「最初はすごく楽しかったのに、気づけばいつも関係が続かない」
「毎回似たような理由で終わってしまう」
誰かを大切に思って、真剣に向き合ってきたはずなのに、気づけば関係が途切れてしまう。
しかも、「なんで毎回同じことを繰り返すんだろう」と自己嫌悪に陥ることもある。
そんなお話を伺うことがあります。
実は、こうなるにもちゃんと理由がありますよ。
つまり、あなたが弱いからでも、愛情が浅いからでもないんです。
僕はこれまで16年以上カウンセラーを続けてきましたが、カウンセリングの現場で本当によく伺うお悩みのひとつが「恋愛が長く続かない」というものです。
ただ、僕のもとにお寄せいただいたお客様の声にもあるように、かつては「いつも恋愛が続かない」という悩みを抱えていたが、その後にパートナーと結婚に至ったり、安定した関係を築けるようになる場面に立ち会えたことも、僕のカウンセリングでは珍しくありません。
今日はその経験を踏まえて、「長く付き合えない人の深層心理」と、そこから抜け出すためのポイントをお話しします。
Index
恋愛が長く続かない人の深層心理
恋愛が続かない理由は、決して「自分に魅力がないから」ではありません。
むしろ、心理学的に見ると 「心の構造上のクセ」が働いているケースが多いのです。
恋愛が長く続かない人の深層心理について、よくある心理を4つご紹介します。
親密さに対する不安
誰かに近づきすぎると、「自分が消えてしまうような感覚」を持つ方がいます。
心理学的には、これは自己存在感の揺らぎとも言えますね。
「相手に合わせすぎると自分がいなくなる」「でも離れすぎると孤独でつらい」というジレンマが関係を不安定にするのです。
愛着の影響
子どもの頃に「安心できる距離感」を持ちにくかった人ほど、近すぎて苦しい・遠すぎて孤独、の間で揺れやすくなります。
この距離感の調整が難しいため、恋愛の場面で「しんどさ」が強まります。
理想化と失望
恋愛の始まりは「やっと出会えた」と感じるほど期待する。
でも相手の現実を知ったときに、その落差が強い失望感を生んでしまう。
これらの構造が重なって、「長く続かない」というパターンをつくり出していることがあります。
強い観念の影響
シンプルな話なんですが「私は恋愛が長続きしない」「家庭運・恋愛運がない」という思い込みを持っていると、その思い込みどおりに物事が運んでしまうことがありますよ。
願望としては「長く続けたい」なのですが、その願望ですら「長続きしないからこそ、長く続けたい」という形になっていることが少なくないというか。
この状態で頑張ってみても、「行動はその行動動機を強化する」の法則で、「長続きしない」という信念を強化してしまうことが多いんです。
なので、何度も長続きしない関係を続けてしまうんですね。
恋愛が長続きしないときのよくあるパターン
また、恋愛が長続きしない方に多いのは、こんな展開なんですよね。
-
理想化→冷却パターン
相手を強く理想化して追いかけるけど、現実を知った瞬間に急に冷める。その反応を見て相手が離れていくことも。 -
我慢→爆発パターン
自分の気持ちを言えないまま我慢し、ある日限界を超えて一気に爆発。もしくは、相手が察して距離を取ろうとする。 -
先手防衛パターン
「嫌われる前に私から離れよう」と自分で関係を断つ。いわばシャットダウン型なので、相手は驚くけど離れていくことも。
これらは「どうせ分かってもらえない」「長続きしないに決まっている」という前提に縛られているからこそ、繰り返されてしまいます。
「恋愛が長続きしない」からのブレイクスルー方法
では、どうすれば「長続きしない」パターンを抜け出せるのでしょうか。
「気づいていない前提」に気づく
これはそもそも論になってしまうのですが・・・
「私は恋愛が長続きしない」という前提や観念そのものが、あなたの恋愛行動を制限するだけでなく、「長続きしない」という観念を強化してしまうのです。
ここが結構厄介なポイントであり、クリアにできると楽になる部分です。
もしあなたが「私は長続きしない」「恋愛の神様に見放されているんだ」と思っているなら、その思い込みを握りしめるのではなくて、
「あなたがそう感じているとき、本当に自分の内面で生じている反応を知ること」
が大切です。
たとえば、「親密さが不安なんだ」「相手との距離が詰まると恐れを感じやすいんだ」などがそれにあたります。
その上で、自分自身の反応をある程度置き換えてみるといいと思いますよ。
ここをすっ飛ばして自分の価値を受け取ろうとしても、なかなかうまくいかないというケースを僕はたくさん見てきた気がします。
ちなみに、この反応の置き換えはセルフワークで取り組んでもいいですし、カウンセリングでじっくり取り組んでいただいてもいいです。
小さな自己開示を試す
僕たちは何事も失敗しそうなときほど、防衛的な態度を取りやすいものです。
なので、なかなか「恋愛中に自分を開示する」ということができない人も少なくない。
要は「いい人だけど何を考えているかわからない」と言われやすい、いいとますか。
そんな方ほど、小さな自己開示や自己理解を積み重ねることが有効なんですね。
もちろん、いきなり本音全部をさらけ出す必要はありませんよ。それはチャレンジングすぎる(笑)
たとえば
「今日はちょっと疲れてる」
「週末は会いたいな」
そんな軽いお願いや感情表現からで十分です。
・・・ねぇ、自分を後回しにしすぎて恋愛関係を壊さないようにしても、何度も壊れた経験ってありません?
実は、自分の内面と素直に向き合うほうが得策なんです。
自分自身が何を感じ、何を望んでいるのか、素直な気持ちに立ち返ることも重要といいますか。
ただし、中には「自分自身が何を望んでいるかわからない」と感じている方も少なくないんですよね。
これは心の一部にフィルターがかかった状態なのですが、この場合は僕と話してみるといいかもしれませんね。ズバっ優しくあなたの内面のお話できることもあると思いますよ〜。
「関係が壊れない」という安心感と成功体験を積む
これも一つの思い込みなのですが、「男女関係はコワレモノ」という観念を持っていると、それはそれで厄介です。(結構そう思っている人、少なくないですよね?)
もちろん、壊れやすいものだから意義や価値を見出す、という側面もあると思うんですけどね〜。
ただ、「些細なことで関係が壊れてしまう」という観念があると、これまた必死で関係性をつなぐ努力をするたびに「関係が壊れてしまう(失敗できない)」という観念を強くしてしまうのです。
でもまぁ、何度も短い期間に別れを繰り返すと「男女関係って簡単に壊れると学習するもの」というか、そう思うことも無理はないですよね。
そう想われる事情も、そこにあるお気持ちも、僕なりに理解できる気がするんです。
その上で、僕のカウンセリングでは「自己存在感を持つこと」や「実際に人間関係ってそんな簡単に壊れないんだよという実感を得ていただく」ような「新しい学習」に関するご提案をさせてもらってますよ。
たとえば、友達、ご両親、仲間、パートナーに小さなお願いをしても受け止めてもらえた、弱音を言っても嫌われなかった、なんて経験がそれにあたりますね。
他にも、自分が想定している以上に周囲は自分に対して温かかった、という実感を感じてもらったり。
こうした小さな経験の積み重ねが、心に「関係はそう簡単には壊れないよという安心感」を刻んでいきます。
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最後に
「恋愛が長続きしない」と悩むとき、私たちはつい「私の性格が悪いのかも」と自分を責めがちです。
しかし、大切なことは、「心の反応」に気づいて、少しずつ新しい経験を積んでいくこと。
恋愛は、過去の傷や不安を繰り返す舞台ではなく、むしろ「新しい自分」を試す舞台です。
だからこそ、「長続きしない恋愛」を経験してきた方も、そこから抜け出すことは十分に可能なんですよ。
僕自身、カウンセリングを通して「以前は長続きしなかったけど、今は穏やかな関係を築けています」と報告してくださる方をたくさん見てきました。
だから、もしあなたが「また同じ繰り返しになってしまうのでは」と感じているなら。
まずは小さな自己開示から始めてみませんか?
その一歩が、恋愛の新しい景色を開いてくれるはずです。
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