こんにちは。

心理カウンセラーの浅野寿和です。

今日は、恋愛でよく出てくる言葉をひとつ。

「この人しかいない」

こう思ってしまうときの心の動きを、少し整理してみます。


「この人しかいない」には、2つの意味がある

最初に結論めいたことを言ってしまうと、

「この人しかいない」には、2つの意味が混ざりやすいんですよね。

  • ① コミットメント(覚悟):ちゃんと向き合って愛する、という決意
  • ② 執着:失うのが怖くて、しがみついてしまう状態

同じ言葉に見えるのに、内側で起きていることが違う。

そしてこの違いが、恋愛のしんどさを分けるポイントになりやすい、と僕は思っています。

ただ、100%のコミットメント・執着というものも少なくて、
どちらの割合が強いか、と考えたほうが現実的ですね。


「もうこの人しかいない」と思える人は、情熱的でもある

そもそも「この人しかいない」と思える恋って、ある意味すごいです。

誰かをそこまで大切に思える。

誰かのために本気になれる。

これは、見方によっては強みです。

実際、こういうタイプの方は、恋愛の中で

  • 相手のことをよく見ている
  • 相手を大切にしたい気持ちが強い
  • 自分の未熟さや足りなさも反省できる

こういう要素を持っていることが多いように見えます。

だから、関係がうまくいかなくなると、

「もっとこうすればよかった」

「なんであんな態度をとったんだろう」

と、後悔や自責が増えやすい。

それだけ本気、ということでもあります。


ただ、同じ強さが「執着」に変わることもある

一方で。

関係に距離ができた瞬間から、

「この人しかいない」が、あなたを窮屈にする方向に働くことがあります。

たとえば、こんな感覚。

  • 相手の反応がないと落ち着かない
  • 連絡頻度や態度の変化に一喜一憂する
  • 相手の機嫌を最優先にしてしまう
  • 自分の世界がどんどん狭くなる
  • 気づくと「うまくいってない証拠」ばかり拾っている

こうなってくると、恋愛をしているというより、

不安の処理をしているような状態になりやすい。

つまり、「この人しかいない」という言葉が、

勇気をくれるのか

自分を苦しめるのか

ここで意味が変わってくる、ということですね。


執着のとき、人は「問題」ばかりを見てしまう

執着の特徴の一つは、

「失うこと」に意識が偏ることです。

すると、起きやすいことがあります。

  • 関係がここまで続いた理由が見えなくなる
  • 相手の良さや、過去の積み重ねが感じられなくなる
  • 自分の良さや、頑張ってきた部分も見えなくなる

そして「見えない」から、さらに不安が増える。

不安が増えるから、さらに「この人しかいない」が強くなる。

こういう循環に入りやすいんですよね。

このとき、多くの場合、恋愛の問題だけではなく、

自分の感覚(自分らしさ、自己信頼、生活の軸)が、どこかしら細くなっていることが多いように思います。


コミットメントは「自分が広がる方向」に働く

一方、コミットメント(覚悟)としての「この人しかいない」は、少し質感が違います。

コミットメントとしての「この人しかいない」は、

相手にしがみつくための言葉というより、

自分の立ち位置を決める言葉になりやすいんです。

たとえば、こんな方向に働きます。

  • 言いたいことを言う勇気が出る
  • 大事にしたいものが明確になる
  • 相手を大切にしつつ、自分も大切にできる
  • 不安が出ても、全部を相手に委ねなくなる
  • 関係を育てるための行動が取れる

要するに、

自分が少し大人になる方向に働く。

だから、結果として関係も落ち着きやすい。

こういう流れが起きやすいように見えます。


その違いはシンプル

ここまでの話を、かなり単純化すると。

  • 「この人しかいない」が、あなたに勇気をくれるなら → コミットメント
  • 「この人しかいない」が、あなたを窮屈にして苦しめるなら → 執着

こういう見方はできると思います。

もちろん、白黒きれいに分かれるわけではなくて、両方が混ざることも多いです。

昨日は覚悟だったのに、今日は執着になる、みたいなことも普通に起きます。

なので大事なのは、

「執着してる自分を否定する」ことではなく、

今、自分はどっちの方向に寄っているかを確認していくことなんだと思います。


「この人しかいない」と思ったときに、戻ってくる場所

もし今、関係が揺れていて、

「この人しかいない」と思うほど苦しいなら。

まずは恋愛テクニックの話よりも、

自分の気持ちが落ち着かなくなる事情を確かめるほうが、先かもしれません。

たとえば、

  • 生活の中で、自分が落ち着く時間があるか
  • 誰かに話せる場所があるか
  • 恋愛以外の関心や楽しみが残っているか
  • 自分の本音(嫌・不安・寂しさ)を無視しすぎていないか

ここが整ってくると、恋愛の見え方が変わります。

ただ、深層心理レベルでは、全く気づけないレベルの感情の影響で、気持ちがグラグラ揺れていることもあるんですよね。

よくセッションでも扱いますよ。

そのあたりが気になる場合は、個人セッションの中でケアしてみてください。

それのよって、相手の一挙手一投足に振り回されにくくなるし、

「この人しかいない」という言葉も、少し落ち着いた場所から扱えるようになっていきます。


まとめ

「この人しかいない」には、2つの意味が混ざりやすい。

  • 勇気をくれるなら、コミットメント(覚悟)
  • 自分を苦しめるなら、執着

同じ言葉でも、働き方が違う。

そしてその違いは、あなたが悪いから起きる、という話でもなくて、

恋愛の揺れの中で、人が自然に入りやすい心の動きの一つ、と考えることもできると思います。

もし今、「この人しかいない」が苦しさになっているなら、

いったん自分の感覚を取り戻すほうに目を向けてみる。

そのほうが、結果的に関係も、自分も、落ち着きやすくなることがあります。

今日はここまで。

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ABOUT ME
浅野寿和 | 心理カウンセラー・トレーナー
恋愛・夫婦・仕事・生き方の中で、「ちゃんとやってきたはずなのに」そんな感覚を抱えやすい人のご相談を多くお受けしています。 個々のご相談を心理学の視点で整理して、明快に言葉にしていくカウンセリングが人気。 キャリア17年・臨床実績10,000件/東京・名古屋・オンライン対応。リピーターさまが多いカウンセラー。口癖は「どんなことにも事情があるよね」。
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