『別れを考えたい』と言われたときの心理|傷つく理由と、根っこにあるもの
こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
「少し、関係を考えたい」
そう言われたとき、頭が真っ白になった人もいるかもしれません。
別れを告げられたわけじゃない。でも、続けるとも言ってもらえなかった。
答えが出ないまま宙吊りにされる感覚が、じわじわと苦しい。
それはそうですよね。しんどいと思います。
ただ、少し違う角度からこの言葉を見てみると、どうなるでしょうか。
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「考えたい」という言葉の根っこにあるもの
「別れを考えたい」という言葉、よほど自分勝手な人でない限り、
「今のままでは自分も相手も幸せになれそうにない」
という思いから出てきているんじゃないかと思うんです。
つまり、相手はあなたの幸せを、どこかで考えているかもしれない。
だとすると、その言葉の根っこに、愛があるかもしれないんです。
でも、「どうしたら関係を続けられるか」だけを必死に考えてしまうと、その愛が見えなくなることがあって。
相手の気持ちを否定するような方向に、どんどん進んでしまうこともあるんですよね。
別れを考えると言われて深く傷つく人に共通していること
僕がカウンセリングで感じてきたことなんですが、こういった場面で深く傷つく人には、ある共通点があるように見えます。
「与えることを善として生きてきた人」なんです。
誰かを幸せにしたい、相手に良くしたい、不安でも忙しくても、好きな人のことをちゃんと考えている自分でいたい。
そういう思いで一生懸命やってきた。
それは本当に美しいことだと思います。
ただ、与えることに一生懸命な人ほど、相手の気持ちを受け取ることが苦手なことがあって。
これもメンタライゼーションの一つだと思うんですけど。
メンタライゼーション(Mentalization)とは、自分や他者の行動の裏側にある、感情、思考、意図、欲求などの「心理状態」を想像・理解する能力のことです。
「心で心を思うこと」とも表現されますね。
ただ、どうしても受け取ることが、どこか稚拙に感じられる人が多いのかもしれません。
誰かの手を借りなきゃ生きていけないような、そんな感覚がするのかもしれません。
または、誰かの手を借りてもいいことなかった(期待外れだった・分かってもらえなかった)なんて経験から学習している人は、放っから相手の気持ちに期待しないくせがついていたりもします。
だから無意識に、受け取らないし、場合によっては受け取らなくていい相手を選んでしまうことも、あるんです。
愛されたい気持ちはあるのに、なぜ受け取れないのか
愛されたい気持ちはある。大切にされたいという欲求も、ちゃんとある。
多くの方がそう思っています。
そしてそれは間違いじゃない。
でも、受け取れない自分のことは、見えていないことが多いんです。
見えているのは「与えれば、きっと返ってくる」という予測だけで。
その予測が崩れたとき、人は詰んだような感覚になるんじゃないかと思っていて。
だから、「考えたい」という言葉を受け取ったとき、あまりにも深く傷つくとしたら、そのあたりに理由があるかもしれません。
なぜ「受け取れない」人が生まれるのか
心理学的に見ると、成長プロセスの影響もあると思うんですよね。
人は思春期以降、「愛し方」「与え方」「この社会の中でどんなふうに生きていくか」というスタンスを磨いていきます。
それ自体は間違っていないのです。
問題は、成長プロセスの中で、
「自分が誰かを思うように、相手からも同じものが飛んでくる」
という想定が育たなかった場合があること。
他人を当てにしても良いことがなかった、という経験をしていれば、己を信じるしかないですよね。
親や家族を含め、そういう経験が積み重なっていれば、「自分がしっかりやるしかない」というスタンスが育っていく。
それは弱さじゃなくて、その環境の中での最善の適応だったんです。
ただそのスタンスが、大人になって誰かを愛する場面で、受け取れない自分を作ってしまうことがあるのかもしれません。
もしあなたの中にそういった要素があったとしたら、おそらくあなたに「関係を続けるか、別れるか、考えたい」と言っている相手も相当悩んでいる可能性があります。
なぜなら、あなたが悪い人ではない、むしろ一生懸命であることを誰よりも知っている可能性があるからです。
「愛されて育った人」と「応えようとしてきた人」
ちょっと視点を変えてみた話をします。
愛されて育った人は、受け取ることが比較的可能なんです。
愛されることが当たり前の体験として身体に馴染んでいるから。
一方、あまり愛されなかったと感じている人って、大切な人の思いに応えようとする意識が強くなることがあります。
関係を作るとき、与えること繋いでいく意識が強くなりますからね。
これ、どちらが正しくて、どちらが間違っているということじゃないと思うんです。
どちらも否定しようのない、それぞれの事情の中で育まれてきたものだから。
むしろこれって、補完関係にあることだと思いませんか?
与えることに長けた人と、受け取ることに長けた人が出会う。
お互いが持っていないものを持ち寄っている。本来そこに、深い愛の可能性があるはずで。
しかし、それがなぜかうまくいかなくなるとしたら、その補完関係がうまく機能していない状態が続いているのかもしれないですね。
最後に
「別れを考えたい」と言われてしんどいとき、相手への怒りや悲しみの奥に、もう一つ問いがあるかもしれません。
自分は、それだけ大切にされる存在だという自覚が、どこかにあっただろうか、と。
その問い、少し怖いかもしれないですね。
でも、そこに触れることが、関係を前に動かす一歩になることもあるんじゃないかと思っています。
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