こんにちは。

心理カウンセラーの浅野寿和です。

今日は「妻より母の味方をする夫の心理」をテーマにコラムをお届けします。

義母から嫌味を言われたとき、その場で、夫は何も言ってくれなかった。

あとで気持ちを伝えても、返ってくるのは

「母も悪気があったわけじゃない」
「母も大変なんだ」

そんな言葉ばかり。

頭ではわかろうとするんです。

夫にとって母は大切な存在で、長年の関係が簡単に切れないことも。

それでも、心のどこかでこう感じてしまう。

「私は、一体何なんだろう・・・」

自分の存在が、夫の言葉の中で消えていく感じが、どうしても苦しい。

この苦しさは、「私が弱いから」でも、「理解が足りないから」でもありません。

多くの場合、あなたが立たされている“位置”そのものが、すでにしんどいのかもしれないですね

そこで今日は、このブログにお寄せいただいたご質問を元に、

妻より母の味方をする夫の心理と関わり方について解説していきます。

いただいたご質問はこちら

浅野先生への質問

先生のブログを読むようになってから日に日に強くなれてます。
いつもためになるブログ本当にありがとうございます。

ところで夫のことで相談があります。

夫と結婚して6年ですが、今まで何回となく同じテーマで私が憤慨し、喧嘩になってきたことがあります。

義母が私に対して嫌味をよく言うのですが、その時、夫はいつも黙っていたり、
後でそのことを伝えると、必ず私ではなく母親をフォローしたり、
私より母親の気持ちを優先するような言動をします。

先日とうとうブチ切れました。
今までで一番、離婚願望が高まっています。

こういった男性の心理を知りたいです。
ひどく傷ついています。

どうか教えてください。よろしくお願いします。

ネタ募集ネーム:Tさん

少しだけ触れておきたい「癒着」という視点

こうしたケースでは、心理学的に「母と子の癒着」という言葉が使われることがありますね。

癒着とは、簡単に言えば、

相手の感情や事情によって、自分の判断や立場が決まってしまう状態のこと。

つまり、妻より母の味方をする男性の心理状態として考えられるのは、

「母(姑)が感じている感情や、その反応によって、夫自身の立ち位置が決まっている」

という構図です。

その姿は、奥様から見ると「夫が自分の母の味方をしている」ようにしか見えないですよね。

実際、このタイプの男性は、

一見するととても優しく、思いやりがあり、「人の気持ちを大切にする人」に見えやすい傾向があります。

が、実際は相手の言動で、自分の気持ちが決まるという構図になっている。

合わせてるのではなく、引っ張られているという感じに近いはずです。

ただ、この記事で扱いたいのは、「うちの夫、どないやねん」という話だけではないんです(^^;

その関係性の中で、あなたがどんな位置に置かれ続けているのか、という点も見逃せないんですよね。

そのあとで、夫との関わり方を考えると、気持ちの面でも楽になりやすいというか。

※癒着に関する詳しい解説はこちらの記事にまとめています。

癒着とは何か|心理構造の整理

理解しようとするほど、妻は立ち位置を失っていく

このタイプの関係で、多くの奥さまが無意識にやってしまうことがあります。

  • 夫の葛藤を理解しようとする
  • 母親の事情を汲み取ろうとする
  • 家庭を壊さないように大人でいようとする

どれも、とても誠実な態度です。

でも、その誠実さが続くと、少しずつ、こんな位置に立たされていくこともあるようですよ。

「私が分かってあげないといけない(かな)」
「私が我慢すれば丸く収まる(かな)」

この位置に立ち続けると、何が起きるでしょうか。

あなたの悲しさや怒りは、あなたの中で夫や家族への愛情の否定、という形で使われてしまうんです。

結果として、

あなたが傷ついた事実そのものが、「私が足りなかったこと」「仕方ないこと」として心の奥に押し込まれていく感じ

ここが、いちばん苦しいところです。

だから、「夫も母のことが大切なんだろうから、我慢したほうが」と思うようになる。

けれど、苦しさも孤独も不満も消えない・・・。

それは、あなたがご主人を責めたいわけではないなら、どんどん積もっていくのかもしれないですよね。

ただ、自分の愛情の否定まで引き受け役に回り続けることは、限界を作ります

だから、夫を責めたくなっちゃうし、イラつきもするんです。

ただ、この状態が続くと、

「夫との問題」ではなく、「自分の存在価値」そのものを疑いはじめかねないんです。

そんなときに必要なのは、

実は、あなたが“引き受ける立ち位置”から、一度降りることだったりします。

「私のせいかもしれない」という位置に立たない

夫が母をかばうたびに、あなたの中に浮かんでくる思いはありませんか。

「私の言い方が悪かったのかもしれない」

「私が気にしすぎなのかもしれない」

でも、それは問題の本質ではありません。

たしかに、ご主人も、義母も、意図的に敵に回す必要はないと思うのです。

ただ、あなたは、夫と母の関係を壊した張本人でも、調整役でもありませんよね。

なので、あなたの今のこの位置を、一度確認しておくこと。

それはきっと今後のためになると思います。

その上で、さてどうするか、なんです。

これは、冷たくなることでも、突き放すことでもありません。

自分の人生を大切にするための必要な線引き、といいますか

すると、どう関わるか、この関係をどうするか、がゆっくり見えてくるのだと思いますよ。

このタイプの夫と向き合うときに、知っておいてほしいこと

ここからは、”その上で”の話です。

カウンセラー的な視点で見た話を続けます。

このタイプのご主人と向き合うときに、知っておいてほしいこと。

よく、多くの奥さまが最初にやってしまうのは、「母を優先する夫の態度そのもの」を批判することなんです。

確かにその気持ち、ある意味正論だと思うんですよ。

「え?マザコン?キモいかも。いくつなんだよ」

そう思うあなたはきっと常識的な感覚をお持ちなんだと思いますよ。

が、実は、これが一番揉めやすい理由。

なぜなら、このタイプのご主人は、自分が“母との関係に縛られている”という自覚をほとんど持っていないからです。

かつ、夫本人の感覚では、今までの経験の中で

「そうしないと、何かが壊れる気がする」「昔から、こうしてきたし」

そんな曖昧な不安に従っているだけ、ということも少なくないのです。

(よく、俺だってしんどいんだ、と言いません?)

その状態で責められると、夫は「もういい」と心を閉じてしまいやすいのです。

感情や状態に飲まれていると”飲まれていることに気づかない”

そもそも心って不思議で、ある感情や状態に飲まれているときほど「飲まれている」という自覚を持てないんですよ。

・・・夫に怒り狂ってるとき、その怒りは正しいし、別にそこまで怒ってないし、って感じることないです?(笑)

だから、難しい言葉で言えば”メタ認知”、

いわば”客観的な視点”が自分自身や夫婦などの関係改善にとって重要になるんです。

それはどちらにも言えることなのかもしれませんけどね。

そういった視点で考えるなら、まず必要なのは、あなたの味方。

自分の気持ちを置いておける安全な場所や人を持つことです。

人に話すことで、言葉を自分の中から外に出すことで、意外と冷静に慣れることも増えますから。

これもカウンセリング・セッションのすごく大きな効果です。

あえて同じ立ち位置に立ってみるという戦略

その上で、一度、夫と同じ立ち位置(目線・価値観)で物事を考えてみること。

「なるほどね、あなたの考えや気持ちにも理由があるよね」

「そうしてきたから、ここまでやってこられこともあったと思う」

そんな反応を受け取ったとき、

「ん?その話聞かせて」とか、「この人は味方だ」と思うようになりやすい。

少し時間はかかるかも、ですけどね。

その上で、

「私はこう思うけどな、お母さんの気持ち。同じ女だから分かる気がするの」

みたいにうまく持っていくと

「・・・言われてみれば、そうかもな」

と夫は初めて“自分の価値観以外の目線”に立つことができるんです。

そこからが、本当の意味での「対等な関係」への入口なのだと思います。

癒着は、外から引っ剥がされそうになると強化されやすいですが、

自らが負担として理解しはじめると、解け始める。

これが鉄板法則です。

ね、夫の母もそんな傾向ないです?

いろいろあなたが言うと、余計に意地になるというか。

これも、母親側の癒着が強化される、つまり・・・

”火に油、いや、ガソリンを注いでる”ってことかもしれません。

※ただし、あまりにご主人や義母の反応が激しい場合は、まずご自身の安全を確保してくださいね。無理に突っ込んでいけという話ではありません。

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最後に|大人同士として向き合うために

たとえば次に話すときは、

いきなり「どうしてかばうの?」ではなく、

「あなたは、あの場面で何を一番守りたかったんだと思う?」

そんな聞き方から始めてみるのも一つです。

ただ、忘れないでほしいのは

あなたがご主人の思いや考えに立ち会うことはできるようになっても、

それを何も言わず代わりに背負うと苦しいです。

だからこそ、

あなたは「理解する人」ではなく、「対等なパートナー」として立ってみてください

自分の気持ちをなかったことにせず、

相手を愛することはあっても、相手の人生を引き受けすぎない。

その位置に戻ることが、この問題の本当のスタート地点といえるかもしれません。

そして、僕でお手伝いできることがあればいつでも、と思っています。

今日は以上です。

何かひとつでも、立ち位置を取り戻すヒントになれば幸いです。

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