変わりたいのに動けない心理|抵抗が生まれる本当の理由と向き合い方
こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
今日は、よくいただくご相談を一つ、整理してみます。
「変わりたいと思うのに、なぜか動けません」
「分かってるのに、同じところに戻ってしまいます」
こういうとき、人はつい自分にこう言いますよね。
「私の意志が弱いのかな」
「覚悟が足りないのかな」
「もっと頑張らないとダメかな」
でも、ここは少しだけ見方を変えていいのかもしれません。
変わりたいのに動けないとき、起きているのは、
「サボり」でも「根性不足」でもなく、
心の自然な反応(防衛)であることが少なくないんですね。
今日はそのあたりを、できるだけ分かりやすく整理します。
Index
変わりたいのに動けない。これは珍しいことではありません
まず前提として、ここを押さえておきたいです。
人は変わろうとするとき、同時に「変わりたくない」も出てきます。
変化って、希望でもあるんですけど、同時に、怖いものでもあるんですよね。
なぜなら、変わるということは、
- 今の慣れた自分を手放す
- 今の人間関係や環境を動かす
- うまくいかなかったときの痛みを引き受ける
こういった「未知」を含むからです。
なので、抵抗が出るのは不自然ではありません。
むしろ、抵抗が出ないまま一気に変われる人の方が少ないと思います。
抵抗の正体は「意志の弱さ」ではなく、感じたくない感情
変われないとき、多くの場合、心の中ではこんなことが起きています。
「また同じ痛みを感じるくらいなら、今のままの方が安全」
たとえば、分かりやすい例で言うと、失恋です。
過去に失恋して、かなりつらい思いをした人がいたとします。
そのつらさが大きければ大きいほど、心のどこかでこう思うかもしれません。
「もう二度と、あんな思いはしたくない」
すると、人は防衛的になります。
「傷つかないための生き方」が、いつのまにか完成していくんですね。
たとえば、
- 恋をしない
- 期待しない
- 深く関わらない
- 自分の気持ちを抑える
こういう選択って、冷たいのではなく、生き延びるためだったりします。
そして、ある日ふと、こう思う。
「やっぱり恋がしたい」
「ちゃんと幸せになりたい」
でも、その瞬間、心は同時に「止まれ」を出す。
なぜなら、変化しようとすると、
かつて感じた痛み(悲しみ、孤独、無力感、恥ずかしさなど)に、触れる可能性があるからです。
なので、抵抗は敵ではなく、心が心を守っている反応なんですね。
だから私たちは「正解」を探し始めます
抵抗が出ると、人は別の作戦をとりはじめます。
それが、「正解探し」です。
こうすれば間違わない。
これが正しい。
この方法なら安全。
そういう答えを探したくなる。
これ自体は悪いことではありません。
正解があると、安心しますからね。
ただ、ここで一つ、起きやすいことがあります。
正解を集めても、心の感じ方が変わらないと、結局動けない
ということです。
頭では納得しているのに、体が動かない。
言葉では理解しているのに、気持ちがついてこない。
これは、
頭は「行ける」と言っている
心は「危ない」と言っている
という、心の中の衝突が起きている状態とも言えます。
「自分を変える」とは、正解を導くことではなく「感じ方の更新」
ここが今日の中心です。
心理的な意味での「自分を変える」という言葉は、
今の自分を否定して作り替えるとか、
正しい人間になるという意味ではないことが多いんですね。
もう少し平たく言うと、
物事の見方や、感じ方が変わっていくこと
こういう意味で使われることが多いです。
たとえば、失恋してつらいとき。
そのつらさの中では、
「今までの自分が全部間違っていた気がする」
みたいな感覚になることがあります。
でも、反省はしてもいいとして、
自分をフルボッコにしても、変化は起きにくいんですよね。
ここで大切なのは、
「今、私は何を感じているんだろう」
と、興味を持って戻ってくることです。
すぐに全部を感じ切れなくていいです。
無理のないところからでいい。
感じ方を少し回収して、少し整えていく。
その過程で、見える景色が変わっていきます。
すると、不思議なんですけど、
「頑張って動く」より先に、自然に動ける瞬間が出てくることがあります。
抵抗は「乗り越えるもの」ではなく、まず理解していいもの
ここで、もう一つ大切なこと。
抵抗があるとき、無理に乗り越えようとすると、余計に固くなります。
抵抗って、言ってみれば、心が出しているブレーキです。
ブレーキを無理に壊して進むと、
どこかで反動が出たり、疲れ果てたりします。
だから、まずやっていいのは、
「止まってる自分には、理由がある」
と理解することです。
そして、こう問いかけてみる。
「私は、何が怖いんだろう」
「何を失いたくないんだろう」
「何を感じたくなくて止まってるんだろう」
抵抗を敵にしないで、理由を聞きにいく感じですね。
これだけで、心の緊張が少し下がることがあります。
変化に「目的」がいるのは、正しさのためではなく、戻らないため
もう一つ、現実的な話をしておきます。
変化を続けるには、やっぱり「目的」や「方向」があった方がいいです。
ただ、ここで言う目的は、
「正解になるため」ではなく、
「戻らないための灯り」です。
不安になったとき、迷ったとき、
人は元の場所に戻りたくなります。
なので、目的は、迷子にならないためのコンパスのようなもの。
そしておすすめなのは、
「最悪を回避するため」より、
「幸せになるため」を目的にすることです。
最悪回避を目的にすると、守りは固くなりますが、
幸せが見えにくくなることがあるからです。
もちろん、今すぐ大きな目的が言えない人もいます。
それでもいいです。
ただ、小さくても
「私はどうなれたら少し楽かな」
この問いが持てるだけで、変化の方向が整ってきます。
最後に
変わりたいのに抵抗が出る。
それは「ダメな自分」になったサインではありません。
心が、ちゃんと守ってきたサインでもあります。
だから、まずは抵抗を責めないこと。
そして、正解探しで自分を追い詰めるより、
「今、私は何を感じているんだろう」
そこに戻ってくること。
この戻り方ができるようになると、変化は「根性」ではなく、更新になっていきます。
今すぐ動けなくても大丈夫です。
止まっている自分にも、理由がある。
その理由を理解しながら、無理のないところから、少しずつ。
それが結果として、あなたの感じ方と日常を変えていくことがあります。
何か参考になれば幸いです。
※この記事は2016年に執筆したものです。
当時の感情に基づいた問題解決をベースに書いていますが、現在の僕は、「変わること」を努力や正解探しではなく、立ち位置と感じ方の調整として扱っています
現在の僕のメソッドや考え方については、こちらの記事で整理しています。
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