恋愛の心理学

親友以上恋人未満の男性に期待する私。どうすれば心穏やかに関わることができますか。

浅野カウンセラーへのご質問です。

親友以上恋人未満、のような男性がいます。
もともとは彼から普通にアプローチがあり仲良くなったのですが、私がアラサーにして恋愛経験がないことを話したところで、恋愛対象としては見られなくなったと言われました。それでも妙に馬があい、その後5年近くに渡って付き合いが続いています。

経験がない部分がネックというのは、受け入れてもらいたくて話したので悲しかったですが、彼が恋愛において性愛を重視するのならば仕方がないよなと思っています。
また、お互いが恋愛に求めるもの(彼はときめきやドキドキ、私は安心感や誠実さ)も異なっています。

人間的には強い信頼関係が育ってしまったようで、大きな喧嘩からの仲直りもしたし、彼の親友にも紹介されました(今まで彼女ですらそんなことはしなかったそう)。彼の仕事に対する向き合い方や考え方など、尊敬できるところが多々ありますし、彼も私に対してそう思ってくれているようです。

彼のことが好きかと聞かれたら好きですが、付き合いたいのかと聞かれたら躊躇します。それは彼の女性に対する道徳心みたいなところに不快感があるから(インスタントな関係を是としたり、女性全般を見下しがちだったり)でもあり、付き合ったところで私が彼に提供できるものは友人である場合とたいして変わらないと思うからでもあります。

彼から友情以上のものを感じるときもたまーにあり、彼が私をどう思っているのかと悩んだりもしますが、今は「まあ好きは好きなんだろうけどアクションがないということは今の関係性がちょうどいいんでしょうね」と思うようになりました。
「昔好きだった」と言われたこともあります(今も相当好きでしょ、と思いましたが)。なにしろお互い素直じゃないです。

どちらかというと問題は自分がどうしたいかが定まっていないことで、恋愛感情なのか執着心なのかわかりませんが、この気持ちがなくなればものすごく貴重な異性の親友として良い関係を続けられるだろうと思います。

その一方で、何かのはずみで彼が誠実になり、私と向き合ってくれる可能性を捨てきれない自分もいます(誠実な彼なら愛するというのは取引だと、いろいろな心理学ブログを読んで理解してはいるのですが・・・)。

彼はお母さんとの関係にトラウマを抱えているのですが、「それが原因で女性を蔑ろにしているのであって、根本的には誠実に愛せる人なのではないか」という期待が浮かんできてしまいます。

いい意味で期待を手放して、心穏やかに仲良くしていくにはどうすればよいでしょうか?

ネタ募集ネーム:メイさん

メイさん、おまたせしましたm(_ _)mネタのご協力ありがとうございます。

今日はあなたのご質問にお答えしますね。

ご質問を読ませていただいて、あなたのなんとも切ないお気持ちと、あなたの愛情に同時に触れさせていただいたような気持ちです。

確かにこの悩みは難しいもの、といえますね。

理屈(思考)で割り切れたとしても、気持ちはつい期待の方に触れてしまうこともあるでしょうし。

いくら友情や信頼関係が育っていたとしても、恋愛感情が入り込まないわけでもなさそうなご様子ですから、ついつい期待が入るこんでしまうものかもしれません。

相手のことが好きならなおさらに、ですね。彼の言動もあなたのことが好きって感じのようですしね。

では、ご質問の「いい意味で期待を手放して、心穏やかに仲良くしていくにはどうすればよいでしょうか?」について僕なりにお答えしますね。

 

自分がどこまで踏み込んで受け入れるかを決めてみる

先に答えを書いちゃう感じになりますけど、このようなケースの場合「自分自身がどこまで彼と関係を望み、彼を受け入れ、自分から与える決断をするのか」かポイントになることが多いですね。

メイさんも「どちらかというと問題は自分がどうしたいかが定まっていないこと」とおっしゃってくださっていますが、まさにその通りなのだろうな、と僕も思うのです。

あなたがどのような選択をしても間違いじゃありませんよ、きっと。

ただ、少なくとも「きっとうまくいくはずだ」という期待を手放すことと、「自分がどうしたいのか」を決めることがあなた自身が納得した決断を下すための前提になってくるように僕は思います。

 

今回のお話を読むと、彼との間には信頼関係があるようですね。それは素晴らしいことです。

だからこそ、情愛や彼への信頼感から彼のことを受け入れてあげたいと思うこともあるのかもしれませんよね。

ただ、信頼と恋愛感情はちょっと別です。

恋愛感情を感じると、どうしてもマイナスの感情を感じやすくなりますし、自分自身も相手に甘えたい、愛してもらいたい、支えてもらいたいという気持ちを感じやすくなります(それが問題ってことじゃないですよ。)

だから、つい不安になりやすく、思っちゃいけないと思いつつも「彼があなたにどのような感情を持っているか」という部分ばかり気にしてしまいがちになるといいますかね。

すると、自分の選択権が彼に渡ってしまうので、つい振り回されがちになります。

また、彼の内面を探ってしまうことによって「彼を疑っている」という印象を与えてしまう可能性も否定できないかな、と僕は思います。

だから、全ては「自分がどこまで踏み込む決意をするのか」次第になると思います。

一言で言えば「恨みっこなーしよっ」って感じで決める感じです。

もちろん「自分の決断を後悔しています」というご相談もあるわけで、その場合は僕も全力で支えまっせ、と思っていますが、心構えとして「恨みっこなーしよ」は大切なことですね。

少なくとも彼を愛そうと決断した事自体は尊いことですしね。

もちろんあなたにとって受け入れがたい彼の要素もあろうかと思うので、繰り返しになりますが、どこまで踏み込むか、受け入れるか、どのような決断をしても間違いじゃないと僕は思いますよ。

 

彼の問題がいつか癒やされるのではないかという期待について

彼はお母さんとの関係にトラウマを抱えているのですが、「それが原因で女性を蔑ろにしているのであって、根本的には誠実に愛せる人なのではないか」という期待が浮かんできてしまいます。

少なくともあなたが彼のことをそのように見るなら、それこそあなたが彼に向けた信頼ですよね。素晴らしいと思います。

人を悪く思うより、その人の良さや可能性を見ることこそ、信頼関係の土台ですしね。

ただ、これは余談になっちゃうんですけど「彼の問題がいつか癒やされるのではないだろうかという期待」は、手放しておいたほうが無難かなと僕は思います。

ちょっとドライな意見ですけども。

確かに彼の問題がいつか瓦解する可能性だってあります。あなたが彼のそばにいて彼の意識が変化していくことだって十分に考えられます。

だから、これから起きるであろうリスクを取ってその可能性を追いかける決断をするなら、それも一つの決断として尊重されるべきことだと僕は思いますし、そのような決断をされた方のサポートもさせていただいています。

ただ、彼の内面の葛藤や問題がどうなるかは、あくまで彼の選択とそのいプロセスによって決まるものですよね。

いくら彼のことが好きだとしても、また彼のことを素晴らしい人なのではないか、と思うとしても、最後まで自分から関わる、千疋をするという自分の感情の責任を取ることができるならいいですが、単に癒やされることを期待すると、ものすごい失望がやってきたりもします。

また、これは忍耐女子の皆さんに多い傾向なんですけど、彼の問題を背負って関わっていく方もいますよ。その覚悟はすごいなと僕も思いますよ。

ただ、二人の関係が前向きにならなかった場合、おそらく「うまく愛せなかった」という無力感などを感じることになりかねないわけです。

これこそ彼が最も望まないことではないか、と僕が思うのですね。

今回の場合なら、ここまで信頼関係ができたあなたを自分のことで苦しめるとしたら、彼はあなたにとってのバツや負担でしかなくなりますから。

 

友達以上恋人未満という関係を作りやすい男性の気持ち

僕自身、たくさんのご相談の中で「友達以上恋人未満」という関係を維持する男性の心理を見つめてきましたが、どこか「相手の毒(負担)になるのではないか」という疑いが消えない男性ほど、親密な関係に踏み込むことを躊躇してしまう傾向があるようです。

意識的には自信がない、不安があるという感覚になるでしょうが、どこか「自分が相手を幸せにできるのだろうか」という疑いが内面に存在しているようなイメージです。

特に母親との葛藤があるということであれば、例えば「自分は相手のためにならない」「相手の喜びになれていない」という感覚が内面に存在しても不思議ではないんです。

この状態があなたとの間で再現されるとしたら、それこそ今の信頼関係を根っこから変えてしまう可能性を持つわけですよ。

だから、彼のすばらしさを見続けてあげることはとてもいいことです。

ただ、彼にも彼の気持ちがあるという部分はどうしても見逃せない部分になろうかと思います。

 

本気で彼と関わりたいと思うなら

もともとは彼から普通にアプローチがあり仲良くなったのですが、私がアラサーにして恋愛経験がないことを話したところで、恋愛対象としては見られなくなったと言われました。

ここからは「もし、あなたが本気で彼と関わっていい関係になりたいと願われるなら」という前提で話を続けます。

もしそう思われるのであれば「私がアラサーにして恋愛経験がないことを話したところで、恋愛対象としては見られなくなったと言われました」という部分をすべて手放すことかな、と思います。

それはあなた自身のためにも、彼のためにも、です。

そもそも恋愛経験がないことって問題じゃありません。

普段のカウンセリングでもこのようなお話を伺うことは多いですし、恋愛経験がないことで「不安です」「悩んじゃいます」というお気持ちは僕なりに理解させてもらっていますよ。

しかし、経験がないことを劣等感や問題にする必要はないわけです。

もちろん大切な人にそう言われると傷ついちゃうこともあるかもしれません。恋愛対象として見れないと言われればやはりショックを受けるかもしれません。

でも、それって「それぐらいあなたが彼の喜びになってあげたかった」って気持ちの裏返しではないでしょうか。

私が十分な存在だったら・・・といったね。

つまり、僕はそう思えている時点であなたは十分だよね、と思っちゃうわけです。

そもそも「私は大切な人にとって十分な存在でありたい」と思える人って素敵ですよね?

だからこそ悩むのかもしれませんけどね。(言うてしまえば、愛や思いやりがあるから僕たちは悩むってことなんですけど。)

そこで「なんで愛してくれないの!」だとか、「傷ついた、責任取れよ!」とか責めているわけでもなく、彼の気持ちを受け止め信頼関係を築いているわけでしょ?

だとしたら、まずは自分自身の素晴らしさを認めて、受け入れてみてほしいと思うんですよね。

自分ってこんなに寛容だったんだ、人を受け入れる人なんだ、信じている存在なんだ、と。

もちろんそれとは全く逆の、寛容ではなく、人を受け入れることを恐れ、不信感を向ける自分もいるんですけど、そりゃしゃーないことです。傷つきたくないもんね。

ただ、自分の内面にはとても素晴らしい要素があるんだなぁ、と見つめてみてほしいのです。

そこから、「自分がどうするか」が決められるようになっていくものですよ。

メイさんが書いてくださっている「誠実な彼なら愛するというのは取引だと、いろいろな心理学ブログを読んで理解してはいるのですが・・・」という言葉を見て、僕はこう思うのですよ。

無理しない、無理しない、ってね。

ご質問を読ませてもらって、どこかあなたは努力家で誠実な方なんだろなぁ、と僕は感じていたりします。そもそも「ちゃんと愛せない=取引だ」という言葉に引っかかっている時点で、あなたは「ちゃんと愛したい人」ってことになりませんか?

でも、人っていつも取引せず、心から相手と向き合えるわけじゃないものでしょ?ついつい自分都合で動くし、何かを恐れたり人をコントロールしたい気分になるもの。

みんながそれを実践できていたら、そもそも「愛するとは・・・」なんて考えなくてもいいわけで。

だからこそ、自分の中のネガティヴな要素ばかり見て悩み続けたり、焦って無理をしないこと、って大切ですよ、と僕はお伝えしています。

それを「だってにんげんだもの」という言葉で表現することも少なくない。

ただ、できるだけベターな自分、ベストを尽くせる自分でいたいものですよね。

ならば、自分の気持ちを整えてからでも遅くはないんでないですか?と思うわけです。

少なくとも、無理に相手のネガティヴさを引き受けて愛そうとしても、結局自分が「受け入れられず愛せていない」と感じている以上、自分の気分が最悪になっちゃいますよ。

これを僕たちの心理学では「犠牲」といいます。

愛する自信がないのではなく、そもそも今の自分では「受け入れられない」ってことを無理に飲み込もうとするってことです。

その時点で、あなたの覚悟は尊いものだと思うのですが、彼はあなたを苦しめる人になってしまいますから、やはり関係性は良くならないことが多いのです。

ここで大切なことは「犠牲して愛する決断が間違っているわけじゃないけれど、自分も相手も喜べない」ってことです。

 

だから、メイさんと彼が、今の信頼関係を大切にして男女関係に踏み込まなかったことにも意味があったということなのだろう、と僕は見ています。

つまり、今までが悪い選択ではなかった。むしろいい選択をした。まずそこを大切にしてほしいなと思います。

その上で、これから一歩先に進むために、自分はどれだけ自分の嘘をつかず、無理をせず、人を愛せるだろうか、と考えてみる。

この「自分に嘘をつかず、無理をせず、人を愛せる自分になること」が、自分の愛や心のキャパシティを実感した自分になることそのものなんですよ。

少なからずメイさんが自分の素晴らしい部分をコツコツ実感していければ、メイさんがおっしゃる「いい意味で期待を手放して、心穏やかに仲良くしていく」ことは可能になっていくだろうと僕は思います。

その時、あなたは彼との関係をどうするか「自分で決めている」と思いますよ。

僕はそのプロセスを少しでも時間短縮できるように、面談セッションやいろんな心理の考え方をご提供しながら、えっさほいさとお手伝いしている存在ですわね〜。

 

とかくなかなか踏み込めない関係ってのは、どこかで「愛されないんじゃないか」と思って恐れているようなイメージが強いのかもしれませんが、気持ちの根っこでは「大切な人の喜びになれない」ということをとにかく恐れているわけです。

それは男女問わず同じなのです。

そんなときは、まず自分を見つめ直すことを僕はおすすめしていますよ。

いかに自分が大切な人の喜びになりたいと願っているのか、それを思い出すことが、自分を大切にする第一歩になることが多いですから。

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