日常に使える心理学

自分嫌いになる心理 〜自分嫌いになる理由とその対処法を解説〜

自分を嫌う女性

自分が嫌い。でもそれをなんとかしたい。

そんなお声をカウンセリングの現場にいると伺うこともありますね。

いや、そもそも僕自身も「自分嫌い(自己嫌悪)」がひどい人間でして、長い間強い思い込みとともに生きていた部分があります。

もちろん誰しも多少なりとも「嫌いな自分の一部」があるといえますが、その扱い方は人によって随分と違う、ということも事実のようです。

そこで今日は「自分嫌い」についてのコラムをまとめます。

この記事では、自分嫌いとはどういうことかの解説と、自分嫌いになる心理をご紹介します。

特に自分嫌いになる代表的な6つの理由と、日常でできるような対処法をご紹介します。

自分嫌いとは「嫌いという自己評価」

そもそも「自分嫌い」とは

自分自身が下す自分への「嫌いという自己評価」を示します。

僕たちは、自分で自分を評価して生きているわけです。

そのとき、「好き」「良い」という評価を与えられるなら、自分が好きになり「嫌い」「良くない」と評価するなら、自分が嫌いになるのです。

ここでのポイントは「自己評価」という部分です。

よって、いくら他人に褒められたり好かれても、自分嫌いが変わるとは限らないのです。

自分嫌いと自己肯定感

自分嫌いとは、何がおきても自分自身が下す「嫌いという自己評価」です。

一方、「自己肯定感」とは「ありのままの自分を肯定する感覚」のことです。

自分自身がなにかに成功しても失敗しても、それが良い経験だったと自己評価できる時に感じる気持ちを「自己肯定感」といいます。

つまり、自分嫌いと自己肯定感は、ある意味真逆の自己評価を意味するものだ、と考えられます。

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自分嫌いになる心理を更に詳しく解説します

さて、私達が自分嫌いになるにはそれなりに理由があります。

生まれてすぐに自分が嫌いだという子供はいないわけで、何かしらの影響を受けることによって自分嫌いになっていくものです。

自分を非常に厳しく見つめている

これは、自分を非常に見つめる傾向がある人のことです。

例えば

  • 自分がどんな成功をしてもプラスの部分を評価せず、マイナスの部分ばかり意識している、とか。
  • 完璧主義の傾向があって、自分自身に完璧であることやミスがないことばかりを求めてしまい、プラスの部分の価値を認めていなかったり。
  • 幼少期から、親や周囲からありのままの自分を愛されたり、認められた経験があまりないことで「自分に厳しくしていないと愛されない」という思い込みを持っていたり。

このようなタイプの方は「自分を嫌わないと良いことがおきない」と信じているんですよね。

だから、自分を嫌いになることを辞めることを非常に怖れるんです。

むしろ、自分嫌いをやめると、悪いことが起きる、幸せになれないと信じている方もいます。

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今の苦しい感情・環境を乗り越えるため

これは今の苦しい気持ちや、苦しい環境を乗り越えるために

「自分はこんなにひどい人なんだから、こんな目に合うのは当然だ」

と自分を嫌い、自分と現状のあり方を一致させて心を安定させようとしている場合です。

人間の気持ち(感情)は、自分の内面と外側が一致しているときに安定する(同質の原理)、という考え方があります。

その考え方を使えば

「今、辛い状況にある時に、自分を嫌うことで気分を安定させようとする」

という心の動きが見えてくるのです。

この場合、辛い環境、状況が解消することで、自分嫌いを手放せる場合もありますよ。

同質の原理とは

※「同質の原理」とは、主に音楽療法の現場で使われる手法で、アルト・シューラーという人が提唱したものです。

例えば、気持ちが落ち込んでいる時は、落ち着いた音楽を、興奮している時は、興奮した音楽を聴くほうが良いというのです。

例えば、恋人にフラれたときに「悩んでないで明るくいこうよ!」と言われたり、すごく明るい音楽を無理やり聞いても、なかなか気持ちが安定するわけではなく、むしろ不安定になることってないでしょうか。

逆に、少し落ち着いた場所にいたり、一人部屋で過ごしたり、暗め音楽を聞くと、なんだか気持ちが安定することってないでしょうか。

周囲の影響を受けたり取り込んだため

これはある意味「自分自身の育った環境の影響を受けた結果生じる自分嫌い」です。

僕たちは、例えば生育環境、対人関係の中で影響を受けながら生きているんですよね。

幼少期であれば親や家族、周囲の大人の影響を受けて育っているわけです。

つまり、「今、自分が自分を嫌いならば、あなたの周りに自分を嫌っている人がいた」ということを示すんです。

これは、周囲の人の「自分嫌い」を学んだ(学習した)とも表現できるでしょうし

「取り入れ」と呼ばれる「他者が持っている性質(気持ち、問題、特徴など)を、自分が持っているものだと錯覚して経験する機能」によるもの、とも言えるでしょう。

特に共感性の高いタイプの方の場合

周囲の人の内面にある「自分嫌いな感覚・価値観」を取り入れて自分のものと錯覚している場合もたくさんあるんですよね。

自分に罰を与えている(罪悪感)

これは自分自身の失敗やできの悪さをずっと嘆いて自分に罰を与えているケースです。

例えば、家族や愛する人を傷つけてしまった、迷惑をかけている、足を引っ張っているという罪悪感から自分を嫌っている。

その根底には善意や愛情があるのですが、「自分は失敗した」という部分に意識が向いているので

「自分はそれだけだめなことをした(迷惑をかけた)」と認識し続けているんですよね。

これ以上傷つかないようにしている

また、自分を責め続ける理由として、

「私はこんなに自分のことをボコボコにして嫌っていますから、どうか責めないでください」

という防衛的な気持ちを持っている人もいます。

こうすることで相手に責められないようにしたい、許されたい、と願うのです。

これはパターン化することが多いので、自分が自分であることを嫌い続けることがやめられなくなるわけです。

自分を愛する人への復讐

これはある意味「無意識的なもの」でかなりわかりにくいことなのですが

「自分を嫌い、幸せにしないことで、自分のそばにいる人達を困らせ、罪悪感を感じさせようとする」

無意識的な心理パターンです。

場合によっては意識的に行っている人もいますけどね。

自分を嫌い、傷つくことで、自分の親、家族に幸せ感を与えないようにするという、なかなか分かりにくい話ですが、これは意外と多いパターンとも言えます。

つまり、自分にとって、どうしても許せない人、恨んでいる人がいる場合、自分嫌いが続くケースもあるのです。

親や他人との競争の心理が強いため

これは人との競争の心理、比較の心理が強い場合です。

僕たちは親、仲間、同僚と自分を比べて生きている部分があります。

このとき「お互い違う人間なんだからね」と違いを受け入れ、自分は自分でいいという自己評価が入っていればいいのです。

が、そうではなく「何事も他人よりも優れていないと」という競争心を強く残す人も少なくないのです。

すると、他人との比較や競争の中で負けてしまったとき、「自分を嫌う」ということが起きるのですね。

たとえば「自分の親には問題がないのに、自分には問題がある」というケースが典型例です。

親は立派で優秀なのに自分はそうでもない、と思ったとして、その理由を考えたとき

「あぁ、親より能力がない自分がダメなんだ」

と自分の価値を下げ、自分を嫌うようになる場合があるんですね。

このような人にとって「自分嫌い」を超える方法は、誰かに勝つことしかないんです。

だから、負けは許されないし、負けている自分をめっぽう嫌うんです。

これは親だけでなく、彼・彼女・先輩・上司など、いろいろな人に対して起こりえることです。

自分嫌いを克服するための対処法

では、自分嫌いを克服していくアプローチに関してご紹介していきます。

自分の特徴を知り、良い要素を意識する

「自分が嫌い」とは、自分の悪い面ばかりを見てそこに悪い自己評価を下している状態だと言えます。

ただ、僕たちのいい面と悪い面は表裏一体なこともよくあるのですよ。

だから、自分自身のことが嫌いだと思っている部分をよくよく見つめていくことで、嫌いだと思っている自分の中にある良い要素を見つめることもできるんですよね。

例えば

  • 自分のマイナス面ばかり見てしまう人は、向上心があり、クリエイティブだったり前向きな発想を強く持てる人
  • 「完璧主義」の人は、努力家であり、きちんと仕事などをこなすことで成果を上げられたり信頼を得ることができる人
  • 幼少期から愛されないと感じてきた人は、愛されること、愛することの意味や価値を誰よりも知っていて、いわゆる自信過剰による失敗を引き起こさない人

このように捉えていくことで、自分を嫌う要素にも意味や価値があると見つめていくことができます。

これを自己評価につなげることで、自分嫌いを克服していく道が見えてくると思います。

環境を変える

もし、今あるつらい環境や状況の影響で自分嫌いになっているならば、ガラッと環境を変えることも自分嫌いを変える方法の一つです。

例えば

あまりにストレスが貯まる仕事、自分に合わない仕事などの中で自信を失っていたり。

あまり相性の良くないパートナーと過ごしていたり、その恋愛が辛いものであったり。

その場合、環境や状況を変えることで自分嫌いを手放せることもありますね。

ただこれは「自分嫌いの理由を自分の外側や他人に求める」という意味ではありません。

誰かが悪い、何かが悪い、という発想は逆に自分嫌いを強めます。

そうではなく「自分を解放する」ということで自分嫌いを手放せることもある、という意味です。

今できることに集中する

自分嫌いは、今できることに集中することで克服できる場合もありますよ。

自分嫌いに対応する「今できること」の具体的は、以下のようなものがあります。

  • 今の自分にできることを探して取り組んでみる(仕事にコミットしてみる、環境を変えるなど)
  • 毎日、人に感謝する習慣を身につける
  • 自分のことを評価してくれたり愛してくれる人の気持ちを受け入れるように集中する
  • 失敗したりできないことがあったとき、自分を責めるよりも失敗から何を学ぶかを意識する
  • 自分を丁寧に扱う時間を増やす

逆に言えば

「こんな自分あかんなぁ」と思う自分と出会ったら

一旦「そりゃしゃーない、それも自分だしなぁ」と受け容れて、今できることを見つけていく感じですね。

まずは焦らずゆっくり取り組んだり、ときにはカウンセラーと二人三脚で進めてもいい部分かもしれませんね。

自分自身の心のあり方を深く見つめて癒やす

深層心理やセラピーの世界では

「自分嫌いになる理由こそ癒やすべき感情・思い込みの在り処を示してくれる」

と考えることが多いです。

例えば

もし周囲の影響を取り込んで自分嫌いになっているとしたら、とか。

自分自身が共感性の高いタイプだったとしたら、とか。

もし自分を責めることで誰かに復習しているとしたら、それ誰で、なぜなのか、とか。

自分が実は競争心が強い人間だとしたら、一体誰と競争しているのか、とか。

このような意識から自分自身の今のあり方に気づいていく。

そしてそこにある葛藤や感情を処理していく。

これは一つのセラピー的な考え方になりますが、このような感情の癒やしを進めることで、より抵抗感なく、楽に自分を認めることも可能になる場合があります。

このような癒やしを深めていくヒントとしては

「今、私はどうしてこんなにも自分を嫌う必要があるのだろうか?」

と少し俯瞰して自分を見つめていくことです。

ただ、自分自身の深層心理を理解することが難しい場合は

感情を扱うことができる私達のカウンセリングなどをご利用いただくこともおすすめです。

最後に

いかがでしたでしょうか。

自分嫌いの多くは「自己評価」という部分にあります。

だから、他人の評価だけ意識していても、なかなか自分嫌いが消えないこともよくあるんですよね。

また、「自分嫌いの理由」を知って、更に自分を嫌ってしまったり、問題意識を深めてしまう人がいますが、それはある意味本末転倒になってしまいます。

なぜ自分嫌いになっているのか、それを知ることで腑に落ちるものがあるなら

それは今の自分を知るということ。

そこから、自分を受け入れながら一歩前に進むことが大切なことなんですよね。

自分嫌いは、今の自分や自分の置かれている環境の影響などをよく知り

受け容れ、対処していくことで変化していくことが多いですよ。

ABOUT ME
浅野 寿和
カウンセリングサービス所属心理カウンセラー。名古屋を中心に東京・大阪・福岡で〜旅人のように〜カウンセリング・セミナーを開催。心理学は現実で使えてなんぼ、がポリシー。
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