「なぜか彼に冷たい態度をとられている」
「相手が怒っているみたいだけど、理由が見えない」
夫婦や恋人との関係で、こういうモヤっとした経験をされた方は少なくないと思います。
実はここに「マスキングされる感情」という心理現象が関わっていることがあります。
マスキングとは、「自分の感情を抑え込む、あるいは覆い隠すこと」。
怒り、寂しさ、不安…そうした感情を隠し続けていると、やがて自分自身でもその感情がわからなくなりやすいのです。
皮肉なことに
「自分でわからない感情は、相手が感じていたとしても理解できなくなる」
そんな傾向があるわけですね。
これ、カウンセリングの現場でとてもたくさん出会うケースの一つです。
そして、ここになんとも切ない「男と女のすれ違い」を引き起こすメカニズムがあるのです。
Index
深読みさんの場合
深読みさんは、相手の気持ちを一生懸命に読み取ろうとします。
ちょっとしたLINEの返事や、声のトーン、表情の変化を見逃さない。
でもその深読みは、実は“自分の感情をマスクしているから”こそ生まれている場合があります。
たとえば、自分の中の「怒り」や「寂しさ」を抑え込んでいると、相手の怒りや寂しさもピンと来なくなる。
その代わりに「相手はこう思っているはず」と頭で分析してしまう。
結果、相手の感情を“本当のところ”では理解できず、誤解が積み重なっていきます。
つまり、深読みさんの誤解は「感情を感じる力」が弱まっているサインでもあるんですね。
忍耐女子さんの場合
忍耐女子は、感情を抑えて耐えることに長けています。
寂しい、悲しい、不安…。本当はそう感じているのに「私が弱音を言っちゃダメ」と抑えてしまう。
ところが、そうやって感情を抑えていると、相手の「寂しい」「もっと一緒にいたい」といった気持ちが理解できなくなるんです。
「そんな小さなことで弱音言うなんて」
「私はもっと我慢してるのに」
そうやって相手の感情を切り捨ててしまうことも。
結果、相手は「この人は全然わかってくれない」と距離を取るようになる。
忍耐の美徳が、逆に親密な関係を壊してしまう…。これが忍耐女子の難しさなんです。
感情のマスクが生むすれ違い
ここまでの話を整理するとこうです。
- 自分の感情を抑えるほど、相手の感情も理解できなくなる
- 結果、「わかってもらえない」とお互いが不満を募らせる
つまり、マスクされた感情が人間関係のフィルターになってしまう。
このフィルターを通すと、相手の言葉や態度が“ねじれて”伝わるわけです。
感情を取り戻す小さなステップ
じゃ、このようなケースではどうすればいいのか?という話なんですけど。
マスキングされた感情があるから引き起こす問題なのであれば、「感情を取り戻すこと」が求められる、ということなんです。
ただし、そもそもマスキングされた感情って「マスキングしたほうがリスクが少ない」と感じた可能性も少なくないんですよね。
そもそも感じたくない感情や、感じていると耐え難いと感じるなにかがそこにあったわけなので、そう簡単に感情を取り戻すなんてことができない場合も少なくないんです。
なので、理屈通り「感情を取り戻せばいい」と考えるよりも、もっと丁寧に、慎重に取り組むべき課題だと僕は思っていますよ。
ちなみに、僕のオススメはこんなステップになります。
-
感情に名前をつける
日々感じる感情に名前をつけて丁寧に見ていきます。たとえば、「ちょっとイラっとしてる」「少し寂しい」など。これくらい軽い言葉でOKです。
-
安心できる相手に伝える
たとえば「今日ちょっとさみしいな」と思うなら、信頼できて安心できる人に伝えてみる。「今日は休みたいな」くらいでもいいですね。とにかく人に言ってみること自体が大切。そういう意味でのカウンセリングの効果は大きいですよ。
-
「もし自分がマスキングしてきた感情が理解できるとしたら?」と考えてみる
もし、自分が抑圧し隠してきた感情を取り戻し、それを使って大切な人(パートナーや家族など)のきもちが理解できるようになったとしたら?と考えてみることです。
このあたりの動機の作り方次第で、取り組む意欲も変わってきますし、未来の自分像もイメージしやすくなりますよね。
これを続けると、「感情を感じる力」と「相手の気持ちを理解する力」が少しずつ戻ってきます。
「深読みさん・忍耐女子さん」の奥にある優しさ
最後に大切なことをひとつ。
深読みさんも忍耐女子も、もともとは優しい人なんです。
相手の気持ちを害さないように、自分の感情を抑えてきた。
その優しさが結果的に「感情のマスク」となって、関係のすれ違いを生んでいるだけ。
だからこそ、感情を取り戻すことは「自分勝手になる」ことではありません。
むしろ、相手の気持ちを理解できる自分を取り戻すことなんです。
こちらの記事も読まれています



まとめ
いかがでしたでしょうか。
今日の話をまとめると
- 自分自身が隠した感情(マスキング)があると、同じような相手の気持ちも見えなくする
- 深読みさんは「怒り」や「不安」を抑えて、誤解を招きやすい
- 忍耐女子は「寂しさ」を抑えて、相手の寂しさを理解できなくなる
- 感情を小さく伝えることで「感情を取り戻す」練習になる
夫婦や恋愛の関係を深めるには、「自分の感情を大事にすること」が、実は一番の近道なのかもしれませんね。
\まずは“心の整え方”に触れてみませんか?/
あなたのお悩み解決のヒントとなる、無料のメール講座。
週3回、時に真面目に、ときに面白く、みなさんにお届けします。
メルマガ登録いただくと”心を整えるワークブック”を無料でお渡ししています。
このブログとはテイストが異なる”軽いタッチ”で深い話を届けている”note”。
”甘すぎない”心理学というコラムを連載中。無料記事もたくさんご用意しています。
フォローしていただくと更新通知も届きます。
\カウンセリングの前に、“講座”という選択/
「カウンセリングの前にもう少し知りたい」という方にもおすすめなのが、 浅野が開催している心理学講座。
“心の整え方”や“人との関係性のしくみ”を、やさしく、でもしっかりと学べる時間をご用意しています。オンラインで学べる講座もありますよ。
まずは「自分のペースで気づきたい」という方も、 講座をきっかけに、自分自身との向き合い方が少しずつ変わっていくはずです。
講座の日程・内容は、随時こちらでご案内しています。
\もっと深く整えたい方へ/
恋愛や夫婦関係の中で、自分を見失ってしまう。がんばってきたのに、何かが空しい。
カウンセリングでは、あなたの“想い”を大切に受け止めながら、“心のしくみ”を芯から整えていくサポートをしています。
16年の経験をもとにしたプロの心理カウンセリングをどうぞ。