こんにちは。

心理カウンセラーの浅野寿和です。

今日もいただいたご質問にお答えしています。

いただいたご質問はこちら

先日は相談へのご回答をありがとうございました。

折に触れて読み返しています。

「私の幸せを希求する」をやってみようと思ったとき、何も感じられませんでした。

ですが、最近、本当に遅ればせながらの婚活を始めたとき、自分の「こんな人がいい」を想像することにとても抵抗感があることに気づきました。

「もういい歳なんだから」と、心がほとんど動いていない相手に「わがまま言える立場じゃないし、相手は気に入ってくれてるんだから、断りづらいし」と、頭で必死に「この人にしなさい」をやっています。

結局選べず、おまけに疲弊して、寝込むことになります。

「来るなら来いよ、のスタンスでやりなよ!」
「あなたって見た目は女王様に見えるから、それでいいのに」
「もっともっとランク上の男いけるのに」

というのが女友達、先輩からの姦しいアドバイスで、強気に楽しんで選ぶ!くらい、気軽にやりたいのに、生まれてこのかた恋が楽しかったことはありません。
婚活なんだから、恋とか言ってらんない、条件見て、安心できるような。。。と、また思考が優位になります。

自分の価値を、認めてあげることが難しいです。「顔と体だけの女」と、思っているところがあります。本当には大切にされない、と。

どうしたら、男性との関わりの楽しみを思い出せるでしょうか?

ネタ募集ネーム:ポーチドエッグさん

ポーチドエッグさん。再びご相談を寄せてくださり、ありがとうございます。

前回の回答も折に触れて読んでくださっているとのこと、とてもありがたいです。

さて、今回いただいたご質問を拝見して、まず僕が感じたのは・・・

恋愛や婚活そのものよりも、もっと根っこのところにある「近しい人との関わりへの抵抗感」や「怖れ・不安」に焦点を当てる必要があるのでは?ということなんです。

その視点からこのご質問に対して、僕なりの見解をお伝えしたいと思います。

あと、このようなご質問をくださることはほんとありがたく、おそらく同じような反応で困っている方の参考にもなると思うのですね。

お気遣いいただきましたけど、大丈夫ですよ。


なぜ婚活が「楽しくない」のはなぜか?

「婚活が楽しくない」
「恋なんて言っていられない」
「条件で選ばなきゃ」

こういう言葉って、実はカウンセリングの中でもよく耳にする言葉なんですね。

もちろん婚活は現実的な選択の場なので、「条件」を意識するのは自然なこと、といえるかもしれません。

ですが、今回の文面を読む限り、それだけではない、もっと深い心理的な事情が関わっているように僕は感じたのですよ。

一言でいうと、「防衛のサイン」 が強く出ているんですね。

防衛って、なに?

心理学でいう「防衛」とは、自分を守るために心が無意識に働かせている仕組みのこと。

たとえば、いただいたご質問にある言葉を使って解説すると・・・

  • 「条件で選ぶ」ことにこだわる
    →本当は近しい関係に踏み込むのが怖いから、合理的な理由で距離を取ろうとする。
  • 「恋を楽しめない」と感じる
    →「恋を楽しめるぐらい近づいてしまったら、もっと傷つくかもしれない(相手を傷つけるかもしれない)」という予防線。
  • 「私は顔と体だけの女」と思う
    →「人として大切にされない」と決めてしまうことで、関係の失敗を先取りし、自分を納得させようとする。

こうした考え方は、一見するとネガティブで自己否定的に思えるかもしれません。

ただ、じっくり眺めていくと 「これ以上傷つきたくない」という心の反応であることも少なくないんです。

こういった反応が出るには理由や事情があるでしょうし、反応自体は今は「起きるべくして起きている」と考えたほうがいいと思っています。

その上で、幸せな恋愛や結婚を実現していくことを想定するならば、その反応をどう扱うかについて考えたほうがいいと思うのですよね。

まぁ、急いで楽しもうとするより「楽しめない私って、どう自分を守っているんだろう?」と眺めることからはじめてみる、といいますか。

ありがちな恋愛の防衛メカニズム

ここは一般論になりますけど、いい機会なので「恋愛の場面でよく見られる防衛反応」を、いくつか説明してみますね。

  1. 理屈の防衛 例)「条件で選ばなきゃ」「年齢的にわがままは言えない」
    →気持ちよりも理屈を優先することで、不安定な感情から距離を取ろうとする。
  2. 先取りの防衛 例)「私は本当には大切にされない」
    →相手にそう言われる前に自分で決めてしまうことで、拒絶の痛みを軽くしようとする。
  3. 役割の防衛 例)「強気な女王様でいれば安心」「尽くしまくる私でいれば安心」
    →本当の弱さや不安を見せないように、キャラクターを演じて心を守る。
  4. 回避の防衛 例)「恋なんて言ってられない」
    →そもそも「恋」を遠ざけてしまえば、恋による傷つきも感じなくて済む。

こうした防衛は、そうなる事情があれば、誰にでも起こり得ることなのかもしれません。

だから、僕は悪いことではなく、むしろ「今を生きるための戦略」と言ってもいいと考えています。

ただし、防衛の反応が出続けることで、自分が本当に求めているもの(安心、愛情、理解)に近づくのが難しくなってしまうというパラドックスがあるとも言えるんですね。


「自分の価値を認めてあげることが難しい問題」を見つめ直す

ここで、恋愛の悩みに付きものと言っていいかもしれない

「自分の価値を認めてあげることが難しい問題」

を見つめ直してみたいと思います。

恋愛やパートナーシップの問題って、いわゆる「自己価値」や「魅力」に関する視点で語られることが多いと思います。

それも間違っていないと僕は思うのですよ。

ただ、だからこそ、どうしても自己価値や魅力という論点でしか語られない、意識がそこに向きがちだ、とも思うのです。

ただ、もし・・・

自分自身に「近しい人と近づくことに対する防衛反応が強く出ている」と仮定するならば、自己価値を上げる、魅力を受け取ることは、逆に「近づく動機」を強化するはずなんですね。

つまり、心から「めっちゃ危ないというアラートサイン」が出やすい状態になる、ということ。

そのサインを無視して自己価値や魅力を受け取ろうとしても、なかなかうまくいかないことが多いみたいですよ。

その結果、無理をして「寝込むほど消耗してしまう」としたら、本当に辛いことですよね・・・。

ただ、もしそういった反応が出続けているなら、無理をせずに一度立ち止まることもありなのかもしれません。

・・・「そうも言ってらんないんすよ〜」というお気持ちも理解できますけども、ね(^^;

心のサインはやはり無視できないもの?

今回のご質問を読ませていただいて

いわば「防衛の反応を無視してまで男性と近づこうとする」ので、女友達や先輩のアドバイスを「姦しい」と表現してくださっているようにも思えたのですよ。

また、このように書いてくださっているのではないか、と思うのです。

心がほとんど動いていない相手に「わがまま言える立場じゃないし、相手は気に入ってくれてるんだから、断りづらいし」と、頭で必死に「この人にしなさい」をやっています。

もっと言えば、「心が動いていないことで、相手に申し訳ないと思いながら関わろうとしている?」とも思える表現ですよね・・・。

もしそうだとすれば、これって自己犠牲になりかねないし、自分自身の中に罪悪感が湧き出す理由にもなる。

そもそも誰も悪くないのに、恋愛や婚活をするたびに気持ちが重苦しくなってしまうんですよね・・・。


「楽しめない」のは心が発する重要なサイン

また、婚活や恋愛を「楽しめない」のは自分に問題がある、と自分を批判的に見すぎることもまた問題を作るのかもしれません。

今回の場合はむしろ、心が「まだ安全じゃない」とブレーキを踏んでいるサインと考えてみる方が良いのかもしれません。

このブレーキを無視して「もっと楽しめ!」と自分に言い聞かせても、うまくいかないのは「あなたが悪いから」では決してないのです。

大切なことは、まずブレーキの意味を理解してあげることなんです。

その上で、上手な付き合い方を考えていくこと、なんですね。

自己存在感と防衛の関係

ポーチドエッグさんが伝えてくださった言葉には、どこか自己存在感(自分が“存在していい”と感じられる感覚)の揺らぎが見えかくれする、そんな気さえします。

もちろんそれが悪いことだと言っているわけじゃありません。

そのような思いを抱えながらも、ポーチドエッグさんご自身が大変に葛藤され、頑張ってこられたのではないか、という意味です。

本来、人は「ただここにいる」だけで存在価値があるはずです。

「私が今、ここにいて、何かを感じ、何かを思っている」

そういった感覚を持つことが「自己存在感を持つ」ということなんですけどね。

だとしたら、一見ネガティブに見える時自分の中の反応にも、意味があるのでは?と捉えてみてもいいのかもしれません。

(ただ、あまりに強力な反応が出るなら、一人で向き合うより心のプロと向き合うことをおすすめしますけどね。)

また、近しい関係への怖れが強く出ると、人と関わることで得られる安心感、自分自身の存在に対する肯定感などを得ることが難しくなる場合があります。

だから、あえて「見た目だけ」「利用されるだけ」と思い込むことで、自分の存在全体を守ろうとする、なんてことも起こり得る。

これは問題なのではなく、見つめ直しや、支援・援助が必要な部分なんだと思います。

防衛を理解することで広がる選択肢

また、防衛の反応を悪者扱いする必要はありません。

むしろ「私の心はこうやって守ろうとしているんだ」と理解できれば、その分だけ選択肢が広がります。

「条件で選ぶ自分」も「恋を楽しめない自分」も、「顔と体だけと思ってしまう自分」も、全部「あなたなりの自分を守るための工夫」なのではないか、と僕は思っています。

もし、そう理解することができるならば、あなたも、あなたの心も、今まで必死に生き抜いてきたということになりはしないでしょうか?

それは批判されることではないのではないでしょうか?

もし、そういった視点が持てるならば・・・

「じゃあ私はどう守りたいのか?」「本当はどうなりたいのか?」

と、次の問いを持つことができるようになるのではないでしょうか?

この先に「私の幸せを希求する」という部分が見えてくるのではないか、と僕は思います。

婚活を「課題解決」から「自己理解の場」へ

また、婚活を「早く結論を出さなきゃいけない場所」と思うのではなく

自分の反応に気づく場所」として捉えてみるのも一つの方法かもしれませんね

たとえば

  • 「なぜ私は条件を優先するんだろう?」
  • 「なぜ恋を楽しむことに抵抗があるんだろう?」
  • 「なぜ私は“本当には大切にされない”と感じるんだろう?」

そんなふうに問い直すことで、「楽しめない自分」を否定するのではなく、「楽しめないほど怖さを抱えている自分」を理解することにつながります。


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最後に

ポーチドエッグさんが「どうしたら男性との関わりを楽しめるか?」と考えておられるのはとても自然なことです。

ただ、僕からの答えをまとめると、若干スカした感じがするかもしれません。

「楽しめるようにする」よりも、「楽しめない意味を理解すること」が先なんじゃないかな。

特に「心が自分を守ろうとしている」なら、その反応は無視しないほうがいいわけで。

この視点を持っていただけると、きっとご自身に優しくなれるはずです。

そして、本当は「恋愛や婚活、男性との関係を大切にしたいと思える自分」に立ち戻ることができるのではないでしょうか。

どうか「楽しめない私」を責めずに、「必死に守ろうとしている私」を理解してあげてくださいね。

その理解が、やがて「楽しめる心の余白」を生んでいくと思います。

そして、もし僕でなにか支えになれることがあれば、いつでも協力しますので、一人で抱え込まずにいてくださいね。

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浅野寿和 | 心理カウンセラー/トレーナー
恋愛・夫婦・仕事・生き方の中で、「ちゃんとやってきたのに、どこか噛み合わない」そんな感覚を抱えやすい人のご相談を多くお受けしています。 正しさや結論だけを急がず、今どこに立っているのかを一緒に整理する個人セッション(カウンセリング)が人気。 キャリア16年・臨床実績10,000件/東京・名古屋・オンライン対応。リピーターさまが多いカウンセラー。口癖は「どんなことにも事情があるよね」。
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