こんにちは。

心理カウンセラーの浅野寿和です。

今日のテーマは、「母と話すと、なぜこんなに消耗するのか」

お母さんと分かり合える関係ってたしかに理想ですよね。

ただ、セッションの現場にいると、母と話すだけで疲れます、というお声も伺いますよ。

他人なら距離を取れば済むのに、母という相手だと、それがなぜか難しい。

それはとても切ないことでもあり、心の負担にもなる・・・。

そこで、「母親との関係と、恋愛や人間関係にまつわる心理」をコラムにしますね。

なお、この記事は「お母さんを変える方法」ではありません。

母を責める方向にも、あなたを責める方向にも寄せずに、

いまのあなたの負担が少し減る見取り図を作るための解説だと思ってください。


母と話すと消耗する・・・。話が噛み合わないとき、起きやすいこと

ご相談の中で多いのが、こういう感覚です。

  • こちらの意図と違う返答が返ってくる
  • 話がすぐ相手の意見にすり替わる
  • 噛み砕いても伝わらず、だんだん傷つく
  • 「やっぱり無駄だ」と思って距離を取りたくなる

これ、結構消耗します。

しかも母という相手だと「他人なら離れれば済むのに」が、なかなか通用しないこともある。

母と分かり合いたいと思っても、話が通じないと、ホントげんなりしちゃうんです。

だからこそ、ここで大事なのは、まず

「噛み合わない関係」を努力でねじ伏せようとしないことかもしれませんね。


「分かってほしい」が強いほど、分かり合えなさが刺さる

母との会話が噛み合わないときに、

「言葉のズレ」そのものより、関係の中で心の痛みを感じやすいものかもしれません

  • 私の気持ちは、置いていかれる
  • 私は見てもらえていない・分かってもらえない
  • また一人で気持ちの処理するしかない

こういう感覚が、積み重なると本当にしんどい・・・。

文句言いたくなくても、言いたくなっちゃうんですよ。

そしてここがポイントで

この痛みは、あなたの中に「分かり合えなかった」という形で残る場合があるんです。

これが、大人になってからも、一つの警戒心として残ることがあるんです。

たとえば恋愛なら・・・

「もしかすると、彼(彼女・夫・妻)とは、分かり合えないかもしれない」。

だから、距離を取る、警戒する、疑う、気持ちを確かめる、無関心を装う・・・。

そんな反応が出ることもあるんですね。

なんか、素直になれない、みたいな気持ちです。

でも、実際は素直になれないというより、近づくと痛い目に合いそう、という反応が残るんです。

かつ、とても人間らしい、「分かり合えない悲しみ」という気持ちも感じる。

それがね、なんとも言えず苦しいわけですよ。


なぜ「母親との関係」が人間関係に反映されやすいのか

さて、心の世界には

「対人関係(恋愛含む)の基礎って母親との関係にあるよね」という考え方があります。

この点については詳しくは、関連記事をご覧いただきたいのですが・・・

母との関係が恋愛や人間関係に影響を及ぼすのは

単に「大事な存在だから」というだけではないんですよね。

人との距離感・甘え方・頼り方・拒否の仕方といった、関係の“基礎”を作りやすい相手だからです。

ここで誤解しやすいのが、

「母との関係が悪い=人生が詰む」みたいな話ではない、ということ。

影響があるの事実なんでしょう。

ただ、影響があるからこそ、いまの自分の癖が見える。

見えるから、少しずつ調整できる。

この記事で扱いたいのは、その「調整の入り口」なんです。

▶参考記事:嫌いな母に近づくのは嫌だから「恋愛や結婚というプロセス」に葛藤するという心理

「母のために頑張る」モードが自己犠牲的な関わり方を作ることもある

また、母親との関係で、「いつも母のために頑張る人」もいるかもしれません。

これは、大人になってから「自己犠牲的な関わり方」として残ることがあります。

ちゃんとしないと、助けないと、私が頑張らないと・・・。

そんな真面目さとも誠実さとも言えそうな気持ちです。

もし、そんな気持ちが強いなと感じる方がいれば、一度、さらっと自己点検してみてください。

  • 母に合わせて説明を工夫し続けている
  • 母が落ち込むと、こちらが悪い気がしてしまう
  • 「分かり合えない自分」をどこか責めている
  • 母を刺激しない言い方を最優先にしている

もし当てはまるなら、あなたは今、

「母と会話する」より前に「母の感情を扱う」ことを背負っているのかもしれません。

これが続くと、対人関係全般でも、

  • 相手の機嫌を読む
  • 相手が納得するように“整えて”話す
  • それでも伝わらないと深く凹む

という「相手の気持を背負う」という形で、疲れやすくなります。


大人になってからの「母との距離」の取り方

ここからは、「今、母と話すとしんどい」と思われる方に向けて

大人になってからの「母との距離」の取り方についての、ちょっとした具体的提案です。

母親との距離感、関係を整えると、確かに心が安心することも増えますからね。

こう・・・緊張がほどける瞬間が増えやすいというか。

1)会話の目的を「理解される」から「線を引く」に変える

母との会話は、「分かってもらう場」ではなく

「線引きを確認する場」と理解してみてもいいかもしれません

線引とは、「母と私は違う存在なんだな」と確認する感じ。

例えば、返答が噛み合わないときに、頑張って説明を足すより、

  • 「そういう返しになるんだね」
  • 「今日はここまでにするね」

のように、会話を“続けない選択”を入れる。

無理に冷たくあしらうのではなく、しれっと反応する。

これ、あなたの心を適切に守るための技術です。

2)「母の反応」を自分を確認する指標にしない

母が納得したかどうか、機嫌が良くなったかどうかを成果にすると、終わりがなくなります。

自分を確認する指標は、

「私は自分の立ち位置を守れたか」

この一点でいいと思います。

つまり、母の反応で自分を評価する癖を横に置く感じです。

3)「噛み合わない」を”違い”として扱う

母子でも、感性は違います。

違いがあること自体は、悪いことではありませんよね。

ただ、違いを“違いとして扱えない”とき、

「分かって当然」「通じて当然」という気持ちが混ざって、傷が深くなりやすい。

そして、過干渉なお母さんほど、そこを突いてきます(^^;

「こんなに分かってあげてるのに、考えているのに」といった感じで。

・・・「母親を理解できない私が悪い?」と思う瞬間かもしれません。

ただ、適切なコミュニケーションがない場で、相手を理解するのは難しいですよ。

だから、お母さんに突かれたら、心の中でこう言い換えてみてください。

「この人は、こういう受け取り方をする人なのかもしれないな」

(納得しなくていいです。言い換えの練習として。)


母と分かり合えないときの“いちばん現実的なゴール”

お母さんと関わる、話すことがしんどいとき。

お互いを完全に分かり合えることをゴールにすると、しんどくなる人が多いです。

本来は、なんでも安心、安全に言い合えて関係が理想なんですけどね。

そういった場所を持ちたい気持ちもわからなくもないんですよ。

ただ、現実的に母親との関係がしんどいと思うときは

ずっと「母と娘(息子)」という心理的な立ち位置のままだと、いろいろ消耗するケースも少なくないみたいです。

なので、現実的なゴールは、たぶんこうです。

「分かり合えない部分が残ったまま、自分の心が安心できる距離を作る」

・・・ちょっと寂しいと思うかもしれませんけどね。

少なくともこちらがお母さんに強く反発する立ち位置まで近づかないことかな、と。

これは、反発するなとか、母を大切に扱え、という視点の話ではなく、

反発するぐらい心の距離を近づけないほうが、お互いのあり方がよく見える、という意味です。

今すぐ分かり合えなくても、いつか、自分のプロセスが進めばバランスが変わることもある。

どうあれ、あなたの心が毎回削られる状態は、放置しないことです。

そのために必要なのは、母の理解と同時に、

あなたの中の“心のバランスと平穏”を整えることなんですよね。


最後に

母との関係で消耗するとき。

それは、これまでの関係の中で、無意識のうちに背負ってきた役割や距離感が、

今のあなたには少し重たくなっている。

その状態が、心に負担として残っているだけなのかもしれません。

母と完全に分かり合えることを目標にしなくても、

無理に関係を断ち切らなくても、

今の自分が安心できる距離を見つけていくことはできます。

具体的には、今のパートナーとの関係を見つめ直したり、分かり会える人との関係を持つことでも、全てとはいいませんが、心の固くなった部分を柔らかくすることもできるんです。

それだけでも、人との関わり方や、恋愛や人間関係のしんどさは、静かに変わっていくことがあります。

もし、母との関係の中で

罪悪感に引き戻されたり、
距離を取るたびに心が揺れたり、
会うたびに自己否定が強まるような感覚が続いているなら、

それは、ひとりで抱え続けなくても大丈夫なんですよ。

個人セッションでは、

母を責めることも、あなたを変えることも目的にせず、

「今のあなたが無理なく立てる距離」を一緒に整理していくことができますしね。

この記事が、あなたの心を少し整えるきっかけになっていれば幸いです。

こちらの”恋愛と母親にまつわる心理”もどうぞ

ABOUT ME
浅野寿和 | 心理カウンセラー/トレーナー
恋愛・夫婦・仕事・生き方の中で、「ちゃんとやってきたはずなのに」そんな感覚を抱えやすい人のご相談を多くお受けしています。 個々のご相談を心理学の視点で整理して、明快に言葉にしていくカウンセリングが人気。 キャリア17年・臨床実績10,000件/東京・名古屋・オンライン対応。リピーターさまが多いカウンセラー。口癖は「どんなことにも事情があるよね」。
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