「縋る恋愛」から「対等に向き合う恋愛」へ|不安だけでは説明できない“立ち位置”の心理
こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
失恋したあと、頭ではわかっているのに、つい相手に連絡してしまう。
追いLINEを送ってしまったり、謝らなくていいことまで謝ってしまったり。
そして、そのあとにやってくる後悔。
「もう終わった関係なのに」
「こんなことをしている自分が情けない」
そんなふうに、自分を責めてしまう方も少なくないと思います。
この記事では、
「縋る恋愛」が生じるとき、心の中で何が起きているのかを、
できるだけ丁寧に心理の視点から整理していきます。
Index
縋る恋愛が生じる心理的な理由を、少し丁寧に見つめてみる
「縋る恋愛」というと、
よく「見捨てられ不安が強いから」「依存心が強いから」と説明されることがあります。
たしかに、それが当てはまるケースもありますよね。
ただ、個人セッションの現場で実際に話を聞いていると、
それだけでは説明しきれないケースが、存在することも事実です。
ここでは、縋る行動が生じやすくなる心理的な要因を、いくつかの角度から見てみましょう。
① 見捨てられ不安が刺激されているケース
失恋や拒絶は、誰にとっても強いストレスです。
その中で、
- もう大切にされないのではないか
- 自分には価値がなかったのではないか
といった不安が、一時的に強くなることがあります。
いわゆる「見捨てられ不安」と呼ばれる反応が刺激され、その不安を和らげようとして、相手に繋がろうとする。
ただし、ここで大切なのは、
「不安が強い人=必ず縋る」という単純な話ではない、という点でしょうね。
② 近づききれなかった関係だったからこそ、別れで接近衝動が出るケース
意外に多いのが、このケースです。
関係が続いている間、
- 本音を出しきれなかった
- 対等な距離に立てなかった
- どこかで遠慮し続けていた
そんな「近づききれなさ」を抱えたまま別れを迎えると、離れた瞬間に、強い接近衝動が生まれることがあります。
これは矛盾しているようで、ある意味考えられうる反応です。
近づけなかった関係ほど、離れたときに近づきたくなる。
この場合の縋るという反応は、
「本当は、あの距離で終わりたくなかった」
という未消化の感覚から出てくることも少なくないようです。
③ 未完了の関係を「完了させたい」衝動
言いたかった言葉がある。
分かってほしかった思いがある。
伝えきれなかった気持ちが残っている。
こうした感情を抱えたまま別れを迎えると、
関係は心の中で「終わっていない状態」として残りやすくなります。
このとき起きているのは、執着というより、
「終わらせきれていない関係を、完了させたい」という反応や衝動。
縋る行動は、相手そのものよりも、
未完了のまま残った関係性に向かって起きている場合もあるのです。
④ 不確実な関係ほど、心は手放しにくくなる
もう一つ、見逃せない要素があります。
それは、関係の中で、
- 優しいときもあった
- 大切にされていると感じた瞬間があった
そんな経験が断続的にあった場合です。
安心と不安が入り混じった関係ほど、人の心は「完全に失うこと」を受け入れにくくなります。
これは
「不確実な報酬ほど、心や脳が強く反応してしまう」
という、心理的にもよく知られた傾向です。
縋る恋愛は「不安の問題」ではなく、「立ち位置のズレ」として起きることがある
ここまで見てきたように、縋る恋愛は、
- 不安が強いから
- 依存心があるから
という一言で片づけられるものではありません。
むしろ多くの場合、
その関係の中で、どの位置に立たされていたか
どの位置に立とうとしていたか
そのズレが、別れによって一気に表面化している、と見ることもできます。
対等でいたかったのに、どこかで我慢していた。
近づきたかったのに、距離を保つ役割を担っていた。
その「立ち位置のズレ」を抱えたまま関係が終わると、縋るという形で心が動き出すことがあるのですよね。
「縋らないようにする」より、「自分の位置に戻る」
縋る恋愛から抜け出そうとするとき、
「もう連絡しないようにしよう」
「気持ちを断ち切らなきゃ」
そうやって行動だけを止めようとする方も多いです。
でも、本当に大切なのは、
なぜ、その位置に立たざるを得なかったのか
本当は、どこに立ちたかったのか
そこを丁寧に見つめ直すことです。
恋愛関係の中でズレてしまった立ち位置を、心が必死に取り戻そうとした結果なのかもしれませんしね。
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最後に
縋ってしまった自分を、どうか責めすぎないでください。
それは、誰かを大切にしようとした気持ちも含まれているでしょうし、
関係の中で、ちゃんと向き合おうとしていたけれど、
やりきれなかった気持ちでもあるのでしょう。
大切なのは、縋らない自分になることではなく、
次の関係では、無理のない位置に立てる自分に戻っていくこと。
そのプロセスは、ゆっくりで構いません。
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