ネガティブ思考の自分が嫌い、というご相談
ポジティブ思考の人のようにいつも前向きでいたいのですが、なかなかうまくできなくてすぐネガティブなことを考えてしまいます。
これってどうしてなんでしょう。直せるなら直したいと思っています。
実際にこのようなお声をカウンセリングの中で伺うことがあります。
たしかにネガティブなことばかり考えていると気が滅入ることもあるかもしれませんよね。
できれば毎日気分良く生きていたいと思うでしょうし。
ただ、ネガティヴ思考であること自体は、実はネガティブではないんですよね。
そこで今日のコラムは
「ネガティブ思考が強くて自分が嫌いになる人の心理」についてお伝えします。
この記事から「ネガティブ思考になる理由」や「無理にネガティヴにならなくてもいいというポジティブさ」を感じていただければ嬉しいです。
https://www.asanohisao.jp/archives/18739.html
Index
ネガティブ思考の自分が嫌いだと感じやすい人の心理
ネガティブ思考になりやすい人の心理の特徴は
どこかいつも怖れや危機感を抱えている状態が続きやすい、と考えることができます。
もちろんネガティブ思考になりやすい人の心理には、様々な要因が考えられます。
ただ、いつも怖れや危機感を抱えやすい人ほど「特徴的な思考パターン」を持つことがあるんです。
そこでまずはネガティブ思考が強い人の思考パターンについていくつかご紹介しますね。
ネガティブ思考の自分が嫌いと感じる人の思考パターン
ネガティブ思考が強い人の思考パターンとして代表的なものとして、以下のものが挙げられます。
- 反芻思考: 過去の失敗や嫌な経験を繰り返し考え、ネガティブな感情を強化してしまう。
- 白黒思考: 物事を白黒はっきりつけようと考える。これは完璧主義や自己否定につながりやすいです。
- べき思考: 自分や周囲に対して「こうあるべき」という考えを押し付け、いつも現実とのギャップに苦しむ。
- フィルター思考: 物事の悪い部分ばかりに注目し、良い部分を見落としてしまう。
このような思考が強いと、心理的にも緊張状態を作りやすくなる、といえます。
すると、日常の中でも不安、怖れ、危機感などを感じやすくなります。
その結果、その不安や怖れ、危機感に対応するために
さらにネガティブ思考を強めていく場合も少なくないのですよね。
ネガティブ思考が強い人ほど、ネガティブ思考の自分をネガティブに見ている
ネガティブ思考が強い人は、日ごろから
物事や自分、他人、出来事などをマイナス面やリスク面から見つめながら生きていると言えます。
それは物事を悲観的に捉えていると取ればそうなるでしょう。
ただ、これは「物事の欠点を発見しては改善点を見つけるような視点を持っている」とも言えるのですよね。
例えば
仕事中になんとなく不安になって確認してみたら、ミスを発見して事前に修正できたり。
彼と話していてなんとなく心配になって「大丈夫?」と聞いてみたら、実は心配事を抱えていたことが分かったり。
物事のネガティブな側面に気づくからこそ問題が解決したり、課題を発見できたり、リスクを回避することができる。
その事実は、とてもポジティブなことではないでしょうか。
つまり、ネガティブ思考が強い人ほど
「ネガティブ思考の自分を受け入れられず、どこか必要以上にネガティブに見ているので、いつもネガティブ思考から抜け出せないでいることが多い」
とも言えるのです。
ただし、日頃から「怖れや不安、危機感」を感じている状態って、やはり辛いんですよね。
だからこそ、ポジティブになろうとしても気持ちに余裕がなくなることも少なくないんです。
だから、できれば今の自分のあり方をネガティブに見すぎず、受け入れるところから始めていくといいんですけどね。
ネガティブ思考がもたらすメリットは良い気分をもたらしにくいという側面もある
また、僕たちの気分的に
「失敗を回避した」「問題を発見して改善した」「リスクヘッジできた」
といった体験・経験の中では
「あぁ、よかった」「安心した」「最悪を回避できた」
といった気分となることが多いでしょう。
つまり、ネガティブ思考がもたらすメリット(問題発見や危機回避など)から
素晴らしく良い気分を感じるのか、というと、そうでもないよね、という側面もあると考えれるんですよね。
ここがネガティブ思考がデメリット、辛さ、しんどさ、とつながることも少なくないんです。
やはりポジティブ思考であることのほうが確かに「気分は良い」となるんですよ。
でも、繰り返しになりますけど「ネガティブ思考が悪いもの」ではないのですよ。
ネガティブ思考の自分が嫌いだという気持ちを手放す視点を解説します
では、ネガティブ思考の自分が嫌いだという気持ちはどうすれば手放せるのでしょうか。
ここからはその手放し方のヒントをいくつかお届けしますね。
ネガティブ思考自体が悪いというわけではないと理解する
そもそもネガティブ思考であることが悪いという事ではないのです。
それこそがある意味での白黒思考なんです。「ポジティブ思考はOK,ネガティブ思考がNG」というね。
また、「ネガティブな自分なんて嫌」と自分を受け入れず、否定的に見つづけることが今の問題を作っていると理解してみる方法もあります。
ネガティブ思考である自分を受け入れる
また、ネガティブ思考である自分を一旦「それが自分なんだよな」と受け入れてみることもオススメです。
誰に何を言われようが、今の自分は自分でいいんです。
むしろ、今の自分を受け入れることで、先の例に書いたような
「自分のネガティヴ思考がポジティブな結果をもたらしていること」
に気付けるかもしれません。
つまり、あなたがネガティブ思考だからといって、いちいちネガティヴにならなくてもいいのです。
ここが難しければ、カウンセリングなどを上手く利用して自分を受け入れたり、見つめ直すサポートを受けてみてもいいでしょう。
ネガティブ思考を修正してみる
また、あまりに強いネガティブな思考があるなら
自分の思考を紙に書き出すなど客観的に見つめ直し、
「より現実的な思考」や「ポジティブな思考」に修正する方法もあります。
例1:「きっと彼は私を愛していない」
→「彼は忙しい時期で、私に構う時間が少ないだけかもしれない」
ネガティブ思考が強くなると、問題ばかりに意識が向き、相手の気持ちや状況を考慮せず、最悪の事態を想像するようになりやすいです。
そんな思考は「相手の状況を理解すること」「相手とコミュニケーションを積極的に取る」などで改善することが可能になるんですよ。
例2:「婚活が上手くいかない。このままでは将来が不安・・・。」
→将来は確かに不確実だけど、まだ何も決まっていないとも言える。自分のできることを続けていくことがベストかつ幸せへの最短距離。きっと良い未来が待っている。
ネガティブ思考の中では、不安などに気持ちが押しつぶされ、何も手につかなくなってしまうことが多くなります。
しかし、将来への不安は誰にでもあることを認識し、今できることに意識を向けて行動することで、未来を切り開くことができるという前向きな気持ちを持つことができます。
ここでのポイントは「代替的な思考」とよばれるもの。
強いネガティブな思考に対して、「より現実的でポジティブな思考」を考え出すことなんですね。
最後に
いかがでしたでしょうか。
ネガティブ思考を手放すには
「ネガティブ思考自体が悪いものではない」という側面と
「実際にネガティブ思考を書き換えてみる」という側面など
様々な側面から取り組むことができます。
また、ネガティブ思考は悪いものではないのですから
「無理にネガティヴ思考をネガティブにみないポジティブさ」を感じていただければいいのではないでしょうか。
ま、ネガティブ思考になることもあるし、それまたしゃーないこと、という意味で。
ただし、実際に自分の思考パターンがあまりに強い場合などは、無理をせず、自分をこれ以上責めずに、カウンセリングなどを上手に使って扱う方法も重要なことです。
最も避けたいのは
「ネガティブ思考であることを悪いものではないと受け止めようとして、それができずにさらにネガティブになること」
かもしれませんね。
本当の幸せを見つめる・見つけるカウンセリングが人気!
心理カウンセラー浅野寿和のカウンセリングのご利用方法はこちら。