日常に使える心理学

自分嫌いになる心理

自分嫌いにもいろいろな理由が考えられます

ほとほと今の自分が嫌になる。
昔から自分をいい存在だとは感じられません。
自分のことをつい否定的に見てしまう(他の人はそう思わないけど)
みんな自分のことが嫌いだと思っていたのに、自分が好きな人っているんだ・・・。

そんなお声を伺うこともありますね。いや、そもそも僕自身も「自分嫌い(自己嫌悪)」がひどい人間でして、長い間強い思い込みとともに生きていた部分があります。

もちろん誰しも多少なりとも「嫌いな自分の一部」があるといえますが、その扱い方は人によって随分と違う、ということも事実のようです。

そこで今日は「自分嫌い」についてのコラムを。よろしければどうぞ。

好きなものは大切にするからこそ

多くの方が、好きなものは大切にしようと思いませんか。

※僕の場合、今まで買いためたPCやタブレット、スマホなどや、音源(CD/レコードなど)ですね。めっちゃ大切にしています。特別な価値があるように感じます。

これは自分自身についても同じことが言えるのですね。

自分が好きだと思えていたら、自分を大切にするものです。しかし、自分が嫌いだと感じていれば、自分を大切に扱うことはないでしょう。

だから、自分に苦労や犠牲ばかりを与えていたり、罰を与えて何かを償おうとしていたり、自分の体・健康を大切にしようと思わず、ジャンクフードばかり食べていたり、自分が苦労する恋愛や結婚生活を選ぶことになったり、といった問題が起きることがあります。

「自分嫌い」とは、多くの問題の根底に存在するもの、といってもいいほどの大きなテーマなのですね。

もし自分が嫌いだと感じているならば、その嫌いな自分を直視するでしょうか。

言いかえれば、嫌いなものをあえて直視して受け止めるか、ということです。

きっとそうしないのです。むしろ「臭いものには蓋」という扱いになっていることも多いのではないでしょうか。

自分のダメさを隠したり、恥にしたり、醜いものとして扱っていたり。

だから、長い間掃除していないクローゼットの中を見よう思えば勇気がいるように、自ら「自分と向き合うぞ」という意識を持たないと、なかなか向き合えないものとも言えそうです。

その勇気(意識)が持てないから、パートナーに愛してもらえれば、社会がこうであったら、自分がこれだけすごかったら、彼を口説く恋愛テクニックさえあれば、と自分の外側に何かを求めたり、起きていないことに期待を寄せたりするものなのかもしれません。

しかし、いくら外側に何かを求めても、起きていないことに期待をしても、自分が嫌いだという「認識」があるのであれば、それは何も変わらないのでしょう。

だから繰り返しになりますけど、「自分嫌い」とは、多くの問題の根底に存在するもの、といってもいいほどの大きなテーマであり、カウンセリングでも丁寧に、慎重に扱わせていただくお話なのです。

 

自分嫌いになる理由・6選

さて、私達が自分嫌いになるにはそれなりに理由があります。生まれてすぐに自分が嫌いだという子供はいないわけで、何かしらの影響を受けることによって自分嫌いになっていくものです。

その理由をすべて書ききることは難しいですが、代表的なものをいくつか上げてみたいと思います。

 

今の苦しい感情・環境を我慢するため

これは前向きな我慢ではなく、どこか自分を責める気持ちを伴うもので「自分はこんなにひどい人なんだから、こんな目に合うのは当然だ」と現状を「自己嫌悪」を理由として受け止めようとするイメージです。

本当はそんなことない事が多いんですけどね。

ただ、私達にとってこれ以上に怖ろしいのは「ひどい目に合う理由が見当たらない・全くわからない状態」なのですよ。だから、何かしらの理由を欲するという側面もあるんですよね。

周りとの調和を図るため

自分自身の育った環境や人と調和を図る意味で、自分嫌いを続けていていつの間にか板についた、という場合もありえますね。

もし、自分嫌いに社会的な意味があるなら「自分嫌いの人同士仲良くなることだ」と僕は考えるんです。これ、いわゆる悪口・陰口にも同じような意味がありますけどね。

だから、人との調和を図るなら自分好きではいられないという時間を長くすごしているうちに、ガチで自分嫌いになっちゃった、というケースもあるわけです。

 

自分に罰を与えている(罪悪感)

これはいわゆる後悔や無力感が伴いやすいパターンで、どこか家族や愛する人を傷つけてしまった、迷惑をかけている、足を引っ張っているという罪悪感から自分を嫌っているケース。これは理解しやすくないでしょうか。

「自分はそれだけひどいことをした(迷惑をかけた)」と自分を責め続けたいわけですから、自分を好きになる事自体がタブーになるのです。だから、自分のことを「好き」と言われると、好きと言われて嬉しいし憧れもするけど、受け取れないし落ち着かない人が続出します。

これはパートナーシップや出世などに関わってくる大きなテーマの一つですね。

 

これ以上傷つかないようにしている

いわゆる「私はこんなに自分のことをボコボコにして嫌っていますから、どうか責めないでください」という気持ちですね。

こうすることで相手に罪悪感や怖れを感じさせようとする戦略の場合もありますが、これはパターン化することが多いので、自分が自分であることを嫌い続けることがやめられなくなるわけです。

 

自分を愛する人への復讐

これはちょっとわかりにくいですが、「自分を嫌い、幸せにしないことで、自分のそばにいる人達を困らせ、罪悪感を感じさせよう」とする(無意識的な)パターンです。意識的に行っている人もいますけどね。

自分を嫌い、傷つくことで、自分の親、家族に幸せ感を与えないようにするという、なかなか分かりにくい話ですが、これは意外と多いパターンとも言えます。

 

親や彼・彼女などを理想化しているため

これは更に分かりにくい話ですが、意外と多い話です。

僕たちは親、彼、彼女、先輩、上司などを、どこか理想化して見ていることがあるのです。

たとえば「自分の親には問題がないのに、自分には問題がある」というケースが典型例で、親は立派で優秀なのに自分はそうでもない、と思ったとして、その理由を考えたとき「親だって問題があるじゃん」と親の価値を引き下げるケースもありますが、「あぁ、自分がダメなんだ」と自分の価値を下げちゃう場合があるんですね。

すると、ダメな自分が愛されるとは思えないので、親を理想化するようになるのです。

心理学でいうところの「理想化」とは、自分の周りに尊敬できる人がいることで、幸せや充足感を感じたり、また大変なときに気持ちの拠り所として心の安定を得たり、取り戻したりすることを意味します。

つまり、自分を嫌い、親を理想化していれば、自分がダメだと感じなくてすむ、というわけです。だから、自分嫌いはやめられない、ということになる。

これは親だけでなく、彼・彼女・先輩・上司など、いろいろな人に対して起こりえることです。

 

自分を受け容れ、認めて、与えて受け取ること

このような自分嫌いになる理由は、「癒やすべき感情・思い込み」の在り処を示してくれることが多いですね。

自分嫌いは、自分を受け容れ、認めていくことによって、より自分が好き、へと変化していきます。

感情の癒やしを進めることで、より抵抗感なく、楽に自分を認め、。受け容れていくことができるようになるので、感情を扱うことができる私達のカウンセリングなどもおすすめですよ。

ちなみに、よくあるケースとして「自分嫌いの理由」を知って、更に自分を嫌ってしまったり、問題意識を深めてしまう人がいますが、それはある意味本末転倒ではないでしょうか。

そんな自分評論家はいらないっしょ?と僕は思ってしまいます。

なぜ自分嫌いになっているのか、それを知ることで腑に落ちるものがあるなら、それは今の自分を知るということでしょう。

もし、自分嫌いから卒業したいと思われるならば、自分を知り、理解した上で、自分を好きになるために一歩前に進むことが大切ですよ。

具体的には

・自分の良いところ探し
・自分にできることを探して認める
・人に感謝する
・今できることをして、人に対して与える(ときには人と関わり貢献する)

こういった気分が良くなることを続けることがポイントです。

こんな自分あかんなぁ・・・と思う自分と出会ったら、そりゃしゃーない、それも自分だしなぁ、と受け容れていく感じですね。

ここ、かなり自分の感情による抵抗を受けるので、難しい部分もありますが、まずは焦らずゆっくり取り組んだり、ときにはカウンセラーと二人三脚で進めてもいい部分かもしれませんね。

とかく自分嫌いになると、理想を思い描いてそんな自分になろうとします。が、いきなり高いハードルを課すと空振るし、そんな自分が嫌にもなります。

コツコツ自分を受け容れ、認め、できることから「与えていく」こと。

何もしないと罪悪感に食べられちゃうので要注意。

かといって、すでに頑張りすぎている人の場合、頑張りすぎると燃え尽きちゃうので、今の自分の良さを認める意識を持つといいですよ。

すると、受け取る心が開いて、人との関わりの中で、人の愛情や支え、感謝も伝わりやすくなり、どんどん自分を嫌わず、認められるようになっていくものです。

同時に、自分が嫌いであるメリットが感じられなくなれば、自分を大切にできるようになっていくものです。

ABOUT ME
浅野 寿和
カウンセリングサービス所属心理カウンセラー。名古屋を中心に東京・大阪・福岡で〜旅人のように〜カウンセリング・セミナーを開催。心理学は現実で使えてなんぼ、がポリシー。
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