心理カウンセラー浅野寿和です。いつもありがとうございます。
それでは今日のコラムです。
よろしければお付き合いください。
例えばこんなケース。
随分前に別れた彼のことを今も引きずっています。
私も30代で結婚を意識して婚活もはじめています。いい人と出会いたいと思う反面、なぜか別れた彼のことを思い出してしまう私がいます。
時々「私の何がダメだったんだろう?」と思うこともあるんですよね。
私も思い出したくて思い出しているわけじゃないんですけど・・・。
やっぱり私はまだ別れた彼に執着しているのでしょうか?
できれば手放して前に進みたいのですが、なかなか一人では難しく感じています。
何かヒントがあれば教えていただければ幸いです。
はい、ではサクッと参ります。
もちろん別れた彼のことがとっても好きで忘れられない、ということは実際にありえることです。
が、別れた彼の記憶は・・・時間が経過すると「美化」されていることも多いんですよねぇ。
「思い出は美し過ぎて」の言葉のように、私達は辛いことがあっても、時間の経過とともに良い記憶だけを残す傾向があるものです。
だから、やたら過去の男性が素敵に感じる、ということも有り得る話です。
ただ、過去の恋愛に執着しているのは「美しい思い出」だけではなくてですね。
「私にとって都合のよかったこと」も、その範疇に入ると僕は思うわけですよ。
特に、「過去の男性が忘れられません」とお悩みになっておられる方と向き合わせていただくと、そもそも「自立」しておられる方も少なくなさそうなんです。
どこか自分が見られることの恥ずかしさ、リスクを感じていたり。
そもそも人と関わるときには「理由が必要だ」と感じている方に多いでしょうか。
仕事がいくら忙しくても人に依頼できない、というタイプの方。
時には「自分でやったほうが早いよ」と考えてしまう癖をお持ちの方、のようなイメージですけどね。
そういった方にとって「人と関わること」には、大義名分が必要になることがあります。
仕事では仲間と会話できるし、オフサイトな場でも盛り上がれる。それは「仕事」を通じた仲間だから。
プライベートでも学生時代の仲の良い友達がいる。「お互いに長い付き合い」だから。
そんな方にとっての恋愛って、「愛する理由」「愛される理由」が必要になるんです。
が、それを超えて、
「彼のためならどんな事でもできた」
「今までにないほど、素の私でいられた」
そんなパートナーさんがいたとすれば、それはとても貴重な経験になっても不思議ではないですよね?
ただ、あなたが普段から「人との関わりを持つこと」に何らかの苦手意識があると、この過去の彼への思い入れ、執着は強くなりますね。
あの時感じた「忘れられないつながり・感覚」を、「今、もう一度手に入れることが難しい」と思い込んでしまうから、つい過去の彼を思い出してしまうこともあるわけです。
これを自信がない、と表現される方も少なくないのですが、これはどこか人に関わる自信がないとおっしゃっていらっしゃるように僕は捉えることがありますね。
だから「何がダメだったのだろう」と過去の反省をすることで、「私は過去に経験した親密な体験を得ることが難しい」と、あなたがあなたに言い聞かせている・・・そんな風に僕は感じるのです。
そう、実はあなたの内面で「人(異性)と関わることへの許可(パーミッション・許し)」が出ていないと、つい心は過去の人を思い出すことにつながるようです。
そこには
・あなたの人との関わり方(愛し方)の方法
・人と関わり合うことへの怖れ、遠慮してしまうクセ
・自己嫌悪
などの要素が絡み合って、なかなか「今、親密な関係を作る」ことへの諦めを感じている可能性もあるんですよね。
だから、カウンセリングでは、恋愛の話なのに、あなたの「人と関わる力」にまつわる要素について、いろいろお話を伺ったり、ご提案をすることになりますね。
ただ。誤解のないように申し上げますが、人と関わる力がないと、ご自分を責める必要はありませんよ。
きっとこのタイプの方は、人と関わらないという行為を通じて、人を気遣っている事が多いので、それはそれ、これはこれ、と考えてみましょう。
***
最後になりますが、なかなか過去の彼が忘れられない、という事実は時に切ない気持ちを呼び起こすと思うんですよね。
ただこれ、言い変えると
「あなたがあなたらしくいられた過去」が忘れられないということ以上に
「あの時、彼のことを信じて受け入れた私」もいないのではないか?と僕は思うのですよね。
そこにいるのは「愛ある私」でもありそうです。
その過去の私のイメージに、別れの経験による「無価値感」がくっついているケースも少なくありません。
だから、もう一度、過去の彼よりは、「過去の私」を見つけて、丁寧に受け入れることができれば、意外と手放しまで進むことがありそうですよ。
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