甘すぎない恋愛心理学

【読者相談】しっかりしていた私が、不安に振り回されるのはなぜ?

悩む女性

初めまして。失恋してから浅野さんのブログを読み漁っている者です。(主に復縁カテゴリですが…笑)

自分がそれだけ相手を愛していたことに自信を持っていい、という言葉にいつも救われています。

私は大好きな彼と付き合っていた時から、別の方のカウンセリングを受けていたのですが、当時は馬耳東風というか自分の不安でガンギマッていて、カウンセラーさんのアドバイスをまったく実行できていませんでした。

しかし結果的に振られることになり、カウンセラーさんの言う通りだったなぁと感じると共に、依存先が彼からカウンセラーさんになっていきそうで怖いです。

例えば、不安に飲み込まれたらすぐカウンセリングを予約してしまう、自分一人でどうやって不安をやり過ごせばいいか分からない、など。

一人でいた時の、「自立してる」「しっかりしてる」「落ち着いてる」とよく言われていた頃の自分がよく分からなくなってしまって・・・。

寂しさや不安を押し殺していたせいで、急に頼れる人ができて甘えてしまっているのだと思うのですが。

私はアダルトチルドレンで、自責がものすごく強いと言われました。
一人でいる時でも楽になる考え方など、教えていただけないでしょうか。

ネタ募集ネーム:ゆかりさん

ゆかりさん、この度はネタ募集にご協力いただきましてありがとうございますm(_ _)m

「自立してるね」「落ち着いてるよね」

そう言われていた自分が、いま、誰かに頼りたくてたまらない。

不安に飲み込まれそうで、気づけばすぐにカウンセリングを予約してしまう。

なるほど、って思いますよ。

おっしゃるとおり、「急に頼れる人ができて甘えてしまっている」とも言えますが。

むしろ「頼れる人ができたことで、今まで隠していた自分の気持ちと向き合い始めたサイン」かもしれませんね。

では、少し解説を加えながら、ご質問にお答えしたいと思います。

“しっかりしてた自分”は、感情をしまい込むことで成り立っていた

自立していた、落ち着いていた、しっかりしていた。

それは間違いなく、あなたの素晴らしい側面です。

でも同時に、それは「誰にも迷惑をかけないように」「ちゃんとできているように」と、
“感情の処理を一人で背負ってきた結果”でもあります。

つまり、「感情を自分の中に押し込めていた」「感じないようにしていた」

そんな時期でもあったのではないでしょうか?

頼れる存在ができると、隠していた不安があふれてくる

今回の相談では、「恋人との別れ」と「カウンセラーへの依存」が重なっています。

これは心理的にとても興味深いことでもあるのです。

なぜなら、“誰かにちゃんと頼れる状況”ができたとき、それまで押し込めていた不安や寂しさが、一気に吹き出すことがあるからです。

人は本当にひとりぼっちのとき、意外と感情を感じにくいものです。
誰かがいるからこそ、感情は出てくる。
そして、出てきた感情の扱い方がわからずに戸惑う・・・。

まさに今、あなたの中で起きているのは、「不安が強くなった」のではなく、「ようやく不安が表に出てこられるようになった」という現象なのかもしれません。

ただ、この不安がパートナーとの間だけで出ると、確かに関係のバランスを崩してしまうことになる。

しっかりしてる自分でいた時期があるからこそ、いざ感情が出ると、「私ってこんなに弱かったっけ?」と戸惑うこともありますよね。

多く、僕もカウンセリングの中でこのようなご相談を扱わせていただいてきましたが、「パートナーとの関係でようやくでてきた不安」って、本当に扱い方が難しいんです。

つい、パートナーに自分の気持ちを持ってもらいたいと思いやすい状況でもありますからね。

とはいえ、その不安をパートナーに持ってもらう戦略を続けてうまくいけばいいですけど、そうじゃない場合は関係がこじれますからね。

兎にも角にも、恋愛でも、今ご利用になっているカウンセラーさんとの関わりでも

「今までの自分とは違ったらしくない自分(とあえて書きます)」が、でてきてしまうこともなり、自分自身が困惑することも少なくなかったのではないでしょうか?

いまは、「気持ちとの付き合い方を覚える時期」

だからこそ、今からのプロセスは「とても大切なもの」と言えます。

「不安が出てくることを責めないこと」。

そして少しずつ、「今の気持ちと付き合える感覚」を育てていきましょう。

ここで、昔の「不安を封印する自分」に戻ることも選択肢のひとつなのですが、不安は封印するより「うまく付き合うことを考える」ほうが、心や体にも優しい選択肢となることが多いです。

まぁ、とんでもない不安に飲まれてどうにもならん、という状態になるなら、「不安を感じる要因(誘引)と距離を置く」という現実的な選択も視野に入れたほうがいいんですけども。

そうではなく、まだ扱えるような感じがするなら、その気持ちと向き合うことがおすすめです。

たとえば、セルフワーク的に扱うならば

  • 感情を言葉にしてノートに書く
  • 「私は今、不安なんだね」と心の中で声をかける
  • 「大丈夫」より、ただ「そうだよね」と共にいる感覚をつくる

このような「自分の存在を、自分がちゃんと受け止めていく」ための練習がオススメではあるんです。

ただし、注意点もあります。

これは「孤独に耐えながら不安を引き受ける訓練」ではないのです。

だから、自分の心のクセがついつい自分の中に引きこもりがちとなっていたり、一人で耐え続けることに価値を見出してしまうなら、「そう感じる前提」から見つめていく必要が出てきます。

なので、もし「一人で耐えないとなぁ」と思うなら、そこからカウンセリングなどで見つめ直すのがオススメかな、とは思います。

とはいえ、誰かに引き受けてもらうことが目的でもありません。

なので、カウンセラーと二人三脚で「自分の感情とうまく向き合うこと」を進めていく感じになると思いますよ。

少なくとも僕のカウンセリングスタイルは、そんな感じで向き合わせていただいている感じではあります。

「自己存在感」を高める感情との向き合い方がおすすめです

これは僕の考え方になりますけど、こういったときほど「自己存在感」を注視した感情との向き合い方がオススメなんです。

もしかすると、今のゆかりさんは、自分の「感情の居場所・置き場所」を探している状態なのかもしれません。

でも本来、「不安を感じている私」も、「泣きたくなる私」も、「ここにいていい」と思えることが、心の回復にはとても重要です。

それが、自己存在感を注視した扱い方なんです。

自分を否定せず、感情を排除せず、「今の私」がそのままここにいていい、と感じられる感覚。

それを少しずつ育てることで、不安や寂しさは「消える」ものではなく、「一緒にいても大丈夫なもの」になっていきます。

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最後に

確かに依存先が変わるだけ、と思うと考え込んでしまうかもしれません。

ただ、今のあなたはダメになっているわけじゃないのかもしれません。

「自分と向き合う時間が来た」

そう考えてみてはいかがでしょうか?

そしてそれは、今まで誰にも見せてこなかった“心の奥”を、ようやく自分自身が受け止められるようになったという、ある意味”尊いサイン”なのかもしれませんし。

どうか焦らず、ひとつずつ、自分と一緒にいてあげてくださいね。

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浅野寿和 | 心理カウンセラー/トレーナー
恋愛や夫婦関係、仕事、対人関係、生き方の”こじれ感”を「甘すぎない心理学」で解決。ただ、気持ちを受け止めるだけでなく、背景にある心理構造や関係性のパターンを整理し、「現実的で納得できる選択」を一緒に探っていきます。 臨床実績9000件/東京・名古屋・オンライン対応。
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