夫婦のための心理学

出会い系サイトに登録する夫の心理 〜問題を深いつながりに変えるために〜

出会い系サイトに登録する夫。その行動が理解できません。

浅野さんへの質問

あることをキッカケに、夫が出会い系サイトに登録していることが分かりショックを受けています。

夫とは(表面上だけかもしれませんが・・・)大きなケンカをしたこともなく

私としては家族仲良く過ごせていたと思っていたので、夫の行動が今でも信じられないでいます。

お聞きしたいのは、出会い系サイトに登録する夫の心理とはどういうものか、です。

とても良い夫という姿を見せながら、私たち家族を平気で裏切るようなことができるのはなぜかが知りたいです。

また、出会い系サイトについて夫に問いただしたところで関係が良くなるとも思えず、今はまだ何も伝えていません。

私も夫を心から信用できそうにありません。

私は夫に対してどのような態度を取るのが良いと思われますか。

何か良いアドバイスをいただけると嬉しいです。

ネタ募集ネーム:MMさん

MMさん、ネタのご協力ありがとうございますm(_ _)m

今、MMさんが大変なショックを受けておられるのではないかと想像しながら、いただいたご質問読ませていただいたところです。

とにかく、まずはご自身のお気持ちのケアを優先していただきたいなと説に思うばかりです。

さて、今回のご質問は

「出会い系サイトに登録する夫の心理とはどういうものか」
「私は夫に対してどのような態度を取るのが良いか」

ですね。

では、僕なりのご回答をまとめたいと思います。

よろしければご覧ください。

出会い系サイトに登録する夫の心理

出会い系サイトに登録する夫

さて、まずは「出会い系サイトに登録する夫の心理」についてのお話から。

ただ、今回はいわゆる「真面目な夫が浮気をする心理」と似通った部分がありますので、そのあたりの解説をさせていただきたいと思います。

ただし、理由を一つに絞ることはできないので、いくつかの可能性に関してお示ししたいと思います。

出会い系サイトに登録する夫の心理1:今のままでは愛されないのは?という疑問

「今の自分のままでは愛されないのではないだろうか」という自分自身への疑問や

それに対応する自己概念があると

こっそり出会い系サイトに登録してしまう、と考えることができます。

要は

「自分は愛される存在だと思えているなら、こっそり地下に潜るような行為を使って誰かに愛されようとはしない」

ということなんですね。

ここでのポイントは

「こっそり地下に潜るような、妻や家族に対して隠し事を持つカタチで自分の欲求を満たそうとするのはなぜなのか?」

という部分にあると僕は思うのです。

つまり、僕が「出会い系サイトに登録する夫」の気持ちだけを考えるなら

「なぜ、わざわざ地下に潜るようなカタチで誰かと愛しあう欲求を満たそうとするのだろう?」

と考えることになるんですね。

ただ、ご主人さまも今まではそんなリスクを取る必要がなかったので、奥様とも円満に過ごされていたのだと思うのですけどね。

また、この話はご主人さまに「そもそも自信があったかどうか」という話ではなく

「今、この時点での夫の心理として、何かしらの理由で自信や自分の存在意義を見失っている可能性を示す」

ということだと僕は考えています。

今までは自分に自信があり妻や家族と向き合えていたけれど、今はそうではなくなったのかもしれない、というイメージですかね。

もちろんこの先の話は個別の話といいますか、聞いてみないとわからない話になろうかと思うのですが。

出会い系サイトに登録する夫の心理2:自分自身を見失っている時期に入った

また、「自分自身を見失っている時期」である人も、なぜかこっそり出会い系サイトに登録してしまう可能性があるといえます。

僕たちは自分で自分を見失うと、気持ちの面で不安定さを感じやすくなるんです。

だから、ちょっと哲学者っぽくなる人もいて

今に不満があるわけではなくとも「このまま生き続けてなにか意味があるのだろうか」と考えやすく場合があります。

この時期を一般的には「人生の節目」なんて呼ぶこともあるのかもしれませんけども。

そもそも僕たちは常に「自分は自分だ」と思えているわけではなく

「自分を見つけては、また見失い」をある程度繰り返す生き物でもあるんです。

この「自分を見失うこと」をアイデンティティ・クライシスと呼ぶこともありますけどね。

僕たちのアイデンディディって年齢や人生のプロセスによって変化するもので、その変化にうまく適応できないと葛藤や不安定さを感じることがあるんです。

例えば、今までは「夫である自分、父である自分」という役割意識とも、アイデンティティとも言えるものがあった。

けれど、それだけでは自分が自分であると感じられなくなった、みたいな話なんですけどね。

自分を見失うにもなにかしらの事情がある

また、「夫」「父」「夫婦」という立場において起き得る「自分を見失うキッカケ」を考えるなら

  • 仕事での立場が大きく変わり、ストレスを抱えている
  • 仕事や経済的な面での問題を抱えるようになった
  • 環境は大きく変わっていないのに、いつからか孤独感などを感じるようになった
  • 家族の形や関わり方が変わる時期になっていた
  • 自身の健康や未来についての不安を抱えるようになった

といったことが考えられると思います。(もちろんこれ以外も事情もあると思います。)

この時、自分を取り戻して心の不安定さを解消する目的で「何かしらの刺激(興奮)」を求めてしまう場合があり、それが出会い系サイトへの登録だった、みたいな場合もある、といいますか。

それがいいかどうか別にして、「人生もう一花咲かせたい」みたいな気持ちになる方もいるようです。

出会い系サイトに登録する夫の心理3:欲求を押さえつけていたので爆発した

これはいわば真面目な方、自立的な方に多いのですが

「普段から自分の欲求を押さえつけていて、やるべきこと、自分の立場や役割を優先してきた結果、あるキッカケで欲求が爆発した」

というケースです。

特に役割意識(夫・父・夫婦)といったものが強い人ほど

自分の欲求を押さえつけて「役割としてあるべき自分」で生き続けることが多いんです。

その役割意識としてNGだと判断された欲求は、いわば心の深くに押し込めてしまうんです

これがいわば「地下に潜った欲求」と僕が呼ぶものでして、実際は抑圧され続けている欲求なんですね。

この地下に潜った欲求は普通の欲求とは違い、衝動性を伴うことがあります。

要は、何かしらのキッカケでドカンと爆発することがあるんです。

例えば

「上司や同僚の男性が不倫をしていることがわかった」
「過去のことは忘れていたけど、同窓会で昔恋い焦がれていた人と出会った」
「全く浮気する気などなかったけど職場に気になる人ができてしまった」

といった外的な刺激による場合もありますし。

「最近、なぜか自分の父が浮気していた過去を頻繁に思い出すようになった」
「急に性的なものへの興味が湧き上がった」

といった内面の事情による場合もあります。

何がキッカケとなったかはまさにケースバイケースで、一概に言えるものではないのですけどね。

出会い系サイトに登録する夫の心理4:実は今の夫婦関係に不満がある

また、「今の夫婦関係に不満がある場合」も、出会い系サイトに登録してしまうことがあるようです。

この理由は、よほどう夫婦関係がこじれているのであれば妥当なものだと思います。

これは「俺はもう別れたいんだ」とパートナーに伝えたいがゆえに取っている行動とも言えるんです。

ですが、夫婦関係が円満な場合は、出会い系サイトに登録してしまった後ろめたさから生じる言い訳になることが少なくないものです。

だから、「夫婦関係に不満がある」と思えるほどの関係の悪化があるなら、そもそもの関係性を見つめ直すことにもなろうかと思いますが

そうではなかったのであれば、先に書いた3つの理由あたりを見つめてみるほうがいいように僕は考えている部分がありますね。

出会い系サイトに登録する夫とどう向き合う?

さて、ここからはもう一つのご質問

「出会い系サイトに登録する夫とどう向き合うか」

について考えていきたいと思います。

この答えをあえてまとめるならば

「関係改善・問題解決を考えるなら、話し合って、お互いが許し合うこと」

となりますね。

具体的には

「私の気持ちを伝え、相手への理解を伝え、今後どうしていきたいかを伝える」

その上で、相手の話を否定せず聞きながら、気持ちを交わしあうことなんです。

ただ、だからといって「今すぐ話し合うべきか」とか、「どう話し合うか」という話だけでは

なかなかお互いの本心が出ない話ではないかな、と僕は考えています。

僕の「話し合い、許し合う」というご提案にはいくつかの前提条件の上で行ってほしいものであります。

まずそこをご説明する必要があると思うのです。

本当に許せないのは自分自身だという視点を持つ

「出会い系サイトに登録した夫」も

「夫に出会い系サイトに登録された妻」も

お互いに許せないのは「自分自身」であることが少なくないです。

いわば加害側の夫は「妻や家族を裏切るようなことをした自分」が自分で許せず。

妻側も「夫にそんな行動を取られた」という自分が許せずにいることが多いです。

だから、「お互いがお互いを信じられない」という状況になるしかないといいますかね。

例えば

自信がない人に「君なら大丈夫だよ」と伝えても、なかなか信じてもらえないケース

ってないでしょうか?

もちろん自信がないことが悪いわけじゃありませんよ。

ただ、その人が「大丈夫だと言われても信じられない」のは、周囲を信頼していないというより

「自分を信じられないから、外側からかけられた言葉をうまく受け止められない状態」

と考えられるんですよね。

本当は「大丈夫」という言葉を信じたいけれど、しかしそう感じられない切なさがあるといいますか。

これは恋愛でも夫婦関係でも同じなんです。

お互いがお互いのことを大切に扱えないと

パートナーの本当の気持ちを受け止めることは難しくなるんですね。

だから、自分自身を整えたり、理解したり、大切にするというプロセスが重要になるんですね。

まずは自分を大切に扱うことで次に進めるわけでして、カウンセリングはそのプロセスをご提供しているとも言えるんです。

今、感じている気持ちをそのまま認めること

なので、「今、自分が感じていること」をなかったことにしても、自分が許せるようになるわけではないんです。

むしろ心の中にくすぶり続ける火種になることが多くて、いつか爆発したり、心からパートナーと関わり合うことが難しくなる理由になることが少なくないんです。

ただ、今回のケースのように

「夫を許せない気持ちが強いとき」に、無理やり許すって難しいものなんですよね。

だから、例えば「夫が信じられない」「許せない」そんな気持ちがあるなら

「今、自分はそう感じているんだ」

とまず認めてみることが大切だったりします。

ただし、これは気持ちを相手にぶつけることではありません。

たった一人で抱え込むのではなく、今の感情・気持ちを洗い流すようなことを意味しています。

だから、できれば、信頼できる人に話す、相談するといいと思いますよ。

もちろん「私が我慢して今まで通りの関係を維持できればいい」というご意見もあろうかと思います。

僕としてはそのお気持ちも大切にさせていただいています。

何がいいか悪いかではなく、今、自分が思うベストの選択を選ぶことも悪いことではありませんから。

自分の存在や愛情を見つめて許す

ある程度、今の気持ちに許可が出せて、流せていくと、すぐに葛藤が収まるわけじゃありませんが

「自分自身の本音」「愛情」

と出会うことになることが多いです。

が、そこがなかなか認められないというか・・・。

傷つくことが怖くて認めたくなくなることが多いものではないでしょうか。

ここで出てくる感情は「自分の傷つき、痛み、悲しみ」であることも少なくないのです。

だから、どうか一人で抱え込まずに丁寧に癒していただければと思うばかりですよ。

僕でよければお手伝いさせていただきますしね。

特に、夫婦関係を修復したり、今までの関係を大切にしていきたいと思うなら

「自分に対する誤解を解きつつ、自分の存在の意味や愛情の価値をゆっくりと認めていく」

というプロセスを進めていかれるといいと思います。

本当に取りたい自分の行動を選択する

ここからの話はなかなか実感が伴いにくい内容となるかもしれませんが

ある程度「自分の本当の気持ち」を大切にできると、次第にパートナーと向き合う勇気が出てきます。

自分を許せないという状態を抜け出すことで

気持ちが群と楽になりパートナーのことも

今の状況も冷静に受け止められるようになっていきます。

だから、例えば「私だけじゃなく相手にも何かしらの疑いや悩み、不安があった」ということが理解できるようになるんです。

相手の行動もいいか悪いか別にして、それは事情があったことだと理解できるようになるんです。

こうなるとかなり強いといいますか

いわば「無敵(私も夫も敵じゃない)」という感覚に近くなりますよ。

だから、自分自身が「本当に取りたい行動が選択できるようになる」というわけです。

もし、夫を理解し許すなら、愛で相手を包んであげることもできるでしょう。

たとえ、話し合いに時間がかかっても、じっくり向き合い「私が心から大切に育みたい関係や場所」を大切にすることも可能になってきます。

また、話し合いが決裂するなら、自分のためにどのような選択がベターかを考えられるようにもなるのでしょう。

もし、彼を受け入れ許すということなら「あなたも辛かったんでしょう」と言えるかもしれないですしね。

夫婦の問題を深いつながりに変えるために

愛し合い慈しみ合う夫婦

僕たちの世界では

「パートナーとの問題は深いつながりに変えるチャンス」

という考え方があります。

もちろんすべてのパートナーさんと繋がれるというわけじゃありません。

しかし、今まで関係を継続できた、愛し合えたという感覚があるなら、この問題を二人の深いつながりに変えていくことも可能なんです。

それは先にご説明した

「自分自身を許し、お互いを理解し許し合う」

ということによって実現していきます。

そもそも悩ましい問題が生じる関係は

いつの間にか「愛やつながり」だけではなく

その深層心理で「問題や課題で繋がっていた」(これからどうする?子供のことはどうするの?など)

という場合が少なくないです。

忙しい日々の中で、自分自身がなすべきことに意識が向き。

二人が愛し合うこと、慈しみ合うことから距離をおいていた可能性があるという話です。

だから、自分自身を丁寧に扱い許す前に

例えば「夫と話し合う」なとの答えだけが先走って自分が苦しむなら、それこそ本当に辛いことではないでしょうか。

だからこそ丁寧に、自分を許し、お互いを許すプロセスを僕でご提案させていただいています。

また、僕でよければ応援させていただきたいと思っています。

今日は以上です、なにか参考になりましたら幸いです。

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