こんにちは。

心理カウンセラーの浅野寿和です。

ストレスが強いと恋愛がうまくいかなくなる理由
──「闘争・逃走反応」で説明できる心の状態

「彼のことは好きなはずなのに、会うのがしんどい」

「前みたいに素直になれない。優しくされても受け取れない」

「反発してしまう。言い方がきつくなる。あとで自己嫌悪する」

こういう状態に入ると、多くの人が自分を責めます。

「私が未熟なのかな」
「恋愛に向いてないのかな」
「好きじゃなくなったのかも」

でも、ここで一つだけ整理しておきたいのは、

ストレスが強い時期の恋愛は、気持ちや思いの問題というより “ストレスの影響” の問題になりやすいということです。

この記事では、ストレスが強いときに恋愛がうまくいかなくなる理由を、

「闘争・逃走反応(fight or flight)」という視点から分かりやすく整理します。

そして最後に、今の状態でできる「整え方」を、なるべく現実的な形でまとめます。


いただいたご質問はこちら

私は今付き合って2ヵ月の彼がいます。

私はなぜか、自分が好きな人から告白されても「付き合う」ということにとても抵抗がありました。いつも返事を曖昧にして結局男性に呆れられて終わるというのが毎回のパターンになっていました。

そんな中あらわれたのが今の彼。

理想の人そのもので、タイミングにも運命を感じ、「この人と付き合いたい」と初めて思いました。

付き合うことになり、とても幸せな気持ちで毎日すごしていました。

ですが、付き合いはじめてから家族のことで心配事ができたり、仕事もうまくいかないことがでてきたりして、精神的なストレスがたまっていきました。
彼にも気を遣っていることに気づき、それが負担になっているのにも気づきました。

いろんなことが重なったこともあり体調がよくない日が続いています。
それが「彼と会う=体調をくずす」という方程式になってしまっているような気がします。

彼のことは本当に大好きなのに、こんなことを思っている自分がつらくて、とてもしんどいのです。

どうしたらいいのかわからず、ストレスが増えるばかりです。
浅野先生、この状況から抜けるアドバイスを下さい。
よろしくお願いします。

ネタ募集ネーム:Fさん


ストレスが強いとき、心は「恋愛モード」ではなくなる

ストレスが高い時期の心は、ざっくり言うとこうなっています。

安心してつながるより、危険を避けるほうにエネルギーが回る。

これは気合いの問題ではありません。

人間の心身には、危険や過負荷を感じたときに自動で作動する仕組みがあって、

それが闘争・逃走反応です。

この反応が強くなると、心は「関係を感じ取って育てる」より先に、

自分を守ることを優先しやすくなります。

結果として、恋愛で起きる“あるある”が出ます。

  • 相手の言葉を好意として受け取りにくい
  • 冗談や軽い一言を、責められたように感じる
  • 会う前から疲れている/会うと体調が崩れる
  • 感情が動かない(楽しいはずなのに楽しくない)
  • 「近づく」としんどい/「離れる」と不安、の板挟みになる

この状態で恋愛を「うまくやろう」とすると、だいたい苦しくなります。

なぜなら、心が“守るモード”のまま、関係を良くしようとしてしまうからです。


闘争・逃走反応とは何か(超ざっくり)

闘争・逃走反応は、危険やストレスを感じたときに、身体と心が瞬時に「戦うか/逃げるか」に偏る反応です。

本来は、命を守るために必要な仕組みです。

ただ、現代のストレスは「猛獣」ではなく、

  • 仕事のプレッシャー
  • 家族の心配事
  • 疲労の蓄積
  • 将来不安
  • 対人関係の気遣い

のように、長く続くタイプが多い。

この「長く続くストレス」の中では、心がじわじわと守るモードに固定されやすくなります。

すると恋愛でも、相手を「好き」以前に、

安全かどうかを測り続ける状態が起きやすいんですね。


恋愛で起きる「闘争」と「逃走」

闘争・逃走反応は、恋愛だと次のように表に出やすいです。

1)闘争(fight)|反発・攻撃・正しさで守る

闘争は、相手を攻撃したいというより、自分の心を守るために反発が出る感じです。

  • 言い方がきつくなる
  • 相手の一言に過敏に反応する
  • 「どうして分からないの?」が止まらない
  • 話し合いが、理解より“勝敗”になる
  • 相手の気持ちを受け止める余裕がなくなる

この状態のとき、心の中では「私は今、危ない」と感じています。

だから、言葉や態度が強くなる。

本人としては、壊したいのではなく、守りたいことが多いです。

2)逃走(flight)|距離を取る・会えない・気持ちが消える

逃走は、相手が嫌いになったというより、近づくとしんどいから距離を取る反応です。

  • 会う前から体が重い/緊張する
  • 返信が遅くなる/連絡が億劫になる
  • 会うと疲れて寝込む
  • 「好き」が分からなくなる
  • 一人になるとホッとする

この反応が出ると、多くの人が「私は冷たいのかも」と自分を責めます。

でも実際は、心が“これ以上負荷を増やしたくない”と訴えていることが多いです。


「彼が悪い」でも「私が悪い」でもない:起きているのは“容量オーバー”

ストレスが強い時期に恋愛がうまくいかなくなるとき、

起きているのは、相性の善し悪し以前に、心の容量がいっぱいという問題であることが多いです。

たとえば、仕事・家族・体調・将来不安が重なると、

心は「これ以上、感じるものを増やせない」状態になります。

恋愛は本来、喜びも安心もありますが、同時に

  • 気遣い
  • 相手の反応への注意
  • タイミング調整
  • 小さな不安

も生まれます。

ストレスが高い時期は、その“小さな追加負荷”すら重くなる。

だから、恋愛が「癒し」ではなく「負担」に感じることが起きます。

そしてここで、厄介な循環ができます。

  • 恋愛がうまくいかない
  • 自分を責める
  • さらに緊張が高まる
  • 闘争・逃走が強くなる
  • もっと恋愛がうまくいかない

この循環を止めるには、まず「努力」より先に、状態を理解することが助けになります。


「相手の気持ちを受け止められない」時に起きていること

闘争・逃走が強いときは、相手の気持ちが“内容”として入ってきにくくなります。

相手が何を言ったかより、

言われたことで自分がどう感じたか(傷ついた・怖い・責められた気がする)

のほうが前に出るからです。

その結果、こんなすれ違いが起きやすい。

  • 相手の優しさが「圧」や「要求」に見える
  • 普通の提案が「コントロール」に感じる
  • 相手の不安が「責め」に聞こえる
  • 相手の謝罪が「言い訳」に見える

これが続くと、話し合いがどんどん苦しくなります。

なぜなら、話し合いが「理解」ではなく、防衛のぶつかり合いになってしまうからです。


整え方|まず「恋愛をうまくやる」より、闘争・逃走を弱める

ここからが現実的な話です。

ストレスが強いときに恋愛を整えるコツは、

関係を変える前に、心の状態を少し戻すことです。

おすすめの順番をまとめます。

整え方①|「多すぎるゴール」を一度減らす

ストレスが強いときは、たいてい頭の中に「やるべき」が増えています。

仕事も、家族も、体調も、恋愛も、全部ちゃんとやろうとする。

でも、今の心は容量オーバーなので、全部を同じ熱量で扱うと壊れます。

まずは、紙でもスマホでもいいので、今抱えているゴールを書き出して、

今週いったん優先するものを“1つか2つ”に絞る

恋愛を大切にしたいなら、「恋愛をうまくやる」ではなく、

恋愛が入ってくる余白を作ることを優先したほうが結果的にうまくいきます。

整え方②|連絡・会う頻度を「少し薄く」して罪悪感を減らす

闘争・逃走が強いときは、深く関わろうとするほど反応が強くなることがあります。

この時期は、関係を守るために、むしろ

  • 会う頻度を少し減らす
  • 会う時間を短くする
  • 連絡の密度を落とす

が有効なこともあります。

ただし、ここで大事なのは「黙ってフェードアウト」ではなく、

自分の状態として伝えることです。

たとえば、こんな言い方。

  • 「最近ちょっと疲れが溜まってて、会うペースだけ少し整えたい」
  • 「好きだからこそ、今は体調を戻したい」
  • 「距離を置きたいというより、余力を戻したい」

相手を責めず、関係を否定せず、状態の話にする。

それだけで、すれ違いは減りやすいです。

整え方③|話し合いは「結論」より「状態」から

ストレス下の話し合いで一番危ないのは、

いきなり「どうする?」(結論)に行くことです。

この時期に必要なのは、「どうするか」より先に、

今どんな状態かを共有することです。

たとえば、こんな問いのほうが役に立ちます。

  • 「最近、心の余力がどのくらい残ってる?」
  • 「今しんどいのって、恋愛の問題? それとも生活全体の負荷?」
  • 「今週、何が一番削れてる?」

結論を急がない。状態を共有する。

これだけで、闘争・逃走は少し弱まります。

整え方④|「反発したあと」「逃げたあと」にやる一手

反発してしまった、距離を取ってしまった。

そのあとに自己嫌悪が来ると、また緊張が上がります。

ここは、上手に戻したいところです。

おすすめは、謝罪より先に“状態の翻訳”をすること。

  • 「さっきの言い方、きつくなってごめん。余裕がなくて守りに入ってた」
  • 「距離を取ってしまったけど、嫌いになったわけじゃない。今は疲れが強い」
  • 「ちゃんと受け止めたいのに、今は反応が先に出るみたい」

「相手が悪い」でも「私が悪い」でもなく、

今の心の状態がこうだったと説明する。

これができると、関係は修復しやすくなります。


それでも苦しさが続くときは

もし、次のような状態が続くなら、

  • 眠れない/食べられない/体調が崩れ続ける
  • 会うたびに具合が悪くなる
  • 不安と反発の波が止まらない
  • 「自分が消えていく感じ」がある

それは「恋愛が向いてない」ではなく、

ストレス反応が慢性化しているサインかもしれません。

この場合は、恋愛テクニックより先に、

心の状態(緊張・不安・自己責め)を整える支援が有効になることがあります。

一人で頑張り続けなくても大丈夫です。


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最後に

ストレスが強いとき、恋愛がうまくいかないのは珍しいことではありません。

それは愛情が薄いからでも、あなたが未熟だからでもなく、

心が守るモードに入っているだけ、ということがあります。

だから、今必要なのは「うまくやる努力」より、

闘争・逃走を弱めて、余力を戻すことかもしれません。

薄く、優しく、シンプルに。

そして、結論を急がない。

この記事が、今の状態を整理する手がかりになれば幸いです。

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