こんにちは、心理カウンセラーの浅野寿和です。
今日は、「想いが、自分を縛り付ける」という話をコラムにしてみようと思います。
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「想い」というのは、優しさや愛情の表れであることも多くて。
たとえば、
- ずっとそばにいたかった。
- もっとあの人の力になりたかった。
- あのとき、あの人のことを救いたかった。
- 私がもう少し強ければ、何かが変わったんじゃないか……。
そんなふうに、強く想う気持ちは、あなたの誠実さや深い優しさの証でもあると思うんです。
そして、これは何も恋愛だけの話ではなくて。
仕事、目標、人生において重要なできごとなどにも適応されますよ。
ただ、そこにある想いが、どこかで「自分を責める理由」になってしまったり、「何かを手放せない理由」になってしまうこともあるんですよね。
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想いは優しさの証。でも、時に“自分を縛るもの”にもなる
僕がこれまでカウンセリングでお話を伺ってきた中でも、たとえば「愛情深い人」や「真面目に生きてきた人」ほど、
「自分があのとき、もっとちゃんとしていたら・・・」
「私は、あの人を今でも責める気にはなれない」
「いま離れるのは、私が“諦めた”みたいでイヤだ」
といった言葉を口にされることがあります。
それって、「想いの強さ」が、“今の自分”を縛っているような状態とも言えるかもしれません。
でも、それは“執着”とはちょっと違うんです。
世の中ではよく、「執着を手放せ」と言われたりしますよね。
僕も「執着は手放す方向性がいい」と考えています。
ただ、だからといって
「想ったことを否定する必要はない」
「でも、その想いに自分が縛られて苦しいなら、いったん手放すことも選んでいい」
そういった理解があってこそ、執着は手放せるものなんだろうと思っています。
「手放せない想い」が苦しみになるとき
僕は、「想い」というのは、生きていくうえでのエネルギーになると同時に、
その扱い方を間違えると、自分の”足かせ”にもなってしまうものだと思っています。
たとえば、「あの人のことを、今でも愛してる」という気持ちが、あなたに力をくれるなら、それは大切にしていいものですよね。
でも、
「今も愛してるから、私は幸せになっちゃいけない」
「私が忘れたら、あの人の存在が消えてしまう気がする」
というふうに、自分を縛る理由になってしまうなら。
それはもう、あなたの幸せを遠ざけてしまう「足かせ」になってしまっているのかもしれません。
想いを否定しなくていい。でも、囚われなくてもいい
「想いを手放す」というのは、「あの人なんて、どうでもいい」と忘れ去ることではないんです。
むしろ、
「あのとき私は本気で、あの人を想っていた」
ということを、ちゃんと認めること。
そして、
「その気持ちがあるからこそ、私は優しくなれたし、愛することの意味を知れた」
というふうに、自分の経験として昇華させていくこと。
そうやって、自分の中の「想い」に区切りをつけていく。
ちょっとしんどく感じることもあるけど、着実に進めていくことです。
それは、心の深い部分で「自分を許す」ということでもあるんじゃないかな、と思うんです。
「愛したこと」と「幸せになること」は矛盾しない
誰かを愛した自分を、忘れなくていいんです。
でも、その思いに“囚われたまま”でいる必要もないのです。
まぁこの当たりの話は心理学というより、その人それぞれの思い、哲学っぽい話になる部分でもあるのですけどね。
私は一度でも想った人のことを忘れることも、傷つけるつもりはない、と言い切れる人もいれば、逆に怒りを感じている人もいるでしょうし。
その怒りの中に、相手への情愛を感じている人もいるやもしれない。
ただ、どうあれ、あなたは今を生きている。
そして、これからまた、新しい関係や、自分だけの幸せを見つけていく権利がある。
その未来に向けて自分が何を選択するかを考えたとき、今はまだ忘れられない、実感を伴った過去を整理していくこともまた一つの選択肢。
そして、この手の話ほど、なぜか切なく響きやすいのは、「どこかで叶わなかった思い」がまだくすぶっているかもしれません。
それもまた、あなたなりの思い。
そして、徐々に丁寧に手放していくものなのだろうと思いますけどね。
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最後に
最後にひとつ、こんな問いかけを置いておきますね。
いま、あなたが“想い続けている何か”があるとしたら。
その想いは、あなたを「幸せにする想い」ですか?
それとも、「あなたの足元を縛っている想い」ですか?
どちらが良い・悪いではないんです。
どちらを選ぶかは、あなたの自由なんです。
でも、もしその想いがあなたをしんどくさせているなら、少しずつ、その想いとの付き合い方を変えていってもいいのかもしれません。
想ったことを否定せずに、自分を少しずつ“生きやすくする”ために。
それが、ちゃんと自分の人生を生きる、ということでもあるのかもしれませんね。
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