恋愛・夫婦の心理学

「そんなことは分かってる」を連呼する人の心理を探る

「そんなことは分かってる」がもたらすデメリット

恋愛でも夫婦関係でも、ときには友人関係、会社の同僚との関係も同じなのですが

僕たちはついつい自分の感じていることが全てで真実だと感じる傾向があるようです。

だから、ついつい「そんなことは分かってる」なんて反応をしてしまうことがあるとかないとか。

特に自立タイプの人ほどそう感じやすく、例えば

パートナーから「〇〇したほうがいいと思うんだけど」と二人に関することを告げられても「そんなこたー分かってるよ」と反応してしまうこともしばしば起こるわけです。

仕事上の例であれば、同僚から「このクライエント、先にケアしておいてたほうがいいよ」と伝えられたとき、「心配ありがとう」と言いつつも、心の中で「いちいちうるせぇなぁ、そんな事はとっくにわかってるよ」なんて思っちゃう感じでしょうかね。

このような「そんなことは分かってる」という反応が積み重なるとしたら。

さてどんな関係性がやってきそうでしょうかねぇ。

相手に「この人はこちらの話を聞かない」「何を言っても意味がない」と思わせてしまうことから、「一緒にいないほうがいいのかも」なんて思われたり、言われたりするわけですね。

少なからず「こちらの話に興味がないのだ」と思わせる可能性は高いでしょう。

ということで今日は「そんなことは分かってる」という反応について少しまとめたいと思います。

よろしければどうぞ。

「そんなことは分かってる」という反応の意味はなんだろう

まず「そんなことは分かってる」という反応の意味、そこに隠された気持ちについて探ってみます。

もちろん人によって事情は異なるのでしょうが、「そんなことは分かってる」という言葉を多用する人がいるならば、こんな気持ちになっている可能性がありそうです。

  • そもそも他人からいちいち細かいことを言われたくない(他人に指示されたくない)
  • 自分で分かっていることをいちいち指摘されている気がしている(劣等感が刺激される)
  • 相手から一方的に「このように考えて」と要求され、それに答えよと言われているような気がする(ニーズをぶつけられていると感じている)
  • 相手の言葉に反応したいけど、その余裕がまったくない(忙しすぎる)
  • 相手からの提案が自分の意見と異なるときに、聞き流そうとしている(無関心)
  • 本当に相手の言いたいことを受け止めている、という意味で反応している

最後に書いた「相手の言いたいことを受け止めている」のであれば、まだ反応としては前向きといいますか、いい感じなんですけどね。

ただ、僕たちって気持ちに余裕がないときほど、人から何かしらの提案を受けたり、指摘を受けると「鬱陶しいなぁ」と感じてしまうことがありますよね?

だから「そんなことは分かってる」と相手の口をふさごうと反応をする場合もありますよね。

また、人によって他者の言動に対する解釈って異なります。

他者からの提案を「自分への要求」のように感じる人も実際にいるでしょう。

他者から「こうしてみたらどう?」と言われただけで、自分のやり方が間違っているの?と感じてしまう人もいるでしょう。

その結果出てくる「分かってる」という言葉って、多くは反発、怒り、無関心さを醸し出すんですよね。

つまり、「そんなことは分かってる」と伝える側って「相手はこちらのこと何も分かっていないなぁ」と感じていることが多いと思うんですが

相手も同じことを感じている可能性って、結構否定できないと思うんですよね。

だから、スムーズな意思疎通、相互理解が難しくなるといいますか。

「そんなことは分かってる」を連呼する人の心理

さて、ではそんな「そんなことは分かってる」を連発する人の心理について触れていこうと思います。

これはざっくりと分けると、自立と依存の2パターンに分かれます。

自立パターンの場合

自立パターンの場合は「人に頼ることが苦手」というケース。

こう、基本的な生き方として「自分のことは自分で」と考えること自体は間違っていないと僕は思うのです。

ただ、普段からそんな発想が強く、他者との心の交流をあまり持たないタイプの場合、そう考えすぎるあまり、人からの依頼、指摘、提案を「負担」と感じてしまう人がいます。

平たく言えば「あまり人と絡みたくない」ということ。

「自分自身はあまり他者に提案や依頼、指摘をしない」ということ。

だから「何でも結果さえ出してればそれでいいんでしょ」という発想が強く持つ人もいます。

人を頼らないし、人から学ぶという姿勢を持つことがちょっと苦手ってことです。

だから、自然と「自分のことは自分で」というスタンスが強くなるわけですが、その結果「自分のことは自分でと考えていれば、他人と揉めたり、意見のすり合わせなど面倒なプロセスを経なくて済む」とも考えやすくなるのです。

これは人との関わりから遠ざかる、という意味で、一つの回避行動とも言えるでしょう。

だから、例えば恋人や妻、夫などからいろいろ提案されると「そんなことは分かってる」と突っぱねるような反応をしてしまうのです。

その根っこでは関わることへの恐れを感じていたり、そもそも「他人と関わることがしんどい」と感じている場合も少なくないでしょう。

相手がたとえ最愛の人であったとしてもね。

依存パターンの場合

一方、依存パターンの「そんなこと分かってる」は概ね被害者意識やハートブレイクを意味することが多いでしょう。

平たく言えば「そんなことを私にいちいち言うなんて、それはあなたが私のことを分かっていないってことなのよ」というニーズといいますかね。

これがいいかどうかは別にして。(このような気持ちって、特に親やパートナーとの関係ではめっちゃ出ると思うんですけど。)

つまり、つい「そんなことは分かっている」と言いたくなるのは、「自分をわかってほしい」という気持ちがなぜか強いからなのです。

ま、誰しも近しい人には分かってほしいものですけど、その反応がやたら強い人とも言えるでしょうか。

この前提には「人は自分のことを理解しない」という思い込みがあります。

だから、友達、同僚、パートナー、家族、どんな場面でも「理解されていない」ということに強く反応するんです。

そして、この思い込みがあるからこそ、誰かになにか言われるだけで怒りが出てくるんです。

「そんな、普段からこっちに何ら興味を持っていないくせに、言いたいことだけ言いやがって!」

なんて風にね。

(きっとそういいはしない人が圧倒的に多いのでしょう。だから次第に「人を当てにしない」「人と絡むのが面倒」という生き方になっていく可能性もあるわけですが。)

ただ、その見方を変えれば「それぐらいハートブレイクを抱えている」とも言えるわけですよね。

自分にちゃんと興味をもってもらえたという経験が少ないと、自分から「きっとこちらに興味がない(と思いこんでいる)相手」に興味を持つことが難しくなることもありますからね。

「そんなことは分かってる」の連呼から抜け出す方法

さて、ここからは「そんなことは分かってる」の連呼から抜け出す方法についてまとめてみます。

この解決策を一言でざっくりすぎるほどザクッとまとめると

「自分以外の(信頼しやすい)人に興味をもつこと」

となります。

要は、自立、依存両タイプともに

「自分が想定している以上に人は自分を見ていて、交流を持ちたいと思っている人がいることを知るといい」

ってことです。

それが理解できて腑に落ちることが重要といいますかね。

どちらにしても「そんなこと分かってる」という人の気持ちは「分かってもらえない」でできあがっているのです。

たとえどれだけ目の前に(その人なりに)理解を示す人がいても、それを信じないわけですよ。(信じられたら相手に興味を持つわけですからね)

むしろ、人を信じたら人と絡むことになるし、信じたら自分の心の痛みや悲しみはなんだったの?となってしまうのです。

つまり、自分の中に悲しみや痛みなどが溢れている分だけ、「人が自分にいい意味で興味を持っている」という事実は強い矛盾となるんですよ。

「だったら今まで私はどうしてこんなにしんどい、悲しい思いをしてきたんだ」

なんて風に思う人がいても不思議ではないのです。

だからこそ、「自分以外の人の気持ち」、特に信頼できる人の気持ちを知らない限り、人を信頼したり、頼ることは難しくなるってことなんです。

なので対人関係では「コミュニケーション」が癒やしとなりますし、重要な要素になるんですよね。

どんなときも(TPOに合わせて)お互いに知り合うこと、が大切といいますか。

つい人に反発したくなる気持ちも合わせて受け止めていこう

ただ、いくらコミュニケーションが重要だとしても、このようにも考えられないでしょうか。

何かしらの事情で人を拒絶したい気持ちが強い人に「相手のことを理解すべきだ」とだけ連呼しても、それこそ「そんなことは分かってる」と言われかねない、と。

例えば、恋愛や夫婦関係なら、「なんでそんなこともわからないの?」「私のことをもっと理解してよ」「俺の気持ちもしらないで!」なんて言ってもうまく行くことは少ないってことです。

つまり、相手に分からせる、分からせられる、といった一方的な意思疎通ではうまく行かないってことなんです。

もし、自分自身がこのようなパターンにはまり込み、パートナーや家族、職場などの関係がうまく回っていないとしたら、まずこう考えてみてください。

「そんなことは分かってる」と言いたくなっている自分も自分だな、と受け入れてみよう。

それがいかにうまくいかない表現であったとしても、そう言いたくなっている自分にもきっと事情があるのです。

だから、その事情「どうしてそんなことは分かってると言いたくなるんだろう」という部分に興味を持っていただきたいのです。

むしろ、そこを自分で蹴飛ばせば、余計に自立が強まるか、ニーズがたまるだけのような、そんな気がしますよ。

深く自分の感情を知って解放するアプローチ

更に深く見つめると「私は人と関わると傷つくし悲しい思いをする」という自己概念を持っているともいえ、それを変えることに抵抗を示しているとも言えます。

そもそも人と絡みたくない気持ちも、人に「どうして分かってくれないの」と思う気持ちも、人に指示されるだけでダメ出しを受けているような気分も

「私は人と関わると傷つくし悲しい思いをする」

そんな経験、もしくは思い込みがなければ成立しないんですよね。

そう思うから、人の意見や存在を警戒するし、相手がどう思っているかを気にするのでしょうから。

そして、そう思うにはそれだけの事情があるわけです、きっと。

だとしたら、ここで変えるといいポイントは

「私は人と関わると傷つく、悲しい思いをする」という自分自身の思いです。

これを手放して、人と関わることの抵抗感(怖れ)が少なくなることがポイントとなるんですよね。

変えるべきは自分の気持ち、自分のイメージなんです。

ここをカウンセリングではお手伝いさせていただくことも少なくないんですよ。

「そんなことは分かってる」を連呼する人との関わり方

さて、最後になりますけど、最もご相談が多いとも言える「そんなことは分かってる」を連呼する人との関わり方について少しだけ触れておきます。

私のパートナーはいつも「そんなことは分かってる」と突っぱねてくるんです。

といったお声は僕のもとにも届いているところです。

いわば、何を言っても「分かってる」ばかりで話し合いにならない、というご相談ですね。

いつも「そんなことは分かってる」と言われる側からすれば、ほんとうんざりしますよね。もう勘弁してよ、って思うこともあると思います。

ただ、この場合、その人とどこまで関わるか、という部分が重要になります。

ただの傍観者的立場の話か。

それともパートナーや家族、職場の人がそんな態度を取って困っている、今後上手に関わっていきたいという話なのか。

そのあたりで対応も変わってくると思います。

もし「相手がうざい」などと思いながら関わるとしたら、それこそ「そんなことは分かってる」と強く言う人が持つ「他者のイメージ」と合致してしまいかねないんです。

だから、余計に警戒されてしまうと言いますかね。

だから、もし今後も関わることを考えるなら、相手の気持ちを理解しつつ、自分の気持も整えながら、批判よりは、丁寧なコミュニケーションを心がけるなんてことが基本ラインでしょうね。

もちろんコミュニケーションは言葉だけと限った話ではないのですよね。

文字、手紙などを使ってみてもいいんです。

丁寧にコミュニケーションすること、それを相手と共有することが「何を言ってもダメ、じゃないのかも」という部分につながることがあるんですよ。

カウンセリング・セミナーを利用する
カウンセリングを受ける

なりたい自分になるカウンセリングが人気!
心理カウンセラー浅野寿和のカウンセリングのご利用方法はこちら。

カウンセリングのご案内ご予約可能時間のご案内