夫婦のための心理学

「相手の立場に立って考える」と恋愛がうまくいく理由を解説します

目の前位にある確かに相手の立場に立って考えると恋愛がうまくいきやすい

押しまくる恋愛をする男女

「相手の立場に立って考える」

みなさんもそんな言葉を聞いたことはないでしょうか。

相手の立場に立って考えるという視点は、対人関係や恋愛などをうまくいかせる秘訣の一つなんです。

ただ、職場や友人関係では「相手の立場や都合を考えることができる」としても

なぜか、恋愛や夫婦関係となると、気づかないうちに自分本位なコミュニケーションを続けてしまうこともあるようです。

その結果、大好きだと思っていた人とお別れすることに・・・。

そんなケースを僕自身何度も担当させていただいてきたような気がします。

ただ、そんなお悩みを抱えた方が、恋愛の中でも

「相手の立場に立って考える」を実践されるようになると

今までの恋愛とはひと味ちがう関係を構築されていくことも少なくありません。

(もちろん相手のあり方にもよる、という話でもありますけどね。)

特に、私なりの愛も優しさも与える気持ちもちゃんとあるのに、幸せな恋愛だけが得られない。

そんな皆さんにとって「相手の立場に立って考える恋愛」は幸せの秘訣、と言えそうなんですね。

そこで、今日は「相手の立場に立って考える恋愛」とはなにか、どうすればいいのかについてコラムにまとめていきます。

よろしければどうぞ。

「相手の立場に立って考える」の意味

相手の立場に立って考える女性

「相手の立場に立って考える」とは

「自分が相手の置かれている状況や立場にあるならば、どのような考え、発言、行動をするだろうか」

と相手の気持ちや考え、を読み取ろうとすること、そのような意識の持ち方を意味します。

ポイントは、あくまで「自分が相手の立場だったら」と想像するという部分です。

僕たちには

「自分のことを分かってほしい・理解されたい・興味を持ってもらいたい」

という欲求があります。

つまり、相手が持つこのような欲求に対して与えるように

「自分から相手に興味を持つ」ということこそが

相手が好感を抱き、こちらからの愛情や信頼感を伝える大切な要素なのです。

たとえ、相手のことを正確に把握できなかったとしても、懸命に理解しようという姿勢に人は好感を抱きやすい、と言えるのですね。

これは恋愛のご相談の中で伺うことがある

彼に私のすべてを分かってほしいとまで思っていないし、そんな期待はしていないんです。でも、私に興味を持ってくれないとしたら、それは嫌だし許せないって思っちゃいます

というお声が如実に表している、と言えるでしょう。

「相手の立場に立って考える」とは必ずしも「相手を正確に理解すること」とは言えない

ただし、「相手の立場に立って考える」ことは

「相手のことを正確に理解して、その状態を把握する」ということと常に一致しているわけではないのです。

もちろん相手のことを理解できているなら、それは素晴らしいことです。

また、相手の立場に立って考えることを実現するなら、自分自身様々な人や物事と関わり、経験を積み、そこから様々なことを学習しておくといいのでしょう。

ただ、相手に対していくら正確な答えだけを投げても、なかなか良い反応が得られないことも多々あるわけですよね。

なぜなら僕たちには

相手に興味を持ち、想像し、思いを馳せることによって

人の優しさ、親密な感覚、信頼、情愛などを感じやすくなる

という側面があるからですね。

恋愛で相手の立場に立って考えることができなくなる3つの理由とその心理

さて、職場や友人関係では「相手の立場や都合を考えることができる」としても

なぜか、恋愛や夫婦関係となると、気づかないうちに自分本位なコミュニケーションを続けてしまうとしたら、それはなぜなのでしょうか。

実は、恋愛の中で相手の立場に立って考えることができなくなる理由(心理)は

大まかに分けて

  • 自分の正解を相手に投げ続けてしまうパターン
  • 無力感を感じることが嫌すぎるパターン
  • 恋愛相手に依存してしまうパターン

の3つに分けて考えることができます。

自分の正解を相手に投げ続けてしまうパターン

自分の正解を相手に投げ続けてしまう、とは

「相手に興味を持って関わるのではなく、自分の中の正解を相手に伝えつづけてしまう」

と言う意味です。

例えば、

  • 「あなたの望むものは全部与えてあげる」と与え尽くす人。
  • 「あなた好みの彼女になるね」と相手の意志を確認する前に自分のすべてを与えちゃえる人。
  • 「どんなにつらくても私はあなたのことが好きだから耐えられるわ」と相手の気持ちを考えること無く忍耐を続ける人。

形は違えど、様々な形での「自分の正解を投げ続ける恋愛の形」が存在するわけです。

もちろん押しまくる恋愛をする方のお気持ちは

「自分なりに相手のことを思っている」

でしょうから、そういったお気持ちを批判することなんて僕にはできません。

ただ、もし大切な人と恋愛関係になったなら、多くの人が

「お互いに興味を持ち合って関わり合いたい」と思う可能性は非常に高いのです。

すなわち、相手はあなたに興味を持ち、あなたの立場に立って物事を考えようとしているかもしれないのです。

しかし、こちらが相手に興味を持てず、自分なりの正解ばかり投げ続けているとしたら、この関係はどうなってしまうでしょうか。

ここに「自分の正解を投げ続ける恋愛」がうまくいかない理由があると言えます。

もちろん、こちらの善意を相手に与えることが悪いわけではありませんよ。

ただ、自分の正しさを全面に押し出すことが、悪意なく相手の気持ちを尊重できないことにもつながる、と覚えておきたいところですね。

無力感を感じることが嫌すぎるパターン

恋愛の中で相手の立場に立つことが難しいと感じる人の中には

「相手のために与え尽くせる自分でないと価値がない」といった観念や

「相手に与えられない自分になることへの怖れ」を強く抱いている人がいます。

これは自分を支える自尊感情が

「基本的自尊感情<社会的自尊感情」

となっている場合に見られる場合がある、とも言えますね。

要は、自分自身の社会的な価値、意味、ステータス、能力によって自分を支えている部分が大きい、という感じです。

逆に、ありのままの自分が愛されているだとか、ありのままの自分を相手が受け入れてくれている、と少し感じにくくなっているのかもしれません。

すると、恋愛の中で

「相手の立場に立って自分のことを想像することが不安(愛されていなかったらどうしよう、と思っちゃう)。

だからこそ、こちらの正解や善意を伝え続けたくなる」のです。

ここには「無力感」やそれに伴う怖れが影響している場合もありますね。

例えば

「与えられるものが何もない無力な自分を受け入れたら、本当に愛されなくなる」

という気持ちが隠れていることも少なくないのですね。

恋愛相手に依存してしまうパターン

職場や友人関係では「相手にそこまで依存しない」という人の中には

パートナーには、気づかないうちにめちゃくちゃ依存してしまう、という人がいます。

例えば

普段は、人に対して上手に依存しない、もしくは他人の依存を引き受けるように過ごしてる方の中には

恋愛や夫婦関係など、いわゆる依存心が出やすいシーンで、ドバって依存心が出て止まらなくなってしまう、なんてことが起きる場合もあるのです。

確かに「普は見せない依存心をパートナーには見せる」ということに、一定の「パートナーへの信頼」を見ることができるとも言えるんですよね。

ただ、依存側が相手の立場に立って考えながら関わっているか、というと

意外とそうではないことも多いのかもしれません。

中には、パートナーを自分の所有物のように感じる人もいますし、親など自分の面倒を見てくれる人のように感じている人もいらっしゃるようです。

こうなってくると「相手の立場に立って考える」より

「自分の立場を相手に考えてほしい」

という気持ちのほうが強くなっていくでしょう。

相手の立場に立って考える恋愛を実践するメリット

相手の立場に立って考える恋愛とは

「目の前にある相手の気持ちのあり方に興味を持って反応してあげる与え方」を実践すること

と言い換えられますね。

ただ、ぶっちゃけた話をすると

僕たちにとって、相手がたとえ恋人や結婚相手であったとしても、相手の気持ちを正確に推し量ることは難しい、と言えます。

それはある意味「大切な人と長く深く関われば関わるほど感じる謎のようなもの」でもあるんです。

しかし、

「相手の気持ちのあり方に興味を持って反応してあげる与え方」

を実践することができると

「相手もこちらの立場に立って考えてくれているのだろう」

と感じやすくなります。

これは「自分が行っていることであれば、相手が同じ意識や行動を取ったときに、その意図が理解しやすくなる」という話でもありますね。

見方を変えれば、一つの「投影」の結果とも言えるんですよ。

つまる、「相手の立場に立って考える」を実践することで

自分が相手からいかに興味を持ってもらい、愛されているかが実感しやすくなる

と言えるのですよね。

このような実感が得られるようになると

たとえ、相手のことがすべてわからなくとも

相手に対しての正解を導け出せなかったとしても

お互いに信頼しあうことが可能になったり、お互いが相手をまるっと愛する意識を持ちやすくなるわけです。

ここに「相手の立場に立って考える」ことの大きなメリットがあるといえるんですね。

最後に

最後になりますが、多くの方が

「好きな人には自分の気持ちを知っておいてもらいたい」

と思うものではないでしょうか?

それは自分だけでなく相手だって同じ。

他でもないあなたに「共感してもらいたい」と思う人だっているはずなんです。

それぐらいあなたはパートナーにとって重要な他者であること、受け取っているでしょうか?

そして、そのような分かり合う経験・関わりこそが、そこはかとない「愛し合う喜び」を感じさせてくれるもの、とも言えるでしょう。

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