恋愛・夫婦の心理学

パートナーに言いにくいことを伝えるコツや心がけたほうがいいことはありますか?

パートナーに言いにくいことを伝えるコツってありますか?

カウンセリングだけでなく、ワークショップやセミナーでも多くいただくご質問。

「パートナーに言いにくいことを伝えるコツってありますか?」

「私が怒っていることを相手にわかってもらう方法ってありますか?」

本当にこの手のご質問は多いと感じています。

 

まぁ生きていれば「わかってほしいけれど言いにくいこと」ってありますよね。

例えば「相手にやめて欲しいことがある」「私と相手との考えは違う」「相手の意見を受け入れられない」などなど。

そんな思いを我慢して過ごしていても、まぁいらいらやストレスが溜まるだけなのかもしれません。実際に恋愛や夫婦関係の中で我慢に我慢を重ねて「あんた、もうええ加減にしいや〜!」と火山噴火間近なんて状態の方もいらっしゃるかもしれません。

また、私が我慢すればいいんだ、と考えがちの人は更に辛いわけですよね。

あまりに自分の気持ちを抑え込みすぎると、今度は気分の落ち込みややる気の無さ、無感動なんて状態になる可能性もあって、我慢を続けることのデメリットも考えられるわけですね。

だからこそ「言いにくいことを上手に伝えるにはどうしたらいいの?」という疑問をお持ちになるのかもしれません。

ということで、今日はそんな話をサクッとまとめてみます。

よろしければどうぞ。

言いにくいことをうまく伝える方法を考える

さて、実際に「言いにくいことを伝えてケンカになった」「我慢していた気持ちをぶちまけたら音信不通になった」なんてお話を伺うことがありますよ。

今まで我慢に我慢を重ねていて、限界だったからこそ伝えた一言で二人の関係が険悪なものになってしまう、というお話は意外と少なくないもので、下手をするとそれがきっかけで離婚や別れにつながってしまうこともあります。

だから「相手が嫌だと思うことは伝えないように」を気を使いまくっている人もいるのかもしれません。

が、それでは上手なコミュニケーションはできなくなってしまうかもしれません。

では、どう考えたらいいかについて、僕なりに感じる「難易度別」でご紹介していきましょう。

【初級編:1】事実だけを伝えない。自分の気持ちをちゃんと語ろう。

心理学的に「自分の要求な言いにくいことを上手に伝えるなら、自分の気持ちをちゃんと語ること」が重要だ、と言われています。

僕の経験上、恋愛でも夫婦関係でも「言いにくいことを伝えたらトラブった」という話は、結局「これが嫌だからやめて」「どうして〇〇してくれないの?」「これをやめてほしい」という事実や結論だけを伝えているケースばかりです。

要は、あまりに分かりやすく「結論だけ(結論から先に)」話してしまっているということです。

確かに結論から先に話すと、簡潔に伝えたい言葉やその意味が伝わります。

ただ、こうなると相手にはその結論だけが伝わってしまうわけですね。

よく「私、ケンカなんてしたくないのに、いつも人とケンカになってしまいます」というお話も伺うのですけど、これと同じことが起きていたのかもしれません。

どこかで「自分の真意を相手に理解してもらわないと会話が成立しない」なんて状態になっているのかもしれませんね。

まぁそれもある意味しゃーないことだと僕は思うのですよ。そもそも感じていたくない感情を感じながら、丁寧に自分の気持ちを説明するってなかなか困難なことだと思うのですけどね。

ただ、だからといって、言いにくい話の結論だけを伝えてしまうなら、それは自分の事情によるものだ、と考えられるのです。

嫌な気分を引き受けたくないのは自分だ、ってことです。だから相手の事情を見ないまま結論だけ伝えちゃってトラブるわけです。

もちろん何でも分かりやすく簡潔に、という考え方も間違っていないのですが、やはり人と人との関係の中で自分の真意を伝えるには、やはりそれなりの手間をかけて、自分の気持ちを整理し、相手に自分の気持ちが上手に伝わるように工夫することも、お互いにとって意味のあることです。

もし言いにくいことを伝えるなら「自分の気持ち」や「なぜ伝えたいと思ったのか」「伝えたことでどんな自分や相手が気分になるか」「言いにくいことを伝えたけれど、自分が相手のことをどう思っているか」などもちゃんと伝えたほうがいいですよ、きっと。

これらもきっと相手に伝えたいことのはずでしょうからね。

【初級編:2】怒りを上手に伝える方法を考えるより、なぜ怒りを感じるのかと考えてみる

これまたよく伺う話。

「パートナーにめっちゃムカついてるんですけど、いい怒りの表現方法ってありますか?」

「私が怒ってるって分からせたいんですけど、どうしたらいいでしょうか?」

単純に怒っているとわからせたいなら、怒ればいいと思います、ハイ。もちろんあまりおすすめできる方法ではないですよ、と付け加えておきたいと思いますが、分からせたいなら怒ればいいと思います。

 

僕はこのような怒りについてこう考えているのです。

怒りは感情の蓋で、何かしら別の感情をブロックするために感じる感情だ、と。

怒りは二次的感情と言われることもありますけどね。

だから、怒りを伝えたとしても、その怒りで隠している感情を処理できないなら、いつまでも怒りは収まらないってことになるのです。

その結果、ずーっとイライラしたり、文句ばかり言ってパートナーとの関係を壊してしまうなんてことになるなら、それもどうなのかなぁ?と思うわけです。

 

ということで、どうやったらこの怒りを相手に分からせようか?と思うなら、その前に「どうしてこんなに怒りが湧いてくるのだろう?」と考えてみることを僕はオススメします。

ちなみに僕の経験上、「悲しさ」「さみしさ」「恥ずかしさ」「困惑」「不安」「罪悪感」が強いときに、人は怒ることが多いようですよ。

そして、どうしてそんなに「悲しいの?」「さみしいの?」「恥ずかしいの?」「不安なの?」と自分の心に尋ねてみましょう。

その時「誰かがどうのこうの、〇〇してくれないから」と思いついたら、要注意。

自分の感情の責任を相手に押し付けつつ、自分の非力さ(自分では解決できないという事実)を自分で認めちゃっている可能性がありますから、ちょっと受け身で自由のない対人関係の中でしんどい思いをする可能性が強まります。

自分の感情のことは、まず自分で受け入れてみること(受入れられる範囲のことはね)がおすすめです。

例えば、自分が悲しいのは「悲しいときに悲しいと言えないから」ってことが多いものです。

さみしいのは、「さみしいって言えない」とか「さみしいと思うことがいけないことだと思うから」とかね。

そんな「自分の思い込み・事情」が見えてくるはずなのです。

そしてその事情に対処して、自分の本当に伝えたい気持ちを伝えたほうが、まぁ関係もうまくいくし、自分の気持ちもスッキリしますよ。

 

あと、「怒る」と「叱る」はどう違うの?というご質問もよくいただきます。

叱るは、相手のためを思って伝えるべきことを伝えることであり、たとえ自分が嫌われ者や悪者になろうともそれをも引き受ける覚悟のことだと僕は思っています。

だから「私はあなたのことを思って言ってるの!」は叱るとはちょっと違う気がします。相手にどう思われようが、相手のためにこれは伝えなきゃ、という覚悟がないなら、それはただの自分からの要求なんでしょうね。

なので、つい「あなたのことを思って言っているのに」と思っても、自分の気持ちがスッキリしないわけです。むしろどこか嘘をついているような感覚がするはずなのです。

つまり、覚悟を持って相手のために言いにくいことを言うって、愛情だとも言えるんですよ。もちろん伝え方も重要ですけどね。

 

【中級編】「言いにくいことを伝える=悪いこと」と思いこんでいないだろうか?

さて、ここからは中級編。

言いにくことを伝えることが、とても悪いことだという思い込みを持っている方っていないでしょうか?

が、言いにくいことを伝えることも、大切なコミュニケーションの一つ。

言わないことで問題になることも結構ある話なのですよ。

例えば「健康診断の結果が悪かった」なんて話をすれば、パートナーが不安になるから言いづらいなんてケースがそれ。

パートナーのことを思う気持ちがあるからこそ、逆に「健康診断の結果が悪かった自分」が「悪い存在」のように感じてしまい、なかなかその事実を言い出せないわけです。

どこかで「自分が悪い存在」という認識があると、言いたいことは言えなくなるわけですね。

 

そんなときは、言いたいことを言えない自分を含め、「自分のことを悪い存在(迷惑な存在、価値のない存在)だと思いこんでいないだろうか?」と見つめて、自己認識について修正しておくといいでしょうね。

そして、もし「それでも自分は迷惑かも」なとと思うなら、もっと自分のことを見つめて癒やすとき、といえます。

そもそもそのような思い込みの多くは「自分は大切な人の役に立てていない」「大切な人のために何もできていない」といった深層心理レベルの罪悪感の影響なので、自分の過去を含めて「自分のことをどう感じているか」という部分の整理があるといいでしょう。

また「本当に言いにくいことを言うことが悪いことなのか」といえば、意外とそうではないことが多いものですよ。

例えば、「パートナーになにか言うとすぐに傷ついたとか拗ねる態度を取る」というケースで考えてみると、すごく分かりやすいですよ。

どうしてパートナーが傷ついたり、拗ねるとうんざりするのでしょう?

それは相手が傷つく・拗ねるという態度でアテツケてくるから、という解釈もできますが、本当は「そんな愛しづらい態度をとったら愛してあげられないじゃん」ってのが答えのはずなのです。

つまり、愛したいのは私、なんです。

それを受け取らずブンむくれた愛しづらい態度をとっている相手に「勘弁してよ」と思っているわけですよね。この「勘弁してよ」が「言いにくいこと」。

ここで何も考えず「そんな態度取るなんてただのガキだよね」なんて伝えると、いわば宣戦布告状態となるってことはご理解いただけるでしょうか。まぁ分かりやすいけど、全く愛のない話になってしまいますわな。

ここで、一呼吸おいて

「そんな愛しづらい態度を取られると私は困っちゃうんだよ。だってもっと愛してあげたいのにさ〜」

ぐらい伝えてもいいわけです。

愛したいのは私だよ、分かり合いたいのは私だよ、というスタンスを自ら取ることですよ。

このときに「私は誰かの役に立ちたいし、愛したいと願っている素晴らしい人間なんだ」という自己認識が必要になるってことなんです。

自分が悪いと思っていると、なかなかそう思えないってことなんですね。

 

【上級編】人の愛は自分に向いていると理解しておくと、言いづらいと思うこと自体で悩まなくなる

ここから上級編。

これはとても感覚的な話なのでわかりにくいかもしれません。

 

もし、自分自身が「人の愛(少なくとも身近な人の愛)は自分に向いているんだな」と理解し、受け取れるようになると「言いにくいこと」という考え方自体がなくなっていきます。

そして、「人の愛は自分に向いているのだ」と理解するための必要条件は、まず「自分が心から愛する・与える経験を積むこと」にあります。

心理学でいう投影の法則〜自分の感情・感覚・観念を通じて世界を見る〜から、「私が心から愛し、与える」ことで、「人も同じように(正確には同じではないのですが)愛し、与えようとしてくれているのではないか」と感じられるようになるのです。

そもそも人は「自分を愛してくれる人の話や影響は受け入れようと思うもの」なんです。

だから、自分のことを愛してくれている人がいる、という感覚をたくさん感じられるようになると、自然と自分への厳しい言葉も受けいられるようになるし、相手にも「きっと受け入れてもらえる」伝えられるようになっていきます。

そこに「自分の真意を丁寧に伝える」という【初級編1】で書いたことを意識していけば、まぁよほどのことがない限りトラブルにならないでしょう。

 

また、次の「人の愛は自分に向いているのだ」と理解するための必要条件は、「自分に与えてくれた人、愛してくれた人との葛藤を終わらせること」です。

もちろんそうなるには事情があるのでしょうが、自分から他人の愛にケチを付けている状態でいると、「人も自分の愛情にケチを付けるんだろう」という投影にハマってしまいます。

だから、自分が言いにくいことを言えば「私は相手にケチを付けている」と自分が感じるし、人に聞きたくないことを言われたら「相手は私にケチを付けている」と感じるわけです。

それこそ自分の感じ方、捉え方そのものなんです。

その結果、もっと頑張らないと、自分を隠さないと、言いにくいことも我慢しないとと思うようになるのです。

 

なので(これはよくカウンセリングでも扱うテーマですけれど)両親、家族、上司、先輩、先生、友人、などなど、自分より目上、もしくは対等な人との葛藤(過去の葛藤)を終わらせるアプローチが有効になるのです。

まぁ、自分が吐いたツバってのは全て自分に降りかかるってことです。

そこで、感謝や許しを使って葛藤を終わらせていくと、徐々にではありますが「どうやら人の愛は自分に向いているんだな」と感じられるようになります。

自分が許しているし、感謝しているから、相手も同じなんじゃないかしら、と感じられるというわけです。

だから、人の言いにくい言葉も「愛かもな」って思えるし(ただの文句は「ただの文句か」と分かるようにになるし)、自分の言葉にも愛情がこもって、人の心を動かせるようになってくるわけですね。

まさに情け(許し)は人の為ならず、ってわけですねぇ。

 

もちろんこの他にも考えられることはありますけれど、今日はこのへんで。

なにか少しでも参考にしていただけると幸いです。

 

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