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「これ、相手に言うべきことではないよね」と思うけど、ついつい・・・あぁ、やっちゃった
浅野先生への質問
浅野先生ほどの愛に溢れていて心理をきちんとわかりやすく論理的に説明して下さっている、様々な質問に対する解答のブログは他に無いと思います。いつもありがとうございます。
ところで、先日、過去の恋愛の話をよくする男性心理の記事を載せて下さり、大変参考になりました。
そこで質問があります。
私の彼がよく過去に特にそう感じたでたであろう、そして今も?その感情が続いている?であろう、憧れてる女性の話を、付き合う前のデートの時も、そして付き合って3年たっても頻繁に私に話してくる男性心理を知りたいです。
一度辞めてほしい旨は伝え、言わない約束をしても またポロッと出て来ます。
元カノなの?と、聞いた時があってその時は ムキになって否定してました。
その女性をなんの因果か付き合って1年くらいしたのちに、彼とは全く別の関係性から、たまたま私の知人となったのですが、顔はどちらかというと私に似てました。
そして品がありキレイ。そういうところは私に欠けてるところなので、嫉妬してしまうし嫌です。
私が冗談めいた雰囲気ででその人のこと好きなんでしょう、と冷やかした時に、ふふーんと笑って否定しなかった時もあります。
その時私は怒りました。
ウソだよと後から否定しましたが許せません。
そんなの比べもなのにならない。お前のことが雲泥の差で好きなんだからと言われました。
本人を見ればわかる、と言われましたが、見たら余計自信を無くしました。
年はその人はかなり上です。私の方が若くて、自信が持てるとしたらそこだけです。
彼もかなり年上なので、私の知らない人生の時に、長い間彼女をしたっていたのだろうなと思われます。
そういった前からのあこがれるの人がいるのは構いません。
でも、それをわざわざ付き合う前のデートでその人の家の前を通った時、こういうキレイな人が住んでて、この大きな庭で、沢山の人呼んで、ティーパーティー開催してくださったりしてたんだよーと言ってくるような 男性心理を教えて下さい。
それではだいぶ気温もあたたかくなりましたが 朝晩冷えますので お風邪などひかれませんようお祈り申しあげます。
ネタ募集ネーム:mさん
mさん、ネタ募集にご協力ありがとうございますm(_ _)m
また素敵なご感想もありがとうございます!ホントうれしいです~。
ではではお答えしますね~。
「相手がどんな気持ちになるだろうか」がうまく機能しないとき
付き合って3年たっても頻繁に別の女性の話をする男性の気持ち。
確かに解説する方法はありますけど、その前に・・・
いわゆる「デリカシーのなさ」として感じる話ともいえそうですよね。
例えば、
「元カノの思い出がいつまでも忘れられない」とか、
「昔の彼女のほうが料理が上手かった」とか
こう言えばどうなるか、ほぼほぼ想像できるあろう言葉をあえて口にするだなんて・・・と思いませんか?
ただ僕たちは「これ、相手に言うべきことではないよね」と分かっていてもついつい話してしまう場合がありますね。
「この話をすれば相手がどんな気持ちになるだろうか?」
そんな相手への意識、ちゃんと持てているのだけれども、ついついそれが機能しない。
実はこのとき、自らの意識より、ココロ(感情)の影響のほうが強くなると、ついつい口にしてしまうものなのですね。
つまり、ココロの影響も踏まえて考えると、いわゆるデリカシーのない言葉も常に嫌味だとは限らない、ということ。
悪意のあるなし、その違いはありそうってことなんです。
もちろん言われた側はあまりいい気分にならないことが多いかもしれませんけどね。
「相手に恥を感じてもらおう」という言動
さて、今回のご質問を読ませていただく限り、僕は彼に悪意を感じてはいないんですよね。
むしろ、これは「彼の怖れに対する反応」ではないだろうか、と思うわけです。
お話を読ませていただくと、彼はちょいと恥ずかしさを受け入れるのが苦手のように感じますよ。
恥ずかしくなると茶化す、イジる、ごまかす、逆の意味の言葉を使う・・・これらは恥ずかしさが苦手な人が起こす行動ですね。
そのまま話すと恥ずかしいのです。
好きだよ、愛しているよ、大切だよ、と素直に話すことで感じる恥の感情が苦手な人ほどそうですね。
でもって、恥という感情はそのココロの中で抑圧すると怖れに変わる性質があるわけですな。
例えば、会社のプレゼン、人前での講演、などのとき、超緊張する方がいますが、これは怖れでガッチガチになっている状態なのです。
では、どうして怖れでガッチガチになっているかというと、恥をかきたくないから、という場合が多いでしょう。
失敗したらどうしよう・・・。
間違ったことを話したらどうしよう・・・。
だから、恥を抑圧して恐れでガッチガチになっているというわけです。
*
そう、僕がセミナー中に放つ渾身のネタ。
これがもしウケずにダダスベる、いやネタだとさえ気づかれなかったらどうしよう・・・。
そんな怖れが僕の中にもあります。だからネタをぶっこむときにどれだけ怖いか・・・。
もうね、大阪でセミナーをすると「浅野さんは勇者ですね」とよく言われるのですよ。どれだけネタがスベっても何度でも平気で立ち上がるから、という意味で。
・・・ね、スゴイでしょう?何度でも何度でも立ち上がるってね~。ネバーギブアップ。
ははは、もう笑うしかねー・・・_| ̄|○
*
・・・話が逸れました。
実は恥が苦手な人ほど「相手に恥を感じてもらおう」という言動をとるのですよ。
これはコミュニケーションの中でよく登場するパターンの一つですけどね。
ついつい恥を自分が苦手にしていて感じたくないがゆえに、相手をイジる。
すると、自分ではなく相手が劣等感なり、恥ずかしさなりを感じ、自分は恥ずかしさを傍観していられる、という仕組み。
※劣等感は恥に無力感や自己嫌悪がくっついている状態のようなものですね。
他にも、自信がない人が、相手をマウンティングしたり嫌味をいうパターンも同じ考え方ができますね。
これ以上惨めな気持ちになりたくないので、いちいち嫌味を言って相手に嫌な気分を感じさせるのですな。
まぁコミュニケーションとして上手な方法かと聞かれれば、そうではないと思いますけどね。そこに大きな信頼や親密感がない限り。
恥が苦手な人がいつも分からずに悩むこと。
それこそが「相手の気持ち」です。
恥ずかしくて相手がどう思っているか聞けないのですね。
恥を抑圧しちゃうと怖くて聞けなくなる、ということなんですけども。
だから恋愛の中で「相手は私のことをどう思っているの?」と気になりはじめるともう止まらんのです。
そこに「怖れ(不安)」が生まれるので、この怖れを解消したくなる、というわけですな。
*
もしかすると今回の彼も「あなたが彼のことをどう思っているか」気にしているのかもしれません。
それを確かめたくて、いちいちあなたの気持ちを確認するような発言をしている可能性はありますね。
ただここに彼の理解として抜け落ちている部分があるように僕は感じるんです。
このようにあなたが感じている、という部分そのものですね。
「・・・どうしてそれがわからないんだ!えーっ!!!」という声も聞こえてきそうですが、
恥が苦手な人ほど、自分の恥という感情にばかり意識が向き、相手が何を感じるか(どう思っているか)に意識が届かないのです。
車の運転で例えるならば、目の前の道路ばかり見て、先を見ていない状態ですね。これ、いいか悪いか別にして、免許取りたてで運転に慣れていない人ほどそうなりますよね?運転する怖れを意識しているのでね。
あと、彼が「本当にあなたのことが好きだから、相手が傷つくとは思っていない。自分の気持ちは分かってもらえていると思ってる。」なんてことも考えられますよ。
「自分は彼女を好きだと思っているし、パートナーだと感じているから、まさかパートナーが傷つくなんてことは起きないだろう」と思っているというね。
これは自分の思い込みで相
手を判断しているってことですよ。
*
えーそんなことってあるの?なんてお声もよく伺いますが、このようなことは私達の日常の中で頻繁に起こっています。
例えば、「最近彼と別れたんだよね・・・」と凹みながらも気丈に話す友達がいたとして
「でもさーあの彼と別れて正解だったんじゃない?」なんて、うっかり言ってしまってバツが悪くなる、とかね。
これだけ凹んでいるってことは、彼のことまだまだ好きかもしれないじゃない?みたいな話ですよ。
では、どうしてそんな言葉を伝えてしまうのでしょう。
もちろん友達を励ます側も、友達を想ったうえで行動しているのでしょう。
ただ、励ます側が「失恋・ハートブレイクで感じる感情」を嫌ってる、避けている、隠している場合にうっかり「別れてよかったじゃん」と伝えてしまうわけですね。
失恋の痛み、恐れ、惨めさ、無価値感、劣等感・・・
言葉で書けばこのあたりの感情を、励ます側の人が受け入れられないと感じている可能性があるわけです。
「そっか、別れたんだ。それは辛いよね・・・」
そう共感する(同じ感情に寄り添うこと)ことが難しいし、苦しいってことなんですね。
「うぅ、私、失恋の痛みには寄り添えない、ごめん(と無意識的に感じる)・・・ね、その彼と別れて正解だったんだってば、まま、飲みに行こ!」
このような感じで、別の言葉を伝えてしまうって理屈ですな。
いわば、自分の感情が癒やされていないと、人の感情を拒絶してしまい、悪気なんてないんだけど自分の思いを上手く伝えられなくなっちゃうわけですね。
まとめ
もしあなたの彼が「あなたをイジる」ようなデリカシーのないような言葉を発しているならば、まず、その彼に悪意があるのかどうかを確かめましょう。
そのあたりは彼の傍にいれば何となくわかりますよね?ガチで批判してきているのかどうかって部分ですよ。
そして、悪意がないと思えるならば、きっとその彼は無意識的に「あなたに恥を感じてもらおうと」いろいろあれこれ伝えてくるはずです。
そもそも「イジり=親密感の表現」という場合もありますけど、彼が恥ずかしさが苦手だから、彼女が恥ずかしがってくれたほうが楽、って場合もありえます。
だとしたら、彼にちゃんと恥ずかしさを感じてもらってもいいと思いません?
ただですよ、ここで彼をイジりすぎたり、相手を批判するとケンカになるでしょうね。
例えば、彼の○○が嫌だ、あれがどーの、相手を馬鹿にしたり、これかどーのと批判したり、急に昔の彼の話を持ち出すってリスク高すぎじゃないですか。
実はですよ、こんなときほど「好きだよ」って言ってあげればいいんです。
そうするとほぼほぼ彼は恥ずかしくなりますから、あなたが恥ずかしくなる(妙なことを言われる)確率は減ります。
ま、このタイプの彼はきっと黙るでしょう。そして、こっそり嬉しさを感じているはずなのです。
このように一見すると「ただの感情論」のように見える日常のできごとの中にも、しっかり「感情の力学」が働いているのですね。
この感情の力学を学んで恋愛や夫婦関係に望むと、劇的にパートナーシップを楽しめるようにもなりますよ。
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