職場で避けられている気がする…その正体を、3つの入り口から見てみる
こんにちは。
カウンセラーの浅野寿和です。
「もしかして私、避けられてる?」
もし、職場でそう感じたときがあるとしたら。
事実を見つめ直したり、誰かに相談する前に、もう何十回も自分の中で確かめ直していませんか?
あの人の返事が少し短かった。
目が合わなかった。
すれ違うときの空気が、なんだか・・・。
そして最後は、いつもこう思ってとりあえず終わらせる。
「・・・気にしすぎてる?考えすぎかな?」。
「でも、気になるし、不安」。
そんな時間を過ごしていないでしょうか?
実は、あなたが「周囲から避けられている」と感じる背景には、いくつかの理由が考えられます。
ただ、その理由は状況によってかなり異なるものなんです。
いつも漠然と人から避けられている感じを抱く人もいれば、実際になにか誤解などで避けられはじめている可能性もある。
今日はその辺の話を丁寧にまとめてみます。
先に一つだけお断りを。
もし職場で、明らかに理不尽な扱い・・・たとえば、無視するよう周りに指示が回っている、あからさまなハラスメントがある、といった実害があるなら、この記事の話ではありません。
それはあなたの身の安全と、しかるべき対応を優先してほしい状況です。
ここで扱いたいのは、そこまではっきりしないのに、なぜか「避けられている気がする」と感じてしまう苦しさのほうです。
Index
「避けられている気がする」の中身は、たぶん一つじゃない
まずは、切り分けから。「避けられている気がする」と一言でいっても、その中身は状況によってけっこう違います。
僕がカウンセリングでうかがうお話でも、大きく3つくらいの”入り口”に分かれるんですよね。
1:実際に、少し距離ができている場合
何かのすれ違いや誤解があったり、あるいは相手のほうに、あなたとは関係のない事情があったり。
そんな事情で距離を取られることって実際にあるんですよね。
こういったことが職場で起こる、と考えると、おそらく集団心理も影響しますから、一人があなたと距離を取り始めると、他の人もそれに(たいした意図はなく)少し距離を取る、ということはありえます。
・・・確かにけっこうしんどい状況でもあるんですけどね。
ただ、この場合、距離ができる理由は明確になりやすいケースでもあります。
2:状況に関係なく、いつも「避けられている感じ」を抱いてしまう場合。
職場が変わっても、メンバーが入れ替わっても、「避けられてる?」と感じるケース。
これは自分自身の「感じ方」「物事の捉え方」のパターンであることが多いです。
だから、相手が実際に距離を取っていなくても、こちらは距離を取られているような感じがするわけです。
ただ、実際は、こちらのほうが先に傷つかないように距離を取っていて、相手がそれに反応している、というケースもあります。
この話は、後半でもう少し詳しく。
3:疲れや不安で受信の感度が上がりすぎている場合
疲れていたり、プライベートの影響で不安が強まっていたり。
漠然とした今後への不安を抱えていたり、困ったことがあっても誰にも相談していなかったり。
そんな状況が続くと、いつもなら流せるものがやけに刺さる、ということはありえます。
やっかいなのは、渦中にいると、この三つが分離できないこと。
全部まとめて「私、嫌われたんだ」という一つの結論に至りやすくなるんですね。
なので今日の記事では「どれが今のあなたに近いのか」も、読みながら当たりをつけてもらえたらと思います。
もし、実際に少し距離ができているなら
「避けられている気がする」の裏に、現実の出来事があることは、もちろんあります。
ちょっとした言葉のすれ違い。
伝わり方の誤解。
あるいは、あなたの知らないところで相手が何かを抱えている・・・
理由はさまざまです。
この場合は、あなたの心の問題というより、まず”状況”の話なんですよね。
ここで一つだけ、冷静に考えてみてほしいことがあって。
仮に、あなたに心当たりのない理由で誰かがあなたを避けているのだとしたら、その距離の責任は、必ずしもあなた一人にあるわけじゃないですよね。
しかし、感じ取る力が高くなっていると、自分のせいかも?と感じやすくなります。
ここは、後の話にもつながってきます。
もし、こういった状況なら、いきなり関係を修復しようと気負わなくて大丈夫です。
まずは、確かめられるコミュニケーション上のズレを見つけることです。
何か出来事があったのか、なかったのか。
何かが誤解として伝わってしまっていないか。
それだけでも、”漠然とした不安”と”具体的な状況”が少しずつ分かれてきます。
もし、いつも同じ不安を感じているなら
ここからは、少し毛色の違う入り口の話です。
職場や相手が変わっても、しばらくすると必ず、あの”避けられている気がする”が同じ顔で戻ってくる。
そんなケースであれば、あなた固有の”感じ取り方のクセ”がそこにあるのかもしれません。
不安を感じているとき、あなたの中で起きていることを想像してみると・・・
たとえば・・・「避けられてるかも」と感じた瞬間、あなたはその不安や寂しさを、まず自分の中でぐっと飲み込んでいる。
声にも顔にも出さずに。
そして、「いや、相手にも事情があるだろうし」「私が気にしすぎなだけ」と、今度は自分で自分をなだめにいく。
誰にも気づかれないうちに、一人で始めて、一人で終わらせている。
この「感じる→飲み込む→自分のせいにしてまとめる」を、職場に限らず、繰り返してきていないでしょうか?
だとしたら、それは本当に大変だと思います。
ただ、僕はその「飲み込むクセ」を、直すべき欠点だとは見ていません。
相手を悪者にしたくない。場を荒立てたくない。
根っこには、たいてい優しさがあるんですよ。
あなたが真っ先に自分のほうを疑うのは、誰かを守ろうとする反射なんじゃないか、と。
※ちなみに、僕のWEBページにもある悩みの根っこには、たいてい愛があるという話は、こういうときの話でもあります。
もし、今だけ感度が上がっているだけなら
先程挙げた理由のうち、3つ目の「疲れや不安で受信の感度が上がりすぎている場合」は、もっとも見落とされやすい入り口です。
疲れ、寝不足、孤立感、経済的な余裕の無さ、パートナーや家族の問題・・・。
心の余裕がないとき、人は誰でも、相手の反応をネガティブに受け取りやすくなります。
普段なら気にも留めない「そっけない返事」が、やけに大きく響く。
これは、心が少し疲れているサインであって、あなたの存在云々の話じゃないことが多いもの。
まずは、心と身体を落ち着けるための休息が必要なのでしょう。
それだけで、”避けられている気がする”が半分くらい溶けてしまうことも、わりとある話です。
それぐらい心身のコンディションは「人の見え方・物事の感じ方」に影響するものですよ。
ただ、今、抱えている問題が深刻な場合は、実際に問題のケアを考える必要はあるかもしれないですね。
「職場の人間関係さえ、私はうまくできない」という無力感
さて、ここからがこの記事の本題でもあります。
職場で避けられている気がするときって、ただ「嫌われたかな」と不安になるだけじゃないんですよね。
もう少し深いところで、
「職場の人間関係でさえ、私はいい方向にできないんだ」
みたいな無力感が出てくることがあります。
・・・これ、結構しんどいんです。
いや、しんどすぎるんですよね、そう感じ始めると。
周りを見ると、普通に雑談している人がいる。
自然に輪の中に入っている人がいる。
なんとなく人に好かれているように見える人もいる。
そんな人たちと自分を比べて、
「なんで私は、こういうことが普通にできないんだろう」
なんて考え始める。
すると、もともとは「避けられている気がする」という話だったはずなのに、
いつの間にか、「私は人とうまく関われない人間なんだ」という話に変わってしまう。
もちろん、相手があなたから距離をおいたことと、あなたという人間の価値が決まることは、同じ話ではありません。
ただ、その話も、「私は人とうまく関われない人間かも」という気持ちの前では、まぁ焼け石に水というか、全く気持ちが上がってこないことも少なくないんでしょうね。
僕は、ここに「恥」の感覚がかなり深く関わっていることがあると見ています。
そして、どの入り口にも共通して流れている“恥”のこと
ここまで職場で避けられる理由を3つに分けてきましたが、こうした「避けられている気がする」という苦しさをさらに増幅させる感情があります。
それが「恥」です。
「避けられている気がする」が苦しくなるのは、
「私は避けられるような人間なんだ」
という感覚が強まってしまうことにあるんですよね。
たとえば、「何か(まずいこと)をしてしまった」という感覚は、罪悪感です。
これはまだ行動の話であり、原因が特定できる話。
しかし、恥はもう少し強く自分を真っ黒に覆い隠す感覚なんです。
いわば「私という存在そのものに問題がある」という意識が強くなる。
そこまで行くと、そもそもどうして苦しいのか、その原因がなかなか特定できない話になってしまいます。
なぜなら、存在そのものに問題がある、なんて誰にも言えないことですから。
ただ、実感としては「自分がダメなような、価値がないような感覚」を覚えるから、しんどいんですよ。
そしてこの「恥」は、人が抱える感情の中でも、かなり他人に見せづらいものなんです。
だから、恥が動いているとき、人は助けを求めるより先に、隠れます。
目を伏せる。話しかけるのをためらう。先に、そっと距離を取る。
もちろん、自分が苦しくてもなかなか相談しようとしない。
ときには、カウンセラーに相談しようと思っても、足が止まる。
それは意気地がないからでも、行動力がないからでもなく、恥という感情を強く抱えているときに起きること。
さっき出てきた「飲み込むクセ」も、おそらくこれと地続きです。
「こんなふうに感じている自分を、誰にも見られたくない」
その一心で、一人で始めて、一人で終わらせている。
そして、ここがちょっと切ないところなんですが。
あなたが先にそっと引くと、相手はその態度に、これまた無意識に反応します。
結果として、あなたが怖れていた距離が、じわっと現実になっていく。
自分の不安を、自分でそっと手伝ってしまう・・・みたいなことが、起きるんですね。
ただ、少し考えてみてほしいことがあります
ここで一度、立ち止まってみてください。
職場の人って、あなたのことを“すべて”知っている相手ではないですよね。
あなたがどんなふうに育って、何を大事にして、何を乗り越えてきたか。
そのほとんどを、彼らは知りません。
そんな人が、あなたの“ぜんぶ”を避けている?
・・・これ、正直に書くと、かなり変な話なんですよ。
確かに、職場の人が、あなたのほんの一部を見て、距離を取ることはあるんでしょう。
第一印象だったり、その場での受け答えだったり、誰かから聞いた話だったり。
人って、相手のことをよく知らなくても、なんとなく距離を取ることはありますからね。
ただ、それは「あなたという人間を知り尽くしたうえで、あなた全部を否定した」という話ではないんです。
ここは、分けて考えておいていいと思うんですよ。
ただ、相手が知っているのは、あなたのほんの一部なんですよね。
もしあなたを避ける人がいたとして、彼らはあなたのほんの一片しか知らない。
さっきの集団心理の話も、同じところに戻ってきます。
一人がなんとなく距離を取ると、他の人も、たいした意図もなく少しだけ距離を取る。
それはあなたという人間に評価が下されたわけじゃなくて、ただ、その場の空気がそう流れただけ。
もちろん、それもかなり影響力のあることではあります。
ただ、「避けられている=苦しすぎる、私はダメなのかも」と思うに至るところには、恥の影響がかなり大きくなっている場合もあると思います。
とりあえず、今日を乗り越えるために
どの入り口であっても、渦中の苦しさを今日しのぐ手当てはあります。
ただ、これはある意味応急処置的な方法、と考えてみてください。
まず、できる範囲で、いつも通りにふるまってみること。
「避けられているかも」を前提に自分の態度まで硬くすると、そこから悪循環が回り始めます。
どうしても苦しくなったら、一時的にその場を離れて、深呼吸をしましょう。
そして、もし信頼できる人がいるなら、今の気持ちを少しだけ話してみること。
感情は、一人で抱えているとどんどん影響力を増していくので、誰かに話すと、その連鎖がいったん切れます。
※あわせて、「嫌われたかもしれない」と感じたときに起きている心のことを読んでもらえると、少しヒントになるかもしれません。
それでも不安が消えないなら
ここまで3つの入り口と、その奥にある恥の話をしてきましたが、正直に言うと、実際にはこれらはかなり混在し、明確に区別できるものでもないんですよ。
そして、いま、渦中にいるあなた自身には、どれが理由なのか、いちばん見分けがつきにくいかもしれない。
とくに、「自分の感じ方の影響」は、一人で見ようとしても、どうしても死角に入るんですよね。
実は、自分としては感じたくない、見たくない気持ちを見ているから、いまが辛い。
その辛い気持ちを刺激している理由を探そうとしても、本来は見たくないことだから、自分で検討をつけることが難しくなるんです。
もし、一人で飲み込みすぎて辛いときは、一度そのお話を聞かせてください。
あなたがずっと察知してきたもの、飲み込んできたものを、カウンセリングで丁寧に扱うこともできますので。
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※本記事は一般的な職場の人間関係に関する内容であり、特定のパーソナリティ症や精神的疾患に関するものではありません。
「自分らしく生きましょう」って、よく言いますけど。
その“自分らしく”が分からないから困ってるんですけどね。
ちゃんとやっているのに、なんとなく疲れる。
人に合わせられるけど、これでいいのかなと思う。
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