方ない、と自分を納得させる)
  • 要求しない人(彼の負担にならないように黙る)
  • 待てる人(自分の寂しさを後回しにする)
  • 大人でいる人(揉めない・重くならない・聞き分けがいい)

一見、これって「成熟」に見えるんです。

でも、ここに落とし穴がある。

“理解する”が積み重なるほど、あなたの欲求(感情)は行き場を失うんですね。

それはとてもとても大切な感情、の行き場が失われるんです。

すると、心の中でこういう感覚が強まります。

  • 私は大事にされていないのかもしれない
  • 私の存在って、何なんだろう
  • この関係、私は何をしてるんだろう

これが、いわゆる「削られていく感覚」です。


「忙しい彼」問題の正体は、時間の問題ではなく“役割の問題”

ここ、けっこう重要です。

忙しい彼と会えない問題は、表面上はスケジュールの話に見えます。

でも、実際にしんどくなるのは、会えないことそのものよりも、

会えない状態の中で、あなたがどんな役割を担わされていたか

なんですよね。

例えば、こういう役割。

  • 彼の事情を理解して支える係
  • 彼のペースに合わせる係
  • 彼の不在を埋め合わせて平気なふりをする係
  • 連絡が来たら優しく受け取る係

この役割を担い続けると、恋愛が恋愛じゃなくなります。

関係が、「生活」や「人生」を支えるものではなく、あなたの自尊心を削る装置みたいになってしまう。

だから、ここで問うべきは、

「彼は忙しいのか?」ではなく、「私はこの関係で、どんな役割を引き受けているのか?」

なんです。


彼が突然連絡してきたとき、あなたの怒りは間違っていない

相談文にある”怒り”。

この反応、僕はすごく自然だと思います。

それは、あなたが未熟だからじゃなくて。

あなたの中の“尊厳”が、ちゃんと反応しているからです。

何ヶ月も音信不通。

理由も分からない。

耐えられずにこちらから終わりを伝えた。

あなたはその間、必死で生活を回して、心を保ってきた。

それでも傷つくことはあったはずです。

そこへ、申し訳ありませんの一言で戻ってこられたら、そりゃ怒りも出ます。

これは、あなたが冷たいからではなく、

あなたの中の「常識」がちゃんと生きている証拠ではないでしょうか。


じゃあ、どう対応すれば「彼が向き合う」可能性が上がるのか

ここで、多くの人がやりたくなるのが、どちらかです。

  • 優しく返す(また理解する側に戻る)
  • 切り捨てる(何もせず関係を終わらせる)

もちろん、どちらも選択肢です。

ただ、もし今でも「彼に向き合ってほしい」という意図があるなら

僕は第三の立ち方をおすすめします。

“悪者を作らず、役割を引き受けない”という立ち方です。

具体的には、こういう感じ。

1:まず「事実」と「影響」を短く伝える

責めるのではなく、説明する。

裁くのではなく、影響を言語化する。

例えば、こんな文面です。

連絡ありがとう。元気ならよかったです。

ただ、音信不通の期間は正直かなり辛かったです。

私は関係を続けるなら、最低限の連絡や状況共有がないと難しいと感じています。

ポイントは、

  • 感情をぶつけない(怒りで刺さない)
  • でも、なかったことにしない(我慢役に戻らない)
  • 条件を出す(こちらの立ち位置を示す)

2:「彼の事情」より、「関係の条件」を話す

ここで「忙しいのは分かるけど…」と始めると、またあなたが理解係になります。

そうではなく、

“私はこういう関係なら続けられる/続けられない”

という話をする。

これは冷たいのではなく、対等です。

3:彼が向き合わないなら、「向き合わない現実」を受け取る

厳しいようですが、

向き合えない人は、こちらが頑張っても向き合えないことがあります。

このとき必要なのは、「彼の事情の理解」ではなく、

あなたが我慢役で関係を成立させないという決め方です。

もちろん、彼の気持ちを変える魔法か何かで一発逆転したいところですけど、

もし関係を続けるなら、かなりの長期戦覚悟で向き合うという方法も無きにもあらずですけど、

どうするかは・・・

きっと、ご自身のお気持ちを照らし合わせて、選ばれることになるんでしょうね・・・。

もちろんそのあたりのご相談も乗らせていただいていますよ。

ただ、僕は「こうしては?」とはあまり言いません。

特に今後どうするかの方向性が決まるまでは。

それは、無関心だからではなく、

「その人の立ち位置が定まる前に答えを出すと、かえって迷いが深くなる」

そんなケースが非常に多いからです。

この迷いはどうしても

「こんな彼とのことで悩むなんて」とか

「やっぱり私は大切な人を幸せにできないんだ」のような

”自分責め”の理由になるので。

だから、まだ、彼とのこと、どうにかしたいと思っているなら、その気持ちを否定しなくてもいいんです。

気持ちの区切りをつけたつもりでも、それでも残る気持ちだってあるはず。

その気持ちの整理にも、同席させていただいています。

なんにせよ、クライエントさまの幸せへの道筋は外さないようにサポートし続けております。


こちらの記事もどうぞ

まとめ:忙しい彼と会えないのに関係が続くのは、「立ち位置」と「役割」が固定されるから

忙しい彼と会えない。

向き合ってくれない。

それでも関係が続いてしまう。

この状況は、あなたの気持ちの弱さではなく、

関係の中で「待つ側」「理解する側」「我慢する側」という立ち位置が固定されることで成立してしまうんですね。

そして、しんどさの正体は、会えないことよりも、

その立ち位置のまま、あなたの欲求や尊厳が置き去りになることです。

だから、必要なのは「彼の心理を当てること」ではなく、

あなたが引き受けている役割に気づき、立ち位置を整え直すこと

そこが整ってくると、

  • 返す言葉が変わります
  • 関係の条件が言えるようになります
  • 向き合う人かどうかが見えやすくなります

もし今、ひとりで抱えきれない感じがするなら、誰かに話して整理してみるのも一つです。

「何が起きていたのか」を言語化できるだけで、立ち位置は戻ってきますからね。

今日は以上です。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

ABOUT ME
浅野寿和 | 心理カウンセラー/トレーナー
恋愛・夫婦・仕事・生き方の中で、「ちゃんとやってきたのに、どこか噛み合わない」そんな感覚を抱えやすい人のご相談を多くお受けしています。 正しさや結論だけを急がず、今どこに立っているのかを一緒に整理する個人セッション(カウンセリング)が人気。 キャリア16年・臨床実績10,000件/東京・名古屋・オンライン対応。リピーターさまが多いカウンセラー。口癖は「どんなことにも事情があるよね」。
「読む」から、「私の立ち位置を整える」へ

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