深読みさんと忍耐女子

家族が気になって、恋愛や結婚に踏み出せないとき ──それは「家族の問題」ではないかもしれない

家族が気になり恋愛や結婚に踏み出せない女性

こんにちは。

心理カウンセラーの浅野寿和です。

「家族のことが気になって、恋愛や結婚に前向きになれない」

そんな相談を受けることがあります。

たとえば、

  • 家族の病気や経済状況が気になっている
  • 実家との関係がうまくいっていない
  • 家族をパートナーに知られたくない
  • 結婚したら、家族の問題も背負うことになる気がする

頭では「家族のことばかり考えても仕方がない」と分かっている。

それでも、恋愛や結婚の話が現実味を帯びてくると、心が重くなる。

幸せになりたい気持ちはある。

でも、その一歩がどうしても踏み出せない。

今日は、この状態を「家族の問題」ではなく、「立ち位置の問題」として、少し違う角度から見てみたいと思います。


家族が気になるとき、人はどんな世界を見ているのか

まず最初にお伝えしておきたいのは、

家族のことが気になって恋愛や結婚に踏み出せない、という感覚は

決しておかしなものではない、ということです。

むしろ、それだけ

・責任感が強い

・人とのつながりを大切にしてきた

・誰かを置き去りにすることができない

そんな人に多い感覚だと、僕は感じています。

ただ、このとき多くの人が立っている世界は、

「自分が動いたら、誰かが困る世界」

「自分が幸せになると、誰かを裏切る世界」

なんですよね。

この世界に立ったまま恋愛や結婚を考えると、

どうしても足が止まります。

それは意志が弱いからでも、覚悟が足りないからでもありません。

その立ち位置では、動けないのが自然なんです。


問題は「家族」ではなく、「人生の選択をどこでしているか」

ここで、ひとつ大事な見立てを置きます。

多くの場合、恋愛や結婚に踏み出せない理由は、家族そのものではありません。

問題になっているのは、

自分の人生の選択をまだ「自分の位置」に戻しきれていないことです。

家族の事情を考えること自体は、悪いことではありません。

家族を気にかける気持ちも、自然なものです。

ただ、その状態で人生の選択をしようとすると、

「家族がどう感じるか」

「家族に迷惑をかけないか」

「自分が悪者にならないか」

こうした視点が、無意識のうちに判断の軸になってしまう。

すると、選択の主体が

「私」ではなく「家族との関係」になっていきます。

このズレが、心の重さを生むわけですね。


なぜ、罪悪感や不安がこんなにも強く出てくるのか

家族のことを考えると、強い罪悪感や不安が湧いてくる人がいます。

  • 自分だけ幸せになっていいのだろうか
  • 家族を置いて進むのは冷たいのではないか
  • 私が我慢すれば丸く収まるのではないか

これらは、心理的に見ると、

あなたの”立ち位置”を動かそうとしたときに必ず出てくる反応です。

今まで

「誰かのために立つ位置」
「場を壊さない位置」
「責任を引き受ける位置」

に立って生きてきた人ほど、

「自分の人生を選ぶ位置」に移動しようとすると、強い抵抗が出ます。

その抵抗が、罪悪感や不安として感じられるんですね。

つまり、その苦しさは、あなたが冷たいからではなく、

今までちゃんと人との関係を背負ってきた証でもあるのです。


「癒着を切ればいい」という話が、うまくいかない理由

ここでよくある誤解があります。

それは、

「家族との癒着を断ち切ればいい」
「もっと自立すればいい」

という考え方です。

確かに、家族との心理的な癒着が影響しているケースもあります。

ただし、癒着を力ずくで切ろうとすると、多くの場合、別の問題が起きます。

  • 急に家族を拒絶してしまう
  • 距離を置いたのに、心は苦しいまま
  • 孤独感や不安が強くなる

なぜなら、癒着は”絆”の代わりとして機能していることが多いからです。

癒着だけを切ると、「つながり」そのものが失われてしまう。

大切なのは、

癒着を断つことでもありながら、

自分の人生を引き受けた位置から、家族を見ること

なんです。


人生の選択を「自分」に戻す、ということ

では、「人生の選択を自分に戻す」とは、

どういうことなのでしょうか。

それは、

家族を見捨てることでも

家族を否定することでも

冷たくなることでもないのですよね。

「私は私の人生を生きる」

その前提に、静かに立つことです。

悩んでもいい。

迷ってもいい。

泣き言を言ってもいい。

それでも、最終的に選ぶのは「私」という位置に戻る。

この立ち位置に立つと、不思議なことが起きます。

家族が、足かせでも、免罪符でもなく、一つの「背景」として見え始めるんです。


こちらの記事も参考にどうぞ

立ち位置が変わると、家族の見え方も変わる

家族の問題が解決したから、人生が動く。

そうではありません。

多くの場合は逆です。

立ち位置が変わるから、家族の問題の見え方が変わる。

家族は大切。

でも、あなたの人生は、あなたのものです。

その両方を同時に成立させる位置は、必ずあります。

もし今、恋愛や結婚に踏み出せない自分を責めてしまっているなら。

それはあなたが弱いからではありませんよ。

ずっと、誰かとの関係を大切にしてきたからですよね?

まずはその事実だけ、否定せずに受け取ってみてください。

そこから、景色は少しずつ変わり始めます。

ABOUT ME
浅野寿和 | 心理カウンセラー/トレーナー
恋愛・夫婦・仕事・生き方の中で、「ちゃんとやってきたのに、どこか噛み合わない」そんな感覚を抱えやすい人のご相談を多くお受けしています。 正しさや結論だけを急がず、今どこに立っているのかを一緒に整理する個人セッション(カウンセリング)が人気。 キャリア16年・臨床実績10,000件/東京・名古屋・オンライン対応。リピーターさまが多いカウンセラー。口癖は「どんなことにも事情があるよね」。
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