恋愛の心理学

言いたいことが言えない、いや「言う資格がない」と感じてないですか?

浅野先生へのご質問

先生のブログを読むと男性心理や恋愛について勉強になり心が救われています。

今回は2年交際している彼について悩んでいることがあり、よかったらブログのネタにしていただければ、と思い相談を致します。

彼は私より年上ですが、家族構成は末っ子で甘え上手かつ面倒なことは丸投げなところがあります。
出かけるとき、目的地の最寄り駅なども「調べといてよ」と私に投げてきます。ちなみに彼が出かけるときは自分で調べ、人と行く時は全部任せると言っていました。締めの言葉は「末っ子気質だからね」で、私は何とも言えない気持ちになりました。

私は私なりに「何番出口が会場に近いよ」などと調べるのですが、調べきれないこともあります。
そのたびに彼から冗談っぽく「調べといてよ」と言われると『私、調べることも出来ない、気遣えない女の子なんだ……』と無力感と悲しみに襲われます。

また、私は持病と薬の影響で体型がかなりぽっちゃりしています。
彼はそれを心配して「もう少し痩せて欲しいな。今後の健康のためにも。でもダイエットは健康的にね」と言いました。
現在ダイエット中ですが、思うように痩せない中でもウォーキングやストレッチを頑張っています。
ですが、この前会った時に「ストレッチする時間も作るようにしたよ」と話したら「その割には見た目変わってないね。まあこういうのは継続が大事だから」と言われ、心に大きな切り傷をつけられた感じがしました。

私たちの出会いがマッチングアプリで、彼は今も続けているので「私より気遣いのできる、健康的な体型の女の人を探した方がいいのでは?というか探せる環境が整ってるでしょ?」と思い、口に出しそうになる時もあります。本当はそんなこと望んでいないのですがね…。

出会った当初や昨年の今頃では、末っ子気質や物事をはっきり言う姿はあまり見られなかったので、見方を変えれば彼が打ち解けてきた、心を開いてきたとも捉えられると思っています。

また、彼は元々かなり早歩きをするタイプでしたが、今は私のペースに合わせてくれています。他にも彼なりに寄り添おうとしているのは伝わってくるのです。

でも、調べといてという言葉で私の無力感が刺激されたり、ダイエットが上手くいってないことも言われるととても傷つきます。
しかも、彼はこれらの言動に悪意がないんです。本当に思ったことを言っているだけのようです。

2,3日に1回雑談のLINEしていましたが、今は何を言っても言われてもダメージを受けそうなので、私からLINEをしていません。交際し始めて、初めて自分の気持ちを整えるためにLINEだけでも距離を置いている状態です。

彼と上手く関わりたいし、仲良くしていたいです。でも我慢していると気づいてからは、疲れや苦しみや悲しみがどっと溢れています。
こんな状態では喧嘩になりかねませんし、私はそれを望んでいません。

浅野先生。どうすれば彼と上手に仲を深めたり、関わって行けるのでしょうか。

アドバイス、ご意見よろしくお願いいたします。

ネタ募集ネーム:さえさん(一部編集させていただいています)

さえさん、お待たせしましたm(_ _)mネタのご協力もありがとうございます。

今回はさえさんのご質問にお答えしますねー。あと、いただいたテキスト、あまりに具体的な描写があったのでこちらで書き換えております。その点ご了承くださいね。

では、僕なりにご質問お答えします〜。

よろしければどうぞ。

相手が甘え上手だと強制的に与える側に立つことにもなりますね

彼は私より年上ですが、家族構成は末っ子で甘え上手かつ面倒なことは丸投げなところがあります。
出かけるとき、目的地の最寄り駅なども「調べといてよ」と私に投げてきます。ちなみに彼が出かけるときは自分で調べ、人と行く時は全部任せると言っていました。締めの言葉は「末っ子気質だからね」で、私は何とも言えない気持ちになりました。

つまり、彼は「俺って末っ子気質だから甘えるよ(パートナーには)」という宣言をしているってことなんですよね、これ。

今回いただいたテキストを読む限り、これが彼の考え方であり、パートナーとの関わり方だってことのようです。

もちろんさえさんが「なんとも言えない気持ちになる」と書いてくださっている部分も僕なりに分かる気がしますよ。

もちろん依存の程度の差はあれど「俺、君に依存するし、末っ子だから仕方ないよね」と言われたときの反応って人それぞれ違うとおもいますので。

特に普段から人に迷惑かけないように、とお考えになる方ほど「はぁ・・・」もしくは「はぁ?」って思うかもしれない(あくまで「しれない」ですけど。)

ただこの話を僕なりに解釈するとしたら

「付き合っている相手が甘え上手だと強制的に与える側に立つことになることがある」

ということのようです。

そして何かしらの事情で「そこから降りられない」と感じてしまうと言いますかね。

これはいわゆる「ロール(役割)」ってやつでして

「私、与える側(になぜかなってしまった)」

「彼、受け取る側(だと先に宣言している)」

という構図が見えてきそうですよね。

まぁ二人の関係全てにおいてそうだとは言えないのでしょうが。

与える自信がないと「依存されても困る」と感じやすい

かつ、自分が与える側に立つことにあまり自信がないと、このような彼の言動は「勘弁してよ」となりやすいかな、と思います。

そう考えると、そもそもさえさんが「自分が選んで行動していること」に関して、どのような意識をお持ちなのか、という部分が僕は気になっちゃうんですよね。

例えば、彼と出かけるときに頼まれごとをしたとしましょうよ。

今度出かけるとき、現地の情報収集よろしく!みたいな感じで。

しかし、それがちょっとうまくできなかった、としましょうか。

そのとき、もし彼とあなたが愛し合っている関係なのであれば(仕事でも同じかもしれませんけど)

「私はちゃんと彼のお願いを聞いてるけど、難しくてよくわかんなかった〜」ならば、ぶっちゃけそう言えばいいと思うんです。(そう言えるかどうかの話はあとで書きます)

しかし、自分がどこかで「私はちゃんとしていないと愛されない」と思っていたとしたらどうでしょう。(言い換えれば「ちゃんとしている私は愛される」ということですけど。)

おそらく「うまくできなかったー」とは言い難くなるだろうと僕は思うのですね。

それでは相手に愛されなくなるから、ではなく

「相手の期待や要求に答えられない自分に、自分自身が価値を感じないから」です。

ここ、めっちゃ大きなポイント、というか、ここが腑に落ちているかどうかで、今後の関係は変わってくると僕は思いますよ。

※ただ、「相手の期待や要求に答えられる自信」ってものも究極的には手放すことになるんですけどねぇ。

大人が思う「相手が〇〇してくれない」は自分で仕掛けた時限爆弾のようなもの

ちょっとさえさんのご質問から脱線した話をさせていただきますけども。

よくカウンセリングでも「相手が〇〇してくれなくて」というお話を伺います。

そのお気持ちも僕なりに分かるんですよ。

そう思うこと自体僕も否定的に見ていないし、人によってはめっちゃしんどい気持ちを抱えておられる方と出会わせていただくこともありますしね。

が、ずっとその立ち位置、考え方でいると、そのしんどさは「相手が変わってくれない限り変わらない」ことが多くなると思うんです。

つまり、自分の選択や行動でしんどい状態から抜け出すことが難しいと感じるんです。

だから、多く「相手を自分好みに変えたい」「相手にわかってもらうしかない」と考えてしまう人もいらっしゃるようなのです。

が、その結果、相手を変えようとして「おめぇはなんで分かんないんだよ」を連呼し、相手の否定ばかりしてしまって関係がぶっ壊れた、なんて話はたくさん伺ってきました。

もちろんそれを避けるために我慢を重ねてしんどくなりすぎて、幸せを感じられない、なんてお話もあります。

 

ただまぁ、僕は「相手に分かって欲しいという気持ち」が悪いわけでもないだろうと思っているんですけどね。

「相手に分かって欲しい」と思うことは大いに有り得ることでしょうしね。

 

ただ、子供時代は別にして、大人が思う「相手が〇〇してくれない」という不満は自分で仕掛けた時限爆弾のようなものだと僕はお伝えすることがあるんですよ。

例えば、

「彼が私に優しくしてくれない」
「別れた彼が連絡してくれない(別れていればそれも必然なんでしょうが)」
「浅野はカウンセラーなのに明確な答えを教えてくれない」

とかね(^^;

こういった気持ちの裏には「自分で出した答えが今のベストだ」と思えない、何か事情があることが多いんです。

だから、相手にとっての正解を探りやすいといいますか、失敗したくないという気持ちが強くなるといいますか。

そもそも恋愛やパートナーシップなんてトライアンドエラーの繰り返しなんですが、それを自分で自分に許さない、といいますか。

言い換えれば、失敗して恥ずかしい思いを感じることが「屈辱」と感じやすいと言いますか。

すると人によっては

今の私では彼の正解(彼にとってベストの人)ではない。

だから自分から言いたいことを言っちゃダメで我慢しなきゃいけない。

いや「今の私にはそんなことを言う資格がない」と感じちゃう人も出てくるのです。

※むしろ「お前にそんなこという資格ないよなんていう人と一緒にいる義務なんてない」と僕は思っちゃうんですけどねぇ・・・。

「自分のベストを尽くして相手と関わる意識」を持ってみてください

まぁそのあたりの話はここまでにして

どこかで自分自身が

「うーん、これが絶対的に正しいかどうかよくわからないけど、でもこれが今の私にできることだからそれでいいじゃん」

と思うことができているならば、おそらく「相手がしてくれないことで感じる不満」は感じても、それでしんどくなりすぎることは少なくなると思うのですよね。

相手に「そうじゃないよ」と言われても「私じゃダメなんだ〜」とあまり思わなくなるといいますか。

むしろ「じゃ、どうしてほしいの〜?」と聞けると思うんです。

これは「相手にとっての正解を出す」ではなく、「今の自分にできるベストを尽くす意識をもつ」ってことなんですけどね。

ぶっちゃけそれしかできないわけですよ、僕たちって。

できないことはできないし、できないことはそれでいい。

だから、できることを増やすために学ぶし、失敗するし、失敗すると悔しいなって思うのではないでしょうか。

うまくやりたいから。相手を喜ばせたいからね。

さえさんの書いてくださった言葉で表現するなら

『私、調べることも出来ない、気遣えない女の子なんだ……』と無力感と悲しみに襲われます。

ですけども。

そう思うことで、あなたはどんな自分になりたくて、どんな自分を表現したいと思っているんでしょうね。

これを自分を責めるバツとしてしか認識しないとしんどいですよ。

あなたはそう思うことで、どんな自分になりたいと願っているのか。

自分を責める気持ちは手放して、その願い、意思、その勇気を自分に許してあげてはいかがでしょうか。

今の自分を受け入れて本当の気持ちを伝えることは大切ですよ

この話は、さえさんが書いてくださっているダイエットの話にも通じると思うのですよ。

ダイエットが上手くいってないことも言われるととても傷つきます。
しかも、彼はこれらの言動に悪意がないんです。本当に思ったことを言っているだけのようです。

ということは、あなたと彼の中には信頼関係があり、あなたも「彼はあなたを責めるつもりで言っているわけではない」とご理解されているんですよね。

言い換えるなら、うまくダイエットできていないとおっしゃるあなたを、彼は否定していないことをあなたが知っているということなんですよね。

だとしたら、どうして傷つくのかを考えてみてほしいんです。

あなたが傷つくことが悪いと考えるのではなく、どうしてこんなに傷ついてしまうのか、をね。

その答えはさえさんなりに考えていただければいいのかな、と思うのですよ。

※少しだけツッコミを入れておくと「傷つく」ということを通じて相手に何かを伝えようしてばかりだと、コミュニケーションはうまくいきませんよ、ってことなんですけど。

 

が、一応ブログ記事なので(^^;

僕なりの答えを書くとすれば

「私は彼の理想ではない」「私は彼を喜ばせる存在ではない」

そう自分が感じているからではないでしょうか。

彼は今のあなたとお付き合いしているのに、あなた自身が自分を許せないからではないでしょうか。

 

もしそうであるならば、ここで考えるべきことはたった一つ。

自分を許さないことで、彼の与えてくれているものを信じられなくなり、悪意なんてまったくないけど彼の気持ちを蹴飛ばしているのは誰やねん、ということ。

まずそこと向き合うこと。

そして、それをも自分の罰にせず、今後の気付きにするということ。

 

だから、ちょっと勇気は必要ですけどね。

自分を見つめながら

「彼の気持ちを信じてみよう。」

「一度上手に受け取って喜んでみよう。」

「彼に愛してくれてありがとう、と言ってみよう。」

さえさんがそんな行動が取れるか、自分とどれだけ向き合えるかが、今後の関係に大きく影響するだろうと僕は思います。

もし、そう思えるなら、ダイエットも「愛されるためのダイエット」ではなく、「自分の健康と彼の喜びになるためのダイエット」みたいに思えないでしょうかねぇ?

つまり、彼が今のあなたと関係を持っているのであれば、ダイエットできないことが問題なのではなく、あなたの思い込みが今の辛さを作っているのだろうと僕は思います。

 

何より相手の気持ちに気づいているのに、自分の本当の気持ちを伝えないことって、めちゃめちゃ痛いわけじゃないですか。

まさに痛恨の極みになりやすいわけで。

だから、この記事のタイトルは「言いたいことが言えない、いや「言う資格がない」と感じてないですか?」としているんですよ。

 

本当の気持ちを言ってはいけない、伝えてはいけない。

それで傷ついたら立ち直れない。

そう思うほど自分を否定しているとしたら、そりゃめちゃめちゃしんどいよ、って話だと僕は思うのですよね。

ちなみに今回の記事で使った考え方は、以前「被害者意識ってのは加害者意識(自分の中の都合の悪さ)を隠すものですよ」なんて記事にまとめてありますので、そちらもご覧いただければと思います。

https://www.asanohisao.jp/archives/2461228.html

被害者・加害者の視点から考えた問題解決の方法今日は被害者意識と加害者意識という視点からの問題解決がテーマ。前回のコラムの続きになりますが、よろしければどうぞ。...

では、今回は以上です。

なにか参考にしていただければ幸いです。

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