こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
「またケンカしちゃった…」
「別に嫌いなわけじゃないのに、どうしてこうなるんだろう」
彼とケンカばかりしてしまう、というご相談は、実はとても多いです。
で、こういう話を聞いていると、僕はいつも少し引っかかるんですよね。
これ、本当に“ケンカの問題”なんだろうか?
だってよく聞いてみると、 怒っている内容そのものより、
- 分かってもらえない感じ
- 一人で戦っている感じ
- 何を言ってもズレる感じ
このあたりが、地味に心を削っていることが多い。
つまり、ケンカしている相手は彼だけど、 本当にしんどいのは「関係の中での自分の立ち位置」だったりするんです。
Index
「彼とケンカばかり」の正体は、愛情の不足とは限らない
まず知っておいてほしいのは、
ケンカが多い=愛情や気持ちが足りない、とは限らないということです。
むしろ、
- ちゃんと向き合おうとしている
- 分かり合おうとしている
- 関係を大事にしたいと思っている
そんな人ほど、ケンカが増えてしまうことがあります。
ケンカになってしまう理由は
「価値観が違うから」
「コミュニケーション不足だから」
もちろん、それも一部ではあります。
ただ、カウンセリングの現場で見えてくるのは、もう一段深いところです。
それは、
「親密になる段階で、どこか無理をしている」
という状態。
- 自分の気持ちをなんとかわからせようとしている
- きちんと分かり合おうとしすぎている
- 相手を変えようとしてしまう
- 自分の違和感を後回しにしている
このあたりが重なってくると、 不思議とケンカは増えていきます。
ケンカが多い人ほど、 実は“相手を大切にしよう”としている。
だからこそ、ズレたときに引けなくなるんですよね。
彼とのケンカが繰り返されてしまう心理
とはいえ、このブログは心理学に基づいて書かれていますので(^^;
一般的に考えられる「彼とのケンカが繰り返されてしまう心理」もさらっとご紹介しておきますね。
相手への要求と現実とのギャップを感じている
僕たちは多かれ少なかれ、パートナーを”理想化”してしまうものです。
「彼にはこうあってほしい」「彼はこんな人であってほしい」といった風に。
ただ、求める理想が高すぎたり、要求が多すると、現実との間にギャップを感じてしまうわけですね。
ここで「コントラスト効果」と呼ばれる心理効果が作用すると、
相手の良さや魅力は変わっていないのに、
「理想的ではない相手の一部(別名:鼻につくところ)」ばかりに意識が囚われやすくなり、強い不満を感じやすくなるんですね。
※「コントラスト効果」とは、2つの物事を比較した際に、実際の差よりも大きく感じられる心理学的な現象のことです。対比効果とも呼ばれますね。
価値観の相違
生活習慣、恋愛観、将来のビジョンなど、様々な価値観が異なることで、衝突してしまうことがあります。
自分の価値観を押し付けてしまったり、相手の価値観を理解しようとしないことで、ケンカに発展することも。
これは「相手を自分が思うようにコントロールしたい」という気持ちの現れとも言えます。
▶関連記事:価値観が違うパートナーと幸せに過ごす方法
コミュニケーションが不足している
本当に伝えたいことが上手く伝わっていないと、やはり誤解が生じます。
「なんでわかってくれないんだ!」と思えば思うほど、本心ではない
「もういい!」「なにも分かってない!」
そんな言葉が飛び交いませんか?
これはコミュニケーションではなく、情動(強い気持ち)を示しているだけなのです・・・。
ストレスの蓄積とその影響
仕事や人間関係など、日常生活でのストレスの影響で、
パートナーにイライラや不満をぶつけてしまうこともありますね。
気持ちに余裕があるときなら言わない不満も、気持ちに余裕がないと伝えてしまうこともあるようですよ。
過去の経験の影響
これはカウンセリングなどで扱わせていただくことが多い要素。
いわば「過去の恋愛や今までの人生の中で自分自身の心が傷ついた経験」が、現在の恋愛に影を落としているケース。
例えば、過去にひどい振られ方をして、それから異性を信じられなくなった。
でも、彼や彼女だけは信じようと思っていた。
なのに、分かり合えない。
「あなたも(君も)他の人と同じなのね!信じてたのに!」
・・・ま、そんな気持ちになってしまって怒りが爆発することもあるようです。
ケンカの原因に見えるものと、本当に起きていること
ケンカの理由としてよく挙がるのは、たとえばこんなものです。
- 相手に期待しすぎて、現実とのギャップでイラっとする
- 価値観が違うのに「分かってほしい」が止まらない
- 疲れていて余裕がなく、言い方が強くなる
- 言いたいことが溜まっていて、爆発する
どれも「あるある」です。
ただ、ここで大事なのは、
原因を探って当てることよりも、ケンカが続く“仕組み”を見抜くことなんですね。
ケンカの最中、よく起きているのはこんな状態です。
- 自分の正しさを説明している
- 相手に分かってもらおうとしている
- 相手の反応に一喜一憂している
このとき、二人は対等な位置ではなく、
「分からせる側」と「分からせられる側」に分かれてしまっています。
つまり、
話し合いをしているようで、実は立場の取り合いになっている。
ここでどれだけ言葉を尽くしても、
噛み合わなくなるのは、ある意味当然なんですよね。
「分かり合おう」とするほど、関係がこじれる理由
「分かり合いたい」という気持ちは、とても誠実な気持ちですよ。
ただ、それが強くなりすぎると、
「相手を自分と同じ位置に立たせようとする力」が強くなりすぎてしまう。
・同じように感じてほしい
・同じ基準で考えてほしい
・同じ方向を向いてほしい
これが続くと、相手は
「理解されていない」よりも、
「無理に動かされている」感覚を持ちやすくなります。
結果、反発か沈黙が起きる。
そして、またケンカになる。
これが「同じケンカを繰り返す」構造です。
ケンカが減る関係に必要なのは、正しさより「位置」
関係が落ち着いていくとき、起きている変化は意外と地味です。
・分からせようとしなくなる
・説得しなくなる
・同じ結論に持っていこうとしなくなる
その代わりに、
「私はここに立つ」「あなたはそこに立つ」
という距離感が生まれてきます。
この距離があると、
- 相手の反応に振り回されにくくなる
- 自分の感情をそのまま抱えられる
- 話し合いが“戦い”になりにくくなる
結果として、ケンカそのものが減っていきます。
彼とケンカばかりしてしまうときの、現実的な視点
もし今、
- 何度話しても同じことで揉める
- 自分ばかり頑張っている気がする
- 分かってもらえない感じが消えない
そんな状態なら、
「気持ちが足りない」のではなく、「立ち位置が近すぎる」のかもしれません。
なので、一時的に心の面での距離を取る、というプロセスはあり、です。
具体的には、
- 少し冷静になれるだけの時間を使う
- 言葉でなく文字で(できれば手紙などで)気持ちをまとめて伝える
- 第三者(信頼できる友人、家族、カウンセラーなど)に入ってもらって話し合いをする
これは関係を壊さないためのお二人の心の位置調整です。
もし「何度も同じところで揉める」「何度も同じパターン」で起きているなら。
それは、話し合いの技術よりも前に、お互いが
- どこで我慢しているのか
- どこで“分からせたい”が出てくるのか
- どこで「私は大事にされてない」に触れてしまうのか
このあたりを整理できると、ケンカの回数が減るだけじゃなく、話し合い自体がラクになります。
特にカウンセラーは、道徳的な視点よりも、心理を優先しながら、中立の立場で話をお聞きしますので、お力に慣れることは多いと思います。
▶関連記事:個人セッションのご案内
彼とケンカばかりしてしまうときの対処法
さて、今も絶賛ケンカ続行中、という方もいると思います。
その際の対処法はいろいろありますが、ここでは一人でもできそうな方法に絞ります。
1)その場で分かり合おうとしない
ケンカの場で「分かってもらう」「正しさを通す」をやり始めると、だいたい泥沼になります。
おすすめは、いったんこう言えるようになることです。
- 「今は冷静じゃないから、あとで話したい」
- 「今日は結論を出さなくていい。整理してから話す」
これは逃げではなく、関係を守るための技術です。
2)「何が起きたか」だけを短く提醒する
ケンカが多い人ほど、説明が長くなりやすいです。
でも長い説明は、相手からすると「責められてる」に変換されやすい。
なので、言うなら短く。
- 「その言い方だと、私は突き放された感じがする」
- 「否定された気持ちになって、反射で強く言ってしまう」
ポイントは、相手の人格批判ではなく、出来事と影響を言うことです。
3)「自分を責める声」が増えてないか確認する
ケンカが増えるとき、内側で起きている声は、わりとこんな感じかもしれません。
「私が悪いのかな」
「こんな自分じゃダメだ」
「ちゃんとしなきゃ」
この自己攻撃が強いと、心は余裕を失います。
余裕がないと、人は近い相手ほど雑に扱ってしまう。
ケンカの回数を減らしたいなら、自己攻撃を減らすのが近道になることもあります。
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まとめ
彼とケンカばかりしてしまうとき、問題は「相性」や「価値観」だけではなく、
親密さの扱い方や、関係の立ち位置に出ていることがあります。
- その場で分かり合おうとしない
- 出来事と影響だけを短く言う
- 自己攻撃が増えてないかを見る
このあたりを意識するだけで、ケンカの空気は変わりやすいです。
もし「言葉が出なくなる」「怖くなる」「立ち位置が崩れてしまう」感じが続くなら、
個人セッションで一緒に整理することもできます。
「どこでズレが起きて、どこで反射が起きているのか」。
そこが見えてくるだけで、関係はだいぶラクになることがありますよ。
心理カウンセラー浅野寿和公式WEBのコンセプトは
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- 自分の感覚が、もう一人では掴めない
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必要だと感じたタイミングで、ご覧ください。

