恋愛の心理学

「もういい恋なんてできない」と思う心理とその対処法を考える

「もういい恋なんてできない」と感じるだけで切ないもの

もういい恋なんてできないと悩む女性

「私にはもういい恋愛なんてできないんだと思うと悲しくて」

「彼と別れてもう何ヶ月も経っているのに、恋愛できる気がしなくて」

「今後、好きだと思える人が現れると思えないんです」

これらは、恋愛やご結婚にまつわるご相談の中で登場する話。

そもそも「私はいい恋なんてできない」と感じるだけで切ないもの。

もちろんそう感じる理由が自信のなさなのか、

それとも本当に好きだった人との恋愛が終わったからそう感じるのか。

人それぞれ事情が違うと思うのですけどね。

ただ、どのような事情であれ、その内面で起きていることは似通っているかな、とも思います。

ということで今日は「もういい恋なんてできない」と思う心理とその対処法について考えていきます。

よろしければどうぞ。

「もういい恋なんてできない」と感じる理由

さて、人それぞれどのような事情があれど

もし「もういい恋なんてできない」と感じる理由があるとしたら

それは

「愛情や誰かのために与えたいと願っている自分自身の気持ち(マインド)が傷ついている」

もしくは

「自分の愛情や与えたい気持ちの価値を、認めたくても認められずにいる

このどちらか、という場合は非常に多いです。

そもそも恋愛に対する自信とは

「どれだけ愛される自信があるか」ではなく

「どれだけ相手を満たしたり、喜ばせられる自信があるか」なんですよね。

よく誤解されやすい部分ではあるんですが

「愛される自信」というものは、大人の場合、「与える自信、相手を喜ばせる自信によって支えられている」部分が大きいんです。

確かに突き詰めて考えると、「自分が存在していることの価値」を受け取ることで、愛される自信は身につくとも言えるのです。

が、これは恋愛の中で起きることを想定して捉えようとすると、若干理解しがたい考え方かな、と僕は思います。

少なからす僕たちが

「自分が存在していることの価値をわかりやすく感じるとき」とは
「自分から誰かになにかに良い影響を与えているとき」とも言えますからね。

ただ、「じゃ、自分から良い影響を与えられなくなったら価値がなくなるの?」というと、決してそうではないわけです。(実際には何もできない自分を責める人が多いですが)

その観点から見ると確かに「自分が存在していることの価値」を受け取ることが、愛される自信とつながるとも考えられるんですよね。

「与える」というアウトプットによって愛される自信を感じる

例えば、子供時代から親や大人、仲間から愛されてきた人は、愛されることで安心感を感じますが、それだけで恋愛がうまくいくとは限らないんです。

自分自身が愛されてきた経験を使って「誰かを愛したり喜ばせる」から、めちゃくちゃ愛される人になっていくことが多いはず。

つまり、ここでの愛される自信とは、「与える」というアウトプットによって培われている部分が大きいと言えるんです。

逆に、大人の恋愛の中で、いつまでも「愛してよ〜」とだけ言う人が愛されやすい、とはなかなか言い難いですよね。

与える自信がなくなると、途端にいい恋ができる気がしなくなる

つまり、多くの大人にとって

「与える自信」がなくなると、途端にいい恋ができる気がしなくなる、と考えることができます。

平たく言えば「与えたって無駄、無理、気持ちは届かない、傷つくだけ」という強い思い込みがあるとそうなる、とも言えます。

例えば、

「昔から、私が持っている愛情や与えられることの価値なんてないと思う」
「大好きだった人に全力を尽くして与えたけど、相手は全く喜ばなかった」
「どんな事があっても好きな人のそばにいるって決めていたけど、寂しすぎて、辛すぎて、私から離れてしまった」

そんな感覚や実体験があると、

「だからいい恋なんてできないし、素敵な人がやってきたっていつか離れていく」

そんな風に感じてしまうのかもしれませんよね。

ここがまぁ苦しい部分なんですけど・・・。

が、実際は相手が離れていくだとか、自分が選ばれないのではなく

「今の自分が選ばれても愛することや与えることに自信がなくて怖い」

と感じているケースが多いんです。

それこそ

「無価値感〜私の愛や与えるものに価値はない〜」

を感じている状態と見ることもできますね。

無価値感を感じそうになると自分を責めてしてしまう

更にしんどさを作るループは

無価値感を感じそうになると、自分を責めたり、否定的に見つめすぎてしまうこと。

実は、無価値感を感じている自分って

確かに今は傷ついてケアが必要な状態かもしれませんが

恋愛で言うならば「誰かを愛した、与えようとチャレンジした自分」なんですよね。

その自分は決して無価値ではなく、素晴らしい存在のはずです。

ただ、現実として何らかの悲しい結末を迎えてしまったり、深く傷つく経験をしたとしたら。

その自分や自分が取った行動の価値がなくなってしまったかのように感じることもあるでしょう。

価値がないと感じる自分を隠そうとする心理

すると、これ以上無価値な自分を感じたくなくて、自分を責めたり、そんな自分はなかったかのように振る舞うために、自分を隠すための自信を持とうとするのです。

たしかにそのお気持ちも分からなくもないし、僕も否定的に見つめているわけじゃありません。

ただ、誰かを愛した、与えようとチャレンジした自分を隠せば隠すほど、無価値感に追いかけられる感覚ばかり感じます。

言い換えるなら「偽物感」というやつですよ。

「普段は平気そうに、大人なふりをしているけれど、いつか好きな人ができて、相手に近づくと、隠している自分がバレてしまい、きっと相手に愛想を尽かされる」

なんて風に感じることが多いんです。

だから「いい恋」も「いい人」も遠ざけなきゃいけない。

そうじゃないと、別の意味で自分に危機が訪れてしまうから、ですね。

この視点で見つめれば「いつも難しい相手ばかり好きになってしまう心理」もなんとなくおわかりいただけると思うのです。

難しい人、愛を受け取ってくれない人、距離を取り相手にしてくれない人を相手にしていれば、バレないんですよ、隠している自分が。

その意味で難しい人との関係に妙な安心感が生じることも多いのです。

「もういい恋なんてできない」を卒業する方法

もういい恋なんてできないを卒業する

では最後に

「もういい恋なんてできない」と感じる理由を手放して卒業する方法

について僕なりにまとめていきます。

焦らず今の自分の良いところを認めていく

「もういい恋なんてできない」を卒業する方法を考えるなら、焦らずゆっくりと自分の良いところ・できたことを認めていく習慣を身につけるといいでしょう。

とはいえ、場合によっては、すでに自分に絶望している、なんてこともありますね。

その状態から急に良いところを見つめられないこともありますから、ゆっくりと着実にこなしていくといいと思います。

自分の良いところを認められないことを気にするより

良いところを認められたならそれを認める、という感じでね。

無価値感を抱えた自分を罰しない

また、無価値感を感じている自分を罰しない姿勢は必要かな、と思います。

これ、文字で読むだけでは実感が伴わないかもしれませんが、実際、多くの方が

「めちゃくちゃ嫌だ」

と感じることが多い部分です。

例えば

頑張ったけど私の気持ちは届かなかった、だとか。
そばにいても好きな人を幸せにできなかったり、笑顔にできなかった、とか。

そんな経験をしたことがあるならば、その当時の自分やその当時の感情から目を背けたくなるのは、人の気持ちとして当然と言いますかね。

だから、無価値だと感じる自分と向き合うぐらいなら

今の自分を責めたり、いい恋・幸せを諦めたほうがマシだと思う方もいるかもしれません。

それぐらい、愛が届かない、愛せないということは辛いことなんですよね。

そこは僕なりに理解させていただきたいと思っています。

ただ、もし本当の幸せを目指すことを考えるなら、このプロセスは避けて通れないかもしれません。

ただ、つらくて苦しんでいる自分に無理を強いる必要はありません。

その時は、まず今の気持ちをケアすることが何よりも優先されます。

その理由は大きく分けて2つ。

  • 一つは「無価値だと感じる自分(自分の弱さ)」を受け入れてこそ分かる、それでも自分を支えてくれる人の気持ち、愛情というものがある、という視点。
  • もう一つは「無価値だと感じる自分」と感じる自分は、そもそも純粋で、愛ある、与えたい気持ちを持った自分である、という視点。

つまり、無価値だと感じる自分を向き合うプロセスとは

ずっと自分を信じられずに苦しんでいる自分に手を差し伸べて

もう一度自分の愛情や与えたい気持ち、素晴らしい部分を生き返らせていく。

そんなプロセスになるんですよね。

セルフワークレベルのやり方

「あなたが大好きだった人に与えたかった気持ち、与えたかったこと」を書き出して

「私は、こんなことを与えたいと願う人なんだな」と見つめてみること。

ただ、あまりに気持ちが苦しくなるならすぐにストップです。無理は禁物ですよ。

無価値だと思う自分でも支えてくれる人がいると理解する

そもそも人の愛ってのは、人の強い部分に向かうわけではないんです。

弱い部分に向かうのです(強い部分に向かうのは承認、称賛、期待など)。

だから、たとえ自分がダメだな〜と思っていても。

そう思っている間も支えてくれる人、友達でいてくれる人、面倒を見てくれる人がいるはずなのです。

その人の気持ちに触れる勇気を持ち、心からの感謝を向けることができるなら、おそらく無価値感から逃げるということはしなくなるでしょう。

そういう意味では

数は少なくても構わないので、本当に自分を受け入れてくれていると思える人(親、家族、親友・仲間など)の、相手の立場に立って自分を見つめてみると良いですよ。

そして、相手の気持に心からの感謝を向けると、自分の心がスーッと楽になっていくことが多いです。

最後に

最後になりますが

「もういい恋なんてできない」という思いを僕なりに解釈すると

「私はもう良い恋愛を自分に与えない。与えると自分がつらくなるから」

そう感じている状態だと思います。

もしあなたがそう思うなら

きっとあなたは誰か(恋愛対象だけでなく家族や親、友達なども含む)を大切にした経験がおありなのでしょう。(気づいていないかもしれないけど)

そうでなければ、傷つくことはないでしょうからね。

そんな自分をもう一度丁寧に扱ってみてもいいかもしれませんね。

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