甘すぎない恋愛心理学

彼女と急に別れたがる仕事好きな男性心理とその関係修復を解説!

責任感で悩む男性
彼女と急に別れたがる仕事好きな彼の心理が知りたいです。

私の彼は暇があれば仕事ばかりしている人。

仕事もプライベートでもできる人で、とても魅力的な人なんです。

その彼が急に私と別れたい、と言い始めたんです。

別れる理由は「キミのために何もできないし、時間を作って上げられないから」。

「は、なにそれ?」と私は思ったんですけど、彼は私の気持ちを聞こうともせず一方的に「嫌いになったわけじゃない」「ごめん」というばかり。

いったい彼はどうして別れようとするんでしょう?

彼の気持ちが知りたいし、本当に彼は私のことを嫌いになったと理解していいのでしょうか?

この手の恋愛のご相談につきまとう心理こそ「無価値感」〜何もできない自分に価値はない〜なんですよね。

僕は「無価値感男子」と勝手に呼んでおりますが(^^;

無価値感が強い男性は、仕事大好き人間になりやすく(ハードワーカーともいう)

確かに恋愛の途中で別れたがる傾向があるといえます。

そこで今日は彼女と急に別れたがる仕事大好きな彼の心理を

無価値感という視点から解説してみます。

この記事を読んでいただくと、無価値感から彼女と別れたがる彼の気持ちや、彼との向き合い方のヒントを得ていただけると思いますよ。

彼女と急に別れたがる仕事好きな男性の心理を解説

彼女と急に別れたがる仕事好きな彼の心理特徴は

「無価値感」が強く、自分は何もできないという思いを常に抱いている部分にあります。

つまり、このタイプの男性を彼女さんや奥さんとの別れに向けて突き動かす気持ちこそ

「何もできない」なんですよね。

そもそも仕事好きな男性って、大まかに分けて2タイプいると考えられます。

一つは、仕事や成功そのものにとても興味があるタイプ。

もう一つが、無価値感から仕事や成功に興味を持っているタイプ。

今回のケースは後者だ、ということなんです。

このような無価値感男子(無価値感に突き動かされるように行動している男性)は

当然のごとく「普段から自立して頑張ってる男性」なのです。

でないと、「無価値な自分になる」と思いこんでいますからね。(←ここが誤解なんですけど)

そんな彼らにとっての心の支えは「誰かに何かを与えられる自分でいること」。

以前に比べ、最近はこういった男性も減ってきましたけど、未だ根強く存在する男性と言えるでしょう。

恋愛や夫婦関係の中では

「彼女(妻)の誰かの役に立ってこその自分」と思っているのですが

実際はその深層心理で

そもそも自分は存在価値がないように感じていて

だからこそ「彼女の役に立たない自分」にはなりたくないと感じてしまうのです。

もちろん、彼女さんの視点でみると

「いやいや、なにいってんのあんた」なんですよね。

彼がいてくれたら、それで嬉しいし、安心する。

彼は普段から与える人なのだから、すでにもらっているものもたくさんありますよね?

でも、無価値感男子はそこが理解できない、感じとれないんです。

無価値感男子と自尊感情(自己肯定感)の関係性

そもそも無価値感男子さんは、社会的自尊感情を高めることに躍起になっている人が少なくありません。

逆に、自分の失敗体験などを否定的にしか捉えられず、基本的自尊感情(自己肯定感)が育まれていない、なんてケースも考えられるんです。

「社会的自尊感情」とは

「他者からほめられたり,認められたり,成功体験を積んだりすることによって高まる感情のこと」

いわば、他者との比較に基づく相対的な優劣による感情です。

だから、恋愛でも仕事でもできる自分でいられるなら、この感情は大きく膨らみますけど、失敗したり、上手くいかない出来事を目の前にするとすぐにしぼみます。

一方、「基本的自尊感情」と呼ばれる自尊感情も存在します。

「基本的自尊感情」とは

「成功や優越とは無関係に自分のよいところも悪いところもあるがままに受け入れ,自分を大切な存在として尊重する感情のこと」

「生きていていい」「このままでいい」「これ以上でも以下でもない」「自分は自分」と自然に思える、絶対的で無条件の感情。

この基本的自尊感情は、社会的自尊感情を支える作用を果たす、とも考えられています。

つまり、今回取り上げているような無価値感男子さんの深層心理には

「自分には価値がない」という感覚がある、と仮定するなら

社会的自尊感情を必死になって育んでも、基本的自尊感情が育まれていない可能性がある限り、失敗や挫折にめちゃくちゃ弱くなる、ということなんですよね。

この状態は「自己肯定感」と呼ばれる

「今、自分に起きたことが成功であっても失敗であっても、そこに意味や価値、学びがあったといった、肯定的な自己評価をするときの感情」

を感じられていない可能性を示すんです。

彼女と急に別れたがる仕事好きな無価値感男子との向き合い方を考える

話し合うカップル

さて、今回取り上げているような

「急に別れたがる仕事好きな無価値感男子な彼とどう向き合っていけばいいの?」

というご質問をお受けすること、僕も少なくないのですけどね。

その前にまず「仕事好きな無価値感男子」のあり方を理解しながら

自分自身が、どうして仕事大好き無価値感男子を好きになるのだろう、という部分をもみていきたいところ。

ここを無視して、男性の気持ちばかり見ていてもうまくいくことは稀、かもしれません。

(つまり、このブログの記事を読んだうえで自分を向き合ってみてね、必要なら僕で良ければサポートしますよ、という話でもあります。)

無価値感男子の心理状態についてある程度知っておく

例えば、無価値感男子さんは

どれだけ仕事ができようが、ステータスがあろうが、魅力的で周囲から支持されていようが

「無価値感」の影響が強すぎて、「何もできない自分」ばかりに意識が向きやすい。

(よってできる自分であり続けたい気持ちも強い。)

このあたりの「相手の考え方、思いの意味」を汲み取る感じがまずポイントになるでしょう。

そもそも無価値感男子というのは、役に立てない自分に価値がない、ということにめちゃくちゃ過敏に反応する、ということ。

ここを覚えておいてほしいのです。

無価値感男子さんの選択を頭ごなしに否定せず、一旦受け入れておく

つまり、無価値男子さんの場合

「別れたい」という言葉に、彼女さんへの思いが込められていることが多いです。

「彼女のため」に「別れたほうがいい」。

そんな価値を込めているわけです。

今のままいても「自分は無価値でしかない」と思うからですね。

だから、彼女さんにその選択を頭ごなしに否定されると

「別れる、ですら価値がなかったのか」

そう、無価値感男子さんが思うことになり、まぁある意味自爆するしかなくなるんですね(^^;

もちろん彼女さん側も「別れたい」と言われれば辛いものでしょう。

その気持ちを否定するつもりはないのですよ、僕も。

ただ、彼の気持ちに反発するよりは

一旦彼の気持ちを汲み取るように、彼の言葉や考えを理解し尊重してあげるといいかもしれません。

いわば

「彼がそうしたいというならば、そうさせてあげる」

そんな態度を取れるかどうか、なんですね

実は無価値感男子さんって、こういった態度を取られると急に

「でも、別れたくないかも」「また会いたいかも」

と言い始める人もいるんですよ。(相当に関係がこじれている場合は別ですよ)

なぜなら、「彼がそうしたいならそうさせてあげよう」という彼女さんの態度から、彼が別れたいという言葉に込めた彼女への気持ちが伝わったと感じるからです。

だから、ちょっと辛い選択になるんですけど、素直に引いてあげて、追いかけずそっとしておいてあげるわけです。

ここでうまく距離を取れたり、相手の思いを汲み取ることで、あとになって彼があなたの元に戻ってくる確率も上がる、と考えられるのです。

もし「そうしたいならそうさせてあげる」に抵抗を感じたら

で、この話を読んで

「えー、なんで私がそんなことをしなきゃいけないの?」と思われたなら

一度、自分自身を向き合ってみるといいかもしれませんね。

もし、いまのあなたにとって「彼がそうしたいならそうさせてあげる」という選択が

自分にとってめっちゃ辛いものなのだとしたら。

なぜ、そんな辛い恋愛に首を突っ込んだのか、そんな彼を選んだのか、感がてみると良いと僕は思うのです。

誰だって相性が合う相手と、寄り添いあえる関係を望むもの、でしょ?

しかし、そうではない彼を選んだとしたら、あなたの深層心理は何を感じているのでしょうね?

また、この彼との関係が、あなたにとって

「私のニーズや気持ちよりも相手の幸せを願うレッスン」となっているならば

その課題に取り組んで見る視点を持ってもいいのかもしれません。

どちらにしても

「なぜこの彼、この関係が今の私に必要なの?」

という視点を持って、自分を見つめてみていただくと良いと思います。

そうすることで、あなた自身がどんな幸せを望んでいるのか、よく分かってくると思いますのでね。

我慢するのではなく、与える姿勢は保持して向き合う

ここでのポイントは

「泣く泣く別れを受け入れる」というスタンスを取らないことなんですね。

「彼のしたいようにさせてあげる」という、いわば「与える意識」であることが重要です。

でないと、無価値感満載の彼は「あぁ、彼女を悲しませてしまった」と自分をボコボコに責めるので、戻って来る確率が下がる、と言えるのです。

この話をもう少し心理的に考えてみると

恋愛関係とは自立と依存の立場ををぐるぐる変えながら進むものなので

別れ際であっても、彼女さんが「与える」という自立のスタンスを取ることで、相対的に彼は依存のスタンスに移行するのです。

つまり、彼が追いかける側になるのですね。

そのポジショニングを取るためにも、与える姿勢で受け止める、を意識してみてください。

ただ、彼に与える姿勢を示し、依存と自立の立場が逆転して、彼があなたの方を向いたとしても、ですよ。

その途端、すぐに彼に食らいつこうとすると、その瞬間、自立と依存の立場が再逆転してしまいます。

すると、彼女さん側がまた依存の立場、つまり、彼を追いかけることになるので要注意でございますよ。

恋はあせらず、という感じでじっくり向き合いましょう。

何でも言い合える信頼関係がある場合は、言いたいこと言ってもOK

また、二人の関係に信頼関係がある場合は

彼女さんから彼に言いたいことを言ってもOKという場合がありますね。

ま、言葉は選んでいただくほうがいいですが、例えば

「バカ言ってんじゃないわよ、なんで別れなきゃいけないの?」

なんて伝えてみてもいいかも?とお伝えする場合もあるぐらいです。

これも、別れ際であっても、彼女さんが「与える」という自立のスタンスを取ることで

相対的に彼は依存のスタンスに移行するから、という見立ての上でのことです。

ただ、これは二人の間に何でも言い合えるような信頼関係がある場合に限定されますので念の為。

また、いくら言いたいことを言っていい、とはいえ

あまりに暴言を吐いたり、悲しみをぶつけると全く意味のない説教になってしまいます(^^;

あくまで丁寧にこちらの気持ちを伝えたり、説得する感じになるといいですよね。

最後に

いかがでしたでしょうか?

彼女と急に別れたがる仕事好きな男性は、「何もできない」を怖れているのです。

その視点を持って、彼の言動をよーく見つめていてください。

そして、一旦彼の言動を受け止める姿勢を見せてみると、相手の反応が変わることもあるかもしれませんよ?

今回のコラムが皆さんのお役に立てば幸いです。

怒る男性と泣き出す女性
夫に「気持ちが戻らない」と言われたときの心理と向き合い方「家族としては大事だけど、前みたいな気持ちには戻れない」 夫からそう言われてしまったとき、胸が張り裂けそうになる方も多いのではないでし...
ABOUT ME
浅野寿和 | 心理カウンセラー/トレーナー
恋愛や夫婦関係、仕事、対人関係、生き方の”こじれ感”を「甘すぎない心理学」で解決。ただ、気持ちを受け止めるだけでなく、背景にある心理構造や関係性のパターンを整理し、「現実的で納得できる選択」を一緒に探っていきます。 臨床実績9000件/東京・名古屋・オンライン対応。
もっと知りたいとき、解決したいとき── 「今の私」を、もう一歩だけ前に進めるための4つの方法

読むから、整えるへ。

浅野寿和のブログは、考えるだけでなく“関係を変えるための心理学”を届けています。ここから、あなた自身のペースで一歩ずつ整えていきましょう。

誠実に頑張ってきた人のための、“心の整え方”

毎月6万人が訪れる心理ブログ。責任や孤独、関係の悩みなど“大人のこじれたテーマ”を、月・水・金に新作コラムでお届けしています。

👉 一人では解けなかったお悩みを、さまざまな視点から整理する記事です。日常の気づきにお役立てください。

もっと深く知りたい方へ|無料メールマガジン

ブログでは書けない“リアルな話”もお届け。考えるだけでなく、“実生活で整える”ためのヒントを週3回(火・木・土)配信します。あなたのペースで、心の理解を“使える気づき”に変えていきましょう。

  • 読者限定:講座先行予約のご案内
  • 登録特典:「心を整える7日間ワークブック」無料プレゼント

“大人”の日常に効く心理学講座

わかっているのに動けない」——そんな時期を抜けるためのオンライン講座。心理を“知る”だけでなく、“活かす”90分

毎月さまざまなテーマで開催。あなたの優しさを、使える力に整えていきましょう。

 

頑張ってきたのに、幸せな未来が描けないあなたへ

頑張ってきたのに、まだ心のどこかが動けない。その優しさや誠実さを、“もう一度使えるように”整えるカウンセリング。

あなたと同じように“優しさの使い方”に迷ってきた人が、ここから少しずつ自分を整えてきました。浅野が、あなたの思考と感情の流れを丁寧にトレースしながら、“自分を責めないまま関係を整える”サポートを行っています。