恋愛・夫婦の心理学

夫婦関係を修復について 感情を癒やすプロセスからの解説

夫婦関係の修復 できる人・できない人の違いとは

突然の離婚通告。もしくは、パートナーの浮気問題。

このような夫婦関係に修復にまつわるカウンセリングの場合、多くの方が深い悲しみと不安を抱えながらご相談に来ていただきます。

なかには恥を忍んで・・・というお気持ちを感じながら、しかし勇気を出してくださって起こしくださる方もいらっしゃいます。

そこで今日は夫婦関係に悩まれている方に届けばいいなと思いながら、夫婦関係が修復できる人とできない人の違いについて解説してみたいと思います。

夫婦関係が修復できる人・できない人

実際、夫婦関係に亀裂が入り、お互いに向き合えない状態になると

すごく苦しくても「辛すぎて、苦しすぎて」という一言すら言えない方も多いんですよね。

それほどまでに青天の霹靂、のように感じることもあれば、「本当に?」と今、起きていることを受け止められない状態になることも少なくありません。

次第にじわじわと不安や怖れを感じ始め、自分のことを考えていられないぐらい気持ちの余裕を失って追い詰められてしまうこともしばしば起こります。

 

もちろん日々の時間も実際の生活も待ってくれるわけではありませんから、辛い気持ちを抱えながら日々を暮らしていくことになるわけですから、これは本当に苦しいですよね。

そのうちに

「どうして私だけこんな目に?」

「こんなに辛いのは何故」

そんな気持ちになり、本当は助けが欲しいのに、人に会う気すら失せてしまったり、不快感や怒り、パートナーへの憎しみや恨みを抱えることもありえます。

ただ、長い間カウンセリングの現場におりますと、実際に辛い現実から抜け出して、「今、夫婦で向き合えるようになり幸せです」とおっしゃってくださる方もいます。

また、ちょっと別件にはなりますが、夫婦が向き合えなくても「今が幸せだと思える」という人もいます。

うちの夫、もう何年も帰ってきていないんだけど、私は私で幸せになればいいと思うのよ、とケロっと言えてしまう人を僕は知っています。

しかし、なかなかうまく行かずに苦しい思いを抱えておられる方もいます。

この違いはどこから生まれるのでしょうか?

今日は僕自身がカウンセラーとしての臨床経験から学んだ、その「違い」についてお伝えしていきます。

 

別れのショックと感情のプロセス

僕たちは唐突に「大切な人と別れることになる」といった現実と向き合ったとき

1.ショックをうける
2.現実を否認しようとする
3.怒りや恨みつらみを感じる、もしくは自分を罰するようになる

この順番で感情を感じやすいものです。

「どうして別れなきゃいけないの?」
「どうして別れるなんて言うの?」

こういった思いを最初に感じるわけではないんです。

「え?何?よくわからない・・・」

このような状態になることが多いと思います。

次第に

「今、夫が(妻が)言った言葉は本当?」
「そんなばかな。そんなはずないよ・・・」

と、現実で起きたことを受け入れられずに否認するわけです。

その後、じわじわと現実と向き合い始める中で、別れを切り出してきたパートナーへの怒りが(それは激怒の場合もありますが)湧き出してきたり。

どうしてこんなことに・・と後悔したり、もっとパートナーを大切にすればよかった、と自分を責めるようになることも多いでしょう。

ここには怒りがあり、この怒りが「分離」を作っていきます。

僕たちって、なぜか本当に辛いときほど、なぜか誰とも関わりたくない、一人ぼっちになりたくなるものなんですよ。

そんな気持ち、ご存知ありませんか?

冷静になって考えてみると、今が大変なのだから誰かの支援を受けたいと思うもの。しかし、怒りや不安が強いとつい人と関わりたくなくなるものなんです。

どこか強い怒りや不安、辛い気持ちを抱えながら、なんとかパートナーとの関係を修復しようと頑張っておられる方も少なくないのかもしれません。

さて、別れを告げたパートナーへの怒りや「どうしてもっと愛せなかったのか?」という後悔や罪悪感。

この感情の更に深い部分には、愛する人を失いそうになっていること、愛し合えていないことなどの深い「悲しみ」が存在していることが多いです。

今まで築きあげてきた自分にとって大切なパートナー、家庭、家族を失うと感じるなら、そこにどんな事情があったとしても「悲しい」わけです。

ただ、この「悲しみ」をそのまま感じてしまうと、「もうダメだ」「もう生きていけない」そんなふうに感じることも多いのです。

その「悲しみ」を感じ受け入れるかわりに、怒りを使い、他人や自分を責めるわけですし、自分自身は全く傷ついていないかのように感情を否認するわけです。

怒りや罪悪感自体、感じると嫌な気分がする感情ですが、深い悲しみよりは随分とましだと思っていることが多いようです。

 

「自分の感情」を丁寧に癒やしたかどうか

だからでしょうか。



カウンセリングの事例でも、例えば・・・

お互いが怒りや不満をぶつけ続けた結果、関係修復に取り組んでも間に合わず、悲しいけれど二人が別れることになったケースも実際にあるんですが、その別れの間際に



「君は何も悪くないと思う。悪いのは僕だった、君には幸せになってほしい。」

と涙するご主人や


「どうしてこんな風になっちゃったんだろう。幸せになりたかっただけなのに。」

と深く後悔する奥さんの話、伺うこともあるとかないとか。




これは「別れ」という事実によって、お互いの怒り(分離)が必要ではなくなった、という意味合いが大きいと僕は見つめています。

怒りが手放せないときほど、パートナーから分離したくなりますし、その時の気分は最悪になります。

だから相手を責めたくなりますし、自分を責めることも続きますよね。

この苦しい状況から抜け出そうと考えたとき「もう別れるしかないか」と考え、それが現実になると怒りがなくなり、その次の感情を感じ始めるわけです。

そこで登場したのが「悲しみ」ということです。別れることへの悲しみ。

そしてこの悲しみのさらに奥には「本当は愛したい」という気持ちが眠っていることが多いんです。

別れることが悲しい。
愛する人と離れなければいけないことが悲しい。
できるなら、もっとうまくやりたかった。


そう感じはじめるんです。



もちろん、夫婦関係が最悪で早く別れたいと思っている場合は別ですが、本当はなんとか二人でやっていきたいと願っていた方ほど、別れ間際に悲しみを感じる事が多いようですね。



つまり、自分の内面にある「悲しみ」を感じないようにするために、人は怒るし、分離するし、人の支援を求めることもないし、パートナーを責める気持ちが止まらないし、自分自身や現実に対しての嘆きも深まる、というわけです。

ここで自分自身が抱えた「感情」に着目し、そこを丁寧に癒やすことをすすめることができると、冷静に現実を受け止めていく可能性がうまれてきます。

つまり、夫婦関係を修復できる人・できない人の違いを感情面からご説明するとしたら

「自分の感情」を丁寧に癒やしたかどうかが、一つの違いになると僕は思います。

※パートナーの気持ちが完全になくなったというケースや、一方的な加害があるなどの場合は別です。

辛いときは辛い。
悲しいときは悲しい。
怒りがあるならその怒りを。
しかし、その深くで眠っている悲しみを。
そして、本当にパートナーを愛している気持ちを。

ゆっくりとでも自分自身が受け止めていくことで

最初は乱高下する気持ちの揺れ幅が落ち着き始めたり
冷静になれる時間が増えたり
気分転換にどこか出かけようと思えるようになったり
未来に対して前向きになりやすくなり
これからの自分の人生をどう歩むかを考えることができるようになっていくわけです。

 

悲しみは手強い感情

ただ、この悲しみ。

文字にするとかんたんに表現できてしまうのですが、実際の感情となるとかなり手強いものです。

この「悲しみ」を感じるには、それ相当の心の体力といいますか、悲しみを引き受けることができるハートが必要になるんです。

悲しみを感じないために、毎日頑張っている人もいます。
悲しみを感じないために、尽くし続けている人もいます。
悲しみを感じないために、怒りが止められないでいる人もいます。

それがいいかどうか別にして、ですよ。

だから、「そうか、悲しみを感じれば怒りを手放せるんだ」と思っても、なかなか思うようにいかないことも起きえます。

僕も闇雲に「感情を感じてくださいね」とお伝えしたいわけじゃありませんし、実際、そうお伝えしているわけでもありません。むしろそれがリスクになる場面もあるんです。

例えば、別れの危機がやってきて、心が悲鳴を上げているときに「悲しみを感じて」なんてとてもじゃないけど難しいと思うんですよね。

理屈上はそうであっても、人の心は千差万別で、人それぞれに状態が違います。

しっかりその方のプロセスを見て、今の状態に寄り添いながら感情と向き合うことが求められます。

時には、悲しみを少しづつでも受け入れていけるように、時間をかけて心の回復を待つことも大切なんです。

このときにできることは、信頼できる人に自分の気持ちを話したり、自分の気持ちと向き合ってみるなど、いろんな方法があるんですけどね。

私は今、悲しいんだな、と淡々と受け入れる方法もありますし。

セラピーを通じて、よりリスクを少なくして感情を扱うこともできますね。

 

自分から与えることで、パートナーの思いも理解できるようになる

さて、更に話を続けます。

実は、自分の気持ちを丁寧に癒していくと、今よりもずっと「パートナーの気持ち」も理解できるようになることが多いです。

いわば、自分の内面に向きがちだった意識が外側に向きやすくなるわけです。

そしてパートナーが相手なりに愛してくれたことも、実感として感じやすくなり、感謝などポジティヴなコミュニケーションがより深まりやすくなります。

カウンセリングをしていると

「パートナーは今、私のどこを問題だと思っているのでしょうか。」
「私の悪いところ、全部直しますから別れるのだけはイヤ」

というお声を伺うことも少なくありません。

つい相手のことばかり気にしたり、自分を否定的に見つめてしまうこともまた辛いことですよね・・・。

ただ、いいか悪いかは別にして、「自分次第でこの関係が良くなると思い込んでいるパートナー」ってどう思いますでしょうか。

自分が別れて欲しいと言っているのに「助けて欲しい」と伝えてくるパートナーをどう思うでしょうか。

きっとみなさん、心に余裕があればすんなり理解できることも、別れのピンチとなるとそう考えてしまうこともあるのかもしれませんよね。

言い方はドライになっちゃうかもしれませんが、相手のことを見ず、向かい合わずに関係性をもとに戻すことはなかなか難しいかもしれません。

一方、自分の中の不安、怒りや悲しみを癒やして、自分が心から与えていくと、相手の心からの気持ちも理解できるようになってきます。

例えるなら、あなたの親友がいたとして、その親友が手厳しいことをあなたに伝えたとしましょう。

しかし、その親友のことをあなたが心から大切に思っていると、その厳しい言葉の裏に隠れた思いやりや愛情って感じないですか?

自分から愛し、信頼している人だから、理解できることってたくさんあるんです。

それは今の関係がいい状態でも、あまり良くない状態であっても同じです。

もちろん、今までのあなたなりの愛情が足りなかったの?など、自分を否定的に見ると辛くなっちゃうのでね。

それよりも今からのことが大切と考えてみましょう。

もちろん、パートナーとの関係が良くないときに相手に与えるって、拒絶されることも多いし、正直後ろ向きな気分になることも少なくないかもしれません。

そんな気分の中でも自分を大切にしながらも実践した方は

「もう一度向き合えて幸せです。」

そう思えるようになる、というわけです。

そのビフォーアフターは全く違う感覚、「もはや別の人ですよね」と僕からお伝えすることも少なくないんです。

また、自分から心から与えることができると、いわば、自分の中に後悔がない状態に近づきます。

「私はできるのにやらなかった」という後悔(罪悪感)が生まれにくいのです。

更に自分の愛情に気づくことができるから、もっと私の素晴らしさも感じられるようになっていきます。

これこそが「愛は与えた分だけ自分の中で増える(だから、相手の愛が感じ取れる)」の法則。

自分からその想いを与え尽くすから、人の愛情や幸せを実感できるというわけです。



この話を読んで、「あ、これ私の愛情が不足していたのかもなー?」なんて風に思われた方&僕のクライエントさま。

えーっと、これはあなたの話ではないと思いますですよ。

何がお伝えしたいかと言うと

こういった自分の中の深い悲しみや、愛情、また与え尽くしている感覚って、本当に自覚のないものだということ。

どこか自分なりに頑張っていても「どれだけ頑張ったら報われるの」と思いやすいですし、深い悲しみを自覚しないために、怒るし、分離するし、自分を責めるものですからね。

でもね、あなたがどんな状態であっても「そうするしかない事情」ってあるものだと思います。

だから「もう責めないで」ではなく、辛いけどしゃーないよね、と思うこともしばしばです。



なにより、あなたの辛い気持ちが癒え、もう一度素敵な関係性を作っていただければいいな、と願うばかりです。

ABOUT ME
浅野 寿和
カウンセリングサービス所属心理カウンセラー。名古屋を中心に東京・大阪・福岡で〜旅人のように〜カウンセリング・セミナーを開催。心理学は現実で使えてなんぼ、がポリシー。
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