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別れ際にめっちゃ後悔しているような彼を見て「え、なんで?」
例えばこんなケース。(架空の話としてお読みください。)
『私の元彼はそもそも優しい人でした。
でも、ちょっと自分勝手なところがあって、自分が思うようにならないと機嫌が悪くなったり私に文句を言ったり。
私は好きになった人だからという思いもあって、できるだけ彼の思いに沿おうという努力をしてきましたし、彼を愛そうという努力をしました。
でも、何年か付き合った末、彼は私に「〇〇のことは好きじゃなくなった」といい、紆余曲折あって別れることになりました。
ただ、別れ際、彼はずっと後悔しているような素振りを見せていたんです。彼はその後悔を口には出さなかったし、「もう別れるしかない」とばかり言っていたんですよ。
その彼の姿が今でもずっとココロのどこかで引っかかっているんです。
彼ははっきり「私のことは好きじゃない」といいました。
だから、私はきっともう私じゃないんだろう、私の気持ちはいらないんだろうって思ったんです。
でも彼は別れるまで、二人がもう会わないと決めるまで、ずっと、最後まで別れたくないような態度をとっていたんです。
それってどういうことなんでしょう。彼はどうして私の前であんな態度をとったんでしょうか。
それが今もひっかかっていて、どうしても気になるんです。』
このようなお話を伺うとき、僕は「あぁ、その彼はきっとあなたのことをうまく愛せないと悩み続けたのかもしれません」なんてお伝えすることがあるんですよ。
ときには、「愛すること」において、彼はあなたに勝とうとしてしまったのかも。
そして、あなたのようにうまく愛せずに負けてしまったのかも、とも。
別れるときに後悔する人たちはなぜ別れるまでに後悔しない方法を取らないのか
いいかどうかは別にして、人にはプライドを言うものがありますよね。
いいプライドは誇り。そうではないプライドは見栄やこだわり。
特にあまりいい意味ではないプライドを誇示する傾向がある人ほど、物事を自分の思い通りにしたいという気持ちが強くなることがあるんですよ。
それは恋愛でも仕事でも同じかもしれません。
自分が思うように物事が進まないことが、自分のプライドを傷つけることになってしまうといいますかね。
だから、自分の考え方の正しさばかり主張したり、いかに自分が優れているかという前提で話をしたり、自分の気持ち・考えこそ正義だ、と感じやすいといいますか。
それがいいかどうか別にしてですけどね。
このようなタイプの男性を、しかし見捨てず、パートナーとして受け入れ続けてこられた女性もいらっしゃるのかもしれません。
まさに先の事例のように「私が好きになった人、受け入れた人だから」と、彼の言い分も、彼の言動も批判せず受け入れてきた、と言った感じで。(時には子育ての様相を呈する場合もあるのかもしれませんが)
そんなプライドが高い男性って、どうしても「自分の思い通りにならないと」と考えてしまうことがあるようですよ。
そしてその「思い通り」の内容は、常に支配的な発想だとは言えず、しいて言うなればその男性なりの善意や理想であることも少なくないようです。
例えば、「俺が彼女を幸せにしないと」「男なんだから彼女を食わせないと」「彼女に負担をかけたくない」みたいな感じ。
まぁ今の時代にそこまで古風な考え方をする人がどれだけいるかは別にして、分かりやすい例としてはそんな感じです。
まさか、ちょっと自分勝手で、強情で、言い出したら聞かない、そんな自分を彼女が愛してくれていただなんて気づけない人もいるのかもしれません。
そんな人ほど、つい彼女と愛するという意味での競争意識を持ってしまうこともあるようです。
「どちらがどれだけ相手のために頑張れたか」というね。
そんなことこだわんなくても、お互いに支えあえたらいいじゃない、なんて風に思われる方もいるでしょうが、この手の競争意識を持ちやすい人は、なかなかこの競争意識から降りられないなんてことが起きるんです。
そして、彼なりに「自分は十分に彼女を愛せていないんじゃないか」と思ったとき、別れたほうがいい、と考えることがあるようなんです。
つまり、愛し合うというレベルで自分が負けた、と思うと、ネガティブな感情を感じてしまうので、だったら別れるしかないんじゃねーの、みたいな話になっちゃうと言いますかね。
そんなケースと出会うたびに僕は「彼の気持ちもわかるような気がする。けれど、競争してしまうと、勝負がついちゃうから。自分が負けたと思えば、もう去るしかないと思っちゃうのかもね」なんて思うのですよ。
そして、プライドがあるからこそ、別れるというその時点まで後悔しない方法を取らないのかもしれないな、と思うのです。
もちろんこれがいいかどうかの話ではありませんよ。
別れという選択がその彼にとって後悔しても、しかしベストだと自分で思うなら、それもまた理解されるべきことかな、と僕は思いますからね。
ただ、別れを告げられた女性からすれば混乱する、というのも僕なりに分かるなぁ、と思える話なのです。
まさか彼が「どちらが上手に愛するかという競争にこだわっていた」だなんて、気づきにくいことだと思いますから。
特に女性が「なんだかんだ言ってもお互いに支え合えればいいじゃん」と、調和的な発想をお持ちだった場合はなおさらでしょう。
彼が戦っていたのは「愛し上手だったあなた」だった?
もし僕たちがネガティブな意味でのプライドを掲げてしまうとしたら、それはどんなときなんでしょうね。
まぁいろいろな状態が考えられそうですが、その一つに「自分は相手にかなわない」と思ったとき、ではないでしょうか。
実際、恋愛のご相談は多岐にわたり、内容は様々なのですけどね。
ただ、あまりの彼女が愛し上手だったから、彼が何もできずに負けてしまった、なんてケースもあったりするんですよ。
だから、彼は最後までプライドを崩さず、別れるの一点張りだったりする、とかね。
でも実際は、負けたと思えるほどに、本当は彼女を愛したかったのかもしれませんね。
ま、そんなことを彼が素直に言えるなら、別れに至っていないと思うんですけども。
そう考えると、これは結果論としての話なんですけど、彼が戦っていたのは「愛し上手だったあなた」だったなんてこともありえるのかもしれません。
それぐらい彼はあなたに甘えていたとも言えるし、あなたの価値を見ていたとも言える、なんてこと言っていいのかな?
ただ、実際にこのようなケースはある、と僕は思っています。
パートナーとは競争したくなってもしないほうが得策
こう、日常の中で競争意識を刺激されながら生きているとなかなか気づかないものかもしれませんけどね。
自分とともに生きてくれると言ってくれている人、自分を愛してくれている人と、何故か競争してしまうことってないでしょうか。
「もっと自分がしっかりして相手のために十分与えられているならば」と思う気持ちは素晴らしいのかもしれませんけど、「でも、俺は私は相手に負けている」なんて思えば、一緒にいても気分が滅入るばかりでね。
愛したいという気持ち、相手を幸せにしたいという気持ちがあることは素晴らしいことですけど、「なんで勝とうとする?」って突っ込みどころが入るシーンは意外と多いよな、と思っています。
つまり、パートナーとは競争したくなってもしないほうが得策なのです。
自分ではできないこと、自分ひとりでは成し遂げられないことがあるのです。
だったら、それに身を委ねる勇気、信頼する勇気があってもいいんじゃないかと思うんです。
もちろんそれは相手に丸投げ、ということではないですし、ただ一方的に依存することでもありませんよ。
「ときには、自分より自分を上手に愛してくれる人がいたりする」
その事実を受け止めて、相手の気持に感謝することもまた大切なことなのかもしれません。
愛し続ける側もまた無意識の加害という視点を持ってみる
また、愛する側も、ときには「相手のことを受け止め続けることで相手を無力化することもある」と知っておくことも役に立つかもしれません。
特になんでも我慢して「私が頑張ればいい」とお考えになりやすい方ほど、役に立つかもしれません。
もちろんこれは「愛しちゃダメ」ということではないんです。
そうではなく、相手のために負けてあげることができる人ほど、負け続けちゃうことで相手が苦しむようになることもあるよ、という感じでご理解いただけるといいかもしれません。
ま、難しい話ではあるんですけどね。
今回は以上です。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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