『別れを考えたい』と言われたときの心理|傷つく理由と、根っこにあるもの
こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
急にパートナーがこう言いはじめた、なんてお話を伺うことがありますよ。
「少し、関係を考えたい」
……いや、それどういう意味やねんって思いませんか?
別れるとも言わない。
でも続けるとも言わない。
何を考えたいの?どうしたいの?
そう聞いても明確な答えはない。
わたし、宙吊りのまま。地味に苦しい・・・。
そりゃしんどいですよ。
僕も同じ立場なら「いや、ハッキリせえよ」とか思うと思いますけど(笑)
ただ、その言葉の根っこを少し掘ると、意外なものが出てきたりするんですよね。
今日はその話を、ちょっとだけ一緒に見てみましょう。
Index
「考えたい」という言葉の根っこにあるもの
「別れを考えたい」という言葉。
よほど身勝手な人でない限り、これって
「今のままじゃ、お互い幸せになれない気がする」
という思いから出てきていることが多いんですよね。
つまり、相手はあなたの幸せを、どこかで考えているかもしれない。
だとすると、その言葉の奥に、愛があるかもしれないんです。
……ま、そう言われても「そんな愛いらんわ」となるのは分かるんですけどね。
でも、「どうしたら関係を続けられるか」だけを必死に考えていると、その愛が見えなくなることがあるわけですよ。
よって、相手の気持ちを否定する方向に爆走することもあるんですよね。
別れを考えると言われて深く傷つく人に共通していること
僕がカウンセリングで感じてきたことなんですが、こういった場面で深く傷つく人には、ある共通点があるように見えます。
「与えることを善として生きてきた人」なんです。
誰かを幸せにしたい、相手に良くしたい、不安でも忙しくても、好きな人のことをちゃんと考えている自分でいたい。
そういう思いで一生懸命やってきた。
それは本当に美しいことだと思いますよ。
ただ、与えることに一生懸命な人ほど、相手の気持ちを受け取ることが苦手なことがあって。
これもメンタライゼーションの一つだと思うんですけど。
メンタライゼーション(Mentalization)とは、自分や他者の行動の裏側にある、感情、思考、意図、欲求などの「心理状態」を想像・理解する能力のことです。
「心で心を思うこと」とも表現されますね。
なんていうか、受け取ることが、どこか稚拙に感じられる。
「誰かの手を借りないと生きていけないみたいで、嫌」
みたいな感覚がする人も少なくないんですよね。
あるいは、誰かの手を借りても良いことがなかった、という経験から学習して、最初から相手に期待しないくせがついている人もいる。
だから無意識に、受け取らない。
場合によっては、受け取らなくていい相手を選んでしまう。
……なかなか切ない話なんですが、これ、結構よく見てきた光景なんです。
愛されたい気持ちはあるのに、なぜ受け取れないのか
愛されたい気持ちはある。大切にされたいという気持ちも、ちゃんとある。
でも、受け取れない自分のことは、見えていないことが多いんです。
見えているのは「与えれば、きっと返ってくる」という予測だけで。
その予測が崩れたとき、
つまり、「別れを考えたい」という言葉を受け取ったとき、どこか詰んだような感覚になるんじゃないかと思っていて。
だから深く傷つく。
それ、与えてきたから傷ついたんじゃなくて、受け取ることを後回しにしてきたから傷ついた、という側面もあるかもしれないんですよね。
……余計なこと言うな、という声が聞こえてきそうですが(笑)
なぜ「受け取れない」人が生まれるのか
ちょっと視点を変えた話をします。
愛されて育った人って、受け取ることが比較的できるんです。
愛されることが「当たり前の体験」として身体に馴染んでいるから。
一方、あまり愛されなかったと感じている人は、大切な人の思いに「応えようとする意識」が強くなることがある。
関係を作るとき、与えることで繋いでいく意識が強くなりますからね。
どちらが正しくて、どちらが間違っている、という話じゃないんですよ。
どちらも、それぞれの事情の中で育まれてきたものだから。
むしろこれ、補完関係にあると思うんです。
与えることに長けた人と、受け取ることに長けた人が出会う。
お互いが持っていないものを持ち寄っている。
本来そこに、深い愛の可能性があるはずで。
でも、それがうまくいかなくなるとしたら、補完関係がうまく機能していない状態が続いているのかもしれないですね。
……なんか綺麗にまとめようとしてしまいましたが、まぁそういうことです。
最後に
「別れを考えたい」と言われてしんどいとき。
相手への怒りや悲しみの奥に、もう一つ問いがあるかもしれません。
「自分は、それだけ大切にされる存在だという自覚が、どこかにあっただろうか」と。
その問い、少し怖いかもしれないですね。
でも、そこに触れることが、関係を前に動かす一歩になることもあるんじゃないかと思っています。
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