こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。

今日は、パートナーシップの話。

テーマは

「傷ついたのは私のはずなのに、なぜか私が悪者になっていく話」

重箱の隅を、わりとえぐめに突いていく内容です。

心当たりがあったとしても、責任は取れません。あしからず。

責めたくないから、我慢した

パートナーの言動で傷ついたとき。

責めたくないから、我慢した経験ってありませんか。

「また責めてしまうのが嫌だから」
「相手を傷つけたくないから」
「こんなことで怒る自分が嫌だから」

そういう気持ちで、飲み込んだことのある人、わりといると思います。

おそらくそのお気持ちは、間違ってないんですよ。

責めたくない、という気持ちは、むしろ誠実さの話でして。

相手のことをちゃんと考えているから出てくる気持ちなんですよね。

ただ。

そうはいっても我慢は、消えない。

それがなんともしんどいところなのかもしれません。

消えない我慢は、どこへ向かうか

飲み込んだ気持ちは、やっぱり自分の中に溜まっていきます。

一回や二回ならまだいい。

でも、それが続くと。

ある日、何かのきっかけで、全部出てくる。

ここで、ちょっとだけ心理学的な話をひとつ。

僕たちは「白熊のことを考えるな」と言われると、白熊のことばかり考えてしまう。

これ、実験で証明されている話なんですよね。

「思考抑制のリバウンド効果」なんて呼ばれています。

感情もある意味同じような部分があります。

「感じないようにしよう」と意識すればするほど、その感情への注意が高まってしまう。

抑えようとすること自体が、その感情をずっと監視し続けることになるので。

つまり、我慢しようとすればするほど、気持ちはそこに居続けるんですよね。

消えてほしくて我慢したのに、我慢することで消えなくなる、という。

ままならない話です、ほんとに。

しかも、そのきっかけがたいした話じゃないことも多い。

洗い物が放置されていた。約束を軽く流された。

そういうことだったりします。

でもそこで出てくるのは、今日の話だけじゃない。

ずっと積み重なってきたやつが、全員で出てきます。

だから言葉がきつくなる。だから責め立てるような言い方になる。

「こんなつもりじゃなかった」

その通りですよね。

責めたくないから我慢してたのに、責める側になってしまった、という。

目的は「責めたくない」だったのに、手段を間違えると「責めてしまう」になる、という、なんとも理不尽な話なんですよ、これ。

そして、悪者になっていく

で、ここからが今日の本題。

きつい言い方をしてしまったあと、何が起きるかというと。

多くの人は、自分を責め始めます。

「なんであんな言い方したんだろう」
「相手を傷つけてしまった」
「私って結局こういう人間なんだ」

……あれ?

傷ついたのは、私のはずじゃなかったでしたっけ?

実は、ここにもう一個落とし穴がありまして。

「あーなりたくなかった私」に、「なってしまった」というショックが重なると、「こんな私にしたのはあんたのせいやで」と襲いかかりたくなるんですよね。

「こんなはずじゃなかった」という気持ちは、自分のハートをみじん切りにするぐらいのことがあるわけです。

まぁ、乱切り程度でおさまる人もいるんでしょうが。

自在に「今日はみじん切りにならないように」なんてコントロールできる人、いませんからねぇ。

つまり、自分のハートがザクザク切れている分だけ凶暴になる、というのは、まぁしゃーないですよね、という話なのかもしれません。

気づいたら「責めてしまった私が悪い」という話になっていますが、最初の「傷ついた」は、どこへ行ったんでしょう。

傷ついた側にいたはずの人が、いつの間にか加害者の立ち位置に移動してしまっている。

しかも自分で、そこに移動してしまっている。

責めてしまった私を、さらに責めると

「もう感情的にならないようにしよう」と決意したこと、ありませんか。

でも、うまくいかなかったんじゃないでしょうか。

それはたぶん、意志の問題じゃないんです。

傷つきがまだそこにあるまま、「責めてしまった私」だけを反省しようとしても、根っこは何も変わっていないので。

また溜まる。また出てくる。またきつくなってしまう。

そして、また自分を責める。

このループ、見覚えありませんか。

我慢しようとした気持ちは、間違いじゃなかった。

ただ、我慢では消えないものが、そこにあったんです。

必要なのは、我慢や自分責めではない

「責めてしまった私を直す」のではなくて。

「傷ついていた私を、丁寧に扱う」ことが先なんじゃないか、と思っています。

自分がどれだけ嫌だったか。
どれだけ不安だったか。
どれだけ悲しかったか。

それを、ちゃんと認めてあげること。

これ、簡単そうに見えて、かなり難しい。

なぜかというと、感じることが怖い人も多いからです。

感じてしまったら、もっと辛くなるんじゃないか。

感じてしまったら、関係が壊れるんじゃないか。

でも、感じることと、爆発することは、違います。

爆発するほうが明らかに関係をぶっ壊すリスクが高い。

自分の傷つきをちゃんと感じて、整理していくと、感情は少しずつ落ち着いていく方向に動いていくことがあります。

少なくとも、押し込んで蓄積し続けるよりは、ですね。

最後に|傷ついていた私を、ちゃんと扱う

責めてしまった自分が嫌になるとき。

まず見てほしいのは、そこじゃないのかもしれません。

その前に、どれだけ傷ついていたか。どれだけ我慢していたか。

そこをちゃんと見てあげることが、たぶん最初の一歩なんじゃないかと思っています。

どこから手をつければいいかわからない、という人は、誰かに話してみることが入口になるかもしれません。

話すこと自体が、傷つきを見つめる最初の一歩になることがありますから。

*

深い話を軽く書く、浅野寿和のコラム。

今日のテーマ、どこか引っかかりましたか?

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