恋愛・夫婦の心理学

恋愛に自己犠牲は必要?

彼に「自己犠牲を払えないから不幸にしてしまいそう」と言われました

浅野先生、はじめまして。

いつもブログを拝見しています。
質問させていただきたいことがありましたので、メールさせていただきました。
よろしくお願いいたします。

3ヶ月前に友人の紹介で知り合った男性のことです。
そろそろ結婚したいということで紹介を受け、5回ほど食事をしたり1日デートしたりして過ごして素敵な人だなと好意を寄せて、今日こそお付き合いしたいと思い、5回目のデートの帰りに私の想いを伝えました。

そしたら彼はとりあえず付き合うというのは簡単に出来るけど、ちゃんと中長期的に一緒にいたいと思えたら告白しようと思っていたと言われ、それは遠い未来ではないと思うけど、とりあえず毎週会うというデートをもう少し続けようとなり、その後1ヶ月恋人同士のような関係を続けていました。

1ヶ月経った時にこれからどうするかという話になり、一緒にいて嫌なところもないし、受け入れられないなと思うところもないし、人としてすごく好きだけど、自己犠牲を払えないから不幸にしてしまいそうで、こんな状態だったら私のために離れた方がいいんじゃないかと言われてしまいました。

私はそこまで私への気持ちが盛り上がらなかったのかなと解釈したのですが、自己犠牲を払えないから一緒にいるべきじゃないという言葉に引っかかってしまい、私は恋愛に自己犠牲はそんなに伴わないと思うし、自己犠牲すべきでないと思っているのですが、彼は何でこんな気持ちになってしまうのか理解出来ませんでした。

仕事もハードワークで余裕がなくなっちゃったのかなとも思ったのですが、少なくとも一緒に過ごした3ヶ月の間で私といると負担をかけてしまっていたということなんでしょうか?

お忙しいところ恐縮ですが、少し男性心理を教えてください。

よろしくお願い申し上げます。

ネタ募集ネーム:YYさん

 YYさん、ネタのご協力ありがとうございますm(_ _)m

なるほど。この彼の言葉の解釈はちょっと難しそうですね。僕もご質問を読ませてもらって「ん?」と引っかかりましたから。

ただ、たしかにこのように考える人もいるだろうなぁ~とも感じています。

では、僕なりの解説編へ。

男性は物事を並列で考える

彼は、とりあえず付き合うというのは簡単に出来るけど、ちゃんと中長期的に一緒にいたいと思えたら告白しようと思っていたと言われ、それは遠い未来ではないと思うけど、とりあえず毎週会うというデートをもう少し続けようとなり、その後1ヶ月恋人同士のような関係を続けていました。

1ヶ月経った時にこれからどうするかという話になり、一緒にいて嫌なところもないし、受け入れられないなと思うところもないし、人としてすごく好きだけど、自己犠牲を払えないから不幸にしてしまいそうで、こんな状態だったら私のために離れた方がいいんじゃないかと言われてしまいました。

なるほど。

この言葉だけをとるならば、彼は自己犠牲しないとあなたを満足させられない、と思っているのかもしれませんね。

頑張って無理をしないとパートナーを満足させられない、という発想といいますか。

それぐらい彼には、すでにエネルギーやリソースを投資しているものがある、とも考えられそう。

男性心理の基本のキに、「男性は物事を並列で考える」がありましてね。

例えば、仕事と恋愛と自分の時間を並列に考えている部分があるわけですよ。物事の優先順位はありますけど、どこか同時に並列的に扱おうとするんです。

まぁ器用といえばそうともいえそうですし、どっちつかずといえばそうともいえそう。

ただ、エネルギーを分散させてしまうので、一つの物事に集中しているわけではない状態が長く続きますし、その時間がながければストレスも溜め込みやすくなりますよ。

すると、どうやったって一つの物事にエネルギーを注げない、と感じるようになります。

これが「今の関係を前にすすめると、パートナーに申し訳ない気がする」という彼の発想につながることが多いですよ。

え?好きなら頑張れない?と思われるかもしれませんが、本当に彼が「好き」と感じているなら彼の思いも変わってくるでしょう。

ただ、彼の話しぶりを見ると、あなたとの関係に「問題はないし、とてもいい」と感じているようですが、どうでしょう、「すごく好きだ」といった感情表現って少なかったですか?

実は、自立的な人ほど、この「好きという気持ち」を抑え込んだまま恋愛や夫婦関係と向き合おうとする人も少なくなくて、もし彼がこの状態にあるのであれば、恋愛に前向きで熱心になるには、多少の自己犠牲的発想が必要だと考えるのかもしれません。

なお、この発想の根っこには、何かしらの事情で生まれた「罪悪感」の影響がある、と考えることができます。

罪悪感があるから、愛することが何かの埋め合わせになる、的な発想ですね。

 

二人の関係を維持するために必要な犠牲、みたいな。

また「できない→悪いこと」「できない自分→かっこ悪い」みたいな気持ちにもなりやすいでしょうし。

そもそも何かしらの事情で罪悪感が強まっているなら、そもそも「好き」という気持ちは封印されちゃいます。

極端な表現になっちゃいますけど、「罪深き自分が好きって思っていい」とは思えないですよね。

こういったタイプの方ほど、好き、より「安心」「安全」「問題のない」といった状態を好むようになるでしょう。

あくまで彼の言葉をそのままとって解釈するなら、そう考えることができそうですね。

恋愛に自己犠牲は必要ない

私はそこまで私への気持ちが盛り上がらなかったのかなと解釈したのですが、自己犠牲を払えないから一緒にいるべきじゃないという言葉に引っかかってしまい、私は恋愛に自己犠牲はそんなに伴わないと思うし、自己犠牲すべきでないと思っているのですが、彼は何でこんな気持ちになってしまうのか理解出来ませんでした。
僕も恋愛に自己犠牲は必要ない、と思いますよ。

自分が犠牲を続ければ、自分を愛する人が辛い思いをしますからね。

自分がどんな犠牲をしてでも、という思いは僕も理解できるのですが、相手に与える影響を考えると、ね。

また、一時的な忍耐や相手への献身には、そのベースに「相手を大切に思う気持ち」があるわけですから、犠牲のような苦しみ、いやいや感は出てきませんね。

辛い気持ちを感じるとしたら、うまく愛せないのはどうして?という感じになるでしょうし。

さらに言えば「自己犠牲を払えないから不幸にしてしまいそう」って、どこか日本のお母ちゃん的発想ですよね。

もし、このように考える人がいるとしたら、僕ならば「その人のお母さんとの関係性」に注目するかもしれません。

人は、近い距離にいる人の影響を受けます。それは文化だけでなく、感情、考え方、物事の見方など、たくさんの要素を。

もし、このようなお母ちゃん的発想の影響を強く受けた人がいるとしたならば、「大切な人(お母ちゃん)には犠牲してほしくないから、自分が犠牲しなきゃ」と考えるようになって不思議ではないかな、と僕は思います。

これがその人の恋愛に反映されてくるってことですね。

また、彼の気持ちが盛り上がらなかった、という部分ですけど、そもそも愛すること・恋愛関係を持ち、維持することを「犠牲的なもの」と捉えているなら、誰とあってもそんなに気持ちが盛り上がらない、ってことになります。

必要なのは「これから(犠牲を含めて)頑張るぞという覚悟」であって、「これから幸せでワクワクウキウキした毎日を過ごすぞ」という気持ちではないでしょうから。

だから、といってはなんですが、いわゆる犠牲的発想の中にいる人にとって気持ちが緩む要素って、救いなんですよね。

なんだか救われた感じがすることで、気持ちが緩む気がしたり。

あと、許し。許される、許すという感覚が癒やしをもたらします。

犠牲的発想の強い人ほど、貢献や献身さを重視する傾向があるんですけど、だから「二人の関係を続けるには、今のままではダメで、もっとパートナーに献身的にならないとね」と考えているのかもしれませんね。

その根っこには、「本当に自分は相手を満足させられるのかな?」といった「役に立ちたい・必要とされたい」「でもちょっと自信ない(かも)」という気持ちが隠れていることが多いかもしれませんよ。

まぁ、その部分はなかなか表面化されてきませんけどね。

このタイプの彼とどう関わればいいの?

仕事もハードワークで余裕がなくなっちゃったのかなとも思ったのですが、少なくとも一緒に過ごした3ヶ月の間で私といると負担をかけてしまっていたということなんでしょうか?

彼のその反応は彼の事情であって、あなたと出会う前からの彼の心理状態の話ですよね。
そもそも彼はその彼の内面を見せていなかったのではないでしょうか?

ならば、彼の中で「あなたへの気持ちが盛り上がらなかった」と解釈するより、彼がそもそも気持ちが盛り上がりにくい心理状態だった、と解釈したほうがいいと僕は思うんですよね。

じゃ、このタイプの彼とどう関わればいいの?という疑問も聞こえてきそうなので、少しだけ書いておきますが

このタイプの男性、に限らないんですが、この手の罪悪感が強い人には(過去に誰かの役に立てなかった、誰かを助けられなかった、など)「承認」や「許し」が効果的です。

そもそも罪悪感が強い人って、その心の根っこで救われたいと感じていますし、誰かに許されたいと思っているものです。

だから、その人の発想、言動、あり方を理解し、許し、寛容に包んであげると居心地の良さを感じますよ。

今、彼の考えていること、意見を一旦(辛いこともありますが)受け止めて、すぐに反論しないことです。

「あなたの考えていることに私は理解を示していますよ」といった態度を見せておくのです。

すると、このような理解を示してくれる人ってそんなに多くないですから、どこか特別な人、今までに出会ったことがない人、といった印象を持つようになるのです。

その上で、自分の思いを伝えるなら、相手も受け入れやすくなるってことなんですよね。

また、彼を褒めるにしても、何も無理をして相手を受け入れる必要はなくて、彼のよいところを見て、理解し、寄り添っていけばいいんです。

ただですね、彼と向き合う側の「意識」として、このような「心理」を理解しておくことはとても大切なこと、といえます。

ここを意識せず、彼の話を我慢して受け入れたり、彼のよいところをただ褒めるだけでは、なんだかうまくいかなくなることが多いのです。

ここには目に見えない感情の影響があって、「相手のどこを、どう理解して、どのような思いを向けるか」という意識の違い一つで、相手に伝わる気持ちが変わってきます。

実際、相手にかける言葉、起こす行動が同じでも、どこを意識して言葉を使い、思いを伝えるのかで、ほんと結果が変わってくるんです。

例えば、失恋して自信を失った友達がいたとして、「大丈夫だよ」と声をかけたいと思ったとしましょう。

そこで「私はあなたはいい人だと思うよ」と思って「大丈夫だよ」と声をかける場合と、その友達の苦悩や葛藤を理解した上で、「私はあなたはいい人だと思う」と声をかける場合では、相手に伝わるものが違うと思いませんか?

相手の受け止め方、理解している部分が全く違うわけですよ。

このような目に見えない部分に少し意識をして、パートナーのことを理解していくことで、自分の思いが伝わりやすくなるものです。

なにか参考にしていただければと思います。

ABOUT ME
浅野 寿和
カウンセリングサービス所属心理カウンセラー。名古屋を中心に東京・大阪・福岡で〜旅人のように〜カウンセリング・セミナーを開催。心理学は現実で使えてなんぼ、がポリシー。