「別れたほうがいい」と言う彼。それでも私に愛情を見せる理由
こんばんは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
突然彼に「別れたほうがいいと思う」と言われた。
ただ、なぜか彼は離れていかない。
抱きしめてくる。優しくする。会おうとする。連絡も途切れない。
なのに、「続けよう」とは言わない。
大切にされている気もするのに、安心はできない。
期待してはいけない気もするのに、気持ちは離れきらない。
この宙ぶらりんな感じに、心がすり減ってしまう人は、実は少なくありません。
この状態は、恋愛がうまくいっていないから起きる、というよりも、
二人の間で“ある心理状態”が共有されているときに起きやすいものです。
今回は読者さまからいただいたご質問を元に、
「別れたほうがいい」と言うけれど、私に愛情を見せる彼の心理と理由について
心理面から解説していきます。
Index
- 1 いただいたご質問はこちら
- 2 「別れたほうがいい」と言われたのに、なぜか離れていかない彼の心理
- 3 彼は本当に「別れたい」のか?
- 4 「別れたい/続けたい」では説明できない状態は確かに存在する
- 5 言葉と行動がズレるとき、彼の中で起きていること
- 6 「俺が引き受けなきゃ」という役割が、別れを語らせることもある
- 7 いつの間にか、私が「彼と同じ気持ち」になっていく
- 8 問題は「彼の本音」ではなく、二人が立っている場所かもしれない
- 9 「なんで一人で背負ってるんだろう」という視点
- 10 答えが出ないまま、立ち止まっているあなたへ
- 11 最後に:この感覚を、もう少し整理したい人へ
- 12 こちらの記事も読まれています|関連記事
いただいたご質問はこちら
浅野さんへのご質問
「別れたほうがいい」と言いながら、愛情を見せる彼に戸惑っています。
彼とは付き合って8ヶ月、二十代後半の同い年です。彼は最近転職し、結婚は30代以降、余裕ができたらという考えです。
一方、私は30歳までに結婚し、子どもが欲しいと思っています。
交際半年頃、旅行の流れで彼の実家に挨拶に行き、将来の話をした際に、
彼から「一人で考えると別れた方がいいと思う」と言われました。
お金や仕事の見通しが立たず、数年以内に結婚の約束はできない、ただ結婚願望が全くないわけではない、と。
私が結婚を望んでいるなら、時間を無駄にしないためにも別れた方がいいのではないか、とも言われました。
その場では泣いてしまいましたが、今すぐ別れは決められず、もう少し考えようという形で続いています。その後も彼は「一人でいると別れを考える」「責任が取れないままズルズル付き合うのが怖い」と話します。
ただ、別れるか聞くと答えはなく、抱きしめたり一緒に眠ったりと愛情は示してきます。私も踏ん切りがつかず、別れ話は毎回曖昧なまま終わります。
私は彼が大好きで、結婚するなら彼がいいと思っています。一方で、このまま数年後に結婚できる保証もなく別れる可能性を考えると、今別れるべきでは、という理性的な思いもあります。でも、どうしても決められません。
彼の「別れた方がいい」という気持ちは本気なのか。なぜ愛情を示すのか。責任感の強い彼と、どう向き合い、何を話し合えばいいのか、教えていただきたいです。
ネタ募集ネーム:Nさん
「別れたほうがいい」と言われたのに、なぜか離れていかない彼の心理
本当に別れたい人なら、もっと距離を取るはずですよね。
でも、あなたの彼はそうしない。
むしろ、前より優しくなったように感じることさえある。
だから余計に、混乱してしまいますよね。
「どういうつもりなの?」
「私は、どう受け取ればいいの?」
この問いに、はっきりした答えが出ないまま、時間だけが過ぎていくのは、正直キツいですよね。
彼は本当に「別れたい」のか?
ここで、少し立ち止まってみましょう。
彼の言葉をそのまま受け取れば、
「別れたい」という意思表示に見えるかもしれません。
でも、行動まで含めて見ると、少し違う印象を受けることもあります。
別れたい人の行動とも、続けたい人の覚悟とも、どこか噛み合わないですよね。
「別れたい/続けたい」では説明できない状態は確かに存在する
もしかすると彼は、別れたいわけでも、続けたいわけでもない。
そんな”立ち位置”に立っている可能性がありますよ。
「今、彼女との今後を明確に決められない状態そのものが、しんどい」
という位置に立っているのかもしれません。
この感覚は、多くの人にとっても説明しにくいものです。
自分でも定まらない気持ち。
しかし、少し客観的に見れば、自分の言動は優柔不断にしか見えない。
だからこそ、彼女に向けられる言葉が強くなりやすい。
ここでの「別れたほうがいい」という言葉は、
結論というより、
「彼が苦しさを外に出した結果、そう聞こえているだけ」
と、読み取れるかもしれません。
だから、まだ彼は好きなのかも、もう終わらせるつもりかも、と推測しても
どちらも「違う」という反応を見せる可能性がありそうです。
言葉と行動がズレるとき、彼の中で起きていること
基本的に人は親密な関係や、大切にしたいパートナーの扱いにビビります(笑)
親密になるほど、怖くなる、というわけです。
だから、今の関係を終わらせたい、という気持ちになることもある。
でも、大切な人を失うのも怖い。好きだから。
この二つの気持ちが同時に起きる・・・
つまり、人は”葛藤”状態になると、
「決める」という行為そのものをペンディングするようになることがあるんです。
決断しなければ、どちらの責任も、選択の結果の後悔も
今の時点では引き受けなくて済む、と思うから。
今回の彼の場合は、本当に決められないんでしょうけども・・・。
ただ、決められなさを長く抱えたまま関係が続くと、それ自体が負担になってしまうこともあるんですよね。
「俺が引き受けなきゃ」という役割が、別れを語らせることもある
男女関係のすれ違いを見ていると、
感情だけでなく、いわゆる心理的な”役割”が固定されているケースも少なくありません。
たとえば、
- 彼が支える役
- 私が追いつく役
あるいは、その逆もしかり。
特に話がややこしくなりやすいのは、
男性側が「俺が引き受ける役なんだ」と、強い使命感や責任感を抱いている場合です。
このとき彼は、別れの意思を口にしながら、
どこか神妙になったり、別れをためらったり、急に優しくなったりすることがあるのですよ。
それは必ずしも、気持ちが冷めたからというよりも、
「引き受けられなくて、ごめん」
という、背負うタイプ特有の考え方の表れなのかもしれません。
彼が少しドラマティックな態度を取る人だと、その申し訳なさはより分かりにくい形で表に出ます。
すると女性側は、
- 拒絶されたのかな
- 気持ちを振り回されたのかな
- 私、もう必要とされていないのかな
と受け取ってしまいやすい。
そして、
「大切な彼をこれ以上、苦しめたくない」という思いから、
本当は納得していない別れに、同意してしまう。
こうしたケースも、実際には少なくない・・・いや、
僕の臨床感覚では、かなり多い印象があります。
いつの間にか、私が「彼と同じ気持ち」になっていく
最初は、「彼の気持ちが分からない」と思っていたはずのあなた。
ただ、そんな彼と関わろうとしているうちに、
気づくと自分も、
- 決められない
- どちらにも振り切れない
- 考えるほど、しんどい
そんな感覚になっていくことがありませんか?
これ、実は心理的に”彼と同じ場所”に立っているような感覚なのだと思います。
そして、このようなことはよく起きることなんですよ。
パートナーは、無意識に感情を共有する
関係が近くなるほど、人は無意識に、相手の感情状態を共有します。
彼が「決められなさ」の中にいると、
あなたも、その感覚に引き込まれていくことがあるのですよ。
だから、彼と触れ合っているうちに
「私がどうしたいか」が、驚くほど分からなくなっていくのです。
※この視点については次の記事で解説しています。
問題は「彼の本音」ではなく、二人が立っている場所かもしれない
ここまで読んで、
「じゃあ、どうすればいいの?」
と思ったかもしれません。
でも、この段階で大切なのは、明確な答えを出すことではありません。
誰が悪いか。
どう説得するか。
どう変わってもらうか。
そうではなく、
二人が、同じ「決められなさ」の場所に立っている
その心理構造に、気づくことです。
「なんで一人で背負ってるんだろう」という視点
ここで、もう一度だけ、視点をずらしてみてもいいかもしれません。
問題は、「別れるべきかどうか」より前に、
彼は、なぜ一人で全部を背負おうとしているのか
という点にあるのかもしれない、という視点です。
「勝手に別れを決めないで」
「勝手に背負わないで」
そう言いたくなるお気持ちもあるでしょうが、それはできる限り避けたほうがいいです。
彼の責任感と罪悪感をマイナス方向に刺激するだけなので。
今は、なんとなく彼の気持ちを捉えたうえで、
自分の立ち位置を少しずらしながら、あなたの意思を伝えることです。
「私は、続ける意志しかないよ」
もしくは
「私は自分のために別れる」
感傷的にならず、淡々と。
コミュニケーションはそれからです。
そして、彼と続けるなら、彼の話を丁寧に聞いてあげてください。
ここでのポイントは、
彼の気持ちや考えそのものではなく、
気づかないうちに二人の間で共有されている感情
そこから生まれる“反応”に飲み込まれて
お互いに答えが出せなくなっていること
なのかもしれません。
だから、自分の立ち位置を取り戻す必要があるのだと思います。
答えが出ないまま、立ち止まっているあなたへ
今すぐ別れなくていい。無理に続けなくてもいい。
ただ、
「私は今、どんな影響受けているんだろう。どんな立ち位置にいるのだろう」
そう問い直すことは、一つの大切な選択です。
立ち位置が少し変わると、見える景色は、確実に変わります。
最後に:この感覚を、もう少し整理したい人へ
もし、この状態をもう少し理解したいと感じたら、
以下の記事も参考になるかもしれません。
今すぐ何かを決めるためではなく、自分の位置を取り戻すための読み物として、つながっています。
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「今、自分がどの位置で考え続けているのか」
を整理していく時間です。
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それでも、
- 考えても考えても同じところを回っている
- 自分の感覚が、もう一人では掴めない
- 誰かと一度、整理し直したい
そう感じたときは、個人セッションという選択肢もあります。
必要だと感じたタイミングで、ご覧ください。

