こんにちは。

心理カウンセラーの浅野寿和です。

さて、カウンセリングや講座でお話をしていると、こんな声をとてもよく聞きします。

「自分を好きになろうと、いろいろやってきたんです。でも、正直あまり変わらなくて……」

自己肯定感の本を読んだり、前向きな言葉を使ってみたり、自分を大切にしようと意識したり。

ちゃんと努力している。

それなのに、なぜか自分を好きになれない。

それは何故なのか?に関する一つの見解を今回はまとめてみたいと思います。

よろしければどうぞ。


自分を好きになれない人は弱いわけじゃない

まず、はっきりさせておきたいことがあります。

努力しても自分を好きになれない人は、弱いわけでも、感情が乏しいわけでも、自己理解が浅いわけでもありません。

むしろ逆で、かなり考えてきた人、踏ん張ってきた人が多いと僕は見ています。

じゃあ、何が起きているのか。

僕が見てきた限り、このタイプの方に共通しているのは、

どこか「自分を制圧して生きている」という点です。


「自分を制圧する」とはどういうことか

ここで言う「制圧」というのは、自分を嫌っている、という意味ではありません。

むしろ、傷つかないための工夫です。

  • 感情を信じると、振り回されそう
  • 素直に動くと、失敗しそう
  • 期待すると、また傷つきそう

だから、先に考える。

先に抑える。

先にコントロールする。

つまり、

自分を信頼しないことで、人生を安全に運営してきたとも言えるんですね。

この状態では、「感じる」「委ねる」「素直になる」こと自体が、どこか危険に感じられます。


なぜ「自分を好きになろう」とすると、余計に苦しくなるのか

ここが、今日いちばん大事なポイントになるかもしれません。

自分を制圧して生きてきた人ほど、

  • もっと自分を受け入れなきゃ
  • ちゃんと癒やさなきゃ
  • いい気分でいられるようにならなきゃ

と、「自分を好きになる努力」を重ねます。

その努力自体が間違っているわけじゃありません。

でも実際に起きているのは、

「好きになろう」という名目で、さらに自分を管理しているという状態だったという話もけっこうあるんですね。

だから・・・

・まだ足りない
・まだできていない
・この程度で満足しちゃダメ

こうして、無意識のうちに自分への監視と統制が強まっていく。

だから、どれだけ頑張っても、どこかラクにならない感じが続くのです。


必要なのは「好きになる努力」より、見直し

ここで、少し視点を変えてみてほしいのです。

もしかすると、自分を好きになれない理由は、自分の努力不足ではない。

「自分を信頼しないことで生き延びてきた力」が、今も働いているだけかもしれない。

そう考えると、話はだいぶ変わってきます。

そもそも自分を好きになるということは、傷ついた女性性(平たく言えば感情)などの要素を整えることに近いです。

ただ、女性性って水のようにすぐ流れてしまうもので、その場に留まってくれるものでもないのです。

なので、「明確なロジックとそれに伴う努力」という、いわば男性性の要素を使って留め、それに沿って自分を整えようとする場合があるわけです。

が、そのロジックと努力で自分を制圧してしまうと、なかなか「整った」と感じにくくなることもあるんです。(そうじゃない場合もありますよ。)

なので、まず必要なのは、感情を感じることでも、無理に前向きになることでもなく、

自分を制圧してきたこの力に、気づいてあげることなのだと僕は思うのです。

つまり、ロジックや努力の扱い方、なのです。


自分を制圧してきた力は、敵じゃない

ただ、誤解してほしくないことがあります。

そもそも自分を制圧してきたこと自体が、悪いわけではありません。

それは、そのときのあなたにとって、必要な生き方だったのでしょうから。

感情に任せて動けなかったからこそ、守れたものもあったはずです。

だからこそ、いきなり「手放そう」としなくていいのです。

まずは、「そうやって生きてきたんだな」と理解することから始めていただきたい

その理解が生まれたとき、少しずつ、感情が戻ってきます。


「傷ついた女性性」という視点につながる話

この「自分を制圧して生きてきた構造」は、心理学的には、

傷ついた女性性を抱えたまま、男性性(正しさ・コントロール)で生きてきた状態

とも言えます。

感情や愛を信じられなくなった結果、正しさや管理で自分を支えてきた。

このあたりの構造については、以前こちらの「傷ついた女性性を癒やすとはなにか?」という記事で詳しく書いています。

胸に手を当てる女性
傷ついた女性性を癒やすとは何か 〜男性性と女性性の話〜こんにちは。 心理カウンセラーの浅野寿和です。 今日は、「傷ついた女性性を癒やす」というテーマについて、心理学的な視点から整理してみ...

今日の記事がしっくりきた方は、あわせて読んでいただくと、理解が立体的になると思います。


最後に

自分を好きになれないとき、

「もっと努力しなきゃ」と思ってしまう人ほど、実はもう十分やっています。

だからこそ、

好きになる前に、信頼できなかった自分の歴史を、少しだけ見てあげてほしい。

それができるようになると、「自分を好きにならなきゃ」という焦り自体が、静かに薄れていきます。

それこそ、回復のかなり重要な入口です。

ABOUT ME
浅野寿和 | 心理カウンセラー/トレーナー
恋愛・夫婦・仕事・生き方の中で、「ちゃんとやってきたのに、どこか噛み合わない」そんな感覚を抱えやすい人のご相談を多くお受けしています。 正しさや結論だけを急がず、今どこに立っているのかを一緒に整理する個人セッション(カウンセリング)が人気。 キャリア16年・臨床実績10,000件/東京・名古屋・オンライン対応。リピーターさまが多いカウンセラー。口癖は「どんなことにも事情があるよね」。
「読む」から、「私の立ち位置を整える」へ

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