深読みさんと忍耐女子

深読みさんの恋がこじれるのは、才能があるからだ

深読みしすぎる女性

こんにちは。

心理カウンセラーの浅野寿和です。

今朝もぼーっとコーヒー・・・ではなかった、ルイボスティー飲みながらぼーっとしていたら、ふとこんなことを思ったんですよ。

「深読みさんの恋って、こじれやすいけど、その理由って“欠点”じゃなくて“才能の副作用”だよなぁ・・・」。

いや、恋愛相談をお伺いしていると、深読みさんたちのストーリーって、めちゃくちゃ繊細で、めちゃくちゃ深いんですよねぇ。

そこまで見てます?
そこまで受け止めてます?

みたいな話はザラなんですよ。

ただ、どんなことにも長所と短所があるように、「深さ」があるがゆえに、関係がややこしくなるポイントもないわけじゃない。

今日はそんな、「深読みさんの恋がこじれるのは、むしろ才能があるからなんですよ」という話を、ゆるめに書いてみようと思います。

よろしければ、お付き合いください。


「深読みさんの恋」がこじれやすいのはなぜか

まず、ここでいう「深読みさん」とは、だいたいこんな方々をイメージしています。

  • 人の表情や声のトーンの微妙な変化にすぐ気づく
  • 相手の言葉の行間を読むクセがある
  • その場の空気や、微妙な距離感の変化に敏感
  • 「あの一言、あの間、あのスタンプ」が頭の中で何度も再生される
  • 「本当はこう思ってるんじゃないか」と裏側まで想像してしまう

はい、ここまで読んで「うわ、全部私やん」と思った方。

ようこそ、本日の記事へ(^^;

この「深読み力」、実は人と関わるうえではかなり高度な能力なんですよね。

  • 気配りができる
  • 相手の本音に気づきやすい
  • 場の空気を読むのがうまい

仕事でも対人関係でも、この力にどれだけ助けられてきたか分からない、という方も多いはず。

ただし。

恋愛になると、この才能が「問題の火種」にもなりやすい部分もあるんですよねぇ。


才能が「問題」に変わる3つのパターン

1.心の中が「監視カメラモード」になってしまう

深読みさんの頭の中は、だいたいこんな感じで動きます。

  • 彼(彼女)の表情がいつもより0.5秒遅れて笑った
  • LINEの返信のテンションが、昨日より2トーン低い気がする
  • 「大丈夫だよ」の「よ」が、なんか冷たいように感じる

こういった「ごく小さな変化」をキャッチするセンサーが、ものすごく精度が高いわけです。

その結果、心の中が、24時間稼働の「監視カメラモード」になりがちです。

そのセンサー自体は素晴らしいんですが、問題はここからっす。

  • 小さな変化=危険信号
  • 違和感=嫌われる前触れ
  • 沈黙=見捨てられる予告

みたいに、全部を「不安の材料」として処理しはじめると、恋が一気にしんどくなります。

つまり、才能が「自分を守るための過敏さ」として働きすぎてしまうんですね。

2.自分の中で恋のシナリオを書きすぎる

深読みさんは、ある意味「物書き」「ストーリーテラー」としての才能も持っています。

たとえば、こんな流れです。

  • 彼のLINEが少し素っ気なかった
  • →「疲れてるのかな」「迷惑かな」「本当はもう冷めてるのかも」
  • →「前の恋でも同じだったし」「どうせまた同じパターンになる」
  • →「このまま続けてもしんどくなるだけかも」

・・・現実には「相手がただ眠かっただけ」だったりもするやつですね。

でも、頭の中ではすでに「関係悪化〜別れのシナリオ」まで書き切ってしまっている。

すると、まだ何も起きていないのに、心だけ先に疲れてしまいますわよねぇ。

その結果、

  • 自分から距離を取ってしまう
  • 相手の反応を試すような言動をしてしまう
  • 「どうせうまくいかない」と決めつけてしまう

という、自分でも「本当はやりたくない行動」が出てくるんですよね。

3.「相手を守るために距離を取る」という優しさ

深読みさんは、基本的に優しい人が多いです。

だからこそ、こう考えがちなんですよね。

  • 私といても、相手を振り回すかもしれない
  • 私の不安で相手を疲れさせたくない
  • だったら、距離をとってあげたほうが相手のため

この結果、どうなるかというと──

  • 相手からすると「急に冷たくなったように見える」
  • 「本当はどう思っているのか」が見えなくなる
  • その結果、相手も不安になり、距離を取る

つまり、

「相手のために距離を取る優しさ」
→ 相手からすると「よく分からない距離の取り方」に見える

このすれ違いが、こじれを加速させてしまうことも少なくありません。


じゃあどうすれば? 深読みさんの才能を恋愛で活かすコツ

ここからは、「深読みさんの才能を殺さずに、こじれを減らすためのコツ」をいくつかご提案しますね。

1.「情報」と「解釈」をノート上で分けてみる

まず試してほしいのは、シンプルですがとても効くやり方です。

紙やスマホのメモに、次の2列を作ります。

  • 左側:起きた事実(情報)
  • 右側:そこから自分がしている「解釈・想像」

例を出すと、こんな感じです。

  • 【事実】LINEの返信がいつもより3時間遅かった
  • 【解釈】私に飽きてきたのかもしれない/他に好きな人ができたのかも

こうやって書き出すと、

  • 「事実」は意外とシンプル
  • 「解釈」のほうが何十行も続く

……なんてことが、よくあります。

この作業は、「深読みの才能」を否定するためではなく、

「私の頭の中で起きていること」を、ちゃんと自分で分かってあげるための作業です。

これができると、「あ、今私は深読みモードに入ってるな」と気づく余地ができます。

2.反応を「1テンポ遅らせる」練習をする

深読みさんは、反応速度も速いんですよね。

  • 相手の一言で、頭の中に10個くらいの不安が一気に浮かぶ
  • その不安のどれかに基づいて、すぐに返信してしまう

なので、こんなルールを一度試してみてください。

  • 不安になったときほど、「少し時間を置いてから」返信する
  • 怒りや悲しみが強いときは、一晩寝かせる

この「1テンポ遅らせる」は、

「気持ちを押し殺す」のではなく、「自分でいったん受け止めてから外に出す」ということです。

「取って、受けて、出す」。

この「受けて」の部分が瞬速なのが深読みさんの特徴。

プロ野球のピッチャーのクイックモーションの3倍速ぐらい速いかも。

なので、少し時間を置いたあとの言葉のほうが、実は本当に伝えたいことに近かったりしますからね。

3.「勝手にストーリーを完結させる前に、本人に聞く」という選択肢

深読みさんは、とにかく頭の中でストーリーを完結させるのが早い。

それは能力ですし、仕事ではめちゃくちゃ役立つんですけども。

恋愛では、こんな選択肢も持っておくといいかもしれません。

  • 「最近ちょっと元気なさそうだけど、大丈夫?」
  • 「LINEの返事が少し減ってる気がするけど、仕事忙しい?」
  • 「私、ちょっと考えすぎちゃうところあるから、気になることあったら言ってね」

これらは、いわば「深読みのエネルギーを、対話に乗せ替える」ための言葉です。

「聞く勇気」を持てるようになると、頭の中で暴走していたストーリーが、一気に鎮まることも多いですよ。

4.「一人で全部抱えない」を、意図的に選ぶ

深読みさんは、自分の中で答えを出そうとしすぎる傾向があります。

でも、パートナーシップって本来、「一緒に考える」ものなんですよねー。

たとえば

  • 「私はこう感じてる。あなたはどう?」と聞いてみる
  • 「私だけで決めきれないから、一緒に考えてくれる?」と頼んでみる

これ、ものすごく怖いんですけどね。

「うわー、こんなん言ったら重いと思われるやつやん」と。

でも、大人の関係を求めている人ほど、

「一緒に悩みたい」「一緒に背負いたい」

と思っていたりもするんです。


深読みさんの恋は「深さ」があるから、少しだけ扱いが難しいだけ

ここまで読んでくださった深読みさんに、僕からお伝えしたいのはこれです。

あなたの恋がこじれやすいのは、「ダメだから」ではなく、「感性と想像力があるから」です。

人の気持ちに鈍感だったら、そもそもここまで悩まないんですよね。

相手の微妙な変化に気づける。
空気を読みすぎてしまう。
自分の言動が相手に与える影響を考えてしまう。

これって、本当に高度な人間力です。

ただ、その才能を「自分を責めるため」にだけ使ってしまうと、恋がしんどくなる。

だからこそ、

  • 事実と解釈を分けてみる
  • 反応を1テンポ遅らせてみる
  • 頭の中で完結させる前に、相手に一言聞いてみる
  • 一人で抱えず、「一緒に考えよう」と言ってみる

こんな小さな練習を通じて、

「深読みの才能を、そのまま“深い愛し方”へ変換していく」

そんなプロセスを歩んでもらえたらいいな、と思っています。


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最後に:「深読みしすぎる私」を、ダメ扱いしないでほしい

深読みさんの多くは、自分にとても厳しい人です。

だから、

  • 「また考えすぎて失敗した」
  • 「こんなんだから私は恋愛がうまくいかない」

と、自分にすぐ“レッドカード”を出してしまう。

でもね。

あなたの「深読み」や「考えすぎ」は、
誰かにとっては「ここまで分かってくれる人がいるんだ」という救いにもなり得るんですよ。

だからどうか、

「深読みする自分」=即・不合格

という図式だけは、少しずつ手放していけるといいな、と思います。

そのために必要なのは、「深読みをやめること」ではありません。

深読みしてしまう自分の才能と優しさを、
ちょっとだけ扱いやすい形に整えてあげること、です。

そのプロセスを、一人で頑張りすぎないでほしいなぁ……と思いながら、今日はこのあたりで。

ではでは、また記事を書きますね。

ABOUT ME
浅野寿和 | 心理カウンセラー/トレーナー
恋愛や夫婦関係、仕事、対人関係、生き方の”こじれ感”を「甘すぎない心理学」で解決。ただ、気持ちを受け止めるだけでなく、背景にある心理構造や関係性のパターンを整理し、「現実的で納得できる選択」を一緒に探っていきます。 臨床実績10,000件/東京・名古屋・オンライン対応。
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