子を愛するということ 〜親の欲を超えて、「今」のつながりを信じる〜
こんにちは。心理カウンセラーの浅野寿和です。
今日はふと思いつき「子を愛するとは何か」という僕の中にあった問いについて考えてみたいと思います。
*
親になると、思いがけないタイミングで「自分の中の欲」と出会う瞬間があります。
「この子には幸せになってほしい」「失敗してほしくない」
どれも愛から生まれた願いのはずなのに、どこか“怖れ”が混ざる。
僕自身、小学生の娘を育てながら、何度もその感覚に立ち止まってきました。
そして思うのです。
親の欲と、愛は紙一重の距離にある、と。
Index
親の過去は、子の「今」に映し出される
子供を見つめるとき、僕たちは無意識に自分の過去を見ています。
「同じように苦しませたくない」「同じように孤独にさせたくない」
その祈りのような願いが、知らず知らず“制御”や“過保護”という形をとることもある。
子供の姿を通して、自分がまだ癒えていない部分が浮かび上がる。
だからこそ、子を育てるという営みは、自分をもう一度育て直すことでもあるのだと思うんです。
親の欲は「愛+怖れ」からできている
「こうなってほしい」「こう生きてほしい」
それは自然な親心です。
けれどその根っこには、親自身の「自分への期待」と「自分への失望」が隠れていることが多いものといえそう。
たとえば、
「自分のように後悔してほしくない」
「自分ができなかったことを、この子にはやってほしい」
そう思うほどに、愛の中に“未消化の自己否定”が混ざっていく。
だから僕は、親の欲とは「愛」と「怖れ」の混ざり合いなのだと考えています。
愛するとは、「今、この瞬間の子供を十分な存在として見ること」
愛とは、未来を心配することではなく、「今のあなたはそれでいい」と伝えること。
それが僕の考える「子を愛する」ということです。
「生まれてきてくれてありがとう」
この言葉の本質は、“存在そのものを信頼すること”にあります。
子供の将来を思い描くことも大切ですが、
「いま、ここにいるあなた」を肯定するまなざしがあってこそ、
その未来は安心の上に育っていくのだと思うのです。
親が自分を愛せるとき、子へのまなざしはやわらかくなる
親が自分を責めていると、子供も「完璧でなければ愛されない」と感じやすくなります。
反対に、親が「不完全でも愛されている」と感じているとき、
子供は“未完成のまま安心して成長する力”を得ます。
つまり、親の自己受容が、子の自己信頼を育てるんです。
親が癒えることは、子供を愛することの一部。
それは決してエゴではなく、“愛の循環”をつくるための大切な準備です。
親の欲を超えた先にある、“循環する愛”
愛は欲ではなく、循環する想い、です。
親が笑えば、子供が安心し、子供が笑えば、親が癒える。
その往復の中で、愛は少しずつ成熟していきます。
だから、僕たちができることはとてもシンプルです。
「大丈夫。今のあなたも、今の私も、もう十分だ」
そう言えるように、自分の中の怖れをほどいていくこと。
その瞬間、親の欲は“未来を変えようとする力”から、“今を信じる力”へと変わります。
そしてそのとき、僕たちは本当の意味で「子を愛している」と言えるのかもしれません。
結び
子供を愛するということは、
“自分の中の未熟さ”と“今ここにあるつながり”を、どちらも受け入れること。
誰かを育てながら、自分も育て直す。
その循環の中にこそ、愛の成熟はある。
今日もまた、娘の寝顔を見ながら、僕はそう実感しています。
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