「これぐらいしかできない」という思いグセ

これぐらいしかできないという思いグセを持っている女性

「私、彼にいろいろしてあげたいことがあるんだけど、これぐらいしかできなくて」

「子供に色々と与えてあげたいのですが、余裕がなくてこれぐらいしか与えてあげられなくて」

このような「これぐらいしかできない」という思いをいだきやすいタイプの方がいます。

このようなお声を伺うと、そこに込められた切なさを感じると同時に

なんとも謙虚な方なのだろう、と思うことが多いのですけどね。

恋愛、結婚生活、仕事、家事、育児の中で

「これぐらいしかできなくて、申し訳ない」

そんな風に思いながら、毎日がんばっている方がいらっしゃいます。

誰かに「いやー頑張ってますよね」と言われても、これぐらいしかできないんですけど、とおっしゃる方とも言えますけどね。

もうね、こういった話を伺うと、カウンセラーとしてではなく、人として、胸がつまりそうになることがありますよ。

「いや、あなたはきっと素晴らしい!だから・・・」

と、つい言いたくなっちゃう自分がいます。(自制してますけど)

ただ、この「これぐらいしかできない」という言葉は、できればいい意味で変えておくほうがメリットは大きそうなんですよね。

そこで今日は「これぐらいしかできない」という言葉に込められた意味と、いい意味での変化について考えてみたいと思います。

よろしければどうぞ。

「これぐらいしかできない」が示す心理

「これぐらいしかできない」という思いや言葉が示す心理は、無力感に近いでしょう。

できていることにフォーカスしている状態ではなく

「できていることがあっても不十分」という感覚で物事を見ている可能性が高いと言えますからね。

もちろんそうであっても、誰かを思う気持ちには違いがない。

だから、そこにある本当の気持ちは大切にしてほしいんですけどね。

ただ、この無力感ベースの感覚を持ち続けていると

何をやっても(それが十分であっても)自分の言動、与えたものの価値、意味を感じにくくなることが少なくないのです。

だから、前向きな選択肢として「これぐらいしかできない」は手放すことをご提案させてもらうことがありますね。

「これぐらいしかできない」は「もっと与えたい」でもある

ただ、この「これぐらいしかできない」という思いって

僕は「私はもっと(こんなにも)愛してあげたいんだけどね」と解釈できるとも考えています。

それぐらい愛してあげたい、喜ばせてあげたいと思う人が、「これぐらいしかできない」と思うのかもしれません。

そこ、めっちゃ大事にしてほしいんですよ、ホント。

ただ、実際は「これぐらいしか」なんて表現になってしまうなら

自分にどんな気持ちがあったとしても、今の自分では不十分だと感じているのかもしれません。

どこか思いと行動、現実に乖離があってそれが埋められない、という無力感を感じている可能性もありそうですね。

だから、何をやっても(思いはあるけれど)現実に落とし込めない、という苦しさを感じてしまうのかもしれません。

そう感じているうちに、さらに「自分の行動や価値」も感じられなくなっていくこともあるのかも・・・。

「これぐらいしかできない」を手放す方法

さて、「これぐらいしかできない」を手放す方法について考えていきますが、基本的な考え方はシンプルなものです。

要は「これぐらいしかできない」を「私はこれだけできている」に変えるのです。

今までないものばかりに意識が向いていたのであれば

「あるもの」を意識することが重要になります。

が、このご提案をさせていただくと、めちゃめちゃ抵抗感を覚える方も少なくないようです。

「いやね、浅野さん。私はできてないと思うんです。なのに、できていると思うってなんだかおかしくないですか?」

なんてお声を伺うこともありますよ。

ただこれって「ない」「できない」と感じることが正しい、という価値観があるから

「ある」「できている」という価値観を持とうとすることに葛藤するし、抵抗を覚えるものだと思うのです。

つまり

「ない」「できない」と感じていることが正しい(自分や相手のためになる)

なんて考え方があると、「これぐらいしか」という価値観はなかなか手放せないのです。

隠れているのは自分を隠し、自分の価値を下げる愛し方

ここに隠れているのは

「自分を隠し、自分の価値を下げる愛し方」

です。

要は、犠牲することや自分が損することで、相手が得する、相手のためになるという価値観が隠れていることが少なくないんですね。

ただよーく考えてください。

近しい人や恋人、家族の中で

「自分が損することで相手が喜ぶ」

って、なんか妙じゃないでしょうか?

「私のためにこんなに損してくれるだなんて、愛を感じるわ〜」

って妙ですよね?

もし、相手にも愛や与えたい気持ちがあるなら(ある人のほうが圧倒的だと思うのですが)

「自分が存在することで誰かが損するだなんて嫌だ(最悪だ)」

と思うものではないでしょうか?

まぁ人の愛や思い、価値などを奪おうとする人がいるなら、相手が損してくれることで喜ぶのかもしれませんが、それってレアケースと考えたほうが良さそうかな、と僕は思うのです。

多くの愛ある人ならば

自分がいることで相手が損している、と知った瞬間に、その人の前から去りたくなる

なんてことのほうが多いんじゃないでしょうか?(まぁ損するのは相手の勝手と思う人もいるでしょうけども)

つまり、愛する人のために一時的な損や忍耐をすることは会っても

継続的、持続的に自分を認めない、損をする、価値を損なう行動を取ることで愛や思いが伝わることは稀のような気がします。

だから、まぁ自分を満たしてあげるような考え方、感じ方に慣れておくほうが

長い目で見れば恋愛も夫婦関係も対人関係もうまくいくことが増えるはず、と言えそうです。

最後に

僕たちにとって

「自分を認めること」

「自分の感情を整えること」

は、結果的に身近な人や愛する人のためになるわけですね。

つまり「これぐらいしかできない」という思いを誰かに伝えるより

「これだけできる」と感じて、そこから思いを伝えたほうが、恋愛、夫婦、親子などの関係性は良くなるものです。

えーそれって偉そうじゃない?勘違いしてない?ってツッコミこそ、罪悪感の声ですよ。

相手を立てても自分を下げる必要はないわけですし。(自分を下げるから犠牲になるってことですね。)

だから、遠慮せず「これだけできる」と言い換えてみませんか。

それだけで、あなたから周囲に伝わる気持ち、思いが変わってくるものですよ。

ABOUT ME
浅野寿和 | 心理カウンセラー/トレーナー
恋愛・夫婦・仕事・生き方の中で、「ちゃんとやってきたのに、どこか噛み合わない」そんな感覚を抱えやすい人のご相談を多くお受けしています。 正しさや結論だけを急がず、今どこに立っているのかを一緒に整理する個人セッション(カウンセリング)が人気。 キャリア16年・臨床実績10,000件/東京・名古屋・オンライン対応。リピーターさまが多いカウンセラー。口癖は「どんなことにも事情があるよね」。
「読む」から、「私の立ち位置を整える」へ

心理カウンセラー浅野寿和公式WEBのコンセプトは

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