こんにちは。

心理カウンセラーの浅野寿和です。

この記事は、

「私は素晴らしい」と自分に言うと、なぜか気持ちが重くなる
褒めようとしているのに、心がついてこない
自己承認って大事だと言われるほど、しんどくなる

そんな感覚を抱えている方に向けて書いています。

先に結論を急ぎすぎない形で言うなら、

それは「自己承認ができない」ではなく、今は「受け取りにくい状態」なのかもしれません。

そして、最初から無理に「私は素晴らしい」と言い聞かせなくても、整えていく道筋はあり得ます。

ただ、人の心は個別性が大きいので、この記事は「一つの見立て」と「一つの整え方」として読んでくださいね。

いただいたご質問はこちら

浅野さんへの質問

いつもブログを見て勉強しています!

他のカウンセラーさんのブログにも、自分を大切にする、褒める、と書いてありますが、私はそれがうまくできません。
私は素晴らしいと自分に語りかけても、逆に気持ちが重くなります。なぜなんでしょうか?
私になにか問題があるのでしょうか。

ネタ募集ネーム:CCさん ※一部編集させていただきました


「私は素晴らしい」と言うと、なぜ抵抗を感じるのか

この質問、すごく大事です。

そして、こう感じる人は意外と多い。

「自己承認が大事」
「自分を褒めよう」
「自分を好きになろう」

そう言われるほど、心が固まる。
言ってみると、気持ちが重くなる。
むしろ落ち込む。

このとき、多くの人が自分を疑います。

「私、何かおかしいのかな」
「だから私はダメなんだろうか」

でも、ここは一度落ち着いて。

抵抗が出ること自体が「異常」だとは限らないんですよね。

むしろ、心の中では

「その言葉を受け取るには、今は危険だ」

みたいな反応が起きている可能性があります。

つまり、自己承認を拒んでいるというより、
心と体が“警戒”している

この記事では、その警戒がどうやって生まれるのかを、少し丁寧に見ていきます。


自己承認が効かないのは、「できない」のではなく「今は受け取れない」状態のとき

自己承認って、テクニックのように扱われがちですが、

実際は「心の状態」に強く左右されます。

たとえば、疲れ切っているときに
「大丈夫、あなたは素晴らしい」って言われても、入ってこないですよね。

失恋直後に
「あなたは愛される人だよ」と言われても、むしろきついこともある。

これと同じで、

自己承認の言葉そのものが間違っているのではなく、今のコンディションだと“受け取れない”ことがあります。

そして受け取れないとき、心の中ではこんな反応が起きがちです。

  • そんなの嘘に決まってる
  • 素晴らしいはずがない
  • 言えば言うほど虚しくなる
  • 自分を騙している気がして苦しい

ここで無理に押し込むと、逆に疲れます。

だからこの記事の軸は、

「自己承認を頑張る」より「受け取れない理由を理解する」に置きます。


なぜ「自分を責める」「役割を背負う」ほうが、楽に生きられてきたのか

自己承認が入りにくい人の背景には、

「そっちのほうが人生が回った」という事情があることが多いです。

たとえば、

  • 自分を責めていたほうが、失敗しない気がした
  • 役割を背負っていたほうが、人間関係が安定した
  • 頑張っている自分でいるほうが、居場所があった
  • 期待に応えているときだけ、安心できた

この状態は、本人の意思というより、

心が選んだ“支え方”なんですよね。

言い方を変えるなら、

自己否定や過剰な責任感が「緊急避難」や「安全装置」になっていることがある。

自己否定は長期的には苦しいです。

でも短期的には、こんなふうに心を安定させます。

  • 「私が悪い」と決めると、世界が単純になる
  • 「どうせ私なんて」と思うと、期待しなくて済む
  • 先に自分を下げると、人に傷つけられる前に降りられる

つまり、自己否定はただの悪癖ではなく、

守るためのシステムとして働いていることがある

ここを無視して「褒めよう!」と言うと、心が反発する。

だって、褒めることは“安全装置を外す”ことに近いからです。


「過去に傷ついたから」ではなく、心と体が覚えた反応として見る

ここで、過去の話に触れます。

ただし、よくある「過去に傷ついたから自己承認できない」という考えもありますが、

ここでは、心と体が覚えた反応として見る視点としてお伝えしますね。

たとえば、過去にこんな経験が重なっていたとします。

  • 褒められない/認められない
  • 守ってもらえない
  • 叱られる/否定される
  • つらい目に合う
  • 放っておかれる

こういう環境の中で生きていると、心は学習します。

「自分を肯定しても、どうせ一人だ」
「安心は手に入らない」
「油断したら痛い目に合う」

これが“観念”として言葉になっていない場合も多いです。

でも心と体が覚えていることがある。

だから、自己承認や他人の優しさに触れようとすると、

心が「それは危ない」と感じてブレーキを踏む

このとき起きているのは、

「私は素晴らしい」を否定しているというより、

「素晴らしいと感じることにリスクがある」という反応かもしれません。

あなたの心が、これまでを生き抜くために選んできた反応、という見方もできそうです。


無理に自己承認しなくても、整えていく一つの考え方

ここまで読んで、こう思った方もいるかもしれません。

「じゃあ、どうしたらいいの…」

ここで僕が提案したいのは、

無理に一歩目を「私は素晴らしい」にしない方法もあるよ、ということです。

いきなりその言葉を言うと反発が出るなら、もっと別の視点から始めればいい。

たとえば、こんなスモールステップです。

1)褒めなくていいので、労う

「今日もよくやってた」
「しんどい中で、よく耐えてた」

これも無理なら、さらに低くていいです。

「今日も一日終わった」
「今の自分は、今の自分」

2)小さなNOを言う(境界線を作る)

自己承認が難しい人ほど、無意識に人の期待に合わせすぎていることがあります。

だから「褒める」より先に、

小さく境界線を作るほうが、心が安定する場合があります。

  • できないことは「明日でいい?」と言う
  • 相手との少し間を取る
  • 自分の意見と違う意見があれば、私はそう思わないな、という気持ちを認める。

強く相手や社会と反発して、現実的な対立を深めるとしんどいので避けたいですが、

思うことや、常識的に許容される程度のNoであれば大丈夫ですよね。

こういう小さなNOは、自分の領域を取り戻す意味があります

3)「自分を責めている自分」に気づくだけでいい

責めるのをやめようとすると難しい。

でも、「今、責めてるな」と気づくだけなら、できるかもしれない。

フーっと一息つきながら、「あー今、私、自分を責めてるな」と見つめる。

気づけた瞬間、心の立ち位置が少し変わるからです。

これは、「素晴らしい」が合わない人への”別の一歩目が存在する可能性”として置いておきますね。


自己承認が難しいとき、関係性の中で回復するという選択肢

もう一つ、外せない話があります。

自己承認が効かない背景に、「安全感が足りない」という要素があるなら、

人との関係性の中で整うという回復ルートが心理学的には想定されます。

これは、パートナーでも、友人でも、家族でも、支援者でもいい。

ポイントは、

「素直な気持ちを、そのまま承認し合える関係」です。

もちろん、現実には難しいこともある。

だからこそ、

整理するための場としてセッションを使うという選択肢もあります。

セッションの価値は「褒め言葉を増やす」ことではなく、

なぜ今、受け取れないのか
何をリスクだと感じているのか
どんな支え方で生きてきたのか

その見立てがつくことで、心のブレーキが少しずつ緩むことがある、というところにあります。


「素晴らしい」と受け取れないことにも理由がある

最後に、まとめです。

「私は素晴らしい」と言えない。

言うと重くなる。

抵抗が出る。

それは、今、心が“そう反応している”可能性があるということかもしれません。

そしてその反応には、それなりの事情があることが多いもの。

だから、ここでの提案はこうです。

無理に自己承認しなくてもいい。
でも、整え方は他にもあり得る。

一歩目は「素晴らしい」じゃなくていいかもしれないですよ。

労う、境界線を作る、気づく。

あるいは、関係性の中で少しずつ安全感を育てる。

もし今、あなたが「自己承認ができない自分」に焦っているなら、

まずはこう言ってあげてください。

「重くなるってことは、今の私には何か理由があるんだろうね」

そこからで十分だと思います。

必要なら、少しずつ一緒に整理していきましょう。

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